スロバキア

スロバキアはヨーロッパでもかなりマイナーな国だ。チェコの首都はプラハだと知っていてもスロバキアの首都は知らない人が多い。この国には今でもビザが必要だし、ＥＵの加盟交渉にも入れず、焦りと劣等感が見える。
首都ブラチスラバは人口も少なく、観光都市でもなくぱっとしないのが実状だ。しかし、よく見るとこの国は豊かな自然に恵まれた素晴らしいところなのだ。ゆっくりと時間をかけられればこの国の良さが分かるだろう。

ブラチスラバの現在の天気概況

• ブラチスラバはガイドブックに任せます。

• レヴォチャ
  古い街並みが残る、小ぢんまりした町。本当に小さいのですぐ一回りできてしまう。この町の最大の見所は教会。建物ではなく、祭壇のレリーフに注目しよう。職人パヴロが作ったという最後の晩餐のレリーフは、とってもかわいい。教会の装飾といえば教条的な感じのものが多いが、ここのはとにかくかわいい。
  観光地だけれど、小さい町なので、ホテルもレストランも少ない。でも、探せば快適で安い宿もあるし、いいレストランも見つかる。
  行き方：ブラチスラバからジリナ経由のコシツェ行きに乗り、Spisska Nova Vesで乗り換えて20分。コシツェやブラチスラバからのバスもある。
  
  
• スピシュ城(Spissky hrad)とその周辺
  レヴォチャから少し東へ行くと、巨大な中世の城跡がある。スピシュ城だ。周りに何もなく、小高い丘の上にそびえる古城は、宮崎駿のアニメ「天空の城ラピュタ」そのものの景観である。規模ではここに勝るところもあるのだろうが、景観のダイナミックさでこの城の右に出るものはなかなかないだろう。中は一応博物館のようになっているが、たいしたことはない。外から見るのが一番だ。
  城下町のスピシュスキ ポドフラディエ(Spisske podhradie)には中世の宗教都市がある(Spisska kapitula)。厚い壁に囲まれたこの小都市はさながらしょうヴァチカンとでもいったところか。教会では修道士が丁寧に説明を聞かせてくれる。
  スピシュ城の裏にぐるっと回ったジェフラ(Zehra)という町には黒いタマネギ屋根を頂く教会があり、上の二つのポイントとともに世界文化遺産に登録されている。
  レヴォチャ方面へ向う道を少し歩くと、町外れに鉱泉がこんこんと湧き出る場所がり、丘の上には小さい礼拝堂もある。そばにはレストランがあるし、その前の原っぱの穴からは時々ナキウサギが顔を出す。散歩がてらどうぞ。
  町には宿がないわけではないらしいが、泊まるなら旅行会社で紹介してくれる民宿が手軽だろう。私は隣村の民宿を紹介された。
  行き方：レヴォチャからだとバスで1時間もかからない。コシツェからもバスの便あり。または、コシツェからポプラド方面の各駅停車で一時間強、Spisske Vlachyで乗り換えて20分。
  
  
• 東北部国境地域
  バルデヨフ(Bardejov)とスヴィドニク(Svidnik)付近の紹介。
  バルデヨフはこんな所にもドイツ的な街並みがあるのかと思わせる、小ぢんまりした素敵な町。旧市街は城壁に囲まれ、中央広場の中心には市庁舎が建っている。切妻屋根の建物が広場を囲み、壁には色々と絵が描いてあり面白い。すぐ近くにはバルデヨフ温泉があり、湯治をする人たちで賑わっている。飲泉が中心のようだが、クアハウスでの入浴も可能。小さい野外民家園がある。
  宿泊はホテルテプラになるだろうが、私はここがいっぱいだったので、駅から町とは逆の方向に歩いたところにある学生寮(Internat)に泊めてもらった。夏休みなど長期の休みには頼めば学生寮に泊まることもできる。しかも安い。
  
  バルデヨフから北へバスで1時間ほどのところにスヴィドニクがある。社会主義時代に農村部での雇用を創出するために作られた、工業中心の新興都市なので、町には見るべきものは少ない。面白い博物館があるので紹介する。
  野外民家園。いつもがらがらだが、それだけに広い空間を満喫できる。古い農家がたくさんあるところから見下ろすスヴィドニクの汚い街並みとの対比が面白い。
  戦争博物館。第二次世界大戦時にこのあたりで繰り広げられたドゥクラの戦いについて詳しい。記録映画の上映もあるが、スロバキア語のみ。
  ルテニア博物館。スロバキアもこのあたりまで来るとルテニア人、即ちウクライナ人が少なくないらしい。ルテニア文化を継承するための博物館らしいが機能しているのかどうかは不明。

  スヴィドニクにはホテルが一軒だけあるが高い。旅行案内所（英語可）で聞くと、安い宿泊所を紹介してくれる。
  
  スヴィドニクの郊外には木造の教会が多い。ポーランド国境であるドゥクラ峠行きのバスの終点で降りると、ドゥクラ(Dukla)の戦い記念碑が立っている。ここから来た道をひたすら戻ると、村ごとに木造教会がひっそりと建っている。ルーマニアのマラムレシュにあるような尖塔を持った教会ではなく、タマネギ型の屋根のついた地味な感じの教会だが、それはそれで味わい深い。バスも1時間に1本ぐらいはあるので疲れたらスヴィドニクに帰ることができる。
  

  行き方：バルデヨフはコシツェから列車で2時間あまり。途中、Presovで乗換が必要。スヴィドニクへはバルデヨフからバス。コシツェからの便や、ブラチスラバからの夜行便もある。国際線のバスはないのでポーランドへはドゥクラ国境までバスでいって、歩いて国境を越えることになる。
  
  
  
• チチマーニ
  ジリナからのバスでどんどん山奥に入っていくと、終点にチチマーニがある。この村のポイントはなんといっても家。木造の黒い家に白い塗料で色々な幾何学模様が描いてある。鳥や花だとわかるものもあれば、なんの事だか分からない現代抽象芸術のような柄もある。昔からこのようにするのがしきたりだったようで、古い家の壁にもうっすらと模様が描かれているのがわかる。
  女性の民族衣装も面白い。普段着としては絶滅寸前だが、高齢のおばあさんはまだ使っているようだ。髪の毛を頭の上で二つのおだんごにして、白い大きなスカーフをかぶる。どことなく角隠しに似た印象を受ける。白地に黄色を主体にオレンジや茶色で刺繍を施した服もかわいい。
  ペンションや民宿があるので泊まるのには不自由しない。冬はスキーもできる。
  
  行き方：ブラチスラバから北へ2時間半のジリナから、Cicmany行きのバスで1時間半ほど南西に入って行く。山の中のどん詰まり。本数は少ない。
  
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