次の日、咳は出るものの、病院への怒りと涙によってすっかり熱も下がった私は、 マユミと一緒にシティーホールへ行くことにした。

洗面場で朝の身支度をしていると、他の部屋の長期滞在している宿泊客が「シドニーで学校行ってる時は外人ばっかだったけど、 ここは日本人だらけでイヤだわー。こんなに日本人がいっぱいいるの初めてよ。私は英語がしゃべりたいのよ！早くここを出たいわ！」と隣でしゃべっている。 「うわー、日本人を毛嫌いしすぎで怖い人や！！感じ悪い！」とマユミとおびえた目でその人を見ていた。

この人の事は「こわい人」と密かに呼んでいたが 後々、旅をしていく先々でマユミも私も別々で「こわい人」に何度も出会い、仲良くなっていくとは思いもしなかった。 彼女の名前はカヨさんである。本当は全然怖い人ではなくて、面白すぎる人である。この時はお互いに名前すら知らなかった。

CITY HALL

シティーホールは、シドニーにあったタウンホールのような感じだった。でも違うのは時計塔の上にある展望台へ上れる所である。 しかも無料で。そして、この日シティーホールの近くでアイスの試食品が配られており、２回も前を通って２個もアイスを食べた。無料バンザイである。

マユミはシドニーにいる時、「エクスチェンジHQ」という日本人だけでなく他の国の人にも対応している情報センターでボランティアをしていたのだが、 その事務所がブリスベンにもあり、一緒に働いていた人がいるという事で、そこへ行くことにした。 そこでなぜか、ブラピの「スナッチ」という映画を見る事になり、もちろん字幕もないわけであり、さっぱり意味がわからなかった。 しかし一つ確かな事は、ブラピはかっこいいという事である。マユミは日本で見た事があるらしく、説明してもらった所によると、 ブラピは強く、優しい役柄であった。かっこいい。

CHINA TOWN

そして、その次の日、電車に乗ってチャイナタウンへ行った。電車はシドニーと違って綺麗だった。 チャイナタウンは、建物や雰囲気はそれらしい感じではあるが、シーンとして、ひとけが無かった。 しかしアジアっぽさにワクワクした。アジアはいい。アジアが好き。そして私はアジア人。

CHINA TOWN

駅のニュースエージェンシー（キヨスクみたいなもの）で、念願のタバコ巻き機を発見し、購入。 旅をはじめてから、経費節約のため巻き煙草にしたが、手では上手く巻けず、噂に聞くタバコ巻き機をずっと探していたのだ。 サーファーズでも店で聞いたが高価なものしか置いていなかった。やっとここで一番安いバージョンのタバコ巻き機をゲット！４ドル５０セント。ここから私のタバコライフは 快適なものとなり、タバコ巻き機はネタにもなり、ヘビースモーカーへの道を走ることになる。（巻き煙草とタバコ巻き機については こちら ）