このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

芸北高原鉄道の歴史

芸北高原鉄道は、夢の鉄道。いよいよ発車!!

地域も鉄道会社も一体になって維持存続していく夢鉄道、だったのです。
















→ 山陽東海軌道整備事業団    → 沿革その1      → 沿革その2    → 車輌の増備

出発進行! 

順調に進むかと思われた鉄道開業までの道のりの中、思わぬ事態が発生しました。

車両確保に難題が生じてきたのです。

芸北高原鉄道向けの車両譲渡をするはずであったJR西日本では、事情により新造車投入を当面見送る方針を決定しました。この影響で、JR西日本新造車投入で押し出される在来車輌の譲渡が困難になり芸北高原鉄道の定数を充足させることができなくなってしまったのです。

そのため芸北高原鉄道側は開業時必要な編成定数の不足を、遠交道州政策による広島県−愛知県経由でJR東海と交渉、不足分を補う事になったのです。関西線急行『かすが』廃止にともない捻出されたキハ75、飯田線捻出の119系、身延線捻出の123系、置き換え余剰103系などが移籍し、芸鉄まで甲種輸送されたのでした。

(その後、JR西日本においても簡易更新工事をおこなった車両を中心にやりくりの目途を立て引き続き提供、開業には間に合わなかったものの、開業後想定外の輸送密度に対応する増備に貢献したのでした。)

 

2004年8月準備が整い、ついに芸北高原鉄道が開業しました。

平成大合併のもと沿線自治体の合併目玉事業として芸北高原鉄道の開業行事を華々しくおこなう中、車両はデザインや装備がさまざまに混在する中古車両ばかりというスタートとなりました。しかし、車輌の混在は芸北高原鉄道のひとつの特長として、ファンに愛される事になりました。

 

当時のダイヤは以下の観点をもとに編成されています。

◎列車本数は都市圏なみのフリークエントサービスで利便性を高める。

広島−芸北高原間は15分に1本(上りは広島までの直通運転のほかに、可部止まりの列車には可部で可部線または芸備線の広島行きに接続)、新加計−聖湖三段峡口間は30分に1本、芸北高原−浜田間は20〜30分に1本。

◎ ビジネスでの都市間輸送とレジャーでの往来を主眼とする快速列車は、競合する高速道路よりも速達化をおこなう。

すなわち広島−芸北高原=40分(自動車では1時間)、広島−浜田間=1時間30分(自動車では2時間〜2時間30分)。

◎料金は、これまでの高速バスと同等もしくはそれ以下。

《広島−山陰間の高速バスとの比較》

広島−浜田間の高速バスは1日15往復(1時間50分〜2時間10分)で片道約3,000円、往復割引5,200円のところ芸北高原鉄道・JRでは片道2,000円。

広島−益田間の高速ハスは1日2往復(2時間40分)、片道3,600円のところ芸北高原鉄道・JRでは片道2,740円 

広島−松江間の高速バスは1日14往復(3時間20分〜3時間40分)で、片道4,000円、往復割引7,200円のところ芸北高原鉄道・JRでは片道4,240円。

広島−出雲間の高速バスは1日8往復(3時間30分)、片道4,000円、往復割引7,200円のところ芸北高原鉄道・JRでは片道3,450円。

 

◎列車編成の特徴

①特急の運行はおこなわず、快速を投入。

快速はすべてライナーと名づけられ、運賃のほかにライナー券が必要な全席指定列車で、全編成4両で運転。

1時間に1本運転の広島−芸北高原は『芸北ライナー(通勤ライナー)』、早朝および夕方に広島−浜田を運転する『おさかなライナー』、夏季の海水浴シーズンのみ広島−浜田を1時間1本運転する『アクアライナー』などが開業時にありました(なお、広島—可部間はJR芸備延伸線乗り入れ)。

 

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後に述べる1901ダイヤ改編においては快速増発をうけ、本数が倍増しましたが全席指定の車輌が間に合わず普通運用の自由席車輌の混成となりました。充当される車両は開業当初から115系3000番台、115系3500番台、117系です。115系はJRと同様の瀬戸内色と快速色、さらには湘南色、更新色とバラエティ豊か。117系はSUNライナー色ですが、クハに東海色の予備車が1両だけ存在しています。いずれも比較的新しい車両のため、設備が良く人気があります。

また、1時間1本の可部−聖湖三段峡口を結ぶ『三段峡ライナー』は、快速気動車で全て2両編成です。紅葉やスキーシーズンなどの繁忙期はJR芸備延伸線乗り入れで増結のうえ、広島まで運行する場合があります。充当される車両はキハ58、キハ75。旧急行ちどり色や、JRと同じイエローの58系が中心ですが、JR東海の急行かすが廃止にともない移籍し、オレンジの帯を瀬戸内帯に塗り替えた75系が1編成あり、軽快で快適な列車として、運行毎に満席となる好評です。

②普通列車は、高いフリークエントサービスを目指し、本線において可部−芸北高原は15分毎、芸北高原−浜田は30分毎に運転。可部駅ではJR可部線または芸備延伸線、浜田駅では山陰本線のJRと接続しています。単行、2両、3両、4両と繁閑度合いで編成は変わります。充当される車両は103系、105系、113系、115系、119系、123形で塗色は瀬戸内色(103系、113系、115系)、湘南色(113系、115系)、福知山色(115系)、広島更新色(115系)、岡山更新色(113系)、阪和線快速色(113系)、可部線色(105系、123形)、JR東海色(103系、119系、123形)など多彩です。また、デカ目115系や分散クーラー103系など、車両のバリエーションも多いので、楽しみに乗車されるファンも多いとか。

三段峡線については可部−聖湖三段峡口間または、電車と接続し新加計−聖湖三段峡口間を20分毎で運転しています。可部駅ではJR可部線または芸備延伸線と接続しています。単行または2両で運行し、充当される車両はキハ23、キハ45、キハ47、キハ58で主力はJR西日本とおなじイエローの車両ですが、普通気動車の不足を補うため転用されたキハ58は国鉄色、キハ45はタラコ色の首都圏色です。またキハ47は岡山色も在籍します。なおキハ45と、キハ23は非冷房車で冬場を中心に運行されます。 

③イベント列車、観光列車、臨時列車の弾力運用。

芸北高原は夏=避暑や合宿・秋=紅葉・冬=スキーで、浜田方面は年中の温泉や夏の海水浴などで、多くの観光客をむかえます。こういう時には、臨時編成の列車や、旅行企画商品としての特別イベント列車が運行されます。また、既存車両が臨時で充当される場合には、逆に応援車両が通常ダイヤを運転する場合もあります。充当される車両としてはDE10+20系客車・50系客車、名鉄各系車両、、ゆめじ、近鉄車両などです。

 

車輌の配備について


 

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