1.完全選択式ポイントとは
当「沖縄電気鐵道〜浦添線〜」では、小型のシィナリー中心で運行しているため、線路は「
TOMIX
」のミニカーブレール等を基本システムとして用いています。
そのため、ポイントも同社製を採用する事となっています。
そこで、同社のポイントの特徴である「完全選択式ポイント」について調べてみました。
上の写真は「手動ポイント」をそれぞれ切り替えた際の電流の流れを確認した物です。
まず、このポイントの特徴である「完全選択式」とは、写真1に有る様に分岐先と中央部にそれぞれ「ギャップ」が切られている事です。また、このギャップに対し、ポイントが切り替えられる際に応じて、電気回路的にスイッチが切り替わり、ギャップを跨ぐ様に電流が流れる様になっているのが特徴です。
簡単には、写真1の様にポイントが繋がった場合(大きな○の部分が繋がっている)、仮に手前に+の電流が流れていると、手前の線路のギャップの先には同じ+の電流が流れるが、分岐先の手前側には、全く電流が流れません。同様に写真1では、奥にーの電流が流れていますが、手前の奥側にはギャップの先に同じーの電流が流れますが、分岐先のギャップ以降には、全く電流が流れません。
下のポイントを切り替えた写真2の状態では、写真1と全く逆で、手前のギャップ以降の線路には電流が流れず、分岐先のギャップの先には電流が流れます。
この電流の流れをポイントの切替により、電気的にも切り替えるので、「完全選択式」と表している事が確認できました。
また、このポイントの場合、スプリングポイントを採用しているため、写真2の場合でも、右から車両がポイントに入って来た場合、ポイントが車両の車輪に押されて、一時的にポイントが繋がった状態になり、通過できる機能が有ります。
しかしこの状態でも、電気的には写真2の電気回路がポイントを切り替えるまでは有効で、このスプリングポイントの機能が作動しても、電気回路的にはそのままの状態を維持します。
これを電気回路的に模式してみたものが、下図になります。
A)エンドレス状態で1)のポイントを「2番線」側に、2)のポイントを「1番線」側にした状態で、仮に赤の線路に+を流した場合、車両が「2番線」から出発しても、時計回りで「1番線」から1)のスプリングポイントを通過して、エンドレスに走行します。
逆に青の線路に+を流した場合は、反時計回りで必ず「2番線」から2)のスプリングポイントを通過して、エンドレスに走行する事でしょう。
この状態で、1)のポイントを「1番線」側に切り替えた場合、「2番線」には全く電流が流れず、車両は正逆何れの回りでも「1番線」のみ通過し、仮に「2番線」に車両がいた場合、その車両はポイントが切り替わるまでは、停車状態に有る事になります。つまりは、このエンドレス状態のレイアウトでは、このポイントの組み合わせをうまく利用し、また、電気配線(ギャップとフィーダー接続等)、センサー等を入れる事で、比較的簡単(スプリングポイントの機能を生かした)に自動で車両交換を行なう運転が可能と考えられます。
この辺りの回路等は、次項の
「2.駅での交互車両交換」
にて考えて行きたいと思っています。
また、B)ポイントtoポイント(地点間)においては、1)のポイントを「2番線」側に、2)のポイントを「1番線」側にした状態では、電気的にフィーダーが2カ所必要となります。(1カ所でも走行は可能だが、1)と2)のポイントを同時に「1番線」なり「2番線」に切り替えないといけない)
そこで、このポイントと回路の切替をうまく使うと、中間の駅で2両の車両を相互に交換し、左右の地点間との間で往復させる様なやや複雑な自動運転(次章の
「4.電気信号によるポイントの切替(相互発進時の場合)」
にて検討)も可能と考えられます。(但し、この場合は「電動ポイント」によるポイントの切替が必要になります)