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<温泉分析問題の例題>
◇例題(1)の解答
温泉法第2条別表
を見ながら考えてみると、まず、
源泉温度
が16.5℃で、25℃未満ですので、それだけでは温泉に適応しません。また、成分を見てみると、
溶存物質総量
(ガス性のものを除く)が268㎎/㎏となっていて、泉水1㎏あたり1g未満ですので、これも温泉に適応しません。最後に、特殊な成分をチェックしなければなりません。18種類の特殊な成分が規定以上含まれている場合には、温泉に適応するからです。それをチェックしますと、ふっ素イオンの項で、計2.2㎎/㎏含まれていて、規定の2㎎/㎏以上で、この項目だけで温泉に適応していることがわかります。従って、「温泉法第2条別表中に示されたふっ素イオンの項で温泉法の温泉に適応する」と判定されることになります。ついでに、溶存物質総量が8g/㎏未満ですので低張性、
pH値
が8.5以 上ですのでアルカリ性、源泉温度が25℃未満ですので冷鉱泉となり(低張性・アルカリ性・冷鉱泉)とも表示されるのです。
(1)アルカリ性単純温泉−−−×
(2)温泉法第2条別表中に示されたふっ素イオンの項で温泉法の温泉に適応する−−− ○
(3)温泉法第2条別表中に示された総硫黄の項で温泉法の温泉に適応する−−−×
(4)温泉法第2条別表中に示されたメタケイ酸の項で温泉法の温泉に適応する−−−×
(5)温泉法第2条別表中に示されたメタホウ酸の項で温泉法の温泉に適応する−−−×
◇さあー、次の問題です。
【泉質名の決定】 それでは、次に泉質名が決定される場合に、塩類泉の名前がどう決められるかを考えてみましょう。現在用いられている1978年に改正された「環境庁鉱泉分析法指針」による療養泉の規定に基づく新泉質名は、イオン名を組み合わせた表示になっているため、なじみにくいと言われていますが、なれてしまえばとても合理的な表記法なのです。それでは、以下に実際の温泉分析書がありますが、この温泉の新泉質名は何と決定されるでしょうか?温泉分析書の下の5つの選択肢の中から1つお答え下さい。
温泉分析書 源泉名:○○温泉
湧出地:○○県△△郡□□町◇◇682番地の21.湧出地における調査及び試験成績(1) | 調査及び試験者 | : | ○○県衛生研究所 氏名 △△△△ | (2) | 調査及び試験年月日 | : | 昭和○○年○月○○日 | (3) | 源泉温度 | : | 38.4℃ (気温17.4℃) | (4) | 湧出量 | : | 約250㍑/分(動力揚湯) | (5) | 知覚的試験 | : | 微弱な白濁を呈し、殆んど無味無臭である | (6) | pH値 | : | 8.58 |
2.試験室における試験成績(1) | 試験機関及び試験者 | : | ○○県衛生研究所 氏名 △△△△ | (2) | 分析終了年月日 | : | 昭和○○年○月○○日 | (3) | 知覚的試験 | : | 微弱な白濁を呈し、微黄褐色の沈殿があり、殆んど無味無臭である(採取後24時間) | (4) | pH値 | : | 8.62 | (5) | 密度 | : | 0.9991(20℃/4℃) | (6) | 蒸発残留物 | : | 955.0㎎/㎏ (110℃) |
3.試料1kg中の成分・分量及び組成(1) 陽イオン | (2) 陰イオン | 成分 | ミリグラム | ミリバル | ミリバル% | 水素イオン | — | — | — | リチウムイオン | — | — | — | ナトリウムイオン | 326.3 | 14.19 | 97.33 | カリウムイオン | 2.1 | 0.05 | 0.34 | カルシウムイオン | 4.2 | 0.21 | 1.44 | マグネシウムイオン | 1.1 | 0.09 | 0.62 | アルミニウムイオン | — | — | — | 鉄(Ⅱ)イオン | 1.1 | 0.04 | 0.27 | 鉄(Ⅲ)イオン | — | — | — | 銅イオン | — | — | — | マンガン(Ⅱ)イオン | — | — | — | 陽 イ オ ン 計 | 334.8 | 14.58 | 100.00 |
| 成分 | ミリグラム | ミリバル | ミリバル% | フッ素イオン | 21.5 | 1.13 | 7.74 | 塩素イオン | 32.2 | 0.91 | 6.23 | 硫化水素イオン | — | — | — | 硫酸水素イオン | — | — | — | 硫酸イオン | 178.4 | 3.71 | 25.41 | 炭酸水素イオン | 483.9 | 7.93 | 54.32 | 炭酸イオン | 27.6 | 0.92 | 6.30 | 硝酸イオン | — | — | — | ヒドロケイ酸イオン | — | — | — | 水硫化イオン | — | — | — | 陰 イ オ ン 計 | 743.6 | 14.60 | 100.00 |
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(3) 遊離成分 | | | (4) 溶存ガス成分 | 非解離成分 | ミリグラム | ミリモル | メタケイ酸 | 23.8 | 0.30 | メタホウ酸 | 9.0 | 0.21 | メタ亜ヒ酸 | — | — | 非解離成分計 | 32.8 | 0.51 |
| | | 溶存ガス成分 | ミリグラム | ミリモル | 遊離二酸化炭素 | — | — | 遊離硫化水素 | — | — | 溶存ガス成分計 | — | — |
| 溶存物質総量(ガス性のものを除く) : 1111㎎/㎏ | | | 成分総計 : 1111㎎/㎏ |
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