東急田園都市線
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民営鉄道の乗り越えられない「壁」とは?

−東急田園都市線「減速ダイヤ改正」が示す物−



TAKA  2007年01月17日



朝ラッシュ時の上りから消滅!? 東急田園都市線急行


※本記事は「 TAKAの交通論の部屋 」「 交通総合フォーラム 」のシェアコンテンツとさせて頂きます。

 年始早々にHPのネタ拾いを兼ねてインターネットのニュースを見ていたらこの様な記事が出ていました。

急行、ラッシュ時は各駅停車へ「格下げ」…東京急行 』(1月10日:読売新聞)
 (記事の要旨)
 ・東京急行電鉄は9日全国私鉄ワースト2位の田園都市線の混雑を和らげる為、二子玉川—渋谷間の上り急行列車を平日朝のラッシュ時に限って各駅停車で運行する方針。
 ・急行列車は混雑が激しいために、乗降に時間がかかり、これが路線全体の慢性的な遅延の原因になっている。ラッシュ時に限り各駅停車にすることで混雑を平均化。
 ・今春にダイヤ改正する方向で、相互直通運転をしている東京地下鉄(東京メトロ)などと調整し1月中に発表。
 ・同線急行は二子玉川—渋谷間は三軒茶屋のみ停車し途中4駅を通過。各駅停車化で所要時間は2分程度増えるが、普通列車は途中駅で急行を待避が無くなり2分程度短縮。

 1/20:東京急行電鉄よりの公式発表を追加 「 田園都市線の混雑緩和策を積極的に推進します

 東急田園都市線の混雑内容を知る人間からすると驚くべき内容では有りませんが、「遂に来たか!」と言う内容で有る事は間違い有りません。今まで東急電鉄も田園都市線混雑緩和の為に一段ブレーキ制御式ATC導入や 6ドア車導入 等色々な方策を取った結果、平成元年には毎時24本(2分30秒間隔)運転だったのが、平成16年には毎時28分(2分10秒間隔)にまで輸送力増強が行われています。
 けれども信号能力的には新ATC採用で毎時30本(2分間隔)までは増発が可能と言われていますが、狭小な渋谷駅ターミナルの存在を考えると今の状況は現実的にはインフラ増強を行わないでの限界輸送力と言う事が出来ます。その中で東急は「 分散乗車のお願い 」等涙ぐましい努力を行っていますが、それでも「万策尽きた」状況の中で「止むに止まれず」と言う意味合いでの「減速ダイヤ改正」を行ったと言う事が出来ますが、今回は東急が何故この様な「非常手段的なダイヤ改正」を行う事になったのか、何故「万策が尽きてしまったのか」と言う点を考えて見たいと思います。

 「 参 考 文 献 」
 ・鉄道ピクトリアル2004年7月増刊号「東京急行電鉄」 ・・鉄道ピクトリアル1994年12月増刊号「東京急行電鉄」
 ・鉄道ピクトリアル1996年8月号「街づくりと鉄道」より「東急田園都市線と多摩田園都市の開発(小森 章 氏)」

 「 参 考 H P 」
 ・ 東京急行電鉄HP  ・ 東急グループHP

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 ・大規模な開発が行われ今も成長が続く東急田園都市線沿線

 バブル崩壊以降利用客の減少と輸送力増強の効果が出て、ほぼ毎年下落傾向を辿って来た関東民鉄の朝ラッシュ時の混雑率ですが、その中で未だにかなりの混雑を感じる180%〜200%近くの混雑率で高止まりをしている路線がいくつか有ります。
 (参考資料: 混雑率の推移 (大手民鉄16社主要区間最混雑1時間平均) 日本鉄道民営鉄道協会)
 この混雑率の傾向を見ると東京の民鉄路線の中でも沿線の人気が高く未だにマンション等の積極的な開発が進んでいる路線が混雑率が高止まっています。東京メトロ東西線(198%)・小田急小田原線(188%)と並んで今回の話題の対象である東急田園都市線(194%)も同じ様な状況に有り、未だに朝ラッシュの混雑率が極めて高い路線で有ると言えます。

  
左:再開発が計画中の東急の牙城 渋谷 中:高島屋SCに加え新たな再開発が計画中の二子玉川 右:東急多摩田園都市の中心たまプラーザ

 東急田園都市線は元々「東急多摩田園都市」の動脈路線として作られた路線であり、昭和41年の東急田園都市線開業以降飛躍的に開発が進み、多摩田園都市はマスタープランでの人口60万人を瞬く間に越えてしまいそれでも開発のスピードは停まらず膨張しており、多摩田園都市と東急田園都市線沿線は今でも東京人の中で「憧れの住宅地」と人気になっています。
 その様な憧れの住宅地である多摩田園都市と世田谷地域の商業核と成り発展している二子玉川と東京の商業核の一つである渋谷を結ぶ大動脈である田園都市線に、大量の乗客が押し寄せて混雑率が高くなると言うのは沿線のイメージとレベルの高い開発の状況から見て有る意味当然で有ると言えます。
 東急はこの沿線を中核として鉄道輸送を行い、不動産開発を行い、商業施設開発を行い、商業施設を営み事業を成長させてきました。その点から「渋谷と多摩田園都市での開発停滞」は東急グループの事業停滞と同義語と言っても過言では無い状況になっており、東急グループは必然的に渋谷と多摩田園都市の開発を推進しなければならない状況になっていると言えます。


色々な開発プロジェクトが進行中の東急沿線@たまプラーザ駅ポスターより

 その為東急グループでも近年沿線の再開発には力を入れています。上記は本年初頭に田園都市線たまプラーザ駅に張り出されていた東急のポスターですが、今東急が進めている沿線での鉄道・不動産事業の開発プロジェクトを分かりやすく示しています。
 具体的には鉄道事業に関しては、13号線直通計画・神奈川東部方面線・目黒線〜東横線複々線化計画・大井町線〜田園都市線直通及び複々線化工事と言う「4大事業」と言える計画が進行中ですが、不動産事業では東急の「 中期経営計画 」で謳われている「エリア戦略」に基ずき「渋谷再開発」「 二子玉川再開発 」「 たまプラーザ駅前再開発 」を不動産事業の中核にすえて開発事業を行っています。
 この様に見れば不動産事業開発が田園都市線沿線に集中している事が分かります。もしこの3つの開発が完成した暁には田園都市線沿線の魅力が一層向上することになり、今後も田園都市線沿線である多摩田園都市の人口は増加して行くことになります。


 ・沿線開発に対応した田園都市線輸送力増強工事の実情

 この様な「渋谷と多摩田園都市の開発を東急グループの成長の原動力にする」企業戦略の根幹は、東急グループが鉄道会社を中心としたグループで有る以上鉄道事業がその根幹となる事から考えると、「渋谷と多摩田園都市再開発」を支える根幹はその区域を貫く東急田園都市線と言う事になります。
 その東急の事業の根幹となる田園都市線に関しては、短中期的及び長期的な側面から各種の輸送力増強が行われています。昭和41年に田園都市線溝の口〜長津田間が開業した後、長津田〜中央林間間の路線延長・昭和52年の新玉川線開業と田園都市線の都心方面直通運転開始・昭和54年8両運転開始・昭和57年全車両8両編成化と10両運転開始・昭和61年の東急車両10両化・ほぼ毎年行われるダイヤ改正と運行ヘッド短縮と言う様にほぼ毎年の様に輸送力増強を行い、田園都市線は多摩田園都市での輸送を今まで行って来ました。
 しかし現在は朝ラッシュ時は既に全列車10両編成運転・毎時28本運転(2分10秒間隔)と言う「複線運転での輸送力の限界」まで来ていて、今の設備での輸送力増強は毎時2本の増発までしか出来ないほぼ限界の状況まで到達しています。その為根本的なインフラ改善による輸送力増強を企画することになります。それが「 大井町線改良・二子玉川〜溝の口間複々線化工事 」です。

  
左:田園都市線最大のネック 渋谷駅 中:大井町線乗入の為の配線変更が施工された二子玉川 右:複々線工事中の溝の口駅

 今も昔も東急田園都市線の輸送力増強のネックはターミナルの渋谷駅の規模の小ささに有りました。道玄坂の下に地下駅を作った為に今の10両対応1面2線のホームを作るのが用地的に限界であり、元々は「新玉川線の最混雑区間は表参道〜渋谷間で渋谷は通過駅になる」と言う想定で今の駅構造を作りましたが、用地及び構造上もう1線足すのは不可能ですし、今からのホーム増設等も地下駅が災いして非常に困難です。その為当初は想定外の田園都市線からの降車客と半蔵門線への乗車客がホーム・電車の乗降口で重なり合い乗降に時間が掛かる渋谷駅の存在が田園都市線の中で「朝ラッシュ時運行上最大のネック」となっています。
 (今からの後知恵で考えれば、新玉川線渋谷駅を道玄坂で無く南側の首都高・六本木通りの地下に作れば2面3線の駅を作る事は難しくなかった筈です。東急百貨店本店に近い道玄坂に駅を作ると言う発想が有った可能性は有りますが、東横線との接続もしやすい首都高下でなく何故狭い道玄坂に駅を作り後で苦しむ結果を招く事になったのか?今から思うと大きな疑問です。)
 その為、用地買収・建設が非常に困難で巨額の費用がかかる渋谷駅の改良・二子玉川〜渋谷間の複々線化による輸送力増強は諦める事になり、そこで東急御得意の「既存ネットワーク活用によるバイパス線建設での輸送力増強」を目指す事になり、「大井町線改良・二子玉川〜溝の口間複々線化工事」による田園都市線の輸送力増強を図ることになりました。
 「田園都市線輸送力増強の切り札」と言える「大井町線改良・二子玉川〜溝の口間複々線化」は本来07年度完成の予定ですが、多少遅れつつも現在写真や『 「東急」という名の「焼き鳥」の「串」を訪ねて 』で書いて居る様にほぼ全区間で工事が最盛期を迎えており、ごく一部の例外を除いて順調に進んでいます。
 しかし田園都市線から大井町線への旅客転移によるバイパス効果の切り札となる「大井町線急行運転」の為に重要な施設になる「等々力駅地下化・待避線新設工事」が『 渓谷は本当に泣いているのか? 』で書いた様に等々力駅周辺の地元の反対により完全に足止め状態になっており、代替案の上野毛駅への待避線新設も未だ着手できない状況になっています。
 つまり田園都市線は需要増が望める沿線開発こそ進んではいるが、その沿線開発を下支えする東急田園都市線その物の輸送力増強に関しては、等々力駅・上野毛駅の改良工事が地元の反対で完全に足踏み状態になり完全実現の目処が立たない状況になってしまい、そこで足踏みしている中で大元の田園都市線渋谷口でのラッシュ輸送が破綻しつつ有ると言うのが今の状況で有ると言えます。


 ・今回の「減速ダイヤ改正」が示す民間鉄道事業者の越えられない「壁」とは?

 その様な状況を踏まえて今回の「減速ダイヤ改正」は行われていますが、今回の改正は「二子玉川〜渋谷間を各駅停車化する事で急行と普通の混雑率を平準化する(桜新町待避がなくなれば宮前平以東では到着列車が先着になる)」「普通にする事での運転速度低下で渋谷駅での上り列車のダンゴ状態を緩和する」と言う効果を狙って行われた物であると思います。これは急行利用の遠距離客に対してはサービス低下ですが、渋谷駅改良に手を付けられない状況下で当座の破綻を回避するには致し方ない方策で有ると言えます。
 現実問題として一番輸送力を付けられるのは平行ダイヤですし、普通列車の速度向上をできない場合優等列車を徐行運転させダンゴ運転を緩和するか(実際複々線前の小田急では朝ラッシュ時梅ヶ丘〜下北沢間で優等列車に45km/h制限を掛けていた事が有る)思い切って全列車普通にしてしまうのは、輸送力極大化orスムーズなラッシュ輸送の為の方策としては後ろ向きでは有りますが、一つの方策で有ると言えます。

 しかし何故今この時期に「減速ダイヤ改正」を行わなければならないのでしょうか?その点について私なりに考えてみると短期的には「破綻寸前の朝ラッシュ輸送の救済」と言う側面が有りますが、中期的には「 大井町線改良・二子玉川〜溝の口間複々線化工事 」による田園都市線混雑緩和の切り札「大井町線急行運転」の完全実施が困難になりそうだと言う事が背景に有ると言えます。
 大井町線改良・田園都市線複々線化は本来2008年3月に大井町〜二子玉川間急行運転開始・2008年度には急行運転の溝の口までの開始(二子玉川〜溝の口間複々線化完成)と言う目標が明示されていますが、等々力駅の待避線建設工事が未だ工事が「等々力渓谷の自然保護を名目にした反対運動」により未だに着手されておらず、代替の 上野毛駅の改良工事 も現在工事は進行中ですが工期内に実現できるか厳しい状況で有ると言えます。
 この様な状況の中で、当初予定工期内に代替の上野毛駅上り待避線新設が完成しても、田園都市線のバイパスたる大井町線の急行運転が十二分に能力を発揮できるか問題が有り、改良事業の目標である混雑率194%→176%への緩和は困難である可能性が想定されているからこそ、改良工事運用開始の僅か1〜2年前の今の時期に敢て「減速ダイヤ改正」が行われたのではないかと推察します。
 (1/20加筆:東急発表の「 田園都市線の混雑緩和策を積極的に推進します 」に大井町線急行運転の概要が出ていました。朝ラッシュ時は二子玉川→大井町間で6分短縮(24分→18分)の急行を毎時5本運転するとの事です。急行は1両増結の6両になる分輸送力は増強されますが、ターミナルとしては弱い大井町へ向けての急行が毎時5本ではどれだけ渋谷へ向っていた客が転移するのか・・・。巨額の投資の効果としては投資効率の悪い改善策になりかねません。だからこそ利便性に目を瞑っての「渋谷行きの準急化で所要時間を増させての大井町線への転移促進を図る」と言う意図が根底に有るのでは?と感じてしまうのですが・・・)

 要は私が推測するに「等々力の住民運動で事業がスムーズに行かない大井町線改良・急行運転へ上手く乗客を転移させる為に敢て今の時期に田園都市線の減速ダイヤ改正を行った」と推察する事が出来ます。上野毛の待避線は所詮暫定的設備です。上下揃った待避線が等々力に出来ないと特に夕ラッシュ時の下り急行が設定できず対都心通勤客の大井町線急行へのスムーズな転移が行われない可能性が高いと予想できます。(ラッシュ客は朝都心に向い夕方郊外に戻るのだから、通勤定期では行きと帰りで経路を分けられない以上夕方下りに優等列車が無いと上手く転移してくれない。)
 その為に苦肉の策として「田園都市線朝ラッシュ時ダイヤを不便にする事で大井町線への転移を則す」と言う発想で今回の「田園都市線減速ダイヤ改正」が行われたと推察する事が出来ると言えます。それで無ければ改良工事完成まであと僅かの今の時期にこの様な減速ダイヤ改正を行う理由が説明できません。
 此処に私が今回のダイヤ改正の裏に有ると推測する「民間鉄道事業者では越えられない壁」が有ると言えます。東急電鉄は田園都市線の混雑緩和の為に大井町線改良工事に巨額の設備投資を行っていますが、その投資効果が「等々力駅改良工事に対する地域住民の反対」と言う「蟻の一穴」で発揮できない状況に陥ろうとしています。東急とて民間企業ですから「巨額の投資をしたのに混雑緩和が出来ないで再度の投資(田園都市線渋谷駅の改良等)」などと言う事が出来るはずが有りません。「1000億円単位の設備投資が効果を発揮しないからもう1000億単位の設備投資を追加します」なんて話はそれこそ「クビ」覚悟の世界になってしまいます。
 其れだからこそ自社の重要な顧客である田園都市線沿線の客に多少の不便を強いても、巨額の設備投資をした改良工事が部分完成した大井町線を利用してもらわざる得ない「お家の事情」が有ると考えられます。つまりは「等々力駅地下化工事の反対運動」が「東急を追い詰め」その結果「田園都市線利用客に不便を強いる減速ダイヤ改正」を行わせたと考えることが出来ます。
 東急とて民間企業ですから、公共交通事業者としての公共性と同じぐらい民間企業としての利潤追求(設備投資効率の追求も同義である)も必要です。しかし東急は民間企業であり行政では無いので残念ながら動かす事が出来ない物も有るのは事実です。今回の場合「等々力の反対運動」がこれに該当します。其処が東急の「越せない壁」であると言えます。その越せない壁が有るからこそ東急は自社内で越す事が出来る「自社のダイヤ改正で利便性を低下させる」事で、自社を守る対応を行おうとしています。
 これによる不利益を蒙るのは誰でしょうか?減速ダイヤ改正で不便を蒙る田園都市線沿線住民ですし、巨額の設備投資が機能不全に陥りしかも減速ダイヤ改正を行い反発の矢面にたつ東急電鉄です。等々力の改良工事の反対運動が別の点で公益性を損ね多くの関係者に損害を与えているのです。
 確かに地域の自然環境を守る事は必要な事ですし、乱開発は阻止しなければならないものであると言えます。しかしその「自然環境を守る」と言う事を錦の御旗にして「自然環境に配慮した公益性の高い事業」に対して只闇雲に反対活動を行い、その結果として「減速ダイヤ改正」で多くの人たちの公共性を損なうような事を引き起こす「市民運動の我が儘」が今回の「減速ダイヤ改正」と言うマイナスを間接的に引き起こしたと言えます。この様な事が好ましい事でしょうか?

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 元々田園都市線と大井町線の改良工事に関して、過去に『 「東急」という名の「焼き鳥」の「串」を訪ねて 』『 渓谷は本当に泣いているのか? 』で取り上げていた為、非常に興味の有る内容でした。大井町線改良工事に関しては等々力は未だに工事の目処が立っていないものの上野毛に関しては工事着手したので「何とかなるのかな?」と楽観的に見ていました。
 しかし今回「寝耳に水」とも言える「減速ダイヤ改正」の情報が流れてきて、有る意味非常に珍しい急行の普通化と言う内容に驚かされると同時に「田園都市線の朝ラッシュ輸送はそれだけピンチだったのか?」と言う事と「等々力の停滞の影響がこういう形で波及してきたか!」と言う感想を抱きました。
 前に『 渓谷は本当に泣いているのか? 』で述べた様に「等々力の反対運動の一端には急行運転への抵抗がある」と言うのは間違いないと言えます。しかし本当は急行に反対する大井町線に急行が走り、実際遠距離客が多く急行が欲しい田園都市線には急行が無くなると言うのは皮肉としか言いようが有りません。上野毛まで遠征する程の「等々力の執拗な反対運動」がもたらした物は「上野毛待避線建設開始による大井町線急行運転」と「朝ラッシュ時の田園都市線急行(部分)廃止」であり、誰も得をして居ません。
 その点から私の考えた推論に基づいて「田園都市線の減速ダイヤ改正」と「等々力の反対問題」の関係を考えると、民間企業者による公共交通たる鉄道の運営と輸送力増強に関しても、一民間企業者の努力だけでは如何ともし難いと言える色々難しい事が多々有ると改めて考えさせられました。



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