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秘湯めぐりの旅(58)
<秋山郷の秘湯めぐり②−長野県>
2004.7.18-19
インデックス
7/18(日) | 7/19(月) | |
屋敷温泉 | 切明温泉 | 小赤沢温泉 |
*2004年7月18日(日) 渋温泉→柏原→野尻湖→黒姫高原→屋敷温泉
・小林一茶の足跡を訪ねる
9時前には渋温泉「つばた屋旅館」を立ち、まず柏原へと向かった。ここは、江戸時代末期の俳人小林一茶の故郷なのだが、「雀の子 そこのけそこのけ お馬が通る」、「痩せガエル 負けるな一茶 ここにあり」などのユーモアのある句を作ったことで知られている。でも、晩年はいろいろと苦労して、子供達や妻が次々と病気で亡くなったり、屋敷が大火で焼けて、最後は焼け残った土蔵の中で暮らして、息を引き取ったとのことだ。その終焉の土蔵と「小林一茶記念館」、俳諧寺、一茶の墓などを見て回った。一茶記念館には遺墨、遺品等が展示され、全国を行脚した一茶の旅の様子を追想することができる。また、1957年(明治43)に記念館のある小丸山公園の敷地内に一茶を偲んで建てられたのが俳諧寺で、一茶像や墓もある。町内には、100基以上の句碑が建てられているとのことだが、俳諧寺の下にあった「是がまあ つひの栖か 雪五尺」の大きな句碑は印象的だった。
・昼食に笹寿司を食べる
もう正午を過ぎていたので、この辺の名物「笹寿司」を食べようと妙高高原駅前まで行ったのだが、食堂では売っていなくって、製造元の石田屋で駅弁の笹寿司を買って、店の片隅で食べることになったけど、それはそれで美味しかった。笹寿司は、昔より妙高高原に伝わる郷土食とのことで、姫竹の子・ぜんまい・しいたけ・たまご・鮭・芽ざんしょの6種類の具をすし米にのせ笹の葉で包んで軽く押した押し寿司で、以前JR信越本線に乗って旅した折りには、何度も買い求めたことがあり、とても懐かしかった。
・野尻湖畔を散策
昼食後は、少し戻って、野尻湖畔に至り、「ナウマン象博物館」を見学した。ここは、3年に一度、全国から人が集まって、大々的な発掘調査が行われることで有名なのだ。ナウマン象やオオツノシカの実物大模型などあって、とても興味深かいものだった。見学後は、湖畔を散策したのだが、 野尻湖 は48の岬があると言われ、とても入り組んだ形をしていて、湖上には枇杷島(弁天島)があって、アクセントになっている。野尻湖桟橋付近には、宿泊施設やみやげ物屋があって、観光客が集まるところだが、それ以外はあまり開発されていないので自然が保たれ、四季折々の風情を見せてくれる。折しも、湖上には多くのヨットがレースをしていて、夏のレジャーシーズンの訪れを告げていた。ここから、野尻湖周遊の観光船も出るし、ボートやカヌーを貸す店もあって、それで湖に出ることも可能だ。この時も、老若男女が銘々のスタイルで楽しんでいた。高原の湖はとてもさわやかなのだ。
野尻湖上のヨット | 野尻湖桟橋付近 |
・黒姫高原へ
それから、黒姫高原の「黒姫童話館」へと向かったのだが、自家用車では、途中までしか行けなくて、後は無料のシャトルバスに乗ることになった。草原が広がり、黒姫山の景色も雄大で晴々とする、とてもいい所なのだ。そこにある「黒姫童話館」も結構面白かったのだが、私は、付属施設「いわさきちひろ黒姫山荘」の方に興味を持った。なにしろ、大のいわさきちひろファンなので、ついでに絵葉書も買ってしまったのだ。
黒姫童話館 | いわさきちひろ黒姫山荘 |
・秘境秋山郷へと急ぐ
屋敷温泉「秀清館」の外観 |
その後は、時間を使い過ぎたのを取り戻すため、今日の宿のある秘境秋山郷へと急いだ。県道59号から千曲川沿いの国道117号線へ出て、北に向かって走り、新潟県境を越えて津南町へと入っていった。役場のある集落から右折して、今度は中津川沿いに上流の山間地へと分け入っていったのだ。道は、どんどん細くなり、崖沿いを曲がりくねる悪路となっていく。車一台がやっとで、ガードレールのない所もあり、ちょっとハンドルを誤れば、谷底転落だ。慎重に運転を続けたので、宿泊する屋敷温泉「秀清館(しゅうせいかん)」にたどり着いた時はホッとした。
ここは、中津川沿いの秘湯で、江戸時代から温泉が涌きだし、鈴木牧之著「秋山紀行」にも出てくる。部屋に荷物を置くと、まず露天風呂に入りにいったのだが、乳青色で硫黄臭のする湯は、適温でとても入りやすかった。その後、内湯にも入り直したのだが、これがまた、エメラルドグリーンをした透明感のある湯がとうとうと注ぎ込まれ、掛け流しになっていて、素晴らしものだった。こんな名湯に入れただけで、遠路はるばるここまで来たかいがあったというものだが、さらに、その後の夕食も良かったのだ。地元で採れた物ばかり、特に、イワナの塩焼きとまるまる一匹入ったお吸い物が出てきて、イワナを二匹も賞味できた。馬刺もとろけるような上物で、各種の山菜やテンプラも美味しく、お酒もすすんで、良い夕餉となった。その後は、部屋に戻って、テレビを見ながらうとうとしてしてしまった。一日の疲れが出て、早めに床に就いたのだ。おやすみなさい!
☆屋敷温泉「秀清館」に泊まる。<1泊2食付 10,650円(込込)>
屋敷温泉「秀清館」の内湯 | 屋敷温泉「秀清館」の露天風呂 |
| *一般的適応症(浴用)
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屋敷温泉「秀清館」の夕食 | 屋敷温泉「秀清館」の朝食 |
*2004年7月19日(月) 屋敷温泉→切明温泉→小赤沢温泉→帰途へ
・朝の散歩へ
翌朝は、6時に目を覚まし、7時前から散歩に出かけたが、秋山郷はほんとうに深い谷の中にある。まず、中津川渓谷沿いに歩き、屋敷橋のところから、屋敷の集落へと登っていった。山村の朝は、夏でも涼しくて心地よいのだ。渓谷や山の写真を撮りながら、30分ほどで戻ってきて、また温泉に浸かった。内湯は昨晩より透明感が増し、ほんとうにきれいなエメラルドグリーンでまるで、入浴剤でも入れたようなのだが、これで正真正銘の天然温泉100%なのだ。再び、極上の温泉を堪能してから、上がってきて、朝食になった。
秋山郷の屋敷集落 | 中津川渓谷と屋敷橋 |
食後、荷物をまとめ8時半には宿を出立して、秋山郷の最奥にある切明温泉へと向かった。ここは、河原を掘ると天然の温泉が出てくることで有名なので、行ってみたのだ。切明温泉「雄川閣」の近くに車を駐め、赤い橋を渡ってから河原へ続く小道を下りていった。案の定、河原の水たまりには底から温泉が湧きだしている。すでに、先人が掘った穴がいくつか有ったのだが、熱すぎたり、ぬるすぎたりで、なかなか適温の所がみつからない。それでも、ようやくよさそうな所を見つけて、周りに見物客がいないことを良いことに服を脱いで、天然温泉へ飛びこんだ。周辺には中津川の流れと、大自然の山々が見えるだけ、ほんとうにワイルドだ。しばらく悦に入ってから、車へと戻っていった。
★切明温泉の河原の露天風呂に入浴する。<入浴無料>
切明温泉の河原の露天風呂 | 河原から「雄川閣」を見る |
| *一般的適応症(浴用) 神経痛・筋肉痛・関節痛・五十肩・運動麻痺・関節のこわばり・うちみ・くじき・慢性消化器病・痔疾・冷え症・病後回復期・疲労回復・健康増進 *泉質別適応症(浴用) きりきず・やけど・慢性皮膚病・虚弱児童・慢性婦人病
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その後は、来た道を戻りながら、小赤沢にある「楽養館」という日帰り入浴温泉にも再訪してみた。ここは、 2年前に来た時にも立ち寄っている が、鉄分が多い赤褐色のお湯で、成分が濃いので、析出物が床や浴槽を覆っている。また、湯口からは間歇的にゴボッゴボッとお湯が注ぎ込まれていて豪快だ。これもなかなか良い温泉で、気に入っているのだ。ほんとうに、秋山郷には、個性的な温泉が多い。
★小赤沢温泉「楽養館」に入浴する。<入浴料 500円>
小赤沢温泉「楽養館」の外観 | 小赤沢温泉「楽養館」の内湯 |
| *一般的適応症(浴用)
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小赤沢温泉「楽養館」の公式ホームページへ |
・塩沢町で蕎麦を食べる
入浴後は、再び川沿いの悪路を下り、途中「萌木の里」というところで、小休止して、お土産を買ってから、帰途に着いた。国道117号線に復して、北東に向かい清津大橋を渡ったところで、右折して国道353号線に入ったのだ。それから、塩沢町へと至って、国道17号線沿いの「中野屋」で、昼食に天ざるそばを食べたのだが、この辺の蕎麦はつなぎに海草の布海苔を使っていて、腰のある独特のもので、美味しい。
・帰途につく
昼食後は、混雑を避けるため早めに塩沢インターから関越自動車道に乗った。そのお陰で、たいした渋滞にもぶつからなかったのだが、新座料金所でつながっているとのことだったので、川越インターで下りて、そこからは、下道で帰ってきた。
今回の旅は、北陸方面で大雨が降ったりして、天気が心配だったのだが、昼間はほとんど降られずに旅できて良かった。そして、良い温泉に入り、美味しい物も食べられたから、いい旅だったかな...。
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