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☆2002年韓国の旅(3) (実行日:2002年11月22日〜25日)     小さな旅日記目次へ      トップページへ     

   

この記録は、筆者が2002年の11月に韓国へ行ったときの様子を記したものです。
 

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  【11/24(日)】
 
新村「ハンソンカルククス」のキムチチゲ8時過ぎくらいに起き、まずは朝食。宿の近くの食堂(あとで写真を見ると「ハンソンカルククス」という看板が出ていた)で、私は「キムチチゲ」を注文(写真右)。3500ウォンくらいだったがもちろんキムチ、ナムルなど5品ほどついてくる。他のメンバーが注文した麺には貝類が入っていてうまそうに見え、今思うと「ククス」の店だから麺のほうがよかったかもしれない。今日のおもな目的地はユネスコの世界遺産にも指定されている「水原華城(スウォンファソン)」。水原市はソウルから電車で1時間足らずにあり、ワールドカップの開催地の1つでもある。距離にして30kmくらいはあると思われるが運賃は1000ウォン。まずは新村から地下鉄2号線で市庁まで行き、そこから国鉄線直通の地下鉄1号線に乗り換える。ソウルの地下鉄と国鉄の電車区間は共通運賃なので利用しやすいし安上がりである。

水原華城の「華西門」水原行きはソウル駅を出て間もなく地上に出て国鉄線区間になる。10時半くらいに水原駅に到着。駅はさほど大きくないが、駅舎に隣接して巨大なビルの建設が進んでおり、いずれは駅ビルになるのであろう。目的の華城は駅からやや離れているのでタクシーで行くことになるが、タクシー乗り場は行列がなかなか進まない。しかしタクシーは乗り場からちょっと離れた車線にたくさん停まっていて、中から何やら「早くしろ」とでも叫んでいるようでどうも勝手が分からない。乗り場から離れて止まっているタクシーに順次乗り込むらしい。クラクションや叫び声でかなりの無秩序状態のように見えるがそれなりのルールはあるのかもしれない。
  
長安門の天井画タクシーはH氏の案内で、華城の城郭のうちの「華西門(ファソムン)」へ向かう(写真左上)。華城は街をぐるっと取り囲んだ城郭で、所々に門などの建築物があり、おそらく中国の万里の長城を小規模にしたようなものなのだろう。とはいえその一部は山の上にまで達しているので全部回るのは大変だ。平地の部分を半周してから昼飯、という段取りになる。まずはトイレへ行く。するとトイレに無料の観光案内が積まれており、そのパンフレットは何と「トイレ案内」を中心としたガイドマップであった。日本語版もある。予備知識はなかったが実はこの水原市はきれいなトイレのある街を目指して取り組んできたようで、パンフレットにも「トイレ文化をリードする水原」と書かれていた。もちろん華城など市内の地図も描かれているので散歩にも役立つのでありがたく頂戴する。
 
華虹門付近で見た農業関係の祭華西門から城郭の上を北東に向けて三々五々歩く。高いところを歩いていくので街の景色を眺めることも出来て気分がいい。やや大きな通りと交差する長安門(チャンアンムン)はかなりの規模で、ソウルの東大門のような感じである。門の天井?には精緻な絵(写真右上)も描かれていて目を見張る。ここにも「長安門トイレ」があり、韓国の伝統的な家屋を模したようだが中は普通の水洗トイレだった。ここからさらに歩みを進めた華虹門(ファホンムン)にかけてのあたりは街の中心からはやや離れているようだが、その分、昔ながらの家も多く見られ、ソウルの中心部とはまた異なる街の景観である。一方で巨大なアパート群の建設が遠望され、ここもいずれ街並が変わっていくのかどうか。華虹門は水路の上に架けられた橋のようになっていて、たまたまこの日は祭りでもあるのか、伝統的な衣装を着た人たちが歌と踊りを披露していて、ちょっと得をした気分であった(写真左)。
 
錬武台トイレこの先は城郭が小高い丘のようなところに向かって連なっており、遠くに巨大な教会が見える。韓国はキリスト教を信仰する人が多く、教会も日本よりはるかに多く見かけるが、ここの教会(地図によれば「水原第一教会」)はひときわ大きく、後で近くへ行ってみることにする。丘を越えて東将台(トンジャンデ)のあたりはちょっとした広場のような感じになっていて、この近くにあった錬武亭(ヨンムジャン)トイレの外観はかなり異色であった(写真右)。こうして書いてみるとまさにトイレ紀行のようでもある(笑)。
       
水原第一教会このあたりから城郭は大きく向きを変えて南西方向に連なっている。比較的平坦な道で、先ほどの教会が徐々に近づいてくる。あらためてその大きさに圧倒され、予定では城郭の南端に近い八達門(パルタルムン)まで行くことになっていたが途中で教会へ寄り道をすることにする。城郭の上の道から街中に降りると、果物や肉などいろいろな出店があって退屈しないものの、結局城郭の切れ目まで城郭の外に出る道はなく、かなりの遠回りを強いられた。水原第一教会(写真左)は見上げるほどの規模で日本だったらものすごい大教会になるところだろう。もっとも教会の大きさに比べて敷地が狭いようで、出入りの道も混雑していた。残念ながら部外者は入れなさそうで、見上げるようにして写真を撮影した。
 
ここから八達門まで来ると城郭を半周ちょっとした格好になり、その先は城が山の上へ連なる格好になるので水原華城散策はこのあたりまでとなる。
水原の骨付きカルビ牛の胃などが無造作に置かれた市場?などを横目に見ながら八達門まで来るとかなりの繁華街である。ここで食事ということになり、水原といえばカルビ(笑)。しかし一番の繁華街と思われる街並みには、デパートや小洒落た店は多いものの、カルビを食べさせるような店が見つからず、どうやら場所を外したようだ。八達門を挟んで道の反対側、城郭が山に向かって入ったあたりにあるカルビ屋へ入る。表に日本語のメニューなども出している有名店のようだが、前日のソウルの店に比べると高いものの、カルビのボリュームは凄く、キムチ類の種類も豊富で、貝の辛子味噌?和えのようなものがうまかった。肉の厚さに驚かされる。1人あたり25000ウォン近くになったものの納得の味と量だった。
     
ソウルのワールドカップスタジアムカルビ屋を出たところで今日中に帰るT氏とわかれ、ここまでで「コアタイム」は終了。とはいえ3人は同じ宿に連泊であり、いずれにせよ水原駅へは戻らなければならないので、3人でタクシーで駅へ戻る。19時までに宿に戻ってそれから夕食にすることにし、それまでは自由行動。私は水原から乗った電車を途中の新道林(シンドリム)で下車してここから1人になった。目的地はソウルのワールドカップ会場である。
新道林から地下鉄2号線に乗り換え、3つ目の舎堂(サダン)駅で地上に出た電車はそのまま漢江を鉄橋で渡る。市街地の真中にこれほど大きな川が流れている光景は日本ではあまり見られないもので、漢江を渡るたびに見入ってしまう。次の合井(ハプチョン)で地下鉄6号線に乗り換える。6号線に乗るのは初めてで、さすがにホームも新しく、新宿のALTAのような感じで大画面にいろいろな広告が映し出されるのがホームから見える。電車の行き先が「なんとかループ」と表示されていて、そういえば路線図では6号線の一方がループ状に描かれているのに思い当たった。新交通システムではなくて通常の鉄道が一方通行でループ状に運転されているのは珍しいかもしれない。
     
ワールドカップスタジアム入口の真っ赤な展示合井から3駅目がまさにそのものズバリ「ワールドカップスタジアム」駅で、この日は静かだったが「あの時」には凄まじい人の数だったことだろう。この駅は券売機などにも外国語表示がひときわ多かった。外へ出てみるとスタジアムの大屋根はすぐ近くで、浦和美園とは大違い(苦笑)。駅を挟んでスタジアムの反対側は団地群で、駅前にはほんの2,3軒ながら屋台も出ていた。スタジアム周辺は散歩する人も多く、よく見るとフェンスの中に入っている人もいる。小さなゲートが開いていて、どうやら200ウォンで中へ入れるらしい。ゲートの門番?とおぼしき人に中へ入っていいかという手振りで示し、200ウォンを出そうとすると、彼は受け取ろうとしない。どうやら中に入ってから、という様子だったのでひとまずゲート内に入り、スタジアムの建物自体の入口を探すと受付らしいものがあった。中でワールドカップ関係の展示をやっていて、スタンドにも入れるようだったので入場。もう16時40分を過ぎていて、入場は17時までだったらしいので危ないところだった。スタジアムは思ったほど広く感じなかったが、おそらく客席に人がいないせいだろう。実際には埼玉スタジアムと大差ないはずである。スタジアムの外周にも赤一色の展示物があり、韓国チームの健闘を称えるものに違いない。
     
汝矣島・漢江市民公園からの夜景もう暗くなりかかったスタジアム駅からふたたび6号線に乗って、今度は7駅目の孔徳(コンドク)で降りて5号線に乗り換える。一瞬方向を間違えそうになりながら2つめの「ヨイナル」で下車。夕暮れの漢江の眺めを楽しむことにする。もう薄明も終わりかかった漢江市民公園へ出て、夕景に浮かぶ大韓生命ビルを眺め、対岸の市街地の夜景と川の広大さにしばし見入る。もう寒さを感じる季節のせいか人影はさほどではなかった。ライトアップされた橋や、遠くに見える南山公園のタワーなど眺めていると時間を忘れる。30分近くもいただろうか。
     
ほぼ日が落ちてから引きあげ、地下鉄5号線を忠正路(チュンジョンノ)で降りて2号線に乗り換えることになるが、ここの乗り換えは長かった。地図を見るとほとんど別の道にあるような感じだが、東京の地下鉄のように「いったん改札を出て乗り換え」という構造には決してしないのかも知れない。新村に戻ってから駅近くの現代百貨店で土産を物色する。土産といっても安い菓子類で、あいにく「ひまわりの種チョコ」が見つからなかったが、菓子類とインスタント食品などを入手。18時50分くらいに宿へ戻る。歩いているときは何でもなかったのに急に疲れが出た感じで、しばらく横になってうとうとし、夕食の予定を30分遅らせてもらう。
     
新村の民俗酒場「ソッテモリ」でナクチポックムとプデチゲ自分には珍しいことだが夕食の時間になってもあまり空腹感がない。昼のカルビがまだ残っている感じで、民俗酒場では料理を3人で1品ずつの見当にとどめたがあまり食欲が出ない。腹ももたれた感じだったようで、一度トイレに駆け込むとかなりすっきりし、プデチゲの辛いスープを飲むと急速に食欲が回復した(笑)。炒め物に麺を入れるのも面白い食べ方で、こちらもかなり辛い。元気になったところで餅の入ったプデチゲを飲み干したが、さすがに満腹で、2次会はもう食べられないだろうということでスターバックスで歓談となる。新村のスターバックスは3階建てだったがそれでも満席近く、学生街ということもあるだろうが、他の飲食店に比べると割高なのに相当の人気のようだ。ここでソウルのシティマグを入手。7000ウォンとのことでこれも日本とほとんど変わらない。
     
民俗酒場「ソッテモリ」宿に戻り、明日はそれぞれ行動が別になるので、お休みの挨拶とともにひとまず解散(笑)。その後、TVをしばらく見ると、どのチャンネルでも似たような政治家らしい人が登場している。「世論調査云々」というナレーションも聞こえ、今思うと韓国大統領選挙の話題だったらしい。23時頃床につく。
    
   
【11/22(金)】       【11/23(土)】     【11/24(日)】     【11/25(月)】     【雑感】

 

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