このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

早春の愛媛2004年「しおかぜとみかん山の風景」その2

次の列車を撮ると先ほど見逃した、串と下灘の間にあるポイントを探しに
出かけた。どうにか見つけたが、これがまた次の列車まで時間がある。
仕方がないので、下灘駅の場所を確認に行く。よく見ると国道に案内板
出ていた。小道に入ってしばらく走ると下灘駅に到着。ポスターや他の写
真で見るとわからないが、海の反対側はすぐに民家が並んでいる場所な
のだった。降りて一通り探索した後再び先ほどの串と下灘間のポイントに
戻る。
しかし、この場所は山の上まで登らないと倉庫等が入ってしまい、おまけに
曇ってきて、あまりよいものは撮れなかった。残念。気をとりなおし、別の
ポイント探しに向かう。先ほどの菜の花のポイントを過ぎ、しばらく行くと
山へ登る小道があった。車を置き登って行くと、踏切があり、なかなかよ
い感じだ。陽が出たり、曇ったりという天気。陽が差すと完全な逆光にな
るが、海が光りよい感じになる。ここでしばらく撮った後、下灘駅へ向か
う。
何回行ったり来たりしただろうか。下灘駅に着くと、先客がいた。やはり駅
の写真を撮っておられる方だった。その旅のお方がベンチに置いたリュッ
クを小道具にイメージ写真を撮ってみる。兵庫県から来られたというその
方と次の列車まで話しながら待つ。残念ながら完全に曇ってしまい「夕日
と列車」というひとつのテーマはあきらめざるを得なくなったが、日没の頃
のローカル線の小駅を堪能することはできた。
薄暗くなってきた下灘を離れ、一路松山市内へ向かう。今日の宿は松山
城の堀端にあるホテルだ。午後6:40着。チェックインの後、部屋でしばし
休憩し、再びカメラを持って出かける。堀端の通りをとぼとぼ歩く。まずは
腹ごしらえをと思ったが、飲食店が見当たらない。頻繁に市電が通り過ぎ
る。15分ほど歩くとやっと1軒の喫茶店を見つけた。外にあったメニューに
は食事もあったのでこの店に入ることにする。「和風おろしハンバーグ」は
なかなかおいしかった。しばし食後の休憩をし、目的地へさらに歩く。

食事をしている間に雨が降ったようで路面は完全に濡れていた。幸い、
外に出てからは雨はあがっている。市電「市役所前」駅に停車中の電車
をライトアップされた松山城とともに撮ることに、「鉄道の旅」でこの写真を
見たときから、決めていた。さすがに市街地で夜間に三脚を立て撮影と
いうのは少々恥ずかしさもあるが、このあたりは官庁街ということもあって
か、8時30分にもなるとほとんど人通りはないのだった。さらに伊予鉄道
高浜線(正確には市電も伊予鉄道ではあるが)との平面交差を見るため
に歩く。また都電の話になってしまうが、東京の街のあちこちに都電が
走っていた頃はよく見られたものだが、ここにはそれがある。さらに高浜
線が優先で、遮断機が下り、電車が電車待ちをするという現象が起こる。
9時過ぎまで撮影した後、さすがに疲れてホテルに戻る。長い一日は終
わった。ホテルに戻り、テレビをつける。明日の天気予報をチェックする。
現時点ではとりあえず、雨はあがっているが、予報では朝から雨。ところ
によっては南風を伴い強く降るとのこと。完璧に「雨男」になってしまった
か・・・。しかし、午後には回復するとのこと。「雨のち曇り」。雨ということ
は列車を撮影するにはちょっと苦しいか。さて、どうするか・・・。考えなが
らチャンネルをまわし、そのまま珍しく映画を観て気づいたら眠ってしま
っていた。


セットした目覚ましが、6時に鳴る。カーテンを開けると予報どおりの雨。
洗面を済ませると昨夜買っておいたパンと缶コーヒーで朝食をとりながら
本日の予定を考える。天気予報は変わらず、午後から回復。ならば、なる
べく、雨でも影響のないものをということでちょっと離れているために今回
は予定からはずしておいた「名水めぐり」がよいのでは、ということで復活。
7:30にチェックアウトし、カーナビを「伊予西条駅」にセットする。走り出し
路面電車の行き先表示の「道後温泉」という文字を見た瞬間、「ちょっと寄
ってみようか」ということでカーナビの指示を無視して道後温泉方面へ向か
う。松山市内はこれで3回目になるが、なぜか道後温泉には行ったことが
なかった。温泉に入るつもりも時間ももちろんなかったが、一度ぐらいは見
ておきたいと思った。程なく、「道後温泉駅」に到着。伊予鉄道線の駅だ。
駅前広場に線路が伸び、そこに名物の「坊ちゃん列車」がとまっている。
一日に何回か観光客を乗せ、市内電車の軌道を走る。走らない時間には
モニュメントとしてここにあるようだ。なかなかよいアイデアだと思う。
ちょうど乗務員の方がいらしたのでお願いし、写真を撮らせていただく。


駅前にも湯の涌き出る広場があった。次に道後温泉の本館に向かう。
明治時代に建てられたというその建物はあまりにも有名な観光名所だが
こういう雨の降る朝には逆に風情があるものだった。まさに雨を逆手にと
った選択だった。めったに観光地には近寄らない私だが、このときばかり
は来てよかったと思えたのだ。しかしながら、自分には当然湯に入る時間
などはなく、しばらく温泉情緒を味わった後、カーナビの指示通り伊予西条
を目指す。

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