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「セントラルライナー」関連報道(1999〜2000)

1999〜2000年における「セントラルライナー」(以後「CL」と略します)と中央西線に関する 報道・記事をピックアップしてみました。
なお、引用文は斜字で表記し、引用文章における漢数字は、便意上算用数字に書き換えました。

2001年における「セントラルライナー」関連記事はこちら。
2002年における「セントラルライナー」関連記事はこちら。

1.鉄道とタワーズの関係
『(中略)今後は鉄道事業とのタイアップも考えており、買い物客らに利用して もらえるよう、
全車指定席の列車を増発したり、割引切符なども検討していく。(以下略)』

(中日新聞1999年12月7日朝刊経済面)


ダイヤ改正直後にJR名古屋高島屋開業後における、鉄道のビジョンを葛西社長が話しています。
まだ、かなり強気です。

2.登場直後・1999年12月の輸送概況
『普通列車の合計は、100%だった。中央線の名古屋−高蔵寺間が97%とダウンしたが、東海道本線
の名古屋−大府間が104%、名古屋−岐阜間が101%、関西線の名古屋−四日市間が103%と伸
びた。』
(中部経済新聞1999年12月22日)

名古屋地区では不定期ではありますが、主要区間におけるJR東海の輸送客数の概要が新聞に掲載されます。
この数値は前年同月比とみられます。今回の内容は12月19日までの数字とのことですが、このデータはいつ
からの(11月20日?12月1日?それともダイヤ改正の12月4日から?)輸送概況か、肝心なことが分からない
のが非常に残念。しかし、中央線の97%は気になる数字です。いくら鉄道利用が全般的に低迷傾向の中であ
っても、前年同月比3%減というのは都市圏の鉄道としては異常な減少ではないでしょうか。

3.「CL」試乗レポートとその反応
『(前略)乗車券や定期券のほかに310円の整理券が必要ですが、必ず座れるため、人気は上々のようです。
(中略)揺れの小さい新型車両で、いすの前後の感覚が広く快適。(中略)このサービス、東海道線などにも
拡大されるといいと思うのですが、当面その予定はないようです。残念。』

(毎日新聞中部本社版2000年1月14日朝刊「LET'S GO!!おはようジョッキー・310円のぜいたく」)


「CL」について、初めての試乗レポートでした。記者の観点は新型車両や310円の乗車整理券料金など、斬新
さについて注目していたようです。1ヶ月前には社長自ら「全車指定席の列車を増発したり…」といっていたも
のの、後半の「東海道線など他線への拡大は当面ない」というJR側のコメントが気になった。短期間でここまで
方針転換が行われたのはなぜだろうか。そして、この記者はこの列車の登場によって中央西線沿線で何が起
こっていたか、ということは把握していなかったようで…

『(前略)読者から抗議の手紙、メールをいただきました。料金が無料であるはずの快速列車に310円を徴収す
るのは実質的な値上げであり沿線住民は迷惑している、というご指摘です。利用者の切実な思いへの配慮が、
私のコラムでは欠けていた、と反省しています。(中略)セントラルライナーの全車着席指定制度を改め、一部
を有料指定席のまま残し新たに料金不要の自由席車を設定するのはどうでしょう。…』

(毎日新聞中部本社版2000年1月28日朝刊「LET'S GO!!おはようジョッキー・有料快速で提言」)

と後日論調が急変し、JR北海道「快速エアポート」を例に有料快速のあり方について、提言をしています。

4.読者投稿
『(前略)セントラルライナーに乗って失望した。まず東海道線では特別快速に相当する車両なのに、整理券
と称して特別料金を徴収することだ。(中略)次に所要時間が快速とほとんど変わらないことだ。これではラ
イナーと称して宣伝する価値はなく、単なる快速でいいのではないだろうか。私たち利用者が望んでいるの
は停車駅を少なくして、所要時間を短縮することだ。その意味で多治見−中津川間の各駅停車は困りもの
で…』
(読売新聞中部本社版2000年1月23日「やまびこ」)

読者投稿で「CL」の実状が初めて公になりました。これに対して、佐藤慎一運輸営業部長が、JR東海側と
して初めてコメントを発表しています。

『この列車は、これまでお客様から寄せられておりました所要時間短縮の要望におこたえするため、停車駅
を少なくする一方、中津川−多治見間は各駅停車とし、乗車整理券をお買い求めいただかなくても、お気軽
に利用いただける…(中略)これにより、中津川−名古屋間は快速列車と比較し、下り8分、上り11分の短
縮を図りました。(以後略)』
(読売新聞中部本社版2000年2月6日「やまびこ」)

このコメントを読むとわかると思いますが、JR側は所要時間短縮のみについてコメントしています。

5.「CL」追及
地元最有力紙の中日新聞は、なぜか静観の構えでしたが、2月上旬から岐阜県西濃地方でダイヤ改訂に
不満があがっている問題と共に「CL」を取り上げはじめました。

『… 一方、快速が減ってセントラルライナーが導入された中央線では、岐阜県恵那市の主婦(35)が「昼間
は1時間に2本の名古屋行き列車のうち一本がセントラル。この不景気にJRセントラルタワーズに行きた
いのなら余分に310円払えと言われているよう」と憤慨する。同市の森川正昭市長も、整理券について「実
質の値上げ状態」と認識しているという。(中略)土岐市議会でも「市民から、310円は高い、セントラルを避
けようとしても代わりの電車がない、などの苦情が出ている」との質問が出た。岐阜県では県鉄道問題研
究会(会長・梶原拓知事)でこの問題を取り上げると土岐市に連絡しており、…』

(中日新聞2000年2月15日朝刊)


ここで佐藤運輸営業部長が再度登場し、中日新聞のインタビューに答えています。
赤字=佐藤運輸営業部長、青字=中日新聞記者)

『−セントラルライナーの実質値上げ批判は。
「グレードアップした車両に座って乗れて、所要時間も短く、サービス水準も上がっており、310円の価値は
ある。」

−セントラルライナーに乗りたくない、不便になったという人が多い。
「セントラルライナーは多治見−中津川間は無料。整理券代を払いたくない人は多治見で乗り換えにはな
るが、すぐに続行便が来る。列車本数としては変わりない。セントラルライナーは定員に対して終日平
均で約6割の乗客があり、非常に好評だ。
」』
(中日新聞2000年2月15日朝刊)

運輸営業部長のコメントは、前回の読売新聞読者投稿に比べ、ややキツい口調になっています。
「整理券代を払いたくない“人”」という表現が気になる。運輸営業部長にとって、乗車券のみの利用者は
「客」ではないのだろうか。また、続行便が「CL」全車指定席区間を利用しない人に対して、その救済をして
いないことを把握していないのだろうか。最後の一文には非常に気になった。「約6割」 という乗車率はどの
区間で調べたものなのだろうか。このコメントは数多くの鉄道ファンHPの掲示板で話題になり、その数字に
対する疑問の声も聞かれた。当時「CL」は新型列車ということもあり、沿線利用者や鉄道ファンなどが物見
遊山で乗車した可能性が高く、それだけで「非常に好評」と判断したのはやや安易な発言であると感じた。

6.続・「CL」追及
『…「セントラルライナー」について考えてみると、運行時間帯の中央線利用者の数が朝夕に比べて極端に少
ないことをカバーするために、ほんの少しだけグレードアップした車両を造って、それをセントラルライナーと
して運行して、実質の運賃値上げを狙ったとしか思われません。セントラルライナーの車両も朝夕のラッシュ
時間帯には普通の車両と併結され、乗車整理券(多治見−名古屋間に必要、310円)を買わずに乗れるのは
どういうことなのだろうか?…』
(中日新聞2000年2月16日朝刊「波紋JRダイヤ改正」)

前日の記事に対する読者から意見をまとめて、特集記事として取り上げられています。上記内容は事実であ
り、「CL」専用車両であったものを一般列車と併結するということは、データイムに利用する利用者から実質
値上げ批判が出て当たり前です。

7.100点満点のダイヤ
『岐阜県西濃地方と東濃地方の利用者から不満が上がっている問題で、21日記者会見した葛西寛之JR東海
社長は
「すべての人にとって百点満点のダイヤはできない」と答えた。(中略)中央線に導入した座席定員制
列車「セントラルライナー」では多治見−名古屋間は310円の乗車整理券が必要で「実質的な値上げではない
か」との不満が出ていることに対しては、「(ほかに乗る列車の)選択肢があるから、値上げではない。便利に
なったと評価していただいている方が多いと思う」
と語った。』
(中日新聞2000年2月22日朝刊)


ついに社長が登場したが、コメントはイマイチ。「百点満点のダイヤ」なんて、利用者が本当に求めている思っ
ているのだろうか。求める利用者も間違いだが、JR側もそれを実現させるようとするから、「CL」のような無
理が生じるのではないだろうか。
60〜70点程度の評価が得られれば、まずまずであって、次第に100点に向
けて改善していければいいのではないだろうか。少なくとも現在の「CL」の点数は私の独断と偏見で決めると
「赤点」かもしれない。「CL」を含めた、中央西線名古屋口のダイヤ改定が利用者に評価されているかどうか
は、今後のJRの輸送状況報道で明らかになります。

8.2000年1月の輸送概況
『名古屋駅にセントラルタワ−ズが開業した昨年12月以降、近郊を走るJR東海の在来線で普通列車の利用
者が伸びていることが21日の同社定例会見で明らかになった。(中略)タワーズ効果が早くも数字に表れたと
自画自賛。
(中略)今年1月の輸送量(利用者数)は東海道線の大府−名古屋が8%、名古屋−岐阜が5%、中央線も名
古屋−高蔵寺が1%、関西線も名古屋−四日市が5%と、各線とも前年同月に比べて増え、全体で4%増え
た。(中略)タワーズ開業後、名古屋駅では近距離乗車券の売り上げも4%増えており、同社は「定期ではない
お客様が増え、多くがタワーズに来ていただいた」と分析している。』
(中日新聞2000年2月22日朝刊)

中央線の増加率が東海道線や関西線に比べて低いのは、中央線には競合する鉄道が存在しない上に、利
用者数が東海道線や関西線のそれに比べると多いからです。東海道線や関西線の利用者数が増加傾向
が顕著であるのは、ダイヤ改正による効果だけではなく、近年、幾度も行なわれた運賃値上げで、競合する
名鉄・近鉄より運賃が安くなったためであるのが最たる要因でしょう。中央線の1%増は特に焦る数値では
ありませんが、中央線のタワーズ効果は小さかったように感じられます。

9.2月の輸送概況
『JR東海は21日、新幹線などの2月(20日まで)の輸送概況を発表した。(中略)普通列車の合計は102%、タ
ワーズの開業効果もあり、東海道本線の名古屋−大府間が106%、名古屋−岐阜が103%、関西線の名古
屋−四日市が102%と伸びた。中央線の名古屋−高蔵寺は99%だった。また、昨年12月23日のタワーズ開
業以降、名古屋駅の近距離乗車券の販売実績は、前年同期比104%を記録。「郊外の乗客が堅調で、タワ
ーズ効果にも寄与している。」という。』
(中部経済新聞2000年2月22日)

他線が競合相手からのシフトで着実な輸送人数を増やしていますが、中央線は早くも前年割れになって
います。中央線利用者がJR高島屋開業前のタワーズにあまり流れなかったのではないかという、疑問を
感じます。

10.専門誌の評価
『<セントラルライナー>は、データイムのダイヤや車両の余裕を生かし、移動手段の選択肢を増やそうとする
試みの一つといえるだろう。ラッシュ時以外は客が少ないからといって、列車を減らせば利用者は減る一方で
ある。便利さを維持しながら、増客・増収を図るには、そうなるように知恵をしぼらねばなるまい。』

(『鉄道ジャーナル』2000年3月号、杉浦誠『JRの底力と利用客の行方をさぐる』36−41頁)


『現状の問題点を一言でいえば、多様化するニーズへの対応とフリークエンシーの確保が両立していない点であ
ろう。(中略)中央西線は競争線区がないためこのような大胆な列車設定ができたのだろうが、もう少し利用者の
立場に立って、列車の性格をよく検討し明確にすべきであろうと感じられた。』

(『鉄道ピクトリアル』No.682、2000年3月号、真鍋裕司『JR東海中央西線の定員制快速列車「セントラルライナー」
に乗る』108−110頁)


中日新聞が大々的に取り上げると時を同じくして、鉄道専門誌でも「CL」が取り上げられた。上記の引用はその
特集記事の内容だが、2誌とも「CL」については厳しい評価を下している。

10.高島屋フィーバー(その1)
名古屋駅にジェイアール名古屋高島屋が開業した15日以降、同駅で発売した近郊区間の乗車券の数が3割
以上も伸びていることを明らかにした。高島屋の来客数は初日だけで23万人。この連休にも78万人が訪れて
おり、高島屋効果が早くも本業の鉄道事業に出始めている。同社によると、15日から19日までの5日間、名古
屋駅で発売した在来線近郊区間の乗車券は前年に比べて32%増えている。一方、路線別の普通列車の利
用者の伸びも、東海道線名古屋−大府が17%、名古屋−岐阜が18%、中央線名古屋−高蔵寺6%、関西
線名古屋−四日市14%。中央線の伸びが他線に比べ少なかったことについて、「昨年、この時期に(沿線に
ある)ナゴヤドームで大イベントがあり、乗降客が多かったため」という。
(中日新聞2000年3月22日朝刊)

元々、輸送人数が多い中央線の6%増は、大幅な乗客増といえます。ダイヤ改正後、調子の悪かった中央線
にもようやくタワーズ効果が来たように感じられますが、次の記事に気になる内容がありました。

11.高島屋フィーバー(その2)
『JR東海は、21日、新幹線などの3月(20日まで)の輸送概況を発表した。
(中略)普通列車の合計は103%、高島屋の開業効果もあり、東海道本線の名古屋−大府間が109%、名古屋
−岐阜間が107%、関西線の名古屋−四日市間が105%と伸びた。
中央線の名古屋−高蔵寺間は96%だ
った。
また、高島屋の開業した15日から20日までの普通列車の合計(前年同曜日比較)は113%。名古屋−
大府間が117%、名古屋−岐阜間が118%、名古屋−四日市間が114%、名古屋−高蔵寺間が106%。名古
屋駅の近距離発券機の発売実績は15日から19日までの前年同曜日比で132%だった。
(中部経済新聞
2000年3月22日)


後半は10と同じ内容ですが、注目して欲しいのは前半部。中央線の名古屋−高蔵寺間96%というのは、
JR高島屋開業による乗客数増加によって、カバーできた格好になっているものの、もし、JR高島屋がな
かったら中央線の輸送概況はどうなっていたのだろうか。「CL」を登場させた今回のダイヤ改正が利用
者に対して本当に評価されているのか、という疑問を感じます。

12.高島屋フィーバーのなかで3月の輸送状況
『1999年度の輸送状況によると、在来線普通列車が前年度に比べて1%伸び、2年ぶりに増加した。今年
3月だけを見ると、8%の大幅増で名古屋駅に3月15日に開業したジェイアール名古屋高島屋がわずか17
日間の営業で年間の輸送量にも貢献した格好。在来線は12月のダイヤ改正の効果もあって、東海道線の
大府−名古屋間が2%増、名古屋−岐阜間1%増、関西線の名古屋−四日市間が2%増など近郊各線で
輸送量を増やした。中央線の名古屋−高蔵寺間は横ばい。3月だけでは大府−名古屋間が11%増、名古
屋−岐阜間が12%増などどの線区で大幅増。4月に入っても同じ増え方で、高島屋効果が表れている。
(中略)名古屋駅に3月15日に開業したジェイアール名古屋高島屋の来客者数が、1ヶ月間で550万人に上
ったことを明らかにした。』
(中日新聞2000年4月25日朝刊)

中央線の輸送状況が新聞に掲載されませんでした。原因は分かりませんが、高島屋フィーバーもあり、
前年同期比100〜104%程度だと思われます。

13.4月の輸送状況
『4月の近郊区間の乗客数は、東海道線の大府−名古屋間が11%増、名古屋−岐阜9%増、中央線の
名古屋−高蔵寺が2%増、関西線の名古屋−四日市が8%増。名古屋駅の近距離区間の乗車券の発
売枚数も高島屋の開業後、18%増え、葛西社長は「高島屋の来客数も開業から2ヶ月間で940万人と
予想以上。鉄道を利用して来ていただけた」と、鉄道全体への高島屋効果を強調した。』

(中日新聞2000年5月19日朝刊)


高島屋効果も中央線には、一時的なものでしかなかったのではないかという気がします。そもそも、
中央線沿線地域からは、名古屋駅地区よりも近い栄地区の百貨店を利用する傾向が強く、中央線
利用者を名古屋駅まで引き寄せることは、意外と難しかったのではないかと思われます。

名古屋駅に利用者を引き寄せるためには、「乗り換えなく行ける」という利点をもう少し活かした欲しかっ
たのですが、「CL」のように既存の快速列車を振り替えて、乗車券のみで乗車できる列車運転本数を減
らした上に、乗車整理券といういわば「通行税」を徴収し実質値上げをしたことは、結果的に中央線利用
者を名古屋駅から遠ざけ、高島屋効果も物見遊山の客に限られたようです。

14.その後
『「普通列車」は5月が8%増、6月(1〜25日)は3%増となっている。』(中部経済新聞2000年6月30日)

輸送状況はほぼ毎月発表されていますが、在来線については総合成績のみで、各線(特に中央線)の動
向は新聞報道されなくなりました。新聞紙面の都合なのか、JRがで良い部分ことだけを発表しているの
か、その理由は不明です。

15.東海豪雨の影響と9月の輸送概況
『9月1日から17日までの輸送概況では、豪雨の影響で(中略)在来線の普通も9%減と大幅にダウンした。
ただ、「一時的な現象で、年初からの(前年比数%増という)傾向に変化はない。」との見解を示した。』

(中部経済新聞2000年9月20日)


9月12日の東海豪雨では、路盤冠水やがけ崩れなどの被害を受け、複数の区間で運休する事態となり
ました。この減少は東海豪雨の影響をまともに受けた格好です。後半のJR側の見解は、のちに意外
な結果を見せます。

16.2000年9月中間決算
『新幹線の旅客運賃収入が(前期実績比)1.7%増の4645億円、在来線が0.9%減の554億円。計1.4%増
の5199億円。・・・』
(中部経済新聞2000年11月22日)


1999年12月のダイヤ改正以後、東海道線が前年同期比8〜10%、関西線が同5%ほどの利用者増が見ら
れたものの、元々の利用者数が少なかった(特に関西線)こともあり、多少利用者が増加しても、直接収入
に反映しなかったようです。JR東海だけでなく、マスコミも名古屋駅のJRセントラルタワーズの経済効果を強
調していましたが、在来線の収入が(私にとって)予想外の結果となったことは、不景気という背景こそあれ
ど、結局は競合する交通機関が無く、名古屋都市圏で最も輸送人数の多い、中央線の利用者が大幅に減
少しているのではないかという、疑問を感じずにはいられません。

17.「CL」登場後、初のダイヤ改正
『JR東海は、来年3月3日改正の在来線のダイヤについて8日発表した。名古屋駅のJRセントラルタワーズ
を訪れる人のため、中央線で列車を増発するのが特徴。中央線の増発は名古屋−多治見間で乗車整理
券(310円)が必要な「セントラルライナー」が対象。・・・』
(中日新聞2000年12月9日朝刊)

『(前略)・・・春のダイヤ改正では新車2編成(6両)を投入し、夕方時間帯の下り名古屋発(午後5時20分、
同7時40分、土曜・休日は同7時30分)の3本と、上り中津川発(平日午後6時28分、土曜・休日同6時8分)
の2本をそれぞれ増発。また、現行の上り瑞浪発と2号と4号の2本が中津川発(午前9時16分、同10時
16分)となる。・・・』
(岐阜新聞2000年12月9日朝刊)

今回のダイヤ改正は、「CL」の問題点を少しでも解消し、利用者の不満を軽減するものとして期待していた
のですが、列車本数の増発や運転区間の延長程度にとどまり、「CL」の根本的な問題は、まったく改善がま
ったくなされないようで非常に残念です。「CL」のダイヤ改正後の「CL」については、 こちら で考察したい。

2001年における「セントラルライナー」関連記事はこちら。
2002年における「セントラルライナー」関連記事はこちら。

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