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Devise 03
これがないと始まらない



◆ 予備知識満載 ◆

今回のお話は、交配です。
播種(種蒔き)するのはいいけど材料がなければできませんよね。
せっかくなので自分のオリジナル品種の作出を目標にやってみましょう。
っというか、それを目的にしないと意味がない!

もうご存じの方も多いと思いますが、交配のやり方などを説明したいと思います。
自然界のラン科植物のほとんどは虫などによって受粉が行われてきました。
ダーウィンの進化論にも登場するほどで、その進化は虫と共に歩んできた
と言っても過言ではないでしょう。

ダーウィンさんが目をつけたのがマダガスカルのアングレカムです。
アングレカムは「
(キョ)」という部分が長く、距の奥の方に甘い蜜
入っているのですよ。
長いものでは30cmにもなります。
ダーウィンさんは言いました「この蜜を吸いに来る『者』がいるはず・・」
昆虫と共に進化している植物ですから、進化の過程で一緒に歩んだ
昆虫が存在するはずだ、、っと。
ダーウィンさんが死んだ後に、めっちゃ長い舌を持った蛾の存在が
確認されたという。
閉鎖された島の中で独自の進化をしてきた植物達は
面白いものがいっぱいです。
日本もそうですが、オーストラリア、マダガスカルなど。
日本人のみなさんは、日本にいる事を誇りに思い、
大切に守っていかなければいけませんよ!?
(調子ノッてきたから説教だぃ!!)


さて、交配の話に戻りますが、、、
交配する作業は簡単です。
しか〜し!ただ「交配しようかな」だけの目的では駄目です!
絶対駄目!弥夜が許さん!
やるからには、考えて考えてカン変えて?
どんな子孫を残したいのか!?どんな品種を作りたいのか!?
自分は何がやりたいのか!?それが重要。
決して安易な考えでやってほしくないですね。

何年もかけてその結果を見るものなので、慎重に選びましょう。
だから「咲いていたから交配しました」という事がないようにして下さい。
ランにとっては、子孫を残す重要な事であり、
母株にも相当な負担を掛けます。自分の身を削って行う事ですので
それをちゃんと理解してあげる必要がありますね。
目的や目標はしっかり立て、無意味な事は出来るだけ
しないようにしたいですね。
きちんと理解していれば、たとえ失敗しても無駄にはならないはずです。

今回は、ラン科の中で最高峰クラスまで進化したと言われる、
単茎性でお馴染みのファレノプシスでやってみたいと思います。
バンダ系も進化の頂点辺りの位置にある属ですね。
どの辺かは知りません。

ラン科植物進化の頂点クモランらしいです(ら・し・い・です)
本当の頂点ではなくても、ファレノやバンダよりも進化した
存在だと言うのは事実でしょうね。
ポリリーザも同様なんでしょうかね、、無葉ランと言うヤツですが。


クモラン(蜘蛛蘭=Taeniophy aphyllum)は葉をもたない
着生蘭で、根には葉緑素があり、灰緑色をしている。
本州群馬県以西、四国、九州に分布し、樹幹にへばり付いている。
ポリリーザ属とどこが違うんだ!!(花かな?)
ご存知でしょうが、
単子葉植物の中でもラン一番進化した植物です。

ちなみに、キク科の植物は
双子葉植物の中でもっとも進化した植物群
帰化植物だけでも日本中に100以上あるそうです。

双子葉植物とは、種から発芽した葉(子葉)が2枚展開する植物。
逆に、
単子葉植物とは、子葉1枚の植物の事。
(小学生で勉強してるはずですよ?)

帰化植物とは,外国から来た植物の事で、野生化したもの。
しかも、ちゃんと日本で生息世代を引継いでいく植物の事です。
外国から来たけど、増えなかった場合は、帰化植物とは言えませんよ。
有名なのが、河原でよく見掛けるセイタカアワダチソウとかですね。
西洋タンポポも言うのかなぁ〜?(中学校で習ってませんか?)


ランの種子は、非常に細かく、数センチの果実から数百万粒
入ってるものがあります。
何回も書いてますが、種子には胚乳がありません。
なぜ胚乳がないのか!?疑問に思いませんでしたか??
それは、吹き飛ばされるためなのですよ。
一般に、種子の中で胚乳は大部分を占めています、
その重い部分を削るために、進化の途中で自らそれらを捨て、
風の力を利用し、遠くへ種子が飛ぶようにしたのです。
その結果、世界各地へ種子が飛交い、異なる環境へも
広く分布
できるようになった知恵なのです。
ですから、構造も軽量化され無駄のない最小限の作りに、
そしてその利点を最大限に活かせるようになっています。
まさに進化の頂点!究極の奴ら!


さてさて、説明はこれぐらいでやめておいて
作業に掛かりますか!!
パフィオペディラムやカトレヤ、デンドロビュームなどの他の属とは
少し変わりますが、まぁだいたい方法は同じだと考えて下さい。



○●○ つけるだけか?? ○●○
(管理人:そうかもね・・)


■ まず!準備するものです

当たり前ですが材料の花粉ピンセット(爪楊枝)・ハサミ
ウイルス消毒剤・カビが生えても大丈夫そうなラベル筆記具

今回は書くことないから準備運動なし!


♪ 交 配 開 始 ♪
どこにでもありそうなファレノプシスの花1.交配する株(花)を準備

今回は自花受粉(セルフ)で行いますが
似たような属間なら交配出来ますので
チャレンジしてみて下さい。
花粉のフタ(コラム)をとります。2.花粉の場所を知る

まず花粉の場所ですが、柱頭の先端にあり
画像のように下から押し上げるようにすれば
簡単に取れます。
作業しやすいようにリップを取ってもかまいません。
ウイルス感染防止のために器具の消毒は忘れずに。
シールが引っ付いた様子。黄色い2つが花粉塊3.花粉を取り出す

ランの花粉は、普通の花とは違って
花粉塊になっているので容易に取れます。
(硬いよ、、)
粘着する、シールのような部分があって、
画像のようにひっついてきます
これは虫に花粉を運ばせる為に、
虫の背中に引っ付く構造になってます。
花粉そのものが粘着しているわけではないですよ。
※見たらわかると思いますが、、ランで花粉症になる事はあまりないと思いますよ?
鼻の穴に花粉塊をグリグリ突っ込んでる姿を想像してしまいそうです。
花粉をつける部分はここ!4.雌しべに花粉を、、、

柱頭(雌しべ)の窪んだ場所に
ねばねば粘着する部分があるので、
画像のようにそこへ花粉をつけます。
通常花粉塊は2〜4つはあるので、
1個つければ大丈夫でしょう。
他の余ったものは保存します。保存方法は下で。
また1個を2つに切って使っても受粉可能です。
※ここで注意!花粉を落とさないようにしましょう。
なぜそんな当たり前の事を書くのかと言いますと、、
わかっていても、やってしまう事が多いからです(笑)
一度は経験し、落ちた花粉を血まなこになって這いずり回った事があるでしょう。
私はよく落としますよ。でも落ちたのを見つけるのは得意です。
砂利の上に落とした時はヤバかったですけどね、それでも見つけたです。
くぼみに入れて完了!5.受粉

うまく出来たら、交配日と品種
ラベルに記入し交配完了!!
後は種子が熟すのを待つだけ。
ラベルは(A×B)という感じで表記するといいでしょう。
Aは母株・Bは花粉なのでくれぐれも逆に
記入しないようにしましょう。
※ラベルについて
消えないようにと油性のマジックでプラスチック製のラベルに書き込む人が
いますが、油性マジックでも、1年近く付けたままにしないといけないので、
潅水や紫外線、薬散などで流れ、消えてしまう事があります。
消える事はなくても、薄くなって最悪は読めなくなる場合もあるでしょう。
ですから、ラベルは園芸用のラベルを使い、鉛筆で書くようにしましょう。
鉛筆は石墨ですからいわば炭。コピーのトナーと同じで紫外線などにも強い。
ラベルの細かい表面の凹凸に鉛筆がすり込まれ、逆にマジックで書くよりも
消えにくいですよ。
ラベルに一番不向きなのは紙などですね、、字は消えませんが
カビだらけになって読めなくなってしまいます。
株につけるラベルも同じ事が言えるでしょう。

あと、鉛筆で書いた古いプラ製ラベルを書き換えたり、
別のラベルに再利用する時、字を消したい時は、ラベルにをつけて、
消しゴムで濡れたままのラベルを普通に消してみて下さい。
そしたら、あら不思議!わりと消えます。(注意:消えやすい程度の消え方)
(ただし古いのは消えない時もある)
ただし鉛筆で書いた字の下の部分は、紫外線の影響を受けにくくなっているので
鉛筆の字は消えても、書いたは残ります。
(こっれて消えてるとは言えないのかも・・)
6.種の出来るまで

果実の中は無菌状態が保たれています。
逆に返せば、果実の中は無防備なわけです。
雨水が中に浸入したり、病原菌が中に入ってしまうと、駄目になってしまう
事があります。
水というのは、一般に綺麗だと思われがちですが、
意外と雑菌がいるのです。(土ほどじゃないですが)
そして雑菌が繁殖しやすい環境で、水は狭い隙間へも入っていきます。
生長点付近果実の中に入ってしまうと、一大事ですよ。
またウイルスの感染経路だという事も忘れてはいけません。
また、見た目ではわからなくても、すでに種子の中まで菌が入っていて
いくら播種してもうまく出来ない事もあります。
それと、一番恐ろしいのが、それらを「不治の病」だと知らずに増やし、
育ててしまう事です。

交配してうっかり1年以上経過し、パックリと中が見えてしまっていたら
どうなっていると思います?
たいていは大丈夫ですが、もしもの事を考えると、、怖くないですか?
基本的に、果実が弾ける前か、弾け出してすぐ!がベストタイミング。
それが出来なければ、いい加減(適度)な期間で採取して取ってしまいましょう。
安全を取るならそれがベターな方法ですよ。



◆ これは読んだ方がいい、補足的いろいろ ◆
▼ 交配に使う親株は?

交配に使う親株は出来るだけ元気なしっかりした株を用意する。

元気なしっかりした株というのは、よく言われてる大株というヤツです。
種子が出来る株(品種)であっても、弱っていると出来なくなります。
また、同じ株毎年連続して母親にするのはよくありません。
株を回復し養生させるために、1年間のインターバルはとった方がいいですね。
でないと、株はみるみる衰え、回復に数倍の期間が必要になってしまいます。
逆に無駄な時間を費やすことになりかねません。

だって、ちょっと考えてみて下さいよ!
花が咲いた時に交配させて10ヶ月で採取するんだから、
その株は、ほぼ1年中、果実をつけたままなんですよ?
しかも、花も咲かせないといけない!これは仕打ちですね。

当たり前と言えば当たり前の事なんですが、意外と難しい。
わかっていても出来てない人が大勢います。
花は年に1回ぐらいしか咲かないために、焦ってしまって
ついつい交配してしまうんですよね。
ヘタしたら、3年に一度、いや!いつ咲くかわからない!って場合もあるでしょう。

正確に言うと、したいけどできない人も多いのでは?
大株に出来ない人や交配したくても出来ない人の両方です。
まず、大株にするには場所が必要ですし、年月も必要でしょう。
もともとの品種の特徴で、あまり咲かない株もあるでしょう。
日本では栽培が困難なため、その両方に困ってる人もいるでしょう。
私は、株の作り込みが、交配にとって重要である事を知っているから
一番最初に、しかも一言で説明できる内容の事を、くどくど書くわけです。
出来る物も出来なくなってしまいますからね。


▼ どちらを母親にするか?

交配すると、母株の特徴が出やすくなる事があるそうです。

早い話が母親に似てくるっと言う事です。
普通はリスクを小さくするために強い品種を母株にして、
弱い品種や重要な品種は花粉を使います。
これはみなさんも当然考える事だと思います。
しかし、これをあえて逆にし、良い結果が得られたという例が多くあります。
まさにハイリスクハイリターンというやつですよ。
挑戦してみる価値はあるかもしれません。
チャレンジャー求む?


▼ 交配して果実が熟すには。

交配してから種が熟すまで、品種にもよりますが8ヶ月以上は必要です。

(リカステで10ヶ月ほど)
あまり早くはじけたり、色が黄色くなってきた場合は失敗の可能性も、、。
受粉させてから、数日で変化が見られます。
まず花がすぐにしおれてきます。その後柱頭部分の花粉をつけたくぼみが
花粉を取り込むように閉じて、完全に花粉を食べてしまいます。
さらに1ヵ月後には果実がみるみる膨らみ始めます。
毎日が変化し、楽しい時期でもありますね。

最低でも6〜7ヶ月はつけていたいですね。
環境の変化などで、完全に熟す前に落ちてしまう事がありますが、、
主な原因として、環境の変化株の力不足病気
などがあります。


▼ 株の管理方法

受粉させた株は出来るだけ環境の良い場所で管理します。

これも当たり前の事ですが、非常に重要です。夏の暑さなどは特に。
低温性の品種は、ほんとんどが暑さを苦手とし、嫌います。

花を咲かせたり、果実を実らせる事は子孫を残す行為です。
株に負担が掛かってくると、すぐに養分を送るのをカットし、
自己防衛してしまいます。

たまに聞く事ですが、瀕死の株は花を咲かせるという話。死花というやつです。
株は自分が短命なのを知って、僅かでも子孫を残すため、
花を咲かせ果実を実らせようとするのでしょうね。儚いですよね〜。
夏場に実らずに黄色くなってしまって落ちるのは、これが原因の場合が多い。
大株に作り込み、株に勢いをつけさせ力を維持させる事で
回避出来る場合もありますけど。


▼ 余った花粉は保存する。

花粉を薬包紙などに包み、密閉した容器にシリカゲルなどの
乾燥剤を入れて冷蔵します。
1年間ぐらいはなんとか使えて受粉してくれます。
薬包紙がない場合は、そうですねぇ〜、ペラくて半透けの
トレーシングペーパーやグラフ紙などでも十分ですよ。
昔のぺらい紙で下移り全開のやつですよ。(知ってます?)
文房具屋さんで売ってますよ。それがない場合は、最悪はコピー紙でも。
ノートやルーズリーフのような紙は止めた方が良い。
条件は、通気がある程度良くて、水分を早く吸収出来る紙です。
薬包紙やトレース紙なら中身が透けて、中の様子もわかりますからね。
たしか、、こういう紙って、、硫酸紙とも言いませんでしたっけ?
私の師匠と先生がたしか言ってた記憶があります。

密閉容器は理科の実験に使うようなデシケーターがあると良いですが
めちゃめちゃ高いのでそんなもの必要ありません。
タッパーで十分です。できればガラス製でシリコン(ゴム)のパッキング加工
がしてあって「パッコン」って止められる物が最良です。
ジャムやラッキョ浸けをよくいれるアレですよ。100円ショップでも売ってるし。

少量なら、フィルムケースが便利ですよ。
乾燥剤はシリカゲルが良いですね。シリカゲルは普通青い色をいています。
水分を吸収し飽和状態になると、ピンク色や白色、透明になります。
電子レンジやお鍋でもう一度煎れば再び水分が追い出され、
青い色を取り戻します。何回でも再利用出来るわけですよ。便利でしょ?

もしなければ、生石灰を使います。消石灰じゃないので注意。
ただし、生石灰は水分を大量に吸うと発熱してしまうのでちょっと危ない。
火傷するかも、、、
生石灰は空気中の湿度をどんどん吸って、やがて消石灰になります。
消石灰はにやる石灰と同じ物ですよ。

その水分の吸収量はシリカゲルの代用品としても互角の勝負が出来ます。
粉がこぼれないような、袋にいれて乾燥剤として使えます。
使用した生石灰がカチカチに硬くなって固まったら交換しましょう。
使い終わった石灰は畑や花壇にあげられますから、実にエコロジーです。

当然ですが花粉を採取した日付や品種も忘れずに。


▼ 種子も保存

すぐに播種出来れば良いですがなかなかそうもいかない場合もありますね。
でも安心!花粉と同じ方法で保存できます。
しかし、種の果実を完全に乾燥させて乾いた種子を採取し、保存して下さい。
私は7年前の種を播種して発芽させた経験もあるぐらいです。
きちんとした方法であれば1年間ぐらいの保存ではまず大丈夫でしょう。

まず株から採取した果実(莢)をそのままなにもせずに新聞で包みます。
あまりに汚い場合は、中性洗剤を泡立て手で軽く擦って洗うと良いでしょう。
洗った場合はもちろん水切りして、水分を完全に拭き取って下さい。
この時、種が隙間からこぼれてこないように紙の両端に折り目をつけて
何回か折り返しておいて下さい。
しっかりしないと、乾燥した果実の隙間から種子がこぼれ出ます。

新聞で包んだ物は陰干しって言うんでしょうか、、ゆっくり乾燥させます。
大きめの密閉容器に乾燥剤いれて強制乾燥してもいいですよ。
私は、エアコンの部屋がいつも乾燥していたので、そこでやってました。
1〜2ヶ月で乾燥します。強制乾燥の場合はもっと早い。

そしてカラカラになった果実から種子を取り出します。
カラカラ具合は、新聞の上から強く握ってみて、カラカラっぽかったらOK。
少しでも水分がある場合は駄目です。

なぜカラカラなのかと言いますと、
果実の汁から病気に感染したり、ウイルス感染(これが恐ろしい)
の危険があるからです。
基本的に、種子はウイルスフリーと言われています。
ウイルスに犯された親からでも、ウイルスの感染していない健全な
植物体が得られるからです。(時と場合によりますが、、)
まぁウイルスに感染していたとしても、濃度はたぶん低下してると思います。
よって果実本体はウイルスの影響を受けていますので、
未熟播種などはウイルス感染の可能性が高くなります。

そして、カラカラになった果実から、種子だけを丁寧に取り除き、
果実の破片などが入らないように分けます。
この作業は、種子を取り出す重要な作業です。
風のある場所や、人が多い部屋などでは行わないで下さい。
種子が飛んでいきますよ。

また、風に舞いやすく、口や鼻から吸い込む場合もあるので
マスクはした方が良いでしょうね。鼻息で吹き飛ばす危険も回避出来ます。
私が、いくつも種子を採取する場合には、手を拭き、マスク、保護ゴーグル
などを着用して行っていました。目がシカシカしたり、喉がトゲトゲするので。

また、複数の種子を採取する場合は、他の品種の種子が混ざったり、
入れ違いにならないようにしなくてはいけません。
厳重にするなら、器具も一度使ったら種子を洗い流してから、
再び使うのも良いと思います。
なんせ静電気で衣服についたり、見えなくても飛び散っていて
知らない間に、混ざっている事がありますからね。
手も例外ではないですよ、前の種子が付いた手で他の種子をさわれば
混ざってしまいますからね。
まぁ可能性と確率の問題ですので、ここまでする必要があるかどうかは
わかりませんが、、私の場合はしてましたけど。

無事採取できた種子は花粉の時と同様で保存しましょう。
保存容器の中で種子がこぼれる最悪の事態も避けて下さいね。
シッカリ包んで。


▼ できるものとできないもの

先天的に交配が難しい品種もある。
生まれつき突然変異のような品種は種が出来ない場合があります。
異数体
などは特に多い。これは仕方ないですね、、、。
あと、先祖返りする場合も多いので出来るだけ、交配親の親
(お祖父さんお祖母さんの4株)を調べるのも、とても有効な事です。
これを知るかどうかで、ものすごく変わってきます。
近道をしたい方は、絶対避けて通ってはいけないでしょう。
次に花が咲くのが1年後ですから、その間に自分でいろいろ調べ、
次の交配のために勉強しておくべきでしょうね。

ちょっと考えてみて下さい?人生を仮に80年としましょう。
あなたはいつから洋蘭を育てていますか??
例えば20歳からだとしましょう、、70歳まで洋蘭を育てたとします。
最高で何年間交配が出来ると思いますか?
おそらく、せいぜい出来ても1株当たり30回です。
(同じ株で毎年交配するのは出来ないとしている計算です。)
それに、交配してから開花まで、ものによっては7〜8年の歳月を
必要とする場合があります。
次の世代を作出するために、この株を親にするには、十分に作り込み、
大株にする必要があります。そこでさらに数年は掛かるでしょう。

1品種1世代作るには10年以上は必要になる事がわかります。
60歳代で交配した品種は、最悪の場合では、満足な花も見れないまま
他界してしまうと言っても、冗談ではなくなってしまいます。
たった数回、数年の失敗が後々大きな差となって現れてきます。

最悪の場合を想定しているので、参考程度でとどめておいて下さい。
気になさった方は申し訳ないと思います。この場を借りて謝罪させて頂きます。
でも言いたい事は伝わったと思います。



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