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485系1000番台は国鉄の特急型電車で、485系列の最末期・1976年〜1979年に登場しました。 1000番台は系列の中でも耐寒耐雪強化型車両として区分され、先頭車・中間車を合わせて227両が製造されました。 デビュー当初はクリーム色に赤帯のいわゆる「こだま色」でしたが、国鉄解体後はJR東日本に継承された車両を中心に塗り替えられました。 またリニューアル車である3000番台の種車になった車両が非常に多いです。

編成は1000番台のみで組成されることはデビュー後しばらくの間だけのようで、中間にサシ481を含んだ10連が最長だと思われます。 特にJR化後は485系の他の番台や489系などとともに編成を組まれ、1000番台としての機能はあまり重要視されていないように感じます。 2012年春現在は定期列車として特急「北越」「いなほ」、及び快速「あいづライナー」「くびき野」などに使用されています。

模型では485系は各社から発売されているものの、1000番台となるとTOMIXだけでした。 2010年に入ってからHigh Grade Modelとして各部見直しの上リニューアル販売されています。

2006年の部室大掃除の際に壊れたクハとモハが見つかったので、これを足掛かりに補修及び改造を施すことにしました。 当時の私の財力から短い編成が良いと判断、1000番台3連による特急「かもしか」を作ることにしました。 実車同様にモハ485の車体にクハ481の頭部を接合し、クモハ485も作成します。

種車種車の面々。国鉄色の左2両が部室より発見された車両です。
左がクハ481-1034で、ライトは点きましたが屋根上の検電アンテナとライトが欠損していました。
真ん中がモハ484-1085でモーター車。集電スプリングが一部ない他、パンタグラフは存在せず避雷器や交直切替装置などが破損しています。
右が中古で買ってきたクハ481-319で、ライトも点灯しパーツの欠落はほぼありませんが側面帯に塗料が付いていたり台車マウントTNカプラー装備だったりと言った状態です。 485系列がHigh Gradeになるまでは塗装以外に番台間に差は無いので、スーパー雷鳥色のクハも1000番台と同じものとして扱うことができます。
パンタなしは頂けない…横から撮った写真。
一つ上もそうですが、クハ481-1034は既に補修パーツの検電アンテナ(TOMIX JA03)を取り付けています。
KATOのもの(Z04A0392 4290)を先に購入してしまい、それらは今のところ無駄になってしまってます。
中古にも関わらずクハ481-319はなぜか92045(スーパー雷鳥)・92621(かがやき・きらめき)用のヘッドマークシールが同梱されており、この車両にはスーパー雷鳥のものが貼られていました。
ちなみに全車両ともボディマウント式TNカプラーには非対応です。
便利な世の中だなおモハはHigh Grade用の屋根板パーツが200番台用ですがバルク品で発売されており、破損している交直切替装置などはこちらから移植することにしました。
それを表現していた残部を取り除いて穴をあけ、準備工事としました。
クーラーやベンチレーターも移植は可能ですが、元が一体モールドのため削除が難しく、また時間もかかるため諦めました。
パンタグラフはTOMIX 0204のPS16Hです。純正なのでぴったりはまります。
ジャンクの方が安かった…足したパーツ類。モハ485-232のボディこそジャンク品ですが残りの床板や窓ガラスはすべて新品で、結果的に中古のモハ485を買うのより高くなってしまいました。
しかもこれ、座席パーツが無いのでクモハの座席がうまく表現できません。
また台車が購入できなかったのでクモハなのにTR69(=付随車の台車、本来ならDT32)というおかしな状況ができます。
ですが割りきってどうにか作ることにしました。
シンナープールまずは塗装を剥がすところから始めます。そのためにすべて分解してパーツを外しました。
その後、車体をシンナー液に浸け込みました。数分のうちにポロポロと塗膜が落ちていき、非常に楽しい状況です。
なお液は水と違い粘度が非常に低いせいか、10枚も重ねた新聞紙を簡単に突き抜けて床のワックスをも剥がしてしまいました。
その後床板前方も浸し、スカートの色も落としました。またクハ及びモハ485のクーラーも同様の処理をしています。
ま、こんなもんでしょ引き上げ後の車体他。こだま色だった左2両は非常に厚塗りだったため、全ての色を落とすのは諦めました。
運転席の透明パーツは完成後の見栄えに影響しそうなので、綿棒で細部の色も丁寧に落としました。
なおクハの床板のうち片方は中程でパックりと割れてしまい、写真のような状況になってしまいました。
しかし加工には用いない部位なので態勢に影響はありません。
塗装剥離後端部から見た写真。
左の元こだま色のクハは左前のステップが欠けていました。
さらにその左の床下はスカートにひびが入りましたが、接着剤で補修することができる程度でした。

またボディ全般に言えることですが、シンナーへの浸けこみ時間が長かったせいか窓下からヒビが入ってしまいました。
このため車体強度に注意しながら作業を進めていきました。
加工開始まずはこの改造の胆となるクモハから。
カラードモデルファン 」の製作記録及び「 山スカの鉄道模型加工日誌 」の記事を参考に進めます。
※後者のブログでは現在、製作過程見れなくなっております。

要はモハ485の車体にクハの前頭部を付ければよいのですが、乗降扉の移設も伴うのでそんなに簡単ではありません。
上記の2例はいずれも手慣れた方の作品なので、私にはレベルが高すぎるのでそこまではしないことにしました。
…つまり「それっぽいものを作る」程度とします。
なんだ、この曲がり具合は!初めにモハ485の車体を切ります。ホビー用鋸でばっさりと…やりたかったのですが、曲がってしまいました。
やはり途中で刃を抜いたのが良くなかったようです。
幸いにして車内の台車固定ねじ穴に当たらずに済みました。
もしあたっていたら…切るのがもっと大変になっていたでしょう。
真っ直ぐ切ろう。同様にしてクハの車体も切ります。モハとの色合いを考慮して、スーパー雷鳥色のクハを加工することにしました。
こちらは思い切ってやったので、あまり曲がらなかったと思っています。
台車固定のねじ穴を避けるため、切断はこの位置が理想でしょう。
さらに切る乗降扉を移設するためにさらに切っていきます。
先頭部の形を残しつつ、乗務員扉ぎりぎりまで側面を切ります。
写真の線は裏側の段とだいたい同じ位置です。これを目安に切れば割とうまくいくでしょう。
私は失敗して左側面の扉(写真右側)脇の手すりを少し切ってしまいました。
調整してくっつける乗降扉はモハ485の切り残しから持ってきました。
妻面側を切り落とし、さらに先頭部に合うように鑢で調整をしていきます。
隙間は後でパテで埋めるので、気にするのは長さよりも角度のほうでしょう。
曲がっていないのを確認してから接着剤で取り付けました。
パーツ調達さらに乗降扉脇の小窓です。これはクハの切り残しから持ってきました。
乗降扉の辺りで大雑把に切断し、形を整えていきます。
最初はカッターで大きく、最後は鑢で細かく削っていきました。
慎重に進める…取り付ける本体側もその部分を切除しなければなりません。
せっかく取り付けた乗降扉の部分を壊さぬよう、作業を進めます。
鑢での微調整が続きました…。
できたかな?マスキングテープで仮止めして接着です。
ここでも気にするのは取り付け角度です。窓枠が他と比べて曲がっていないか注意します。
その後、切断したモハ485の車体と合わせて一つの車体に仕上げていきます。
ズレてます!右側面はやや段ができてしまいました。
雨樋の位置を基準にしたのですが、どういうわけかズレが生じてしまいました。
ですがこの程度ならばパテで修正できるだろうと考え、接着しました。
接合部パテ盛り接合部全てにパテ盛りです。右側面の小窓修正もこのタイミングです。
ここから削って整えていきます。根気のいる作業です。

これらの作業が特に苦も無くできるのが一人前のモデラーなのかなぁと思ってしまいます。
パテで修正ついでにステップの欠けていたクハにもパテ盛りです。
クハと言ってもこの後クロハにするので、以後クロハと書きます。
こちらはこの部分だけの修正なのであまり難しくありませんでした。
ペーパーがけ鑢のあとのペーパー掛けです。隣の赤い車体は友情出演の丸ノ内線300形304号車です。
この作業、夏場は楽ですが冬場は辛いです。
できはいかほど?ペーパー掛け後の左側面です。雨樋が少し削れ過ぎている感じがします。
乗務員扉と乗降扉の間ももうちょっと何とかしたいところです。
…ので、ならした後に切断してしまった乗務員扉の辺りはこのタイミングでカッターで筋を入れるなどしてどうにか修正しました。
小窓に関しては問題ありません。
こりゃイカン反対側の右側面です。小窓の段差が無くなっていません。どうやら削りすぎたようです。
ただ屋根に関してはこのままでも大丈夫そうです。

このあともう一度パテ盛りをし、ペーパー掛けをして修正しました。
サーフェイサー修正後にサーフェイサーを吹き付けてみました。
今思えば灰色の普通のスプレーのほうが良かった気がします。
パテの白を隠すのが最大の目的で、クモハと他の2両のベースの色が統一されれば何でも構わないのですから。
どう…だ…スプレーして継ぎ目が消えているのは確認できました。
…がやはり右側面の小窓は形が整っていないのが丸分かりです。
修正する元気もないので、このままいくことにしました。
こちらは良いクロハの前面のステップも問題なく修正できているのがわかります(写真左)。
このまま塗装に入ってもいいのですが、側面を中心に軽くペーパー掛けをして表面を均しておきました。
床板加工なぜかこのタイミングで床板の加工に入ります。
…と言っても写真の線の位置で両車を切断し、クハの前頭部を下のモハ485に接合するだけです。
もちろんボディの長さと合わせる必要がありますが、そんなに難しい作業ではありません。
割れたクハの床板は接着剤でくっつけましたが、特に意味はありませんでした。【当たり前です!】
ボディも加工床板に合わせてボディも小加工です。
モハ485は床板が奥まらないように内側に突起が出ています。
クハにはそれが無いので、クモハとする場合にはシートに当たってしまいます。
そのために切除しました。
試し塗り塗装に入りたいところでしたが、色合いチェック。
パーツを取ったクハの残骸にサーフェイサーを吹き付けました。
半分をマスキングして使用予定のピンク色(鉄道カラーの38番・赤14号)を吹きました。
色合いは問題なさそうです。
マスキングを剥がし、別方向に半分マスキングをして今度は青(鉄道カラーの22番・小田急ブルー)を吹きます。
およよよよ吹いた結果がこれです。
予想よりはるかに暗い色でした。東武8000系の濃青と言うことで期待したのですが…。
実際には群青色ぐらいに対してこれは暗すぎると思います。
ただ下地がピンクであろうと灰色であろうと同じなので、隠蔽力に関しては問題ないようです。
この後マスキングの位置を変え、再度ピンクを吹きました。
はぁ…ピンクの下からはやはり青が透けて見えるようです。
見えないようにするにはかなり重ねなければなりません。
このため、ピンク→青と吹くことは決まりました。
マスキングを全て取り、一部にピンクを残すようにマスキングし直します。
そして白を吹きます。
雪のように真っ白かな?鉄道カラーの白(37番・白3号)は隠蔽力が弱いとのことなので、タミヤカラーのTS27マットホワイトを使いました。
ピュアホワイト(TS26)というのもありましたが、光沢のないこちらを選びました。
かなり重ねないと下の色が透けてしまいます。特に青は目立つかもしれません。
これだったら白3号でもよかったかなぁと思ってしまいます。
…が色合い的には白ければ良いということにして、塗装することにしました。
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