このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください


県営渡船
(種崎〜長浜)

県営フェリー 種崎桟橋にて

 高知県道278号線(弘岡下種崎線)が、浦戸湾によって分断されている区間を結ぶフェリー。全国的に見ても珍しい県道フェリーだ。
 大阪からのフェリーを下り、有名な桂浜へ向かって走っていく。途中で桂浜への道から外れ、狭い278号を東へと進んでいく。こう言っては何だが、とてもフェリーのある道路には見えない。
 本当にこれでいいのか、と思い始めた頃、「種崎フェリー」の案内板が見える。道の先端にゲートが見え、その先にフェリーが止まっている。うっかりしていれば見落としてしまいそうだ。事務所も、駐車場も見あたらない。これではラッシュ時には道路が渋滞するのではないだろうか。
 運賃は無料。乗り込むと丁度出航時間だったのか、すぐに出航する。早朝に大阪からのフェリーで通った浦戸湾を横切ってフェリーは進む。船内は2車線程度の広さになっており、不思議なことに車は全て左側に止まっていた。反対側を車が走っていくのではないか、と一瞬思ってしまう。そんなことはあり得ないのだが。それはさておき。
 5分で種崎に到着。その先に延びる道も、フェリーの幅程度しかない。まるで道とフェリーが一体化しているかのようだ。

種崎桟橋
 無料で高知県が運営している高知県道フェリー。湾内航路との関係で橋を架けるには難があるが、人や車の流れを考えるとこの区間を結ばないわけにはいかない、というあたりがこの航路の存在理由なのだろうか。通勤・通学で毎日相当多くの人が利用しているらしく、「混雑時には自動車の輸送を制限することがあります」との看板も出ていた。地元の生活に密着した渡船らしい看板だ。
 旅の途中で乗り込むフェリーとしては、「ちょっと長い目の赤信号」という感もある。こんな素敵な赤信号なら、もっと長いこと引っかかっていてもいいかも知れない。
 えっ?赤信号じゃあ進めないって?……、旅は進むものじゃあない。するものなんだから。赤信号くらい、悠然と待ちましょうや……。



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