このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

ブルーハイウェイライン
(苫小牧〜大洗)

 東日本フェリー(室蘭〜大洗)とともに、関東から北海道を目指す人にとってはおなじみの航路の一つだろう。深夜に出航するという点では利用価値は高いかもしれないが、航行距離の関係で到着も夜になってしまうというのが難点ではあるが。それはさておき。
 昼過ぎに北海道に上陸してからまだ数時間というのに、私はもう最終目的地である苫小牧港に着いていた。北海道を離れるまでの時間はあといくらもない。北海道を走るためではなく、関東に戻るために北海道に来たのだから当然といえば当然だが。
 苫小牧港は長距離航路の一大拠点ということもあり、構内ではトラックやトレーラーがひっきりなしに行き交っている。中にはとんでもないスピードで突っ込んでくるものや、クラクションを鳴らして乗用車やバイクを追い払うものもおり、改めて港の危険さを認識させられた私変衆長なのでした。それはさておき。
 乗船開始時刻をやや過ぎた頃に放送があり、バイクをフェリー前まで移動させた。しかしここからなかなか乗船が始まらない。本来ならチケットを渡して走り抜けるだけであるはずの場所が、乗船待ちの駐車場状態と化してしまっている。これは乗用車についても同じで、私たちバイクの隣に二列に並んでひたすら待ち続けている。その前でトレーラーが、何度も往復していく。時折思い出したように車が積み込まれているようだが、必ずしも並んでいる順番が守られている訳ではない。すぐに乗り込めると思っていたバイクもあきらめてエンジンを停めてしまい、誰も口にこそ出さないが、不満げな雰囲気があたりに漂い始めているのがはっきりと感じられた。もし雨でも降っていれば、間違いなく係員に詰め寄るライダーが現れたであろう。
 30分近くも待っただろうか。やっと乗船開始となった。乗り込んでしまえば後は早いが、全体として車両の積み込みの要領があまり良くないように思われた。積み込む順番や作業手順、手続きに時間がかかることは承知しているが、乗船待機場所を移動させたに過ぎないような無意味な移動は、港内での事故の危険を高めるだけでしかない。たまたまこの日だけそうであれば仕方ないのかもしれないが、いつもこのような状況であれば、検討の余地があるのではないかと思った。それはさておき。
 船内設備等は充実しており、特別不満のあるものはなかった。海がやや荒れていたために揺れが大きかったが、くつろいで過ごせる船であったと思う。それだけに、乗船の際の不手際が残念でならない。  翌日夜に大洗到着。すぐ横には室蘭からのフェリーがすでに接岸している。帰りのフェリーが接岸するときには、もう少し遅くなってくれてもいいのに、といつも思ってしまう。夢のような世界から、現実へと戻る中で、間違いなく現実の舞台へとつながっている港への接岸。そして現実へ向かって最後の走りを始める場所への接岸。走り出すときに、何とも言えない重苦しい気持ちになってしまうのはこれで何度目だろうか。ツーリングの度に繰り返し経験する気持ちだけど、これだけは何度経験しても慣れない。
 雨が降っているのでは、と心配していたが、路面は乾いており、雨の心配はなさそうに思えた。が……。
 走り出してしばらくすると雨粒が。通り雨と思ってそのまま走っていくとやがて豪雨に!早く帰ろうと高速に乗っていたが、前が見えないくらいの大雨にサービスエリアに緊急避難。旅の最後の最後にとんでもない目に会ってしまったのでした……。


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