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 ☆2004年夏の北海道紀行−1  ●北海道の日本海沿いを旅する    小さな旅日記目次へ      トップページへ  

      (実行日:2004年8月7・8日)

この記録は2004年8月前半に北海道へ出かけたときの記録その1です。写真に関しては「旅のアルバム」の方にも掲載していますので関心のある方はそちらもご覧下さい。

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【8月7日】
8月6日に札幌入りしていた私は、7日の朝に苫小牧へ向かい、そこで道内在住の知人達と合流した。ここから知人の車で日本海沿岸を目指すことになる。この日の宿泊地は羽幌。羽幌は自分が北海道へはじめて行った時以来で(当時は国鉄の羽幌線があった)、焼尻島へ行くときに乗り降りしているが、それ以降は全くこの付近には足を踏み入れていないので新鮮である。また羽幌以北はまだ行ったことがなく、また翌日行く予定の増毛、雄冬方面も自分にはお初なので楽しみである。
10時過ぎに出発した車は自動車道を北上する。この夏の暑さは北海道も同様らしく、途中食事休憩した砂川では、車に戻ってみると飲み物が暖まっているほどだった。一般道に下り、石狩川を渡ってひたすらまっすぐで交通量の少ない道を進む。妹背牛に入るあたりで「墓地橋」という橋を渡る。文字通り大規模な墓地があったが凄いネーミングではある。

満開でないのがちょっと惜しい
 
北竜町に入り、ここでは有名なひまわりの里(写真)を見ることにする。今はあちこちの自治体で花畑を育成して観光につとめているところは北海道に限らず(埼玉県も含め)多数あるが、ここはその元祖のような場所でもあるせいか、街中の街路灯の周囲にもひまわりが植えられていたりでさすが徹底している。そして話題のひまわり畑は想像していた規模を超越するものだった。なにしろ畑を巡回するミニバス?があったほどである。花のほうは一部を除いて満開ではなかったが、この規模だけで十分来る価値はある。


整然と並んだ姿もまたいい
   
ひまわりの里では、大きな畑以外に、世界各地の多様な品種を栽培している畑もあり、北竜中学の生徒も一役買っているらしい。まさに街をあげてひまわりに取り組んでいる様子がうかがえた。物販店では「ひまわりソフト」を試す。ココナッツミルクっぽい味がした。
 

狛犬のような位置?
 
そこから程近い北竜の道の駅だったかの施設は気合が入っていた。入口のゲートに大きな龍の像(写真)を模してあり、とにかく観光に入れる力の大きさが見て取れた。ここでは「ひまわりラーメン」を衝動買い。今回の旅はどうもいつもになく土産ものを買ってしまうような気がする。


光のカーテン
 
留萌市街ではやや道が複雑で迷いかけたが、一方で祭りの風景にも接することが出来た。週末でもあるし、この時期ちょうど夏祭りが集中しているのかもしれない。翌日の滝川でもあちこちで山車を見かけた。留萌を過ぎるといよいよ日本海沿いに出て、ひたすら海沿いに北上する。どこまでも続く海岸線にしばし見ほれ、海のほうでは雲間から日光が差し込んでいる様子(写真)がとても綺麗だ。夜は初山別の天文台に行く予定なのでやや天気が気がかりではある。


鰊の大漁に思いを
 
小平(おびら)の道の駅は「鰊番屋」と名づけられていて、その近くには実際に番屋として使われていた建物(写真)が保存、公開されていた。木造建築でここまで大規模なものはなかなかお目にかかれない、と思うほどの豪邸?であり、かつしっかり機能的なのに圧倒された。古めかしい気圧計が掛けられていたのも印象的だった。そこからしばらく走ったあたりに巨大な風力発電の風車?が現れた。特に苫前にあるものは規模がものすごく、帰りに見たほうが見事だというので明日に期待する。


何となく懐かしい
 
羽幌に入ったのはもう夕方5時を回っていた。この日の宿である「吉里吉里(きりきり)」(写真)はペンションというよりはライダーハウスに近い雰囲気で、実際そういう利用者が多いらしい。部屋は母屋とは離れになっていて、バンガローよりは立派だがそれなりに簡素なつくりで、面白い雰囲気。我々はそうではないが1人旅などで他の人との相部屋利用もあるようで、そのあたりはユースに近い面もある。実際、夕食は1つのテーブルに集まってとるし、同宿者との会話もあったりで、久々にユースっぽい雰囲気もちょっと味わえて懐かしい気がした。


質・量とも満足 
 
夕食(写真)は相当に見事。感動して料理の写真を撮っていたら、同じ宿のライダーの1人が影響されてか?カメラを取りに行ったのには笑った(^^;)。風呂は小さいので交替に入ることになるが、近くに「はぼろ温泉」があるとのことで当方は食後そちらへ出かけることにする。道の駅や宿泊施設も備えた、かなり大規模な施設である。


ちょっと変わった形の花火
 
いったん宿に戻り、この夜はうまい具合に20kmほど北の初山別で祭りと花火大会があるのと、「しょさんべつ天文台」の一般公開があるとのことでそちらへ向かうことにする。道北や道東ではよくあることだが、羽幌の街を離れるととたんに家がまったく無くなってしまい、ひたすら道だけが続く、という状態になった。この先で本当に花火や祭りをやっているのか、と思うほどである。歩道と車道の境を示す矢印だけが赤く光って続いて見えるのが何とも不思議な雰囲気。初山別の街に入るとかなりの規模の家並みが続くが人通りが全くといっていいほどない。総出で祭りに行ってしまったんだろうか。会場は街からちょっと離れた岬の近くということで、近づいてみると明りもあり、周囲が広々としているのであまり感じないが実は相当数の車が来ているのにびっくり。あらためて北海道の広さを思う。


頭上に向けて構えたらちょとブレてしまった
 
いったん車を停めようとしたあたりは警備の人から「風向きの関係で火の粉が落ちて焼ける恐れがある^^;」とのことで移動。そんなに至近距離で見られるのか、とちょっと感動。少し高台に陣取ると、花火を上げる場所が丸見え、という素晴らしい立地。もしも都市部だったら何時間も前から場所取りが必要そうな位置だ。始まってみるとまさに真上に近いところで花火が開き、見事というほかない。花火が上がっている場所から開く位置まで全部見たのは初めてだった。20数分程度だったが堪能する。周囲が暗いだけにいっそう映えるのかもしれない。そういえば天気の方は残念ながら夕方から曇ってしまった。星が見えていたらさぞ素晴らしい星空だったろうと思う。

自分が見た中では過去最大級の望遠鏡
 
星が見えていないのは承知でしょさんべつ天文台にも足を向ける。時間が経つうち幸いにも天頂付近にちょっとだけくもの切れ間が見えたので、隙をついて口径65cm(!)もの望遠鏡(写真)がつくる星の像を初体験。見たのは一等星のヴェガで、恒星だから形が見えるわけではないが、像の鮮明さにあらためて驚いた。花火とあわせて充実した初山別のひとときだった。あまりにも暗いのでずいぶん夜が更けた気分になったがまだ9時過ぎだった。ふたたび暗い道を羽幌へ戻る。羽幌の町も国道沿いには飲み屋などは見当たらないが、暗いところを通ってきた目には大都会に見えた。部屋に戻って0時過ぎまで歓談。昼間は暑かったがさすがに道北の夜は涼しく快適だった。

【8月8日】   

品種名がけっこう難しくて忘れた
 
翌朝の朝食後、9時過ぎに出発。まずは昨夜のはぼろ温泉に隣接するバラ園(写真)を観察。バラ科の植物は実はかなり多い。ここも祭りがあるらしく、ステージでは演歌歌手がリハーサルの最中だった。声と顔がちょっと内藤やす子に似ていたが別人らしい(^^;)。道の駅羽幌では「利尻昆布シャンプー」ほか利尻昆布商品をいろいろ売っていて気になる(^^;)。


いつもより余計に回っております
 
さて昨日も気になっていた苫前風力発電の風車(?)(写真)、あらためて丘の上に見えてくると何とも異様であると同時に、何かの現代美術作品のようでもあった。近くで写真を撮ってみたが、これが風力発電だと知らずに見えてきたら怖いかもしれない。ここに限らず、昨夜の初山別へ行く途中や、小平付近にも規模は小さいものの風力発電施設をいくつか見かけた。それだけ強風が多い場所なのだろう。今は真夏なので実感が沸かないが、冬は相当な季節風が吹き荒れるに違いない。


風格のある建物
 
日曜日で、しかも抜けるような晴天で猛暑でもあり、小平町などの海水浴場はかなりの人出である。空気はきれいだし、相当紫外線も強いことだろう。北海道で海水浴も悪くなかったかな、と一瞬思った。もっともすでに腕などは相当日焼けしている。

留萌から先は増毛。そして雄冬へと進むことになる。留萌から先の海岸線も海水浴場が多く、昼近いとあって日差しも強くなってきた。増毛小学校のどっしりした木造校舎(写真)を眺め、増毛の街中では「元陣屋」(陣屋はかつての秋田藩が警備のために設けたもの、今はそのあとに町の文化施設が建てられている)、そして「国稀酒造」を見学。元陣屋は増毛町の歴史の紹介などかなり気合が入ったつくりになっており、国稀酒造は日本最北のつくり酒屋とのことで、歴史のある土地を感じる。当方は酒の試飲は出来ないが、酒つくりに使われている銘水が飲めるようになっていて、ちょっと甘味のあるうまい水だった。たまたま空になったペットボトルを持っていたのでそれを満たす。

海老の触角が動いてました
 
ここから雄冬へ行く途中、「漁師の店」ののぼりを出す店に惹かれ、昼飯に入る。海鮮丼はかなりの値段ではあるが、ネタの盛りもすばらしく、えびはかすかに動いているほど新鮮だった。知人のうち1人が頼んだ「清宝丼」(店の名前が「清宝丸」)\3150は大きなどんぶりからネタがはみ出していて、当方の「特上浜ちらし」(写真)\2625もうに、あわびほか大量に盛られていて満足した。昼飯にこれだけ奮発したのも自分には前代未聞である(^^;)。店のTVからはNHKののど自慢が聞こえ、日曜の昼であることを思い出した。そういえば昨日からニュース等全く見ていない。旅に出たときのこの隔絶感も旅の醍醐味かもしれない。


険しい地形
 
増毛から大別刈(おおべっかり)を過ぎると民家が途切れ、地形も険しくなる。かつては陸路が無く、増毛から船で往来していた雄冬はいくつものトンネルを抜けた先だった。トンネルは改修工事中のものが多く、あらためて地形の厳しさを思わせる。雄冬岬の展望台(写真)に登ってみると、海のすぐ近くまで険しい断崖が迫り、美しい海だけど厳しさを感じる。車はふもとまでしか行けず、展望台までの上り下りで大汗をかいてしまった(^^;)。猛暑は続いている。






雄冬海岸沿いでの
ビューポイント

続いて近くの「白銀の滝」(写真)を見上げる。ここにも「雄冬岬」の碑があり、ここで滝と海を眺めつつ休憩していく人というか車が多いようだ。我々はこのあとはひたすら帰路に向かうことになる。
   

祭りが始まろうとしている滝川の街
 
日本海沿いをさらに南下して浜益まで来るとかなりの規模の街。ここも海水浴へ来た感じの人が多い。そのまま石狩から札幌へ向かう方法もあるが、時間の都合もあるのでここで日本海と離れ、新十津川へ向かう。つい居眠りが出るうち、同じような景色のところを繰り返し通っているような錯覚に襲われる。平地が開け、新十津川から石狩川の本流を渡ると久々の大きな市街地・滝川が見えてくる。知人達とはこの滝川駅前でおわかれとなる。2日間お疲れ様でした。
 
それにしても、最初から1人旅だと何でもないのだが、しばらく賑やかだった旅から急に1人になると一瞬、ぽっかりと穴があいたような気分になるのは我ながら不思議だ。


いずれ泊まってみたい 
 
予定ではこの夜に札幌から夜行に乗ることにしていたが、まだ日も高いので、時刻表と照らし合わせた結果、1駅旭川寄りの江部乙まで行って、駅前の「えべおつ温泉」(写真)に入ってくることにする。大幹線の函館本線であるこの区間はたいてい特急で突っ走ってしまうのだが、鈍行に乗るとまた雰囲気も変わる。江部乙駅前から温泉はすぐ見えた。宿泊も出来るようで、フロントというか受付で\500払う。大きさは普通の銭湯程度で、湯は鉄分を含んでいるようなにおいがした。大汗をかいていたこともあって気持ちいい。30分程度の滞在で滝川行きの普通列車に乗り、滝川からは特急で札幌へ。道内は特急乗り放題の切符を持っているので気楽である。


銭湯で温泉
夜行待ちにはまだ早く、札幌でも温泉入浴を志して、1駅隣の桑園へ行き、近くの喫茶店「さっぽろ珈琲館」で軽食。この店で温泉銭湯「北のたまゆら」(写真)の場所を聞くとすぐ近くとのことで行ってみると大賑わい。銭湯なので値段は\370で入れ、しかも天然温泉とのことでさすが人気がある。露天風呂もあった。これだけ風呂に入れれば夜行に乗るのも快適だ。喫茶店の軽食では腹が持ちそうも無く、桑園駅に隣接した回転寿司「とっぴー」で7皿ほど食べてしまう。今回は食事にもかなり金を使ってしまいそうで怖い(^^;)。

さっぱり&満腹して札幌から「オホーツク9号」に乗り込んだ。思ったよりは空いていて、2人分の席で横になれそうだ。
北海道の日本海沿いを旅する
北海道ちほく高原鉄道沿線散歩
富良野・美瑛周辺を歩く
大沼周辺自転車の旅

 

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