このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

京都御所 南門(建礼門)
(きょうとごしょ みなみもん(けんれいもん))

京都市上京区京都御苑

建礼門は御所の正門で、天皇陛下のみが用いられる。
また、外国の元首もここをお入りになる。

妙法院(みょうほういん)

京都市東山区妙法院前側町

8・18の政変によって御所を追われた三条実美ら七卿は、この妙法院に集結しました。

そして、長州藩士の久坂玄瑞に守られ、長州へと落ち延びたのです。

文久3(1863)年8月18日公武合体派のクーデターに追われた尊王攘夷派の公卿と長州兵らが、
妙法院と 方広寺 に入寺した。
一行は軍議を開き三条実美・三条西季知・東久世通禧・壬生基修・四条隆謌・錦小路頼徳
・沢宣嘉の7人の公卿が西下し長州に逃れた。
7人は官位を奪われ、王政復古後、復位入京の勅許があるまで滞在した。

妙法院は通常非公開なんですが、特別公開されたときには一見の価値があります。

国宝である庫裏の天井には板を張らず、縦横に架け渡した梁の見える化粧屋根裏に
なっています。
これを野天井形式といいます。

桁行約22メートル、梁行約24メートル、天井の高さ約18メートルの巨大な伽藍の中に
剥き出しの梁が! これは迫力がありすぎて見るものを圧倒します。

そういえば、この庫裏の鬼瓦もスゴかった!
あまりに恐ろしい形相で睨みをきかせているので思わず足がすくんだほど。
今のところ、僕の中では怖い鬼瓦ナンバー・ワンです。

ちなみに、1001体の千手観音像を安置していることで有名な蓮華王院(三十三間堂)は、
妙法院が管理していらっしゃいます。

七卿西竄定策遺蹟と刻まれた妙法院の石碑

天台宗の門跡寺院。
1160年(永暦1)比叡山西塔本覚院の昌雲が法住寺殿に接して里坊を開いたことに始まる。
幕末まで代々法親王が住持。
庫裏(国宝)は1595年(文禄4)頃の建築で、野天井形式という。
豊臣秀吉の造営。
大玄関、大書院(重文)は狩野派の障壁画で飾る。(非公開)
建立:1160(永暦1)年

文久3(1863)年8月18日、しばしば偽勅を発していた三条実美ら攘夷過激派の公卿7人と
尊王攘夷派の中心だった長州藩が、公武合体派たちによるクーデターによって御所を追われ
京都から追放されるという事件が起こった。
世にいう「8・18の政変(七卿の都落ち)」である。

京都守護職の松平容保は、長州藩と反目する薩摩藩と結び、会津・薩摩両藩兵で禁門を固めた。

一触即発の危機もはらんだが、長州藩は「退去せよ」との勅命には抗せず、京都をあとにした。

壬生浪士組も御所の警備に出動を命じられ、「真っ先に討死する」という覚悟を胸に
御所南門(建礼門)に駆けつける。

ところが、そこには京都守護職の会津藩兵が、がっちりと警備を固めており、壬生浪士組を
通そうとせず、それどころか手にしていた槍の刃先を壬生浪士組に向けて構えた。
この頃には、壬生浪士組が会津藩預かりであることを知らない会津藩兵も多かった。

芹沢と近藤は、事を起こせば収拾がつかなくなると判断し、抵抗もせず、また引き上げることも
せず、隊列を整え、誤解が解けるのを待った。

やがて、この会津藩兵たちの誤解も解け、壬生浪士組の勇敢さと冷静沈着な行動が高い
評価を得る。

隊士 島田魁の日記には、「其節転奏ヨリ新選組ノ隊名ヲ下サル」と記されている。
(転奏は武家伝奏のことだと思われる)
(武家伝奏とは、武家についてのことを天皇や上皇へ取次ぎする公卿の役職のこと)

つまり、壬生浪士組は、この8・18の政変での活躍が孝明天皇の耳に入り、武家伝奏より
新選組の隊名を賜ったということになる。

武士になりたいとあこがれていた近藤たちの夢が実現した瞬間だった。

同年8月21日、朝廷は新選組に対し、「昼夜問わず市中を取り締まるように」と”市中見廻”の
任務を命じ、新選組はついに歴史の表舞台に登場することになる。

余談だが 旧前川邸 には、「近藤勇落書の雨戸」というものが残されている。(非公開)
これは、雨戸に墨で表面に「会津 新選組 隊長 近藤勇」と大きく書かれ、
裏面には「勤勉 努力 活動 発展」と書かれている。

僕はこの雨戸を実際に観る機会に恵まれたが、この雨戸は書風からみて、近藤直筆とは
認められていない。(一説には近藤の養子である近藤周平によるともいわれている)
しかし、晴れて隊名を授かった隊士の喜びが伝わってくるようだった。

七卿西竄定策遺蹟と刻まれた妙法院の石碑
庫裏内部の化粧屋根裏
庫裏
妙法院
妙法院
京都御所 南門(建礼門)
8・18の政変(七卿の都落ち) 新選組の誕生

庫裏

庫裏内部の化粧屋根裏

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