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 ☆2004年夏の北海道紀行−4  ●大沼周辺自転車の旅       小さな旅日記目次へ      トップページへ  

      (実行日:2004年8月12日)

この記録は2004年8月前半に北海道へ出かけたときの記録その4です。写真に関しては「旅のアルバム」の方にも掲載していますので関心のある方はそちらもご覧下さい。

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【8月12日】

11日に立ち寄った旧上砂川駅舎(悲別駅の表示もある)
 
前日の11日は旭川から上砂川,留萌再訪などを経て深夜に函館入りし,旭川同様,東横インに宿泊。こちらは朝市のすぐ前で,連絡船の時代からおなじみの朝市も今はすっかり観光化したがひとまず朝の散歩をする。雨模様のせいか朝市は思ったほど人は多くないが、さすがに駅前はかなりの人だった。そろそろ旧盆で観光客の数もこれから増えるのだろう。
当初の予定ではこの日の朝の列車で八戸へ移動してそのまま鈍行で帰るつもりだったが,何となくこのまま帰るのが惜しくなったので新幹線利用に切り替え,夕方まで滞在することにする。道内フリー切符はこの日まで有効だ。あまり遠くには行けないので,このところ何回も足を運んでいるが意外にゆっくり歩いていない大沼方面を目指す。函館9:30の北斗5号で大沼公園駅に下車すると,昨年に比べてもまた様子が変わっていて,メルヘン風というか一時期の「清里」状態に近い建物もいくつかあった。駅を出て右手の視界が開けていて,観光案内所も新設されていた。20年ちょっと前に初めてこの駅へ降り立ったときは駅周辺はまだがらんとしていて,だんご屋さんくらいしか目につくものが無かったのを思い出す。

駅前のログハウス風の店にはレンタサイクルを利用する人がとぎれずにやってくる。当方もここでは自転車であちこち足を伸ばしたいのでレンタサイクル利用を考えていたが,この駅前の店はひとまず避けて、駅前通りのちょっと先に,古くからやっていそうな貸し自転車屋(という言葉が似合う雰囲気の店)があったのでそちらへ足を向ける。店の雰囲気は見た目から予想したとおりで,愛想はないけど親切そうなおっさんから1日1000円で26インチの自転車を借りる。まだちょっと雨がぱらついているが雲はさほど厚くなく,天気予報によれば快方に向かっているらしい。

 

大沼の風景 点々とした島がアクセント
 
10時過ぎくらいにスタートし,まずは函館本線に並行した道を北上し,小沼大沼の両方が見渡せる場所へ。駒ヶ岳はまだ上の方が雲に隠れているが広々とした眺め。ちょうど2つの沼というか湖の境目にあたる部分で,絶妙な場所に線路を敷いたものである。小沼の北のあたりで左(西)へ曲がって線路を渡ると今度は小沼の湖畔に降りられる場所があり,ちょっと休憩。ここからはさらに西へ向かって上り坂となる。

まずは自転車で上がれる展望スペースからの小沼の眺め
 
今回大沼へ来た目的の1つは、小沼の西にあって周囲を一望できそうな「日暮山(ひぐらしやま)」へ上ることで,高いところから大沼公園周辺を見下ろしてみたい,というのがあった。小沼から国道5号へ抜ける道はおもったよりきつい坂で,かなり上ってから左側に「かんぽの宿」への分かれ道があり,「かんぽの宿」の先が日暮山への道が続いているらしい。車も通った跡があるので自転車も通れるわけだが,さすがにかなりの山道なので自転車を推して歩く。下りが楽だからと自分に言い聞かせ,大汗をかきながら今はひたすら前進。途中でSLの音が聞こえるのに耳を傾けたりしつつ、視界が開けるまで30分くらいかかっただろうか。ひとまず山頂らしいところへ行くまでに自転車が1台降りてきたのと車に2台遭遇しただけだった。歩いて登る人は少ないらしく、いずれにせよ観光化されていない場所のようだ。

こちらは大沼・小沼が一望(^○^). 
 
展望スペースらしきところは思いのほか広く,ただし風景も思ったほど大沼周辺を一望出来るというほどではないが,車で来た先客が1人いるだけでひっそりとして観光化していないのは落ち着く。ふと見るとまだここは山頂ではないようで,森の中に細い遊歩道らしきものが続いていたので自転車を置いてもう一息登る。ほんの3分ほどで大沼と小沼がほぼ一望できる場所に到達。ここはかなり狭いので気がつかない人もいるかもしれない。もう雨は降っておらずいくらか駒ヶ岳も見え始めたのは好都合でさすがに絶景。ちょっと先へ進むと大沼と反対側のじゅんさい沼もちょっとだけ見ることが出来た。せっかく登って来たことだししばらく休憩する。ここまで来た人は意外に少ないだろう。最初に到達した展望スペースまで戻り,下りは急斜面なのでそのまま自転車に乗るのは危なくて自転車を降りた部分もあったもののさすがに早く,わずか7分で「かんぽの宿」の前まで到達した。

赤井川駅舎 ちょうどディーゼルカーが見える
 
小沼から登ってきた道路に戻り,さらに西へ進んで国道5号線に出る。ここから国道を北上すると函館本線とはまた違った眺めで沿道には飲食店もあり,車を運転できない自分にとっては新鮮である。ボウリング場らしき場所もあって、垣根にボウリングのピンが埋められてたりする。やがて赤井川の駅近くまで来たので国道からそれて駅を目指す。赤井川駅は細い砂利道の突き当たりにひっそりと存在していて,国道沿いとは別世界のようだった。ここからはいったん大沼公園へ引き返して大沼の東側へ向かうことにする。日暮山へ登る前の道を快調に下り,天気が回復してきたので貸し自転車屋で預かってもらっていた荷物をいったん出してもらい、長袖など当面不要となった衣類を入れ換えてから再出発する。

 やはり牧場のソフトクリームはうまかった
 
今度は線路沿いを南下して大沼駅へ。大沼駅付近は観光的要素はあまり感じられず普段着の雰囲気だった。天候はすっかり回復して日が差してきた。大沼駅から東へ向かう道を進み,しばらく行くと左手に「山川牧場」が経営するソフトクリーム屋があったのでさっそくトイレ休憩もかねて立ち寄る。今回の旅ではひまわりソフトやラベンダーソフトなどいろいろ味わったがソフトクリームの味はここが一番良かった。立ち寄るお客さんも多いが,もちろんほとんどが車利用である。

黒ベコ焼肉ランチ(ウーロン茶つき)
 
さらに道を東へ進むと完全に農業地帯。やがて軍川(いくさがわ)の集落に近づくとステーキの店「黒ベコ」があり,昼時でもあるのでここで昼飯にする。レストランと同じ建物に「軍川簡易郵便局」が入っていたのはユニーク。店の中は思いのほか広く,雰囲気はファミリーレストランのようだが肉の匂いが思い切り漂っている。比較的手頃な値段の黒ベコ焼肉ランチを選ぶ。1人の客はあまりいないようだ。天気はすっかり良くなって駒ヶ岳もくっきりと見え,景色も良好。

「黒ベコ」から湖岸へ向かう道よりの眺め
 
ここから進路を北向きに取り,ふたたぶ大沼湖畔を目指す。ちょうど正面から右に駒ヶ岳の姿が見えて気分がいい。線路にぶつかったところを右に向かうと池田園の駅があり,ここもひっそりとしていたが民家も何軒かあった。もっとも列車に乗る人がどれくらいいるかはわからない。まず今後来る機会はないだろう。今後の目的地は比較的最近作られた「流山温泉」で,JRにも同名の駅が開設されていたので立ち寄ってみたい。池田園駅の近くでいったん線路を越えて湖岸に出ると,ここはけっこう自転車に乗っている観光客が多かった。大沼一周でもするのだろうか。湖岸を北東に進み,思ったより遠いなと思いつつ「流山温泉」の表示を見つけ右折。どうやら駅は湖岸側にはなくていったん通り越してから線路を渡るしかないようだ。周囲にはとりたてて何もなく、なんともあっけらかんとした広い敷地に温泉の建物があった。

流山温泉前の広場から流山温泉駅(左)を望む
 
温泉の入り口を入るとまるでホテルのフロントのような雰囲気で受付があり,800円とかなりの料金の入浴料で中に入る。内装もレトロとモダンの混ざったような不思議な雰囲気で,どことなく最近よくある創作料理の店を思わせるような暗めの屋内。ちょっと濁りのある温泉は上々で,露天風呂からは駒ヶ岳もしっかり見えて眺めもいいので,割高感はあるものの来た甲斐はあった。もっとも列車の本数は極めて少ないので駅を作ったとはいえ気軽に途中下車はしにくいだろう。流山温泉駅は,温泉施設から公園のような場所を突っ切った先あたりに見えていて,片面だけのホームで臨時駅のような佇まいだった。数少ない列車だけでは当てに出来ないとみえて、列車利用の人のために大沼公園駅から送迎バスもあるようだ。

大沼周回道路からの駒ケ岳
もう2時を過ぎ,この日のうちに帰ることを考えるともうあまり時間はなく,あとは湖岸の道路を大沼公園駅へ向かって走った。天気もいいのでサイクリングの客も多い中,途中の展望の良いところで休憩しつつ湖と山の景色を眺める。広々としたところを走ってから大沼公園駅周辺へ近づくと,その周囲だけが突然変異のように建物も人も多いのだった。思ったより早く着いたので前にも行ってはいるが大沼公園の本体?へ足を向けるとこちらはさすがに観光地で団体の記念撮影なども行われていてこれまた別世界だった。車がない自分としてはかなり広範囲にあちこち動けて気分が良かったので,今後レンタサイクルが使える駅ではなるべく利用して足を伸ばしてみようと思う。もちろん季節にもよるが。

函館から本州を目指す特急「白鳥」車内より
自転車を返すと15時近い。大沼公園発15:09のスーパー北斗12号で函館へ戻る。昼を食べたのに運動したせいか何か腹に収めたくなったので、以前立ち寄ったことのあるラーメン屋「王さん」で塩ラーメンをすする。こくがあるけどさっぱりした味だった。土産物などを調達してからちょっと早めに帰りの八戸行き「白鳥30号」の自由席を確保するが,大沼公園からのスーパー北斗が混んでいた割にはこちらはあまり混まなかった。16:51に函館を発車,あとは八戸で「はやて30号」に9分の乗り継ぎで大宮22:42着,北浦和へ戻ったのは22:53で,函館から北浦和までほぼ6時間の道のりだった。飛行機で行き来する人には笑われるかもしれないが,昔の連絡船の時代を思うと隔世の感がある。もっとも飛行機にしたところで空港までのアクセスを考えるとおそらく4時間以上はみなければならないだろうから意外に差は少ないともいえる。

さてどこでしょう。
今回は北海道も(特に前半は)かなりの猛暑だったが,道北の夜はさすがに涼しかった。天候も富良野で30分ほどにわか雨に降られた以外はおおむね恵まれており,1日ごとにほぼ1つのエリアに目的をしぼっていたのでかなり中身の濃い旅になったかなとも思う。このところ毎年来ている北海道だが,次に足を運ぶのはいつになるだろうか。
北海道の日本海沿いを旅する
北海道ちほく高原鉄道沿線散歩
富良野・美瑛周辺を歩く
大沼周辺自転車の旅

 

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