渡船、即ち渡し船。そもそもフェリー(ferry)の本来の意味は、「渡し船」であった。それが現在では、「車ごと乗客を運ぶ船」の意味として使われるようになっているだけである。それはさておき。
ここで取り上げるのは文字通りの「渡船」。航行距離数百mからせいぜい2〜3㎞、航行時間も10分程度までの航路を選んでみた。そのほとんどが客室を持たず、車両甲板に立ったままか、せいぜい隅のベンチに腰を下ろす程度のもの。運賃は船内で係員が現金徴収するというスタイルがほとんど。(中には無料という航路まである!)
また、そのほとんどが地元の生活の足であり、時刻表はもちろんのこと、ドライブマップにも掲載されていない航路もある。それだけに、船の中は生活臭があふれている。長距離を走るフェリーにありがちな、「きれいな服を着たお姉ちゃん」に出会うことはまずない。むしろ、「突っかけを履いた買い物帰りのおばちゃん」に出会う方が多いだろう。中には出航時刻すら決まっていないものもある。客のいない日中には、ヒマそうな顔をした船員が桟橋で休んでいることもある。そんな生活にどっぷりと浸かりきった「渡船」に、あなたも乗ってみませんか?
渡船を利用するにあたっては、平日のラッシュ時は避けた方がいいでしょう。毎日渡船を利用している通勤・通学客にとっては、大事な通い道なんですから。
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