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2002初夏 沖縄・粟国島一人旅(その3)
最終更新日 2002.7.15
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(朝日を浴びた「ウーグの浜」) | 5月15日(水) 朝5:00に目が覚めた。雲は多いが今日も晴れそうだ。 日の出を写真に納めようと、自転車で「ウーグの浜」に行ってみることにした。 風が気持ち良い。集落を抜けると、サトウキビやモチキビの畑地帯に出た。 自然に森山良子さんの「さとうきび畑」を口ずさんでいる。 ♪ざわわ、ざわわ、ざわわ、広いさとうきび畑は... 現在、島では一周道路を作っている最中。 行き止まりがあったりで、少し道に迷ったが程なくウーグの浜に。 シャワー室の隣りに自転車を置き、モンパの木の群生地を抜けると、真っ白なビーチが広がっていた。 まだ誰もいないビーチを一人占め。波の音だけが聞こえる。 『ナビィの恋』で、ケンジが昼寝をしていた木陰はどこだろう? |
(昼下がりの粟国港前) | 宿に戻り、チヨさんと一緒に朝食をとった。今日も宿泊者は僕一人らしい。 食後、チヨさんは、子供の頃の話や今までしてきた仕事の話など聞かせてくれた。 驚いたことに『ナビィの恋』にも出演されていたとの事。 「粟国島牛祭り」で福之助君と一緒に「むんじゅる節」を踊っていたそうだ。 テレビで知ったが、今日2002年5月15日は「沖縄本土復帰30周年」の記念日だった。 この記念すべき日に、沖縄にいた事は一生忘れないだろう。 今日もチヨさんと午後に引き潮の時間に合わせて貝拾いに行く事になった。 「昨日より風が強いから、今日は海面が波打って貝が見づらいかも」とチヨさんは言っていた。 おじさんが昼飯を食べに仕事から帰って来た。3人で「みなと食堂」へ行った。 今日はフェリーも臨時休航で入港しないので、港も静かに感じた。 島に来てまだ2日目だが、すっかり溶け込んでいる自分が笑えた。 昼下がりの太陽が痛いくらい眩しい。 |
(粟国空港) | 昨日に続いて今日も引き潮の時間に合わせて民宿・寿のチヨさんと貝拾いをする事になった。 引き潮の時間が午後2時過ぎなので、まだ少し時間がある。 ならばと、また宿の自転車を借りて島を探索することにした。 粟国のメインストリート(?)の坂道を汗カキカキ登って行く。 粟国小中学校の前を通ると、キロロの「Best Friend」が聞こえてきた。 今は昼休みの時間なんだろう。ここはやはり沖縄なんだなぁ。 島の北東にある「粟国空港」まで行ってみる。 集落を抜け、サトウキビ畑を通り過ぎるとそこが粟国空港の入口だった。 小さい売店があるだけの、とってもかわいい空港だった。 そういえば昨年の秋に行った北海道の礼文島の空港もこんな感じだったなぁ。 |
(沖縄海塩研究所) | 島の北側はソテツの原っぱが広がっていた。どうやら村営牧場らしい。 次に「粟国の塩」を作っている「沖縄海塩研究所」に。 一本道を海に向かって行くとコンクリートブロックの四角い大きな建物が目についた。 ここが粟国の塩工場だった。 工場といっても、近代的な工場ではなく、自然の力を存分に利用した 地球にやさしそうな工場だった。 工場見学させてもらえるか事務所で聞いたら、若い女の子が案内してくれた。 粟国島の海水を風と重力と太陽熱を利用して、じっくり時間を掛けて「粟国の塩」にしていく工程が良くわかった。 おみやげに「粟国の塩」と、この塩を使った「塩飴」を買った。 |
(ナビィの家) | 再び集落に戻り、「ナビィの家」を探した。 映画のシーンを思い出しながら、沖縄独特の赤瓦の屋根の家を探すが、なかなか見つからない。 フクギの木陰が、眩しい太陽を遮ってくれるので助かる。 島人に「あの〜」と訪ねようとしたら、「ナビィ?この裏だよ」と教えてくれた。 きっとこの家の人は、よく訪ねられるのだろう。 映画『ナビィの恋』で、ナビィの家として使われたその家は戸が閉まっていてひっそりとしていた。 屋根の上には立派なシーサーが、留守の家を守っていた。 |
(貝のご馳走) | 午後2時ちょうどに宿に戻り、チヨさんと一緒に「ウーグの浜」まで貝拾いに出掛けた。 今日は風はやや強いが天気が良いので、海水浴するにはぴったりだ。 潮が引いた浅瀬で貝を見つけようとしたが、風が海面を揺らすので貝がなかなか見えない。 チヨさんはあきらめて、僕一人で探す事になった。 少しだけ沖へ出てゴーグルをして海の中へ潜ると、サンゴ礁と熱帯魚の世界が広がっていた。 貝もたくさん見つかった。気が付くと1時間半も潜っていた。 宿に戻るとチヨさんが昨日採った貝を湯がいて、中味を取り出しているところだった。 「ちょっと食べてごらん」というので、そのまま食べた。コリコリして美味しかった。 夕食にも並んだ。ビールのつまみにピッタリだ。 チヨさん、おじさん、僕と3人で夕食。なんだか本当の家族のようだなぁと思った。 |
(スナック寿) | 「今夜は久し振りにお店を開けるから遊びにいらっしゃい」 民宿・寿のチヨさんは、夜はスナックもやっていた。 薄暗い夜道をウーグの浜の方向に10分ほど歩いて行くと「スナック寿」の看板の明かりが見えてきた。 店に入るとチヨさんがひとりポツンとテレビを見ていた。 まだ、お客さんは来ていないようだ。 カラオケで、誰でも知っている「花」「島唄」「十九の春」など何曲か歌っているうちに、ポツリポツリとお客さんが入ってきた。 歌に合わせてチヨさんは太鼓をたたく。 僕にもやってみろというので、見様見真似でたたいてみるが、どうも調子が出ないなぁ。 あるおじさんに「てぃんさぐの花」という歌の意味を教えてもらった。 工事の仕事で沖縄本島から来たというニーニー2人から「こっちに来て、一緒に飲もう」と誘われた。 ちょっと酒癖の悪いニーニーだったが、沖縄人はとてもフレンドリーだ。 あっという間に日付の変わる時間になって、店も閉店となった。 「雨が降ってきたから、この傘を使いなさい」とチヨさんは自分の傘を貸してくれた。 外は小雨が降り始めたが、酔った体には気持ち良いくらいだった。 (その4へ続く) |
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