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泉質 No.1温泉

インデックス

強酸性 強アルカリ性 ラドン含有 二酸化炭素含有

☆水素イオン濃度(pH)の大小 No.1 水素イオン濃度(pH)による温泉の分類  

 温泉には 色々な分類方法 がありますが、 水素イオン濃度(pH) で液性分類(酸性、中性、アルカリ性)をする方法がよく用いられています。その中で、 水素イオン濃度(pH) が小さくなればなるほど酸性が強くなり、2未満の温泉を強酸性泉といい、火山地帯に分布しています。逆に、 水素イオン濃度(pH) が大きくなればなるほどアルカリ性が強くなり、10以上の温泉を強アルカリ性泉と分類する場合があります。世界でも稀で、日本でも珍しい泉質でしたが、近年掘削された、非火山性の深層地下水型(火山の影響の少ない所で、地中深くボーリングして汲み上げた温泉)の新しい温泉に見られるようになってきました。一般的に、酸性泉は物質を溶かす力が強く、 溶存物質総量 (泉水1㎏中に含まれるイオンや非解離成分の総量)が多くなる傾向がありますが、反対にアルカリ性泉は物質が沈殿しやすいために 溶存物質総量 が少なくなる傾向にあります。

○日本で最も酸性の強い温泉

  ・玉川温泉<秋田県> (pH1.2)





源泉名玉川温泉大噴湯
湧出地秋田県仙北郡田沢湖町玉川
湧出量9,000㍑/分
知覚
泉質強酸性硫黄泉
泉温分類98℃(高温泉)
Ph値(湧出時)1.2 
液性分類強酸性
溶存物質総量4,811.777㎎/㎏
浸透圧分類低張性
玉川温泉大噴湯

*一般的適応症(浴用)
 
神経痛・筋肉痛・関節痛・五十肩・運動麻痺・関節のこわばり・うちみ・くじき・慢性消化器病・痔疾・冷え症・病後回復期・疲労回復・健康増進

*泉質別適応症(浴用)
 
月経障害・動脈硬化・高血圧症・慢性皮膚病・慢性婦人病・きりきず・やけど・虚弱児童

 古くは鹿湯と呼ばれた焼山西麓にある湯量豊富な一軒宿の温泉で、最大の源泉“大噴湯”の湧出量毎分9,000㍑は一つの源泉の湧出量としては国内最高と言われていて、温泉研究所を持つ特異な湯治場として人気があります。地獄谷の岩盤の上にゴザを敷いて、その上で地熱によって体を温める露天オンドルと呼ばれる独特の方法も行われています。その近くに開放的な混浴の露天風呂があり、無料で入ることができます。また、男女別に分かれた内湯の大浴場には源泉100%の浴槽があり、入浴すると、強酸性のため皮膚がピリピリするような感じさえしますが、それが効き目があるとのことで、強い殺菌力で皮膚病には特効があると言います。それ以外にも源泉50%の浴槽、気泡湯、蒸し湯、打たせ湯、蒸気湯、寝湯と様々な入浴方法を試すことができます。治療目的で長逗留する人が多く、自炊部240人、旅館部450人収容の旅館もいつも満員とのことです。予約も六ヶ月前には埋まるという人気の高さを誇っていて、大雪の積もる冬期間も規模を縮小して、雪上車による送迎をしながら営業を続けていることで知られています。草津温泉(群馬県)もここに匹敵する強酸性の源泉があると聞きますが、源泉毎 のPh値はpH1.5が最高とのことなので玉川温泉をNo.1としました。

開放的な玉川温泉の露天風呂湯瀬ホテル玉川温泉営業所の大浴場
宿


湯瀬ホテル玉川温泉営業所のデータ
標準料金1泊2食付 6,500〜15,000円(込込) 入浴料450円
定員240室 700人
住所、電話〒018-51 秋田県仙北郡田沢湖町玉川 TEL(0187)49-2352
交通JR田沢湖線田沢湖駅から八幡平山頂行きバス80分玉川温泉下車

秘湯めぐりの旅(15)<玉川温泉−秋田県>へ


○日本で最もアルカリ性の強い温泉 (現在調査中なので暫定1位) 強アルカリ性温泉入湯記  

 現在、私の知るところでは、 水素イオン濃度(pH) が最も大きい強アルカリ性泉は、pH11.3の都幾川温泉(埼玉県)と白馬八方温泉(長野県)で、ほぼ同じ値ですので、併記してNo.1としました。この泉質の温泉は、世界でも稀で、日本でも珍しい泉質でしたが、近年掘削された、非火山性の深層地下水型(火山の影響の少ない所で、地中深くボーリングして汲み上げた温泉)の新しい温泉に見られるようになってきました。現在も各地で深層地下水型の温泉の掘削が進められていますので、この泉質の温泉が増えるものと思われます。まだすべての温泉のpH値を調べていないし、新しく開発されるところもあるかと思いますので、暫定No.1としました。その後、インターネットで検索していたら、小渋川温泉正津の湯「白河屋」(長野県)の源泉がpH11.35となっていました、今度入浴しに行ってみようと思っています。
この温泉よりアルカリ性の強い所を知っている方はお知らせ下さい。

  ・都幾川温泉<埼玉県> (pH11.3) 





源泉名都幾川温泉
湧出地埼玉県比企郡都幾川村大野字中力537
湧出量2.4㍑/分
知覚無色、透明、無味、無臭
泉質(メタケイ酸で温泉に該当)
泉温分類14.9℃(冷鉱泉)
pH値(湧出時)11.3 (試験室)11.13
液性分類強アルカリ性
溶存物質総量219㎎/㎏
浸透圧分類低張性
 1990年に地下60mより掘削に成功した温泉で自然湧出しています。源泉の湧出時のpH値は11.3で、試験室でのpH値は11.13と非常に強いアルカリ性泉です。民営の旅館“湯元館”だけしかない、一軒宿の温泉で、都幾川村の奥、白石峠に向かう山里にあります。周囲は山に囲まれ、都幾川沿いの自然に包まれた静かな環境にあって、秘湯感に浸れる立地条件です。湯元館では日帰り入浴可能で、地元の食材を使った山菜、川魚、鍋料理などの食事をすることもできます。15人ほど入れる浴場もありますが、温泉浴室付きの部屋があって、予約すれば貸し切り入浴も可能です。あまり客のこないシーズンは部屋付き風呂の方での入浴となりますが、臨時休業の時もあるので電話で確認してから出かけた方が無難でしょう。この温泉に入湯すると全身ががぬるぬるしてきて、皮膚が溶け出していくような感じがするほど強いアルカリ性です。湯は無色透明、無味無臭で入浴感はとても心地よく、いつまでも入っていたくなるような気分になります。しかし、 強アルカリ性の温泉 は他にもいくつか知られており、まだ全部のPh値を調べていないので、暫定No.1としました。
この温泉よりアルカリ性の強い所を知っている方はお知らせ下さい。

 ・温泉の詳細なデータを知りたい方は→ 都幾川温泉分析書

緑に包まれた都幾川温泉湯元館都幾川温泉湯元館の部屋付き温泉風呂
宿


都幾川温泉“湯元館”のデータ
宿泊料金1泊2食付 12,000円〜(込別) 
入浴料金大人800円 子供400円
外来入浴時間営業は土日・祭日のみの予約制で土/午前11時半〜午後3時、日・祝日/午前11時半〜午後5時
住所、電話〒355-03 埼玉県比企郡都幾川村大野字中力537 TEL(0493)67-0331
交通JR八高線明覚駅より村営バス大野方面行き20分「大野」下車

*白馬八方温泉<長野県> (pH11.3)





源泉名白馬八方温泉
湧出地長野県北安曇郡白馬村北城9342-8
湧出量
知覚無色透明、微弱硫黄味を有す
泉質アルカリ性単純温泉
泉温分類52.4℃(高温泉)
pH値11.3
液性分類強アルカリ性
溶存物質総量160.5㎎/㎏
浸透圧分類低張性

  強アルカリ性泉 を訪ねて、長野県白馬村まで入湯しに行きました。長野冬季オリンピックのジャンプ競技会場となった白馬八方尾根スキー場近くにその温泉は湧いています。10数年前に発見された比較的新しい温泉で、松川上流で砂防ダム工事をしていて発見されたといいます。源泉から数㎞引き湯して、1986年に最初にオープンしたのが露天風呂の「小日向(おびなた)の湯」で、その後八方地区の旅館・民宿街まで、導水管が敷設され、100軒以上の宿で利用されています。共同浴場も他に「第一郷の湯」、「第二郷の湯」、「みみずくの湯」と出来ました。しかし、源泉に最も近く、松川の河原にあって、白馬連山を眺めながら入浴できる露天風呂「小日向の湯」の人気が高いのです。私も、まずそこを訪ねてみたが、松川のせせらぎを聴き、北アルプスを仰ぎ見る男女別露天岩風呂はすばらしいものです。巨大な岩が男女の浴槽を仕切っていて、入浴すると強アルカリ性のために肌がぬるぬるになります。入浴感も心地よく、肌がきれいになる湯として女性に人気があるとも聞きました。この泉質にはとても気に入って、その後、八方地区の旅館・民宿街に行って、その中の一軒「あづみ館」に宿泊し、再度その湯に入って強アルカリ性泉を満悦しました。
この温泉よりアルカリ性の強い所を知っている方はお知らせ下さい。

白馬八方温泉“小日向の湯”の外観白馬八方温泉“あづみ館”の外観

*一般的適応症(浴用)
 
神経痛・筋肉痛・関節痛・五十肩・運動麻痺・関節のこわばり・うちみ・くじき・慢性消化器病・痔疾・冷え症・病後回復期・疲労回復・健康増進







白馬八方温泉“小日向の湯”のデータ
利用料金大人400円、小人200円  
営業時間午前10時〜午後6時、期間中無休 *11月中旬〜4月下旬休業
住所、電話〒399-9301 長野県北安曇郡白馬村八方二股 TEL(0261)72-3745
交通JR大糸線白馬駅よりタクシー15分
宿


白馬八方温泉“あづみ館”のデータ
宿泊料金1泊2食付 6,000〜8,500円(込別) 
入浴料金500円 
外来入浴時間午後3時〜午後10時 
住所、電話〒399-9301 長野県北安曇郡白馬村八方 TEL(0261)72-2220
交通JR大糸線白馬駅よりバス5分


☆ラドン含有量 No.1 

○日本で最もラドン含有量の多い温泉 (現在調査中なので暫定1位)

  ・池田ラジウム温泉<島根県> (6,640マッヘ/㎏)





源泉名池田ラジウム鉱泉8号泉
湧出地島根県大田市三瓶町池田堂原上2661-2
湧出量
知覚無色 透明 炭酸味 辛味 苦味
泉質含放射能-Na-塩化物泉
泉温分類16.0℃(冷鉱泉)
pH値6.0
液性分類中性
溶存物質総量6,043.215㎎/㎏
浸透圧分類低張性
ラドン含有量6,640マッヘ/㎏
*一般的適応症(浴用)
 
神経痛・筋肉痛・関節痛・五十肩・運動麻痺・関節のこわばり・うちみ・くじき・慢性消化器病・痔疾・冷え症・病後回復期・疲労回復・健康増進

*泉質別適応症(浴用)
 
痛風・動脈硬化・高血圧症・慢性胆嚢炎・胆石症・慢性皮膚病・慢性婦人病・きりきず・やけど・虚弱児童
 『温泉百話 西の旅』(ちくま文庫)の中に「老女が語る池田ラジウム鉱泉史」渡辺喜恵子著という文章があって、日本一のラドン含有量の温泉として紹介されています。場所は山陰の島根県大田市から三瓶山に向かう途中にある山中の一軒宿です。建物は建て替えられていて、比較的新しく、民宿のような造りになっています。しかし、温泉宿として始めたのは大正4年(1915)にさかのぼるとのこと。ほんとうに、自然豊かな、ひなびた環境の中ににあります。旅館内は掃除も行き届いていて、清潔で、応対も家族的な感じで好感が持てました。浴室は4,5人も入ればいっぱいといった感じですが、沸かしているものの、その泉質は独特で、肌触りがよく、入りやすいのです。この温泉には8つの源泉があり、3号泉は飲用に適し、胃腸病に効くとのことで、玄関前に飲泉場がありました。しかし、ここで特筆すべきはラドンの含有量のすごさで、最も多い8号泉は、6,640マッヘ/㎏という驚異的な値を示し、効能も高いと聞きました。戦前から、色々な大学の教授が調査に来て、折り紙付きとのこと。主人は世界一の含有量ではないかと言っていましたが、増富温泉(山梨県)、三朝温泉(鳥取県) 、湯の島温泉(岐阜県)など、他にもラドン含有量の多い温泉がいくつか知られており、まだ全部を調べ尽くしていないので、暫定No.1としました。
この温泉よりラドン含有量の多い所を知っている方はお知らせ下さい。
山中の一軒宿の池田ラジウム鉱泉“放泉閣”池田ラジウム鉱泉“放泉閣”の浴室
宿


池田ラジウム鉱泉“放泉閣”のデータ
宿泊料金1泊2食付 6,500円〜(込込) 
入浴料金300円 
定員9室27名
住所、電話〒694-02 島根県大田市三瓶町池田2660-2 TEL(08548)3-2833
交通JR山陰本線大田市駅よりバス三瓶温泉方面行き25分「一丁田」下車後徒歩20分


☆二酸化炭素含有量 No.1

○日本で最も二酸化炭素含有量の多い温泉

 インターネット上の掲示板で、長湯温泉より二酸化炭素含有量の多い温泉があると指摘され、調べてみたところ、吉川温泉(兵庫県三木市)の二酸化炭素含有量が4,110mg/kgと出ていました。また、みちのく温泉(青森県深浦町)の含有量も4,004mg/kgと長湯温泉より多いと出ていました。今度、入浴して調べてきたいと思います。

  ・長湯温泉<大分県> (3.447g/㎏)

源泉39.5度の 含二酸化炭素−カルシウム・マグネシウム−炭酸水素塩泉

*一般的適応症(浴用)
 
神経痛・筋肉痛・関節痛・五十肩・運動麻痺・関節のこわばり・うちみ・くじき・慢性消化器病・痔疾・冷え症・病後回復期・疲労回復・健康増進
*泉質別適応症(浴用)
 
動脈硬化・高血圧症・きりきず・やけど・慢性皮膚病

 久住連山の麓に位置する静かな山里にあり、芹川畔に湧く古くからの湯治場で、町の中心地に10数軒の旅館や民宿が立ち並んでいる。芹川の所々から湯が湧きだしていて、それを囲んで河原に造った、3〜4人も入れば一杯になる小さな混浴露天風呂が、名物の「カニ湯」だ。開放感抜群で、周囲からは丸見え、橋の下に隠れて脱衣する人が多い。浴槽は石をコンクリートで固めたもので、よく見るとカニのような形をしている。珍しい泉質で、日本一の二酸化炭素(炭酸ガス)含有量を誇り、身体には小さな気泡が付着して、タオルは茶色に染まる。二酸化炭素(炭酸ガス)は皮膚から吸収されたり、毛細血管や細小動脈を拡張し、血液の循環をよくするので身体があたたまる、日本でも数少ない良質の温泉だ。共同浴場も町営のものが4ヶ所あるので、外湯巡りが楽しめる。 

河原の露天風呂“カニ湯”芹川の河畔にある旅館街






長湯温泉“カニ湯”のデータ
入浴料金無料
浴槽芹川の河原に混浴露天風呂が1つ、3〜4人で一杯
営業時間24時間、年中無休だが、冬季は寒くて無理 
住所、電話〒878-0402 大分県直入郡直入町長湯 <問合先>役場観光係 TEL(0974)75-2211
交通JR豊肥本線豊後竹田駅より大分バス40分長湯温泉下車徒歩5分

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