このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください
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これぞまさに漁船フェリー!と言うべき素晴らしい航路。チャンスを作って是非一度乗って欲しい。
伯方島の尾浦港は、スロープのついた固定岸壁の前に、乗用車が転回出来る程度の広場があるだけ。事務所も何もなく、時刻表が1枚、道路ワキの壁に打ち付けてあるだけである。知らなければ、恐らく気づかずに通り過ぎてしまうのではないだろうか。
”漁船フェリー”のしま7 尾浦港にて
まさに漁船の様なフェリーが接岸する。乗客は私一人。それでも定刻まで待機してから出航。小さい船の割にはスピードは出る。しかし揺れるのはどうしても押さえられない様子だ。
やがて女性が切符を売りに来る。恐らく船長の奥さんだろう。どうやらこの航路は船長夫婦だけで運営している様だ。個人経営だが、税金その他の対策で会社形式にしているだけなのではないだろうか、と思ってしまう。
終点までの切符を求めると、「橋を渡ったほうが早い」と言われてしまう。自分たちの航路を否定するようなことを平気でいうのでびっくりしたが、当人達もそれを承知の上で運航しているのだろう。「船の方が好きだから」と言って切符を買う。確かに橋の方が安い値段だった。しかも早いことも間違いない。
寄港地の鵜島は、小さな集落が二つ見えるだけの島だ。店も何もないらしく、買い物用のカートを持った主婦が数名乗り込んできた。どうやらこの航路は、鵜島と伯方島の間は回送に近い状態で運航しているらしい。
鵜島から大島まではほんのわずかの航海で到着する。大島の宮窪港もやはりむき出しの固定岸壁だが、待合所が建っており、明らかに尾浦港よりは扱いがよい。宮窪港にて
船を待っている人も十数人はおり、軽トラックも一台乗り込んできた。
形の上では橋との並行航路ではあるが、間に取り残されている島の住民にとっては、かけがえのない生活手段であるこのルート。橋とは無関係に、これからも走り続けるだろう。がんばれ、漁船フェリー!
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