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かなりいい加減な絵です。幼稚園児レベルです。
品種別の詳しい方法 基本的な流れ ポイント: 4〜500mlの容器1個(1ビン)に培地100mlを入れ 比較的良さそうな苗を15本を作る。移植は基本的に2〜3回。 培養条件は40W蛍光灯下。 蛍光灯からビンの頂点までの距離3〜40cm程度 16時間照明、推定2000〜3000lux、温度設定23℃平均。 同条件ではない場合は調整が必要です。 作業の流れ: プロトコームが1.5mm程度になった時に1回目の移植を行う。 1ビンに20個のPLBを入れる。 PLBが小さく不安なものは20個以上。 ↓ 1回目移植から2ヶ月ほど培養し、 PLBから芽が出始め、葉が展開した頃に2回目移植を行う。 1ビンに17〜20程度の苗を植える。 一番大きなしっかりしている苗が最低でも17本ある計算。 ↓ 上からさらに3ヶ月ほど経過、 根が伸びすぎない前に3回目移植を行う。 呼び方をわかりやすくするために最終定植作業と書いておきます。 1ビンに15〜17本の苗を植える。 その内の数本は大きくならない苗があると考える。 ↓ 最終定植から4〜5ヶ月で15本ほどの苗が完成。 完成した苗とは上げても枯れなさそうな苗を指しますので、 上げてすぐに枯れそうな苗は数に入りません。 全体的に苗が貧弱な場合は例外として仕方ないです。 よって場合によっては20本植えになるケースも、、、。 そのへんは苗の機嫌を伺いつつ臨機応変に対応。 以上が基本的な流れになります。 これを基本形に属別の特徴を説明していきたいと思います。 属別の説明を参考にする上での注意。 私、、、文章書くのがヘタですので内容がカブっていたり、 違う場所で違う物の説明をしていたります。 例えば、パフィオの移植に興味があって 「俺はカトレヤには興味ないから読まない」っという場合でも、 関連している事を書いている可能性があります。 出来れば一通り読んで欲しいです。 ヒントはあるはずですので。 大切なのは方法ではなく、考え方やアイデアで、 これと同じように真似ても、考え方が理解していないと意味ありません。 ノウハウとは単純に方法だけではないのです。 考え方、意図、メカニズム、アイデア、色々な要素が絡んでいます。 1+1=2と暗記するのではなく、1つと1つが足されて2つになる。 逆を言えば、カトレヤの内容を読んで理解してもらえると パフィオの培養もパフィオの説明を読まずとも十分出来ます。 1+2=3と暗記しなくても、1+1が2である事を理解していれば 自然と3という答えが導き出せると思います。 第2章は自分を磨く場所! 問題を投げかけ、色々な事に直面しながら 自分で考え観察し理解する事によって技術を養ってもらいたい。 まぁ問題が解決出来なかったり わからない内容があればメールなんかで聞いて下さい。 試練だ!とか言って教えない事はないので、、。 リカステの場合 ・1回目移植 播種してから培地の表面が緑色になり プロトコームが形成されてから、芽が僅かに伸び 上下が区別出来る状態になった時が○。 プロトコームが小さ過ぎると培地に埋まってしまい植えにくい、 芽が確定していないので枯死したりする場合も。 あと良いプロトコーム選びも少し難しい。 ボコボコと芽が出ていたり、歪な形の物は避けるため。 培地はハイポネックスタイプでOK。 バナナ又はジャガイモを1Lに3〜40g入れる程度。 もの凄い絵がヘタですいません。恥ずかしい。これはスライムか!? ・2回目移植 移植のタイミングは期間を目安にするのではなく、 生長速度と苗のサイズで決める。 生長速度が早ければ移植のタイミングも早くなる。 品種によっても変わってくるので注意。 アロマティカ交配のように小型のものは、 苗も小さくバルブも早く出来るので、 タイミングを逃さないようにしたい。 作業時はピンセットで葉を摘まないこと! 組織が非常に弱くデリケートなので細胞が潰れます。 大輪の品種で苗の草丈が2cm程度の時に行う。 2回目移植は1回目と最終定植の繋ぎの期間になるので 時と場合でショートカット出来る。 ただ2回目移植は生長期の激しい期間なのでタイミングを逃さないようにする。 この期間のタイミングが遅れると最終定植の作業がしにくくなる。 遅れるより早めの方が良いかも。 培地は1回目移植と基本的に同じ。 バナナ又はジャガイモを1Lに50g程度でOK。 ・最終定植 2回目移植から順調に育てば3ヶ月後。 根がビンの底まで到達してなくて、 苗の草丈が6cm程になっていればOK。 根が伸びすぎると作業性が非常に悪くなるので、 根が伸び出していたら注意。 定植後は4〜5ヶ月育成させて苗を充実させる。 培地の養分が切れると生長も極端に鈍くなるので注意! バルブが出来て葉が茶色く枯れ出してきたら、 生長サイクルが1周してしまった事になるので、 苗は大きくならず新芽が吹いてくる。 今までの経験から、濃度が低い、果汁(バナナ。ジャガイモ)などが少ない 培地では基部に残っているPLBが殖え出す傾向にあります。 2回目移植〜定植の間では、PLBが増殖するのは良くありません。 PLBが殖え出すと苗と養分を奪い合い、結果的に苗の生長を足止めします。 デンドロで言うところの高芽状態です。 最も良い最終定植の方法は、 基部に残っている、PLBを丁寧に切り落として植える事。 かなり面倒な作業ですがこれをやっているとPLBが 下から殖えてくる事もないのでそんな心配もありません。 あとシャーレ内に長く置くと蓋をしていても乾燥してきますので 葉がしなしなになって植えた後茶色くなります。 その時は平気でも後々生長に悪影響が出ます。 特に組織が弱く、定植作業が長くなるリカステには 初心者が多く失敗する原因の1つです。 培養容器も出来るだけ高く大きい物が○ 培地はバナナを1Lに100mlほどに増やしたものを使う。 ショ糖も1Lに30g程度に増量。 寒天よりゲランガムを使う方が良い結果が出た、、? ・全体的な特徴 基本的にプロトコーム1個から苗1本を目指しましょう。 極端にプロトコームの数が少なく、多くの苗が欲しい場合のみ PLBを切ったりしてマザーフラスコでPLBを殖やし苗を得る。 結果的にいくら「実生」だと言ってもプロトコーム10個しか取れなかった場合 最終的に1000本作ったとしても、10個体しかない計算ですので。 私の実生としての考えから少しずれてしまいます。 メリクロンの場合は有効でしょうけど、、。 まぁやりすぎて変異が出たりするのも考え物ですんで私は好きじゃないです。 培地量を増やし、容器を大きくすれば移植2回でも出来ます。 移植3回のメリットは、3ステージに別れているので初期段階の移植が簡単。 最終定植だけ時間は掛かりますがシッカリやれば良い質が得られます。 一気に作業が集中しないし、タイミングさえ逃さなければ 2ステージの移植より作業的に楽な気分で出来る。(気分だけ?) 3ステージきっちり区別して観察出来るので、株の動向が掴みやすい。 一回の作業がやや短期間、多日数型の方法ですぞ。 逆に2ステージ移植は一回の作業が長い代りに一回分の移植をしなくて良い。 2回だと苗の選抜やら成績にばらつきがあって私はあんまり好きじゃないです。 1ビンに均一な苗が3ステージより得られにくい。 3ステージよりテクニックが要求されるかも?っとこんなもんです。 趣味程度なら2ステージの生長がバラバラの苗でも良いと思いますけど。 問題の暑さですが苗の期間はそれほど暑がらないのが一般的考えなので ビン内で枯れ始めるというケースはよほどの事態です。 ただし激しい温度差には注意。 しかしよほどの事態と言っても35〜40℃まで暑くなると正直自信なくてヤバいかも。 ビンの中は基本的に無菌なので、強引な手段を使って冷やす事が可能? 水に浸ける、冷風扇を直接当てるなど、、。 まぁ工夫次第でどうとでも出来ると思いますので、、考えてみて下さい。 ビン内は文字通りビンで遮断されていて空気と培地があるので 周囲の温度変化の影響を多少遮断する。 逆を返せば一度暖まったビン内はすぐには冷えない 一度冷え切ったビンは暖まりにくい。 ビンの表面温度と中身の温度は差が生じていることを考えて下さい。 温度差が生じると結露して水滴がビンの内側にビッシリ付着します。 意外と肥料食いなので、移植のタイミングと濃度がポイントとなります。 3回の移植をきちんとやっていれば問題は無いと思います。 移植が1回減るとバルブの完成が遅れヒョロヒョロ君になる事がある。 特に最終定植は重要ですので手抜きで移植一回分やってないような苗は 最終定植を行った苗に対して将来的に追い抜かれます。 私の考えでは、見た目では綺麗で良さそうな苗でもバルブが形成していないと やはり心配です。 私の作っていた苗は見た目はかなり悪かったですが、 バルブを最後まで生長させ下葉が茶色くなって落葉してしまうほどまで置き、 そこで完成と決めていました。 当然綺麗とは言えない苗でしたが、ご理解して頂いた方には好評だったと 思っています。(思っているだけですが) 社長にも見た目が悪いと何度か言われましたが、、。 それは私のリカステを育てる上でのこだわりです(汗) しかし小さな苗をフラスコ上げする方が良いという方もおられましたので 真実はわかりません。 もしそれは違うという考えやアドバイスなどあればメールなどでご意見下さい。 カトレヤの場合(主に交配種など) (ファレノプシス、バンダ系も同様に出来ます) ・中間移植 あえて1回目移植とは書いていません。 それは厳密に1回目という定義がなく中間的な移植だからです。 内容はほぼ1回目移植に準じていますのであまり気にしないで下さい。 播種してから培地の表面が緑色になり プロトコームが形成されたてから、芽が僅かに伸び始め、 (っとここまでは同じです) 丸い葉が一枚展開し出してから行います。 真ん丸の耳のような形の葉が5mm程度伸びた時。 培地の上に置くような感覚で。 この時点で大きく丈夫そうなものを植えればOK。 培地はハイポネックスタイプでOK。 ジャガイモを1Lに3〜40g入れる程度。ショ糖2%。 もし発芽時に培地の表面いっぱいにビッシリ緑になった場合。 プロトコームが密集しすぎていますので、 リカステ同様1回目&2回目移植が必要になります。 発芽しすぎるのも問題なのです。 ・仮定植(仮最終定植) 移植のタイミングは期間を目安にするのではなく、 生長速度と苗のサイズで決める。 目安で1回目移植から2〜4ヶ月 (ほんとに目安程度の曖昧な表現だし、、) 生長速度が早ければ移植のタイミングも早くなる。 葉が2枚に展開して、たぶんリーフスパンが 2〜3cmになっています。 2回目移植のタイミングは根の長さで見る。 葉の長さを基準にすると後々作業が面倒になりますので。 (根は伸びているけど、葉が大きくならないからタイミングを遅らせたり。) 根の長さ2〜3cm程でビンの底まで到達していない事が条件。 交配種は強健なものが多いので、根の長さはこまめにチェックして下さい。 ビンの底まで根が行くと、根を切らなければならなくなったり、 根が絡んで作業性が極端に悪くなります。 当然複雑な作業になるのでコンタミ率も上がる。 ピンセットは絶対葉を摘まないこと。葉を傷つけますし葉が抜けます。 掴む場所は根か芯の部分。 培地の深さにもよりますが2〜3cm程度なら簡単に抜けるはず。 根は出来るだけ切ったり折ったりせずに植えます。 根を摘んで、培地へ押し込めばOK。 植えると言うより足(根)を掴んで引っ張り込む(押し込む)ような感じ。 この作業が上手いと、この後はもの凄い勢いで生長し出します。 根と株の付け根が弱い物があって、根が培地に刺さらない事がありますが、、 そのへんは上手くやって下さい。 培地は1回目移植と基本的に同じ感じで でジャガイモを1Lに50g程度、ショ糖は2〜3%。 培地の量は少し多めの方が良い。 仮定植が上手く行くと、もう移植はしなくても良くなります。 仮定植から6〜8ヶ月で苗は大きく上げられるほどに生長しているはず。 カトレヤは着生蘭なので、移植を一回カットしてもある程度自力で育ちます。 移植から10ヶ月置いていた経験もありますが元気でしたよ。 リカステ同様やっぱりバルブが形成してる方がよいです。 ・再度定植 もし上で書いた定植を行っても、なかなか生長しない場合のみ行います。 品種的な問題や、株の性質などもあるので仮定植後5ヶ月ぐらい経過しても こりゃ駄目かもって時に行う手段です。 これは正直やる気が削がれる作業です。 恐らく根も絡まって大変な事になりそうだし(冷汗) 根性がある人だけやって下され、よろしく。 この作業では長く伸びた根は短く切り揃えるしか方法はありません。 しかも植えた後も新しい根が伸びないとビンから出せないのでタチが悪い。 大幅なタイムロス覚悟で、、、。 しかし新しい培地に替わるので、一度勢い付けば後は早いでしょう。 もともと悪い苗を植えてるんだし時間は必要かもしれませんけど。 考え方としては、元気な苗は再度定植する必要性がないので この作業をやったからといって絶対良くなるというのは疑問です。 ・全体的な特徴 これと言って、、、。 上でほとんど書いてしまったので、、、。 しかも、ここで大半を書いてしまうと下の原種の書くネタが 本当に無くなってしまいそ、、。 カトレヤは着生蘭。これは培養ビンの中でも同じことです、、、。 ビン内の限られた空気を苗がどんどん吸収して不足してきますので、 新鮮な空気の交換も培地と同じぐらい重要になってきます。 白く太い根が伸び出し、真上に上がり始めたりするのはそれが原因らしい。 一度そうなった苗はなかなか元に戻りません。 ファレノプシスもモノによってはよくなります。 ここではあえて空気という表現をしています。 っというのはPLBの時期には酸素を多く吸ったり二酸化炭素を吸ったり という事が正解にはわからないからです、、。 株付近の培地が黒くなる事がありますが、これは株が出すフェノール物質 だと教わりました。調子の悪い苗に限って培地が黒くなってきますね。 生長が悪く、いじけて嫌がって出しているようです。 ファレノプシスも同様によくなります。 植物の生長や発根を阻害する物質らしいので酷い場合は即移植。 これを軽減するには培地に活性炭などを入れて吸着させたりします。 気休めかもしれませんが私は全培地に必ず入れていました。 濃度は0.1〜0.2%程度。粉末活性炭です。 苗の完成の事ですが、出来ればバルブが出来ていると○です。 しかし品種によっては上部(根から上、つまり葉や基部)が なかなか大きくならず葉だけが大きく展開したり、 根だけ異様に伸びたりとまちまちですので目安程度で。 見た感じそこそこならバルブが無くとも十分でしょう。 ただし徒長は厳禁です。 培養環境は、カトレヤが栽培出来る場所なら温室でもかまいません。 蛍光灯(室内)でも十分育ちます。 ただし節間が伸びたりすると駄目なのでやや強めで。 強めといっても培養室での強めですから温室などでは強い光厳禁。 節間が伸びるとはどういう事か説明すると、 言葉では難しいのですが、通常は株の一番下から根が伸び出すのですが 光が弱かったり培地の養分が不足したりして徒長の末に起ります。 蘭は右左交互に葉が展開します。葉の付根には生長があります。 通常は眠っているのですが、節間が伸び出すと活性化してしまい 葉、根、葉、根という具合に株が不自然に伸び始め、 基本的に茎頂(リード)が1つしか存在しない(他の植物に比べての話し)蘭では 頂芽優勢理論に基づき本来出るはずの重要な基部付近の根が出なくなり、 小さな葉をいくつも展開し出し塔(タワー)のようになります。 私はこういうモノを「棒(ぼう)又は塔(タワー)」と呼んでいます(笑) パフィオにも品種によってよく起る事です。 雲南系パフィオを育ててる方にはわかると思いますが。 カトレヤの場合(主に原種など) ・中間移植 交配種で説明した内容とほぼ同じです。 原種は性質自体弱くPLBや株の大小が激しいので臨機応変に。 希少性などを考え、1ビンにあまり多く植えない方が良いかも、 慣れていないとリスク多いし、。 とにかく良質のものを得るように心掛けましょう。 1ビン15本完成を10本完成目標に数を減らしてもOK。 ・仮仮定植 ここまではわりと順調にいくことが可能です。 明らかにPLBや株の元気がなく、イマイチな場合はよほど難しい品種か クセのある性質だと思います。 品種的に強いものや素直な良い子ちゃんなら交配種と似たり寄ったり。 しかし、鋭い人にはおわかりだと思いますが なぜわざわざ交配種と原種を別々に説明するか!? この事でもわかるように、一筋縄では難しい部分があります。 しかも仮仮定植だし、、、(汗) 株の感じも交配種に比べ複雑で多種多様になっているでしょう。 綺麗に同じ形の苗が揃っている場合は、よほど素直な娘です。 考え方は基本的に交配種の定植とまったく変わりません。 実際その場に直面しないと言葉だけでは理解できないでしょうが。 とにかくやってみればわかります(笑) アドバイス的な事も文章だけでは難しいです正直なところ、、。 ただ言える事は交配種と同じように考えない事。 調子が良くてもいつ不機嫌になるかわかりません。 私はトリアネーの原種を何度か行った事がありますが この定植を終えて数ヶ月後に葉が徐々に黒くなり出しました。 聞く話によると培地が濃いそうです。 普段の調子で培地を調合すると危険かもしれません。 全組成を半分に落とし、培地量を増やし、低濃度高キャパシティにします。 無機塩類からジャガイモの量、ショ糖の量まで半分ぐらいで。 通常はショ糖2%でやっていましたが、それを知ってから1%に落としました。 もし中間移植で成績が悪い場合、根をビンの底まで伸ばし、 この定植で植えるのに支障が出ない程度に切り揃えて植えます。 リカステでは作業性を向上させるために根を切りますが、 今回は違い、株の回復と培地の養分配分を考えて作業して下さい。 それは長期戦が予想されますので培地の養分を出来るだけ無駄なく使う事。 本来私の方法なら、肥料食いの属であっても植えてから 5〜6ヶ月は有効な養分が保ちます。 1回目移植と2回目移植では培地の養分を半分も使わないうちに 次のステージへ移植していますので、正直無駄が多い。 培地量を増やし大きなビンを使えば、移植一回分は稼げるのですが 私がやっていた時は容器の大きさが決まっていたのと、 毎日培養室で作業出来ない事から仕方なく行っていた事です。 一気にドカ!って作業が来ると丁寧に作れませんからね。 この事はリカステのところで説明しています。 もし移植する暇があるなら3ステージ化がおすすめ。 方法はリカステとカトレヤ交配種の作業を複合したような感じです。 ここまでちゃんと読んで下さった方には理解してもらえると思います。 2回より3回の方が培地も新鮮だし生長も早く丈夫な苗が得られると思います。 この定植が無事終わったら、数ヶ月様子を見て観察して下さい。 経験からワルケリアナなどは本当に素直に大きく育ってくれました。 ラビアータもそこそこのモノは出来ました。 トリアネーなどはやはり苦労しました。 ワルケで定植後7ヶ月でフラスコ上げ可能状態のしっかりした苗へ。 ラビアータでも定植後6ヶ月で大きくなってくれました。 トリアネーは、、残念ながら、、、もう一回余分に移植しましたが、 最終的には納得しても良いぐらいの苗が作れました。 あと、ワルケは葉が大きくならず根ばっかり出るようなものもありました。 ただし原種でバルブまで形成させて作るのはちょっとしんどいです。 やれない事はないですけど。 ・中間終期定植 苗が良くなるまで定植し続けるオニのような作業。 培地の養分を新鮮な物へ定期的に移してやる、本当の意味での移植。 仮仮移植で無事によい苗が作れた人はもちろんこんな事しなくていいです。 でも書いているって事は、、こういうケースも多いって事。 上でも書いていますがワルケリアナなどは、ものによって葉が大きくならず 根ばかり伸びる場合があります。ワルケとは限りませんが。 こういったケースは根を思い切って短く切り、葉を伸ばすように仕向けます。 逆に根が伸びないものは、根を傷付けないように細心の注意をはらい 今ある根を生かし続けます。新しい培地に植えても発根がまったく無い場合 「棒」になっている可能性も十分考えられます。 上で説明したフェノール物質が出ている場合も注意。 トリアネーやラビアータなどの大輪タイプは移植を繰り返せば、 葉は大きく生長してくれる傾向が強いので、めげずに移植を。 根は性質上もともと弱いものが多く本数も少ないので、 一本の根を大切にします。 もちろん移植してすぐは、根は出ませんので葉は大きくても 移植後数ヶ月は発根待ちとなります。 棒になった苗の植え方を説明したいと思います。 株が伸びて根が株の中腹から出ているものは、 普通に植えてもまた節間が伸びるだけで、 出て欲しい一番下からは根が出ません。 そういう場合は思い切って株を切って植えたり、中腹から下にかけての 葉を全部むしり取り植えます。 一枚の葉が大きく展開せずに、同じような大きさの葉が 幾重にも伸びているものがそれに該当する状態です。 一番天辺の一枚又は二枚の葉が大きく展開していればそこそこ。 普通に考えて、カトレヤらしくない苗の形は全て疑う事です。 苗と言ってもカトレヤにはかわりませんからね。 棒が長くなっている場合、培地の表面に対し、 上部の葉が位置するように植え込みます。 たぶん、かなり深く植えないといけない場合もあると思います。 今まで深植えは厳禁だといっていましたが、 生長している根を培地に触れされるというのが目的なので例外。 根が伸び出してきたら、再び伸びていない下の部分を切り落とし、 繰り返していると、多少は苗が良くなります。 新しく伸びている部分に深さを合わすというのが考え。 成株の蘭を栽培する時も、フラスコ上げの時も、 新芽に深さを合わせると思います。それと同じ事です。 生長していない部分(古いバルブなど)は沈んでしまいますが、 この際仕方ないですね。 パフィオの培養でも棒になる事が多いので、 根が動いてる部分を基準とし、同じように深く植え込みます。 ・全体的な特徴 上で書いてしまったので、書くネタなくなりましたので、、 何も書く事ありません。 しかし、、、こういうの実物を例にして書かないと、 書いてる本人も、読んでる人も、内容理解出来ないとおもいますが、、。 説明っていう説明違うし、、気を付けろと言ってるだけのような、、(汗) パフィオの場合 ・1回目移植 播種してから培地の表面が緑色になり プロトコームが形成されて芽が 真ん丸の葉が5mm程度に伸びた時。 基本的に最初は1枚しか葉が出ませんので、 完全に展開し出す前。 パフィオは発芽率が悪いものが多く、 種の数もリカステやカトレヤに比べ 少ないので、培地の表面いっぱいにプロトコームが殖えて、 すぐに移植を実行しなければいけない放置すると危険な状態 になる事も少ないと思います。 枯死し出すのはよほどの事ですが、養分がプロトコーム一個一個に 行き渡らず徒長の原因になるのは確かです。 培地はハイポネックスタイプでOK。 バナナ又はジャガイモを1Lに30g程度。 ・最終定植 1回目移植から順調に育てば3〜5ヶ月後。 根がビンの底まで到達してなくて、 苗のリーフスパンが2〜3cm程の状態。 リーフスパンより根の長さを基準に タイミングを計りましょう。 根が伸びすぎると根を切って 植えなければならないので、 出来るだけ切らずに移植します。 言うまでもなく切ると根の生長が悪くなります。 基本的に発根数も少ないので、出てきた根は大切にしましょう。 リカステなら切ってもすぐ新しいのが出ますし気にせず切れるのですが パフィオは一度切ると切った根は伸びませんし数も多くない、 長さも短いです。 もちろんリカステやパフィオに限らず、 一度切った根は基本的に伸びないと考えます。 問題は新しい根の発根が早いか遅いかの問題です。 カトレヤもものによってやや発根しにくいので、 切ってもまた出るだろうという考えは微妙。 培地の中では養分が十分あるので、着生蘭は太い長い根を少数伸ばします。 これは根を新たに伸ばさなくても、苗が容易に養分を得られるためです。 1株の根の長さバラバラな事が多く、私の感じでは 根自体が別々に動いているような。 着生蘭に水を多くやりすぎると、水を求めて根が伸びなくなる事と同じです。 地生蘭はもちろん、水を多く必要としたり肥料食いの着生蘭は 細い根を数多く伸ばし、ものによっては根が短い場合もあります。 1株の根の長さもだいたい同じで、株の指令の下で統一に 動いているような感じに思います。 話しを戻して移植方法ですが、、 パフィオの根は硬く、植える時はそのまま培地に刺さります。 しかし硬い分横の力には弱く、折れやすいので、 植える角度が悪いとポキッっと折れてします。 株と根の付根はさらに弱いので、植える時に無理な力が掛かると、 根元からポロッっと折れて切れてしまいます。 またピンセットで根を掴むと根に傷がいくので注意。 株の基部を優しく持って無理な力を掛けず、真っ直ぐに刺し込むのが○。 深植えは厳禁ですが、浅植えも厳禁です。 慣れてくるとパフィオの定植が簡単な部類に思えるはずです。 注意点だけ守って頂ければ失敗はすくないかと、、。 定植後は、株も根もみるみる生長し出すので、 後はビン出しのタイミングを見計らうだけです。 5〜6ヶ月もすれば立派な良い苗が出来ているはずです。 リカステやカトレヤに比べても生長は皆素直で生育の差も激しく変わりません。 もちろん例外もありますが、、。 発芽まで持ち込めばあとは容易に出来る属だと思います。 ただし出来るだけ大きくしたくて放置し続けると、 逆効果になることがあり、生長は順調に見えるのですが、 内部ではどうなってるかわかりません、、、。 最悪は激しい棒状態になる事もしばしばです。 光線が弱いのも徒長しやすいので注意です。 また、定植は移植する苗本数を減らし大きく育てる事も有効。 1ビンに1本だけ植えて、異例の大きさまで育て上げる事も工夫次第で○。 パフィオは色々な意味でも中途半端な苗作りでは、 病気で枯れたり生長が悪かったり、自分が最終的に欲しい 本数が育たない事がある。 (中途半端とは一概に悪い苗を指しているのではなくて、 方法、作業要因、計画性、数など色々な要素や意味を含みます。) 特に培養期間では順調でも、外環境時(ビン出し後)の パフィオは、苗の間の期間はなかなか生長してくれないので、 一気にビンの中で限界まで育ててやろうって考え。 私が実験的にやったものでは1〜5本植えでリーフスパン4〜6cmまで 育て上げました。はっはっは、、2.5号植え並のデカさでした。 まぁアイデア次第でそういう事も出来るっていう一例です。 面白さ100倍(どっかの台詞のパクリみたいだ、、。) 自分なりに工夫出来る無限大の可能性あり。 生長が悪く棒になってしまった時の対処法ですが。 軽傷の場合は下葉をむしり取って、発根が確認出来る節まで 培地に植え込みます。 重傷であまり長い場合は、上の葉2〜3枚だけを残し 下の部分を全て切り落とします。 せっかく今まで頑張って生長した部分ですが、棒状態を改善してやらないと ビン出しした後も根が本来出る場所から出ずに生長しません。 まぁそのままそっとしておいて移植するにしても、 節間が伸びた部分を切り落として植えるにしても、 棒になった以上なかなか元に戻る事はありません。 まず棒にしない培養管理が最重要課題です。 植物は一度そういうクセが付いてしまったら、 新しい葉が出ない以上治る事はありません。 つまり、一度棒になって生長した苗は元に戻らない。 一刻も早く正常な葉を出さす事しか方法はありません。 成株でも考え方は同じです。 新芽が出たのは良いが、バルブ形成の充実に失敗したものは、 次の新芽に期待するしかないですよね? まぁこれは極端な例ですが、、。 少々の棒状態ならビン上げして外環境で育って行く過程で治っていきます。 棒になる原因ですが、日光不足による徒長、培養ビン内の養分不足など。 あまり酷いとビン出し後も同じように棒のまま育ちます。 培地はハイポネックスでOK。 活性炭があれば活性炭0.1〜0.2%程度。 バナナ又はジャガイモは3%程度。 ゲル化剤は、寒天(アガーパウダー)よりゲランガムを用いる。 あまり濃い培地は避けた方が良いですね。 ・全体的な特徴 カトレヤ原種同様にプロトコーム1個から苗1本を目指しましょう。 パフィオは個体差を重視したいので、出来るだけ無駄のないように 大きなプロトコームから順番に植えていきます。 根が硬く折れやすいので、移植のタイミングは上記で説明した属の中でも 一番神経質になります。また、折れた根は伸びたり分岐しませんので 折れたら最後、新たに発根するのを待つしかありません。 ただし、培養ビンの中での生長は素直な方ですので、 棒などになっていなければ比較的早いサイクルで発根が来ます。 最終定植後、時々下葉が茶色くなる時がありますが、 それは培地の養分が不足している可能性があります。 カトレヤの様に同じ培地で数ヶ月〜半年間育てるのは危険です。 パフィオは過剰な施肥は嫌いますが、水が好きで水に溶けやすい 成分は低濃度で絶えず吸収していると考えています。 ですので養分の片寄りがあるのは良くありませんし欠乏症を起こします。 ここでパフィオの生長形態をもう一度確認してみましょう。 パフィオは葉の形からファレノプシスと同じ単茎性だと 勘違いしてる方がおられます。 パフィオはカトレヤやリカステと同じ複茎性です。 上記の事は培養に関しても重要なポイントになります。 ・ファレノプシスは単茎性ですから新葉がどんどん伸びます。 上から葉が展開し出すと下の葉は生長が鈍ります。 同時に着生蘭ですので根が柔軟。 長期培養によって1芽(1株)を大きく出来る。 ビン出し後も、培養した苗が大きく育つ。 上へ上へと養分が送られる。 ・カトレヤやリカステは複茎性ですから1芽を長期間に渡って 育てる事が出来ません。 バルブが出来始めると次の新芽が伸び始めバック側の生長は止ります。 つまり培養中は新芽を育てている事になります。 1年1回勝負の成株と同じで管理に失敗するとイタい目に遭います。 さらに言うと、ビン出し後は新芽が伸びた芽が育つので 培養した苗がそのまま大きくはなりません。 養分は横へ横へ送られますから新芽に集中します。 ・ここで問題にしているパフィオです。 基本的な考えはカトレヤやリカステと同じです。 ただ培養中ではカトレヤやリカステの様に生長サイクルが一周し 新芽が伸び始めるという事はあまりありません。 新芽全体がひたすら大きく育っているようなもの。 株が「自立している新芽」みたいな感じでしょうか、、、。 パフィオを育てている方はよくご存じだと思いますが バルブを形成して新芽を更新していくのではなく、 成株に近い状態まで1芽で生長するのがポイント。 単茎性のように新しい葉が展開すると下葉の生長が極度に鈍る という事もありません。その理由は複茎性だからです。 全体が少しずつ緩やかに大きく育ちます。 しかし単茎性のように新葉が上からどんどん出る事もありません。 単茎性・複茎性・地生・着生・株の形態をよく理解し、 観察することが上手く培養するカギになると思います。 ちゃんと理解している方ならこんな説明されなくても すでに自分から見出しているはずです。 とにかくパフィオは複茎性!! マスデバリアの場合 (これは短くて済みそうです) まず最初に、マスデに関してはちょっと自信ないのです。 っというのも私がやるとなぜか発根しない場合があるのです。 培地なのか環境なのか方法なのか原因は不明。 ・1回目移植 マスデは莢自体が小さいので、 発芽しすぎて困るという事はあまりないと思います。 品種によって発芽の早い遅いが多少あります。 発芽してきて緑色になり、プロトコームが形成されて 芽が伸び出してきたら移植のタイミングです。 ただマスデの場合あんまりタイミングらしいタイミングはありません。 強いて言うなら5〜6mmの葉が2〜3枚の頃でしょうか。 しかし葉の数があまりに多くなると徒長するので注意。 培地はハイポネックスタイプでOK。 バナナ又はジャガイモを1Lに2〜30g程度。 活性炭0,2%程度。濃度は少し薄目が安全です。 ・最終定植 草丈が2〜3cmの頃です。 ただし大型品種と中型〜小型品種では 草丈も変わりますので臨機応変で。 マスデは葉が増えやすい性質なんですが、 あまり多いと大きな苗が出来ません。 葉を5〜6枚までにして切り落として植える方が良いです。 切り落とした葉は、植えても良いですが、 同じ個体ばかり殖えることになるので 苗が十分にあって育っている場合は捨てます。 いわゆる人為的に陶太させる事になります。 根は暗い方へ伸びる傾向が強いので活性炭は入れた方が良いでしょう。 最終的に大型種では草丈3〜4cmまでなります。 ジャガイモなどの有機は多く必要としませんので入れすぎに注意。 培地はハイポネックスでOK。 活性炭0.2%程度必要。 バナナ又はジャガイモは3%程度。 ゲル化剤は、寒天(アガーパウダー)よりゲランガムを用いる。 あまり濃い培地は避けた方が良いですね。 ・全体的な特徴 なぜか私が培養すると、発根が少なくなります。 原因はよくわかりません。 活性炭が溜まる中央部分に根が集中し、 外からの見た目だけでは発根状態がわかりにくい。 発根してないなぁ〜っと思って移植を行ってみたら、 中央部分に根がビッシリ伸びていて、移植の必要がなかった、、。 なんて事もありました。 逆にそこで無理に移植するとせっかく出た根を傷つける事になりますので 注意が必要です。 発根状態が外からではわかりにくいので、観察力が必要です。 マスデは生長が早い、3ヶ月で完成する。っと言う人もおられますが、、 私の場合は3ヶ月では無理そうでした。 印象は、生長は緩やかで培地の養分吸収が遅い。 養分吸収が遅いので、培地の養分も無くなりにくい。 つまり長期培養が可能って事です。 絶えず新しい培地へ移植する必要もない。 品種や培養条件、移植方法によってフェノール物質が出る事があります。 フェノールが出だしたら早めの移植を行いましょう。 プロトコームの初期段階、発根が無い苗の状態に多いです。 最後に培養環境ですが、、コレが問題。 やはり高山性植物ですので、夏の高温は厳禁。 春や秋の激しい温度差も良くありません。 マスデで一番重要なファクターはやはり環境にあるでしょう。 私がやって生長が鈍かったり、発根が少ないのも 原因の1つとして考えられると思います。 培養環境が23℃キープでしたので、マスデにとって少し高温だったのかも。 もちろん真夏はいくらエアコン全開でも23℃キープは無理でしたので。 シンビジューム、ジゴペタラムの場合 これはあんまり苦労しなくても出来るかな、、。 ・1回目移植 播種してから培地の表面が緑色になり プロトコームが形成されたてから、芽が僅かに伸び始め、 尖った葉が伸び始めて2cmほどの高さになったら移植。 この時点ではプロトコームがくっついてますのでタマネギのような 形になってます。 将来的に良くなる苗はくっついているプロトコームが大きいもの。 PLBが大きいと苗も元気で大きくなります。 発芽率が異様に良く、沢山播種してしまったらビンの中いっぱいに 発芽してプロトコームが層のように密集します。 あまり密集し過ぎるとプロトコームも小さくなり良くありません。 培地はハイポネックスタイプでOK。 バナナ又はジャガイモを1Lに50g程度。 ・最終定植 1回目移植から順調に育てば4ヶ月程度。 基本的に2回の移植でかなり育ちます。 2ステージ移植と同じように根がビンの底まで到達する前の、 苗の草丈が4〜5cm程になっている状態の時に行います。 放置すると根がどんどん伸び始め移植が大変になります。 しかし生長にはあんまり影響しませんので、 少しぐらい様子見て置いても大丈夫でしょう。 ある程度苗が大きくなってきたら、移植のタイミングはそれほどシビアに しなくても育ってくれると思います。 まぁ作業は置けば置くほど困難になってきますが、、。 3ステージ移植でさらにしっかりした苗を作りたい場合は リカステと同じ方法&タイミングで行えば良いと思います。 私も最初の頃は3ステージで行っていましたが、 生長が非常に早く、すぐにタイミングを逃していました。 「こんな生長早いし、苗も大きくなるなら、、3回も移植は必要ないだろ」 っと思い2回移植を考え出しました。 逆を言えば、3回移植しても手間が掛かるだけという結論に、、。 もちろん3回移植したものは苗も大きく丈夫なものが育ちます。 しかし外環境でも丈夫で良く育つものに、そこまで大きくするものか? という考えもありましたので。 培地はハイポネックスでOK。 バナナ又はジャガイモは1Lに100g程度、ショ糖3%。 ・全体的な特徴 とにかくこのページを良く読んで移植すれば大きくなります。 どれだけ簡単に苦労せず作業効率を上げるか?っというだけです。 ある程度の質を保ったままどこまで手抜きするか。 発根も活発で心配はないと思います。 まぁ例外として上手く育たない品種もあるでしょうけど、、。 環境と培地、タイミングが合えばそれほど難しくないはずです。 東洋蘭シンビ系の場合 ・初期移植 播種してから培地の表面が緑色になり、 1〜2mmに生長しだしたらすぐに移植します。 PLB(不定芽)にはならずリゾーム(不定根)になるからです。 培地はハイポネックスタイプでOK。 バナナ又はジャガイモを1Lに2〜30g程度。 あまり濃くなくて大丈夫です。 ・中間移植&定植 リゾームが伸び始めます。 リゾームは根の性質を持っているので 下へ下へ伸びます。 しかも基本的に「根」なので 芽や葉が出にくいです。 っていうか出ない場合が多いです。 リゾームから時々芽が伸び出しますので、 それらを切って植える作業がこの中間移植。 リゾームを移植し、育てながら芽が出るのを待つような状態です。 培地が古くなったらリゾームを適当な長さに切って中間移植を。 芽が伸びたものは、芽だけを切り離し定植へ。 ここで注意したいのが、個体。 1種子から1個体を得るためには、リゾームを伸ばしすぎずないこと。 同じ個体のリゾームが大量に殖えると、 少数の個体が大量に作られてしまいます。 リゾームが殖えたからといってそればかり植えてしまうと メリクロン状態にもなりかねません。 個体が多い場合(発芽が良好だった場合)は多少は捨てたり する事も必要だと思います。 播種した1ビンに、1〜2個のリゾームしか出なかった場合、 個体は1〜2個体のみ。 つまり実生苗をメリクロンで殖やしている事とかわりません。 ・全体的な特徴 リゾーム状態から離脱させるのが一番のポイントでしょう。 サリチル酸を培地に入れたり、水銀を入れたり、 するとリゾーム状態から離脱するらしいですが。 以前研究されている方に詳しく聞いたのですが、、忘れてしまいました。 すいません、、、。 薬品会社もリゾーム状態を離脱させる専用の薬品が売られているのですが。 なんせ値段がかなり高かったと思うので、、、。 何年も前の事ですので、部屋の中に埋もれている資料を 探さないとわからない。 生育自体は素直で育ってくれると思います。 エビネの場合 ・初代移植 難発芽種子が多く播種してから発芽までの期間が長い場合が多いです。 4〜6ヶ月間も発芽しない時もありまし、 発芽も一斉ではない場合が多いです。 培地の表面一面が緑色になることも少ないかな、、。 品種にもよるので一概には言えませんが、 交配する意味や目的などを考えれば、発芽しやすい場合は少ないと思います。 エビネを交配する場合は希少価値があり、クオリティ自体が高い 良い品種を行う場合が多くメリットもありますからね。 発芽して苗がある程度伸びだしたら、 伸びたものだけをそっと培地から引き抜いて植えます。 一斉に発芽しませんので、マザービンを残し後から発芽するのを待つためです。 発芽が比較的良くプロトコームが多ければ、苗丈1cmで移植。 エビネは地生蘭で成株ではバルブが形成されるのですが、 培養中にバルブが形成される事はあまりありません。 ですから芽を育てるような感じで培養していきます。 培地はハイポネックスタイプでOK。 バナナ又はジャガイモを1Lに2〜30g程度。 活性炭0,1〜0,2%程度。 あまり濃くなくて大丈夫です。 ・最終定植 根は細いですが、発根は活発なので少々根を切っても大丈夫です。 しかし、根がビンの底まで届かないうちに定植は行った方が良いです。 っというのも細く数が多いので放置すると根が絡んで作業が困難になります。 地生蘭ですから根も絡みやすいようです。着生蘭とは違う絡み方ですが。 植え方は根をピンセットで摘んで培地に引きずり込むような感じで。 そうしないと苗が立ちませんし、根が培地に埋まりません。 根が細く柔らかいのが特徴です。 ここまで読んでもらえればあまり詳しく書かなくてもわかってもらえるでしょう。 培地は初代移植と同じ物でOKです。 ・全体的な特徴 とにかく難発芽種子だという事を忘れずに。 発芽も長い目でみてあげることです。 あと細胞組織が非常に弱くデリケートなので、無理に引き抜いたり ピンセットで強く摘んだり、メスで傷つける事は厳禁です。 優しくしてあげて下さい。特にタイミングが遅れて根が絡んだら 作業性が悪くなる事はもちろん、苗を傷つけやすくなったり、 作業が長期に渡りシャーレ内で乾燥したりしますので、注意。 リカステも同じですが細胞組織が弱いものは乾燥も大敵です。 ですから引っ張ったり、乾燥させるような事は駄目。素早くね。 播種したマザービンは保存し、観察しながら発芽したら引き抜くクセを。 マスデと同じで地生蘭は暗い場所の方へ根が伸びる事があります。 活性炭を入れる事によって、吸着効果以外にも影響を与えていると 考えています。 私はあんまりエビネ育てた事がありませんので詳しくはわかりませんが、 エビネを育てている方なら私より培養のコツをもっと得られると思います。 あと培養にはあまり関係ありませんが、 ビン出し後の管理にも最新の注意をしなければなりません。 上でも書いていますがエビネの組織はリカステ以上に弱く乾燥に弱い。 外環境でも同じです。 ビン出し後に葉先が黒くなるのは乾燥したからです。 霧吹きなどで湿気を保ったり、湿らした不織布などで回りを覆いましょう。 強い光もNGですので、日陰で管理。 このへんは前章のフラスコ上げ(馴化)で書いていますので参照。 ここで言う乾燥とは水やりの事ではなくて、湿度の事を指します。 水を切らすなんて問題外。私が書いた事をまったくわかってもらっていません。 前章でキッチリ書いていますので、読んでいない人はまずそちらで勉強を。 基本的に前章からのステップアップの場所ですので、 基本は理解していると考えて書いています。 例外はともかく「フラスコ上げた後は水はやって良いのでしょうか?」 なんて事は質問してこないように、、説教の返信メールが返って来ますぞ。 しかし「俺は水はやらずに上手く作れる!」って人がいれば情報欲しいですね。 そういう独自のコツや方法についてはいつでも歓迎です。 | |
培 養 環 境 ここまできたらいまさらって感じなんですが、、。 これも今更って感じなんですが、、。 コンタミ、、培養をしていれば誰もが経験する事。 コンタミはコンタミネーションと言い汚染や混ざるという意味です。 しかも汚いものが混ざる意味合いが強いようです。(英語弱いので) 一言にコンタミと言っても色々あります。 白く濁ったもの、ピンク色、ヤマブキ色、オレンジ、茶色、青色、緑色 カビのようなものからバクテリア、菌糸。 しかし、発生する種類で進入経路のヒントになる事も多く観察しておきましょう。 私は、外染菌と内染菌という呼び方をしていて、 外染菌は外部からモロに入ったコンタミ。 内染菌はベンチ内や消毒時に入ったコンタミとして区別していました。 外染菌は主にカビが多く、内染菌はバクテリアが多い。 失敗した原因を知る手掛かりになります。 カビはパンやデンプンに発生するものが有名ですね。 バクテリアはモヤモヤした白や黄色、ピンクのものが有名。 もっと細かい説明を書きたいのですが、、、 入った過程や培養環境、作業手順なども影響するので、 ここではご説明出来ないのが残念です。 書いてもいいけど、かなり細かな説明が必要ですし、例外も多いので。 直接私に会って、ビンを持参してもらえれば、、、、(笑) 言えることは、コンタミのし始め、出始めから観察すること! 「あ〜、カビっちゃった〜、捨てよ〜」なんて気楽に思ってると上達しません。 なぜコンタミしたのか!?これはどういうカビ(バクテリア)なのか!? どういう条件で出たのか!?調べに調べまくって下さい。 カビにも兼気性、好気性、低温性、高温性、様々なものがあることをお忘れ無く。 上達してくると、たいていカビの出方や種類、範囲で原因が特定出来ます。 私の中ではカビが発生することは大失敗を意味していましたので、 やっぱり出たか、、って感じで凹んだもんです。 やっぱりって思うほど心当たりがある時なので、 それほど原因追究には苦労しません。 しかし、バクテリアの場合は微妙なケースが多いので、 多数のビンに出た時は、かなり神経質になっていました。 初〜中級者がよく直面し、私に相談してくる事なのですが、、 植えてから数週間〜数ヶ月で安心していた時に突然コンタミする事です。 恐らく原因も不明で夜も寝られず、夢にまで出てきて、 寒天のお風呂に体中カビだらけになって漬かっている悪夢にうなされるほど 困ってしまうという症状で、、、って冗談ですから、、、。 春と秋になりやすいコンタミです。 突然のコンタミは培養中による失敗ではないケースが多いです。 つまり外染菌であり、大半が多種多様な鮮やかな?カビが出るはずです。 原因は春と秋では温度差が生じやすい為です。 自動のエアコン装置があるとそれほど問題ではないでしょうが、 大半のエアコンは暖房冷房の切り替え式。 昼間は暑く夜は寒い、昼間は冷房、夜は暖房が入りそうな時です。 これは、ビンの中が密閉されているために、 温度上昇によってビン内の空気が膨張し、温度が下がると収縮するため、 この時に外気を吸い込み、一緒にカビの胞子などを取り込みます。 色々な本を読んだり、経験上、上下10℃以上の差が生じると 率が格段に上がるようです。 カビの出方は、最初スポット的に数カ所が汚染され、広がる事が多い。 胞子が培地に落ちた場所ということですね。 対処&回避方法は、フラスコのゴム栓なら綿栓で対応。 マヨビンのようなPP&TPXキャップなら専用メンブレンシールフィルター。 綿栓やフィルターは培養ビンに新鮮な空気(外気)を取り入れる事が 主な目的なのですが、コンタミ防止にも活躍してくれます。 温度差が激しい場所で管理するなら、やはり装備した方がよさそうです。 私がやっていた時も、全ての培養ビンに付けていました。 PPキャップにメンブレンフィルターを装着し、その上からラップを被せ 輪ゴムでしっかり留めていた事がありました。 そうすると暑い時にはラップがプックリ膨らみ、培養瓶から出たと 思われる空気が溜まっていました。 それを考えると、密閉していても相当量の空気が出入りしているようです。 作業以外でコンタミするほど悔しい事ありませんからね、、、。 突然コンタミを発生させる仮説としての可能性ですが、 培養の作業中にカビの胞子やバクテリアの微細菌が すでに瓶の中に侵入していた可能性があります。 十分に大きく育った苗は丈も高くなり培養容器の頂上付近まで 葉が到達したり、容器の隅々まで葉が茂ることがあります。 その時偶然に瓶の縁に付着した細菌に葉などが触れて コンタミのきっかけになっていることです。 瓶の縁に付いた細菌は、培地に付着しているわけではないので、 十分な栄養が得られず、幼いままで眠っている可能性です。 カビやバクテリアは必ず培地の上に発生し、瓶の縁に発生したことを 見たことがないからです。 しかし、培養容器の中は湿度100%なので結露した水滴などによって 胞子や細菌はすでに培地に落ちているとも考えられるので 何とも言えないのですが、、、。 見落としがちなものにマザーコンタミがあります。 本当によ〜く見ないとわからないコンタミで、 もともとマザーがコンタミしている場合です。 特に乳白色のバクテリアは非常にわかりにくいです。 もし移植直後に同一のバクテリアが同時に発生した場合。 マザーがコンタミしている危険性が高いです。 っというかほとんどがそうです。 シャーレがコンタミしているのを気付かずに移植を続けた場合も同様です。 しかし、マザーがコンタミしていたようにハッキリと わかる場合とそうでない場合があります。その辺が微妙。 次に器具のコンタミ。ピンセットの炎滅菌なども、 ちゃんとやっているようので出来ていない時があります。 移植作業を何本もやったピンセットやメスは寒天などが 付いている場合があります。 寒天の付いたピンセットを炎で軽くあぶっただけでは、 寒天が蒸発せずに、十分に炎の熱で滅菌されない事もあります。 付着した寒天が無菌状態なら良いのですが、、 万が一、コンタミしている寒天なら、、どうでしょうか?? 想像は容易だとおもいます。 炎滅菌は炎の熱で滅菌するものだと考えて下さい。 最後に滅菌不足について、、。 培地などは、120度以上の高圧蒸気で滅菌します。 ポイントは密閉です。 培地の入った培養瓶は、培地が120度もの高温になり、滅菌出来ます。 では、培養瓶のように密閉された容器で培地などの液体が入っていない場合。 たいていの人は、熱で滅菌するんだから問題ない。 言い切ってしまうと思います。 確かに問題はないです。しかし、注意することはあります。 万が一、密閉された容器で、容器の中が真空なら、 熱は真空を伝わりませんので、滅菌は非常気困難になります。 その原理を用いたのが、真空ガラス窓や魔法ピンというやつですが、、。 今回の場合は真空ではありませんので、置いておきます。 しかし、完全に密閉した容器に、容器の中まで熱を通すのは時間が掛かります。 培地が入っていれば、液体へ熱が伝わるわけですが、 中身が空気だけの場合は熱がなかなか伝わりにくいわけです。 何が言いたいかというと、空滅菌シャーレや空滅菌試験管を オートクレーブで滅菌すると、培地よりも規定温度に達する時間が 長く掛かるのです。よって滅菌不足を引き起こします。 オートクレーブの種類によっては、圧力不足によって エラーが発生し自動停止するものもあります。 伝わる物がない物を滅菌する場合は注意が必要です。 培地と一緒にシャーレなどを滅菌する場合はそれほど心配いりませんが、 シャーレのみをいくつも滅菌する時は注意しましょう。 私は、面倒だからといってシャーレをオートクレーブいっぱいに入れて 滅菌した事がありました。案の定です、、。 しかし!それを教訓に滅菌時間を長くしたり、熱で温めた後に滅菌したりと。 滅菌不足になってしまいがちなものはもう一つあります。 それは滅菌水です。 滅菌水は、蒸留水などをオートクレーブで滅菌し、作ります。 適当な瓶や試験管に水を入れて密閉し、高圧蒸気で滅菌します。 この時も、たいていの人は問題ないと思ってします。 しかし!ここに書いているぐらいなので、注意は必要です。 それは水の量です。 滅菌水を作る原理は蒸留水と同じです。 瓶の中で水を滅菌するのですが、高温になるので蒸留しています。 水の量が多すぎると、密閉された容器の中では滅菌不足になります。 高圧にしていても、水が多いと十分に滅菌出来る高温まで上がらないのです。 オートクレーブは120度になっていても、 容器の中までそうなっているかはわかりません。 滅菌水の量は容器に対し半分ぐらいを目安にすると良いです。 私は、師匠から滅菌水は容器の3分の1まで!と言われていたので、 今でもそれぐらいの量です。 なぜかを知ったのは自分で気付いたかなり時が経ってからです。 そして、シャーレや試験管、ピペット、滅菌水が滅菌不足でコンタミしている場合。 もっとも恐ろしいのは、確認出来ない事です。 培地ならカビやバクテリアが発生します。 しかし、シャーレや滅菌水は確認する手段がありません。 そして、コンタミしていることがわからずに、そのまま使用してしまうことです。 コンタミの原因がなにもわからない時は、疑わしいところです。 |
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