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「セントラルライナー」関連報道2002

2002年における「セントラルライナー」(以後「CL」と略します)と中央西線に関する報道・記事を ピックアップしてみました。
なお、引用文は斜字で表記し、引用文章における漢数字は、便意上算用数字に書き換えました。

1999〜2000年における「セントラルライナー」関連記事はこちら。
2001年における「セントラルライナー」関連記事はこちら。

30.2002年正月輸送概況
線区区間2002年2001年前年比(%)
東海道大府〜名古屋1788195292
名古屋〜岐阜1697169794
高山岐阜〜美濃太田156129121
中央名古屋〜高蔵寺1723188591
関西名古屋〜四日市35836797
飯田豊橋〜豊川372363103
合計6095650294
JR東海の公式ホームページ 内に2002年1月1日〜3日までの 線区別輸送概況の詳細が公開されました。左表に一部抜粋してみました。なお、表の数値単位は百人との ことです。

2002年の正月3ヶ日では、2〜3日に名古屋地区では1月としては41年ぶりの大雪に見舞われたため、鉄道 ダイヤは終日混乱する始末でした。また、名古屋市内ですら15cmの積雪であったため、外出を手控える人 が多かったとみられます。JR東海ホームページによると、1日・2日の列車利用状況は各線区合計で 前年比100%だったということですが、中央線の利用状況についての詳細は明らかになっていません。 今年は大雪というアクシデントがあったので、 昨年のデータ と 比較できないのが残念です。

31.2001年12月の輸送概況
『JR東海は24日、昨年12月の輸送概況を発表した。(中略)名古屋都市圏輸送は、 全体で1%減。関西線名古屋−四日市間は5%増だったが、東海道線名古屋−岐阜間が2%減、中央線 名古屋−高蔵寺間が3%減だった。』
(「交通新聞」2002年1月28日分)


情報が前後してしまいましたが、1月末になって昨年12月の輸送状況が発表されました。「セントラル ライナー」(「CL」)も2001年12月で3年目に突入しました。しかし、またしても前年割れでした。 ここで改めて振り返ってみると、中央西線名古屋口の輸送改善に「CL」が貢献しているとはとても思 えません。輸送概況についても、名古屋駅の「タワーズフィーバー」が去ってから、前年度比を上回っ たことがまったくありません。割合としては微々たるものでも、名古屋都市圏有数の利用者がある中央 線の利用者逸走は、この2年間で相当な数になっていることでしょう。この要因は単に「不景気」「少 子化」だけで言い切れるものではないと思います。余談ですが、この記事の脇に運転開始32日目で早く も利用者10万人突破を達成した、JR東日本・中央東線の「中央ライナー」が取り上げられていました。 この列車も「CL」とよく似た性格の列車ですが、「CL」で表面化された様々な問題点を克服するた めのシステムを構築しており、それによるサービス向上が確実に利用者を獲得していることがわかりま す。JR東海もいい加減に「CL」乗車システムの改善ぐらいは検討すべきです。

32.ライバルの出足好調
『名鉄系地方バス会社の東濃鉄道(本社多治見市、山田幸治社長)が昨年10月20 日から運行を開始した「都市間高速バス・名古屋線」(名鉄と共同運行)が、予想を上回る好調な出足 をみせている。(中略)1日の平均乗車人数は750人前後と当初目標の600人を上回っている。昨年12月 には初のダイヤ改正を行い、平日の名古屋発の最終便として午後10時発を追加するなど、乗客ニーズに 合った新ダイヤも打ち出した。(中略)バスの「乗り継ぎなし」は大きなメリットとなった。所要時間 は道路渋滞により、当初見込みの1時間よりも長くなるケースが多いが、乗客数は現在も増加傾向にあ る。また、名古屋への通勤時間帯後の午前9時発、10時発でも主婦らの買い物客で満車になる「うれし い誤算」もあり、12月のダイヤ改正では需要増に対応して9時30分発を追加した。』
(「中部経済新聞」2002年1月29日分)


名古屋への用事が多い新興住宅街住民が、名古屋までの交通手段として高速バスに移行しつつあるよう です。名古屋〜多治見・可児における高速バスの利用者数はJR利用者のそれには遠く及びませんが、 乗換なしでリーズナブル、そして増発が容易な高速バスの存在を軽視することは禁物なのではないでし ょうか。

33.2001年度及び2002年3月輸送概況
『JR東海は24日、2001年度(平成13年度)の輸送概況(主要区間の断面輸送 量の対前年比)を発表した。(中略)名古屋都市圏のローカル輸送は1%減、(中略)東海道線上り方 2%増、下り方前年並み、中央線1%減、関西線8%増だった。(中略)全体的には「タワーズ効果が 定着した」(葛西社長)としている。』

『3月だけの輸送実績は次のとおり(中略)名古屋都市圏のローカル2%増=名古屋−大府間3%増、 同−岐阜間1%増、同−高蔵寺間前年並み、同−四日市間5%増。』

(共に「交通新聞」2002年4月26日分)


社長の言う「タワーズ効果」が定着して中央線の年間成績が1%減ということは、中央線のタワーズ 効果っていったい何だったのでしょうか。ただ、3月の輸送概況で中央線は久しぶりに前年並みとな りました。ただ、過去の新聞報道によると2000年3月が前年度比96%、2001年3月が前年度比97%で すから、実際は「CL」登場以前より減少していることに変わりありません。

34.5月輸送概況
『名古屋都市圏のローカル輸送は、全体で1%増と堅調。中央線が2%増 だったのをはじめ、東海道線と関西線は1%増だった。』
(「交通新聞」2002年6月26日分)


名古屋駅のJRセントラルタワーズ開業直後を除くと、初めて前年度比100%を超えました。33の3月 輸送概況からしても、1999年12月の「CL」登場以後続いていた中央西線名古屋口の利用者減少が ようやく底を打ったのかもしれません。

35.6月輸送概況
『6月の名古屋都市圏のローカル輸送は1%減。線区別では、中央、関西 両線が前年並み、東海道上り方面が1%減、同下り方面が2%減だった。』
(「交 通新聞」2002年7月25日分)


先月に引き続き、堅調に推移しています。

【資料】中央西線輸送概況一覧表
「CL」が登場した1999年12月からの中央西線名古屋口の輸送概況(名古屋〜高蔵寺間における輸送量の 前年度比)を、これまで収集してきた関連記事からピックアップしてみました。
*注意
「正月」とは毎年1月1日〜3日までの輸送概況のこと。「年度」はその年の4月から翌年3月までの トータルでの前年度比。「−」は未発表、又はデータ未収集。
1月正月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月年度
1999年------------97%100%
2000年101%99%96%102%----------
2001年-98%-97%--------97%99%
2002年-91%-100%-102%100%-------

1999〜2000年における「セントラルライナー」関連記事はこちら。
2001年における「セントラルライナー」関連記事はこちら。

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