このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

モニター窓Hゴムを簡単表現




  1. その1 :まずは動力を換装・・・しかし思わぬ事態に!
  2. その2 :スカートを交換し、いよいよ仕上げ

完成した姿


その1 :まずは動力を換装・・・しかし思わぬ事態に!
*EF70を活躍させたい

左写真:改造前。EF65旧製品と台車交換し、本来のスカート形状にしていました。
右写真:動力交換後。この角度での見た目は大差はありません。スカートは仮のものですが・・・

KATOのEF70は、1980年代にカタログ落ちしてしまいました。
同時代のEF65はリニューアルされ、その後も生産が続いているのに、
実車が廃車になっていることや、首都圏とは無縁のロコであるせいなのか、
今後生産される予定はなさそうです(ホビーセンターで聞いた話)
そんなEF70がなぜだか好きな私・・・ここ2,3年で中古品のいろいろなロットを買い集め、
後期ロットでEF65用のものを流用してしまったスカートを EF65旧製品と台車交換 して正規形状にしたり、
全ての動力を分解清掃・調整して、出来る限り最高のコンディションにした上で、愛用していました。

とは言え、最近のフライホィール動力機との性能差は隠しようがなく、
オリジナルの状態で保存しておきたいと思う一方、走行用にはなんとかしたいとも思っていました。
しかしEF65なら、最近の製品とそっくり下回りを交換出来ますが、EF70は・・・台車がネックになります。

*ASSYパーツの流用
そんなある日、ネット上を徘徊し、ある模型サイトを見ていたときのことです。
「EF65動力にEF64の台車を付けて、EF70のボディに装着した・・・」という記事を発見したのです。

これはまさに、目から鱗が落ちる思いでした。
早速EF70とEF64一般型を比較してみると・・・・確かに台車の形状は、中間台車も含め、そっくりなのです!
もちろん新しい製品であるEF64の方が、ディテール表現は素晴らしい出来でした。


EF64一般型(右)と比較してみると・・・EF70とは台車形状が極めて似ていることがわかります

そこで早速、EF65PF前期型の動力と、EF6437(茶)用の動力台車を買い求めたのです。
どちらも最近の製品なので、ASSYパーツがふんだんに売られていたのは好都合です。
もちろん動力はP型用でもPF型用でも構いません。EF60用でも可です。全て共通なんですから。。。

*動力を交換して、終了・・・のはずが!
KATO製品は、形式が異なっていても基本設計を共通化していることが多く、
電機の場合も同様で、台車内枠の構造やギアが各車共通なのは知っていました。
なので動力に台車をはめれば完成、のはずだったのです。
(EF70の分解方法は こちら

しかし!思わぬことがおこりました。
EF6437用の台車をはめたEF65動力は、「ガー」という異音を発するばかりで、まともに動かなかったのです!

慌てて台車を外し、動力単体で通電させてみると、スィーーーっと気持ちよく回転します。
また、台車単体なら、線路上を軽やかに転がるのに・・・です。

いったいどうしたことでしょう?
手持ちのEF65P型(フライホィール動力機)の台車を外し、EF6437用台車と見比べてみた私は、
そこで愕然としました。。。

「二段ギアの歯数が違う!!!!」


二段ギアの比較。左がEF65PF台車のもの、右がEF6437(茶)のもの。歯の枚数が違います。

なんと、EF6437の方が、明らかに「歯」が多いのです。
EH10の再生産では、スケールスピードでの安定走行性を向上させるため、ギア比を変更した・・・
という話を以前OKIから聞いたことはありました。
しかし、EF64でも同様のことをしていたんですね!

これは・・・ASSYパーツを利用する際には要注意ということです。

前述したサイトの記事ではEF64一般色用の台車を使っていて、何ら問題は出ていない。
ということは・・・その後発売されたJR貨物色、あるいは37号機から変更されたことになります。
また、模型店で目視確認したところ、最近再生産されたばかりのEF65PF前期型では変更されておらず、
二種類のギアが市場に流通していることになるのです!

今後再生産されるロコも、ギア比が変更される可能性があり、
旧ロット品に新しいASSY台車を装着する際には、気を付けないといけないことになります。
目視確認して購入しなくてはいけませんね。

*対応策
さて・・・そういった事実を発見したものの、どうにかしないとEF70のフライホィール化は実現できません。
ちょっと考えた結果、比較のために外したEF65の台車から、
二段ギアのみを拝借し、EF6437の台車に組み込むことにしました。

おかげでEF65の1両は、動力台車を外された無残な姿になっています。
ギア比変更される前に、現行ロットのEF65動力台車を購入しておかないといけません。。。


左:EF6437の台車にEF65の二段ギアを組み込んだところ
右:EF65の動力にEF64の台車が装着されました!これで滑らかな走行を実現。

さて、予想外の事態でとまどったものの、これでなんとか目処が立った動力を試運転します。
果たして・・・スィィィっという音とともに、滑らかに走り出したのでした!
(本来、あたりまえのことだったはずが・・・これで結構感動)

続いて、EF70のボディに、完成した動力を組み込みます。
・・・っとその前に、スカートをどうにかしなくてはいけません。
旧動力に付いているEF70用スカートを流用加工するべきところですが、
一方で・・・最新の運転台シースルーの構造も残したいところです。
なので今回はスカートの加工は後回しにして、
ジャンク箱にあった「EF60用」と「EF65JR貨物色」用のスカートパーツを、仮にはめておきました(^-^;

ところが!その状態では、EF70のボディには、奥まで入りません。
スカートパーツの運転台には天井部分があって、
それに対応するため、ヘッドライトの導光パーツは非常に薄い形状でなくてはならないのです。
手元に運転台シースルーのロコのボディが余っていないので、このパーツは入手できませんでした。

・・・・結局、この対応も後回しにしちゃいました。
導光パーツを削って薄くすれば、納めることはできると目論んでいますが。。。


右が動力をフライホィール化した54号機。
黒染め車輪、輪心スポーク、車高ダウンなどの効果で実感的。スカートは流用ですが。。。

*見た目の改善は・・・
というような中途半端な状態ではありますが、
EF70にフライホィール動力を組み込むという、当初の目的は達成できました。
今回は見た目をいじらなかったのですが、予想以上に雰囲気がずいぶんと変わりました。
本来の形状ではないとは言え、固定されたスカートは見事な出来で、
前面から見た際の貧弱な印象が払拭されたし、台車ディテールの向上、黒染め車輪、
輪心スポーク表現、車高ダウンにより、全体の「たたずまい」がとてもよくなったことには驚きです。
EF70で運転台が見えるというのも、うっとりしてしまいます。

それとともに、Nゲージ黎明期に関水金属(KATO)が初めて出した電機にしては、
ボディの出来がよいことを再認識させられました。
確かに前面窓のHゴムが太すぎるとか、運転席窓にはデフロスターもワイパー表現もなく、
平面性も乏しいとか・・・そういった不満はありますが、
ボディの基本的な造型は、今でも立派に通用するものだと感じました。


左が改造前、右が改造後。EF60用スカートを仮付け、ヘッドライトパーツ未装着ですが。。。

*そして・・・これからのこと
まずはこの、54号機を完成させなくてはなりません。
スカートの加工取り付け、ヘッドライト導光パーツの加工取り付け、この2つは早急にやります。
それとともに、動力交換の目処がたったため、
Hゴム表現の改善、デフロスターの装着、テールライト反射板を削って現役末期の姿にするなど、
ボディや窓ガラスの加工も合わせてしてみたくなりました。

そのための種車として・・・もっともっとEF70を増備しようかなと。。。(^-^;


反対エンドには、仮にEF65(JR貨物更新色)のスカートがついてます(苦笑)



その2 :スカートを交換し、いよいよ仕上げ
*スカート交換、運転席も塗装


さて・・・「その1」の工作をやってから、だいぶ時間が過ぎてしまいました。
それというのも、当初は、 EF65旧製品と交換した EF70用スカートを加工して取り付ける予定で、
途中まで加工したのですが・・・どうもEF70用のスカートが小さいため、いまひとつ格好よくありません。
しかもせっかく運転台表現のある動力ですから、単に挟み込むだけではなく、
それを活かしたいと思いました。
もちろん、できるだけ簡単にできることが望ましいのです。

そして決めたのが・・・ED75用スカートの流用です。

幸い、2006年にKATOはED75耐寒型を再生産したため、ASSYパーツが豊富に出回ったのです。
早速スカート(ED75用カプラーセット)を買い求め、EF70に流用することにしました。

ところが!運転台部分の寸法がEF65用動力とは異なります。
ED75の方が小さく、そのままではEF65動力のダイカストにあるツメと合いません。
つまり・・・取り付けられなかったのです。
そこで、カプラーセットの固定用のツメをカットし、そのまま被せるだけにしました。
ボディが乗れば、それで押さえられるため、このままでも大丈夫だろうという計算です。
また、せっかく運転台表現があるのですから、ダイカスト側面も含めて、
タミヤの コクピット色に塗装 しておきました。


左写真:ED75用のスカート。固定用ツメを切り取り、コクピット色に塗装しました。
右写真:このように動力ダイカストに被せます。

これで、無事に運転席表現があり、かつEF70のスカートと形態の似たスカートが取り付けられました。
厳密に言えば、ジャンパー栓の個数、スカート裾の形状がEF70とは異なります。
スカートの上下寸法も、EF70より若干長いようです。
しかし、そのあたりはあまり気にしない私は、これでも充分に気に入ったのでした。

*導光パーツの手配
EF70の車体についていたものは厚みがあり、フライホィール動力には合わないと、
その1で書きました。
EF70の導光パーツを削って薄くすることも考えたのですが、
たまたま手元にEF65(フライホィール機)のジャンクボディがあることに気づいたのです!
そうだ!この導光パーツを流用すればいいのでは?

結果はピタリでした。
EF70にもこのパーツが取り付けられたのです。

EF65(フライホィール機)の導光パーツを流用

*パンタグラフの交換
ED75のスカートを購入した際に、思いついたのが、これです。
パンタグラフも最新のED75用にしたら、不恰好な板バネがなくなるし、実感的な形態にできるのでは?
・・・そこで、パンタも購入しました。

EF70のパンタと比較すると、だいぶスリムで線も細くなっています。
パンタ台やシューのディテールも向上していました。
EF70では固定用にパンタの台枠下に2本の突起がありますが、ED75用は4本の足で固定します。
そして、うれしいことに・・・4本の足の位置は、EF70と全く同じだったのです。

但しEF70では、パンタ足の屋根に刺さる部分が短いため、穴が貫通していません。
そこでピンバイスで穴を貫通させ、ED75用パンタを差込みます。
また、パンタの足の車端側はヘッドライトの導光パーツと干渉するので、若干短くしておきます。
パンタを取り付けたら、裏から瞬間接着剤を流し、固定しました。


左写真:パンタの足の位置の穴を貫通させ、ED75用パンタを取りつけます。
 導光パーツと干渉するので、パンタの足をちょっと切る必要アリ。
右写真:スリムで細密感の上がったパンタグラフ!(ED75用)

*完成!
以上で、EF70のフライホィール化は完成です。
部品さえどうにかなれば、意外と簡単でした(当初はもっと簡単だと思っていたんですけどね)。
しかし、考えてみれば・・・動力はEF65、台車はEF64(ギアはEF65)、パンタはED75、スカートはED75・・・、
それぞれこういったパーツを流用していることになります。
元々のEF70は、なんと「ボディのみ」なんですね(^-^;
これは結構贅沢な・・・というか、もったいない改造です。
なので手持ちの他のEF70も同じように改造するかどうか、やっぱり躊躇してしまいます。

とは言え、その出来栄えの素晴らしさと言ったら、たとえようがありません。
EF70が大好きな私にとって、最新技術を駆使した(?)EF70が手に入った喜びは、
そりゃもう・・・たまらないものがあるのです。
これで、新しい製品にひけ目を感じることなく、大活躍させることができるというものです。

***

それでは、以下に無改造のEF70との比較写真を載せておきます。


左写真:左がフライホィール化したもの、右が無改造(スカートのみEF70用に交換)
 パンタグラフ交換、スカート交換、運転席表現と塗装の効果がよくわかります。
右写真:奥がフライホィール化したもの、手前が無改造(スカートのみEF70用に交換)
 台車も細密化し、黒染め車輪のため、佇まいもよくなっています。


左が改造前(スノープロウは取り付け済み)、右がフライホィール改造後。






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