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怒涛の九州2003年夏その3


今日もすっきり晴れてはいないが、雨は降っていないという天気。
とにかく少しでも時間を稼ぎたかったので朝食も早めにとり、8時前
には出発する。天気が良かろうと悪かろうと今日の一番の目的は
長崎本線を走る「白いかもめ」だ。長崎市内では渋滞にぶつかった
ものの、そんなに時間はかからず長崎バイパスから長崎自動車道
を経て、昨日と同じく諫早で降りる。諫早市内ではまた渋滞にぶつ
かるが、市街地を抜けると快適なドライブとなった。写真は長崎
市内の様子と長崎バイパス直前の国道の様子。
長崎本線に沿って国道を進む。途中給油のために肥前大浦駅
近くのガソリンスタンドに立ち寄る。何となく脱線事故のことを聞いて
みると「ずっと諫早寄りですよ。国道をずーっと行って2つ目の○ァミリ
ー○ートの裏あたりらしいです」と言っていた。そのときは大して気に
もとめなかった。
程なく目的地に到着。草叢に見事に小道ができている。それだけ
ここで撮影する人が多いということだろう。準備に取り掛かろうと
しているといきなり「白いかもめ」が通過。もう少し早くくれば・・・。
しかし、ここでの撮影は寝台特急「さくら」が通過する昼ごろまでを
考えていたので気を取り直し準備にかかる。「青い海」と「白いかも
め」がテーマであったが、残念ながら海は青くは輝いていない。陽が
差したかと思うと雲が出てきたり、時折雨がぱらついたりというめま
ぐるしい天気の変化。何本か撮影した後、少し場所を移動してみる。
もう一度戻ってきてまもなく、もう1人やってきた。名古屋から来たと
いう若い人だ。平日にも人が来るところはさすが有名撮影地。
予定通り「さくら」を見送るとこの撮影地を後にした。
国道を諫早方面に戻って行くと、肥前大浦駅に先ほどの「さくら」が
停車している。後発の「かもめ」に抜かれるのか、上り線とのいれか
えか。その瞬間も撮りたかったがとりあえずあきらめて先を急ぐ。
今日はもうひとつの名水と大村線にも行きたかったからだ。まもなく
すごい雨が降り出した。が、一時的なものでその雨もすぐにやんだ。
と思うといきなり夏の陽射し。湯江駅を右折するとまた「さくら」が
いた。今度は我慢できずに駅前に急いで車をとめ、刑事ドラマの
刑事たちが現場に到着すると車から降りるようにして車をおり、
ホームに駆け込む。程なく「かもめ」が「さくら」を追い抜いていった。
この「かもめ」もソニック編成であった。何かお年寄りが若いものに
道を譲っているように見えて仕方なかった。ブルートレインだけは
いつまでも走り続けてほしい。
「さくら」の出発を見送るとそのまま山の方へ向かう。道を間違えなが
らもなんとか到着。轟渓谷。かなり山深いところにある名水だった。
たくさんの人がポリタンクに湧水を汲んでいた。名水を飲み写真を
撮ると再びもとの国道を目指し車を走らせる。まったく忙しい。再び、
ものすごい雨が降り出したが国道へ出るころにはやんでいた。しば
らく国道を走ると○ァミリー○ートが目に入った。「そういえば・・・」そ
の店の向こうと見ると大きな青いビニールシート。行きにも通っている
はずだがそのときは全然気がつかなかったものだ。と次の瞬間、
小道に入るための右へのウインカーを出していた・・・。

踏切脇の小山の斜面にネットが張られている。脱線転覆したあたり
にはまだ何人もの作業の方がいた。とりあえず列車は走っているの
だが、事故の傷跡はまだまだ深く残っているようだ。ビニールシート
の下には撤去できずにいる車体があるのだろう。そろそろ出発しよ
うかと思っているときに踏切の警報機がなった。博多行きの783系
「かもめ」がやってきたが、踏切の手前で一時停止し、徐行しながら
現場を通過して行った。真新しい架線柱が妙に痛々しかった。列車に
限らず、交通機関の事故が二度と起こらないことを願う。



諫早市内から再び長崎自動車道に乗り、東そのぎインターを目指す。
この旅の最後の目的地、大村線の千綿〜松原間。長崎自動車道を
降り、国道をしばらく大村方面に戻ると千綿駅に到着した。目の前に
海の広がるなかなか趣のある駅舎だ。だが、駅のホームにいた人
にたずねると昔はもっと風情があるものだったらしい。ひととおり駅の
写真を撮ると地形図を見ながら撮影場所を探す。国道沿いで車を
とめるスペースに苦労しながら、海をバックに何本かの写真を撮った。
そのあと雑誌にあった小さな「舟だまり」に行く。車をとめ準備にかか
っていると近くの家の方が「うちの前にどうぞ」と言ってくださった。
ありがたいことだ。雑誌と同じ船が見事に並んでいる。漁村の雰囲気
がとてもよい。何本かの撮影の後、今日は釣り人を案内していたと
思われる漁師の方々が船で戻ってきた。仕事の後のおくつろぎのと
ころに例の雑誌「撮り鉄のバイブル」を持っていき、「これをご存知で
すか?」と話し掛けてみた。ここから先の会話は実際には私の東京の
言葉と漁師の方々の地元長崎の言葉でなされたが、私には忠実に
再現することができないので、標準語で会話の流れからこんな感じ
だろうということでご了承いただきたい。「この写真はこちらですよね」
「どれどれ・・・おお!○○ちゃんの船じゃねぇか!」
「へえこんなのがあるのか。どうりで最近よく写真撮りに来る人がいる
わけだ」「うん?舟だまり?ここは漁港だ!」ちょっと憤慨している方も
おられた。地元の方との交流を楽しみながら列車を撮影した後、山の
上からの撮影をすすめられ行ってみる。先ほども行こうとしたのだが
道がよくわからずあきらめていたのだが、そことは少し違う位置を
教えていただいた。やはり地元の方に聞くのが一番だ。山の上へ車
を進め、農作業をしている方に断り三脚を立てた。大村湾が一望で
きるすばらしい展望。もう一本撮れそうなので、再び先ほどの漁港に
戻り最後の撮影。雨が降り出した。雨の中海沿いを青い「シーサイド
ライナー」が行く。夏はまだまだこれからだ。

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