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(2)スターフライヤー「北九州〜羽田線」試乗記
(2006年3月26日SFJ88便)
TAKA 2006年04月24日
『参考のHP』
「
スターフライヤーHP
」
「
㈱スターフライヤーの運行開始について
(国土交通省航空局)」
「
エアバスA320概要
(国土交通省航空局HP)
「
3月16日〜3月末の利用実績
(スターフライヤープレスリリース)」
※本ページの機内写真は「使い捨てカメラ」で撮影・現像・スキャナ読込・編集してます。(画質が悪いのは御了承下さい)
25日の神戸訪問の後、26日は姫路を観光して本当は大阪〜和歌山と見た後、泉佐野で大学時代の友人と食事をして関空からスカイマーク便で帰ろうと思っていました。実際関空も利用した事が無く、今回の神戸開港に伴う「関西三空港時代」と言う状況にも興味が有ったので(それで「
−果たして関西三空港は並立できるのであろうか?−
」と言う記事も書いていた)、今回は関空を利用しようと思ったのですが最大の目的の友人との泉佐野での会食が流れてしまい、加えて旅行直前の3月21日に「日経スペシャルガイアの夜明け」で「
大空の革新者たち〜航空ベンチャーに勝算あり〜
」を見てしまい、急遽直前で方針転換をして姫路から西に向かい最後は新北九州空港からスターフライヤーで帰京する事にしました。
本当なら5日前の予定変更で、しかも旅行の予定と翌日の事を考えると20時30分発の88便しか利用できないタイトな状況なので、スカイマークの予約状況を見ると帰京に便利な便だったのでチケットが取れるか不安でしたが、火曜日深夜のネット予約でも運良くとりことが出来ました。スターフライヤーは当初9往復・現在12往復とコードシェア込みで9往復のスカイマークより本数が多い分予約が取り易いのかもしれません。
岡山から新幹線で小倉駅に着いた後、リムジンバスで新北九州空港へ向います。リムジンバスで着いた新北九州空港は見学客でごった返していました。飛行機の出発までは時間が有ったので、展望台で写真を取り(ガードマンが居て箱で入場料100円を徴収していたのには驚いた)ラーメンで夕食を取り其れからチェックインしました。
ターミナルビルの2階でチェックインしますが、新北九州空港のメインキャリアと言っても過言ではないスターフライヤーですが、チェックインカウンターはJALの奥に有ります。空港規模が小さい分羽田ほど「遠くて不便」とは感じませんが、一番運行本数の多い会社が奥に有ると言うのも釈然としない物があります。
チェックインしてから手荷物検査に並びますが、ゲートが一つしか開かず延々と進みません。丁度この時間は出発便がスターフライヤー88便しかなく満席でも144名しか搭乗客が居ない筈ですが(実際満席だったが)係員が慣れて居ない様で大渋滞しています。結局私は10分位並んで搭乗できましたが私の後ろにも行列があり、最終的には約10分程度遅れての出発になりました。少なくとも空港側の柔軟な対応があって検査窓口をもう一つ空けていれば10分も遅れなくて済んだ筈です。スターフライヤーがメインの空港でグランドハンドリングが原因で遅れると言うのは好ましい事では有りません。新北九州空港がスターフライヤーを育てるつもりならもっと協力する必要が有るでしょう。
(左:スターフライヤー機 機内 右:スターフライヤー機での出発前安全案内(モニターで放送))
その様な訳で約10分遅れての出発になりましたが、ドアが閉まり飛行機が動き出すとスムーズに進みます。スカイマークではスチュワーデスが行っていた安全設備の案内も個別座席に付いている液晶モニターで行われ洗練された感じになっています。
飛行機は順調に離陸して東京を目指します。機内では搭乗時に配られたイヤホンで音楽を聴いたりモニターを見ている人も多数居ます。私も飛行状況の案内を見たりNHKのニュースを見たりしましたが、テレビはリアルタイムで無く録画で同じニュースを流しています。航空機の中なので致し方ないのかも知れませんが、短時間の飛行なので放送の繰り返しだけは避けて欲しい物です。
水平飛行に移り暫くしたらスチュワーデスがドリンクのサービスを始めます。新規航空会社といえどもスターフライヤーはスカイマークに対してみれば「格安航空会社」では有りません。(正規料金ではJAL33,700円:スターフライヤー25,900円)ですから少なくともスカイマークの様に「サービスを削ってまで格安で勝負」と言うコンセプトではなく、「お客様の上質なサービス」と言うのが
スターフライヤーのコンセプト
ですが、ドリンクサービスは普通の他の航空会社と変りません。私は珍しくビールでなくジュースを頼みましたが、お代わりが出来る訳でもなく(物は上質ですが)
種類
もそんなに多くなく「他と違うサービス」は実感できませんでした。
機内での具体的なサービスとなると、実際はモニターを使える事(映像or音楽)と上記のドリンクサービスだけです。確かに日本の国内線で「全座席に個別モニター」と言うのは珍しいですが、それに料金に対してどれだけの価値が有るか?となると評価は難しいと感じました。その点から考えるとスターフライヤーのサービスはチョットインパクト弱いかな?とは感じました。
(左:個別座席に有るモニター 右:スターフライヤー機の座席)
ドリンクサービスが終わった後、着陸までの残った時間で持参していたPCを広げてデジカメの写真をPCに取り込み整理しようかと、スターフライヤーの売りの一つである飛行機内のPC作業にチャンレジしました。
しかしドリンクを呑み終わってから着陸までだとPCでの作業時間は数十分しか有りません。平日の仕事に追われている時であれば数十分で幾つか書類や図面が出来れば有り難いかも知れませんが、100枚近くの写真整理となると数十分では流石に厳しいでした。時間から見て飛行機の中でAC電源があるのは売りですが其処で出来る事は限られているとも言えます。
只膝の上にPCを載せて作業となると、やはりシートピッチがチョット狭いかな?とは感じました。私の体格の場合、新幹線位のシートピッチが有るとそうでもありませんが基本的にはクロスシートでPCを拡げての作業ではモニターが見辛いのでロングシートで無いとそんなに行わない様にしています。スターフライヤーは「
170席クラスの機体で座席を144席に絞り、座席間隔を12〜15cm広く確保
」したと言っていますが、写真で見ても座ると何も出来ないスカイマークの座席より座席が広いと言うのは分かります。只新幹線普通席よりも狭いのは明らかです。こう見ると新幹線普通席の座席のシートピッチが如何に広いかが分かります。
けれども「本革シート・フットレスト・少し広いシートピッチ」は格安航空会社と比べるだけでなくJAL・ANAと比べても「売り」になる事は間違い有りません。但しこれをどれだけ評価してリピーターが付くかと言う事が問題であると思います。
暫くPCで写真整理をして居たらあっと言う間に羽田への着陸が近づき、シートベルト装着のサインが出た段階でPCを仕舞います。房総半島館山周辺を旋回点にしてグルット方向を変えて羽田への着陸に入ります。
時間が遅かった事も有ってか着陸はスムーズに行われ、着陸→タキシングまではスムーズに進み殆ど待たされずに飛行機から降機する事が出来ました。しかし此処からが問題です。羽田では昨日のスカイマーク神戸便の出発と同じで、ボーディングブリッジでの降機で無くバスでのターミナルビル接続になります。しかも周りが暗く何処に止まったかは良く分かりませんでしたが、ターミナルビルの明かりはかなり遠くに見え周りは真っ暗です。加えてバスでターミナルビルに移動するのも色々な所を引きづり廻されて5分以上掛かります。
まして飛行機が約10分遅れて到着し終電車への接続がタイトな時間帯なので、バスの中で乗客が「電車に間に合うかな?」「バスでどれくらい移動するのか?」と言う話をしているのを聞きました。スカイマークの搭乗記の中でも書きましたが、この様な周辺部門でのJAL・ANAと新規航空会社との差は利用しないと分からないサービスの差として、リピーターの判断を左右するであろうと感じました。
やはりスターフライヤーも新規航空会社であり、その新規航空会社が「いかにして生き残るかの方策」を試行錯誤で探しているとは搭乗して痛感しました。けれども新規航空会社故か「大手で考えづらい弱点」も幾つか見ることが出来ました。スターフライヤーが幾ら「高品質のサービス」を謳えども其処が利便性等で見えないハンデとなり競争で劣勢に立たされる可能性も否定できないと利用して感じさせられました。
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