このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

太平洋戦争中の日本海軍、四式空雷 (航空魚雷) 用の四式縦舵機 (ジャイロスコープ) 
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三八式縦舵機
九一式縦舵機
九八式縦舵機
  航空魚雷
の安定器
子供の頃、小遣いを貯めて地球ゴマを買ったときは嬉しくて一日中廻して遊んでいました

その不思議な振る舞いはとても印象深く、現在はほとんど使われなくなった回転式ジャイロ
ですが、古い機械に使われているのを見ると興味を引かれます。

写真のジャイロは太平洋戦争末期、昭和19年から使われた四式航空魚雷に搭載された四式縦舵機です 
この頃から航空魚雷は空雷と呼称が変更されたようなので、正しくは四式空雷です

魚雷は海中を進んで行くとき、次第にコースがずれていきますので、 回転するはずみ車
の回転軸は、そのままの状態を、保とうとする性質を利用して、舵を自動制御し
魚雷を直進させる縦舵機と呼ばれる機構が備わっていました。
回転用空気ノズル

空気ノズルは180°
反対側にもある

円周上の2箇所
から吹いている








ここのネジ部は舵駆動用空気入り口




舵 駆動用空気弁(複動弁)
  2本の銅管から舵に
  空気を送っている
このジャイロは、回転、誤差の出力共、圧搾空気を利用しています
真ん中に見える真鍮製のホイールを保持枠の外側から空気を吹き付けて
回転させています

回転軸がずれたときは、軸に取り付けられた復動弁が開き、
舵に空気を送って、魚雷の進路を補正します。
解りやすいよう、回転体を
少しずらしました

円周上にはノズルからの
空気を受ける為
溝が彫られています

今でもコンプレッサーの
エアーをつなぐと
唸りを上げて回転します
複動弁 拡大  上下逆ですが 四式縦と刻印があります

ジャイロの軸が複動弁の棒状の部分を左右に動かすと
舵へ空気が送られます。

背面?  ベースに上下逆に製造番号が
刻印されています  画像処理で反転しました

三菱マーク、錨の海軍マーク、等が見えます

立派な木箱に収納されています
蓋の内側には予備部品(補用品)もそろっています

検査表には四式縦舵機  長崎兵器製作所
昭和20年6月13日 等と記載があります。
補用品収納箱
一応全ての部品が員数通り揃っています
     この四式縦舵機は、九一式縦舵機と比べ
ずいぶん簡略化されています、
右側に、航空魚雷の安定器を置いて見ると
ほとんど同じで、安定器を流用したと思われます。

真珠湾攻撃に使われた
九一式航空魚雷用
九一式縦舵機のページ
酸素魚雷の九八式縦舵機

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