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鳥取2003年「最後の夏の国鉄色」その2 


今日はなるべく移動距離を短くし、撮り鉄に徹しようか
と思っていたが、餘部鉄橋へはせっかくここまで来て
いるのだから行きたいと思っていた。鉄橋を架け替える
計画があるようで、7〜8年後には架け替えることにな
るそうだ。行こうと思えばいつでも行けそうで、実はなか
なか行けないのが世の常。泊駅から餘部鉄橋までは
2時間と見ていた。餘部鉄橋は兵庫県に入る。
1時に泊駅を出発。カーナビをセットして走り始めると
ナビが示した到着時刻は15:00。またまた鉄道のよう
な正確さ。しばらく走っていくと速度が速かったのか、
到着時刻は14:30という表示に変わっていた。
というわけでコンビニで少し休憩。飲み物などを仕入れ
再び出発。かなり険しい山道もあったが、そういうとこ
ろからの海の眺めはまさに絶景。その下に線路があれ
ば間違いなく「有名撮影ポイント」になるだろう。が、
残念ながら線路はない。

結局2:40には餘部鉄橋に到着。寝台特急「出雲」に
乗って往復通ったことはあるのだが、下から見上げるの
は初めてだった。ちょうど鉄橋の真下にトイレ付きの
パーキングスペースがあり、そこに車を置き、まずは
餘部駅上の有名撮影ポイントに向かう。今度は予定
より早く着いたのでたっぷり時間があり、途中さまざま
なアングルで鉄橋を撮影してみた。赤い鉄橋が風景の
中に見事に溶け込み、すばらしい景観をつくりだす。
架け替える予定の橋はコンクリート橋になってしまうよ
うだが、それではこの景観はつくりだせないだろう。
しかし、この鉄橋の真下にも民家があるということが、
何か信じられないことでもある。登山道ではないかと
思われる山道を登ること数分。餘部駅に到着。片面
しかない無人駅だが、知らない人はほとんどいないで
あろう、知名度の高い駅だ。ホームは鉄橋のすぐとなり
にあり、もちろんホームから鉄橋を渡るレールが手に
取るように見える。が、不思議とそこだけを見ている
限りはこんなに高さがある鉄橋を通っているようには
見えない。おそらく、見る角度的に、鉄橋上の枕木
が重なって見えるためであろう。
餘部鉄橋

ホームの鉄橋寄りところに枕木のようなもので階段状
のものがある。「ここか!」ということで登っていくが、
雨で道(といっても獣道のようなもの)は泥沼化して
おり、すべるはすべる。少し行ったところで行き止まりに
なるが、その一角のみ草木が無く、ここが撮影地である
ことがわかる。鉄橋のほうに視界が開け、よく目にする
餘部鉄橋の景色がそこにはあった。餘部に到着する
直前より雨が降り始めており、カメラをセットして待つ
ことができないため、三脚のみ一番よさそうな位置に
置き、一歩下がって待つ。一歩下がるとちょうど木の下
に入り、雨が当たらないのだ。そういえば、先ほどの
木の階段といい、この場所といい、いったい誰が切り
開いたものなのか。考えてみればおかしな話である。
時間があき、やることもないので、そんなことを考えて
みた。最初に有名撮影ポイントを発見した人はどうやっ
て見つけたのだろうか。午前中に行った踏切もそこを
渡らなければ、なかなか発見するのが難しいだろうし、
餘部駅のこの上の山に、最初から道があったとは思え
ない。わざわざ、草木を切り開いて作っていったのだろ
うか。そんなことを考えながらすごしていると列車が通
る時間となった。
山を下り海の方へ行ってみる。相変わらず雨が降って
いるが、海の方から海を手前に入れて撮りたかったの
で、歩きながらよい場所を探す。山の上のポイントも
そうだったが、こんな雨の降る日によっぽどの物好きで
ないと歩いていることはないだろうに。しばらく行くと
堤防があり、その上から撮ることにする。また30分近く
雨の中を待つ。中学生だろうか。4人ほどの男の子が
磯遊びをしている。「こんにちは」と声をかける。たまに
はこういう物好きが来るのだろう。別段怪訝そうな顔も
なく、普通に挨拶を返してくれる。このような人間に慣れ
ているところにも「有名撮影地」を感じる。少し雨が小ぶり
になったところで列車が通過。今日の餘部鉄橋の予定
はこれで終了。ここまでも順調にこなしている。
車を留めてある鉄橋下に戻り、しばし休憩。もうひとつこ
なせば午後も完璧だ。そのポイントは餘部から近い
ガーダ−橋だった。リンクでお世話になっている「特急
おおぞらさま」が以前餘部を訪れた際、宿のご主人から
聞いた場所だそうだ。が、実際に「特急おおぞらさま」は
このガーダ−橋には行っていないとのこと。実はここへ
来る途中に通ったわけだが、その際橋は確認できたも
のの、駐車スペースがなく、どうしたものか、と思案して
いた。雨も降っている。それこそ国道脇で長時間待って
いるのはつらいものがある。そろそろと車を走らせ、
ガーダ−橋の手前でどうにかこうにか路肩ぎりぎりに
車を寄せ、ハザードを付けながら車の中にて、時間まで
待つ。雨が激しさを増した。こういう時、車は助かる。
列車通過時刻が迫り雨も小ぶりになった。車から出て、
カメラを構えて待つ。無事列車は通過したが、夕方にな
りすっかり暗くなってしまった。
午後の予定も完璧にこなした。奇跡に近いような気が
する。
鳥取市内のシティホテルに向かうべく、ナビをセット。
ここへの到着予定時刻は18:00と見ていた。
走りだすとなんとナビが示した到着時刻は18:00。
いったいどうなっているのだろうかと・・・。国道を走り
続け、少し早めに鳥取市内に入ったが、結局渋滞に
はまり、ホテルの駐車場に着いたのが、1分たりとも
違わない18:00であった。なんとも不思議な日だ。

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