LM328i編
今となってはもう、最初のきっかけは忘れてしまいましたが・・・
1980年代初頭、当時のTOMIX香港製貨車(確か当時350円)をネタに、
「電動貨車」を作ろうとしたことがあります。
妻板は、当時凝っていたGMキットの余剰パーツから、
旧型国電だか私鉄電車だかの前面を用い、幅を貨車に合わせて削った後に接着、
側板両端には乗務員ドア用の窓を開け、細く切ったプラ板でドアを表現、
屋根はプラ板で延長した後に瞬間接着剤を盛ってから整形しました。
この段階で、艶消し黒スプレーで全体を塗装し、
GMのインレタを適当に使って、モニ14という表記をつけました。
屋根の中央付近には、GMのPS13パンタを装着、銀河モデルの避雷器を取り付けています。
パンタの両側には、これも余剰パーツのランボードを接着しています。
ここまではあっという間・・・確か一晩ででっち上げたかと思います。
タネ車になったのは何だったかな・・・
しかし・・・問題は下回りでした。
このあたりの経緯もすっかり忘れてしまいましたが、
どうやら当時のチビ凸動力を分解し、そのモーターとギア付きの車輪を手に入れ、
それが収まるよう貨車の床板を加工しているようなのです。
チビ凸は現役で手元に残っていますから・・・もしかしたらもう1両買ったのかもしれません。
それにしてはギア付き車輪が当時のマイクロエースっぽいですが・・・
しかし、できた車体をそのままTOMIXの貨車の下回りに被せても、
貧弱な下回りでは全く電動車に見えないし、
そもそも・・・このままでは集電できないではないですか!
ここでなんとなくやる気が失せてしまい、これはそれ以上は進みませんでした。
とりあえず下回りと組み合わせるとこんな感じ。
しかし、収まらない気持ちは意外な方向に進みます。
こうやってフリーランスを作るって、とても楽しいじゃないですか。
いっそのこと・・・小型電機を作ってみようかな、と考えたのです。
そこで、再度チビ凸の動力です。
これに何かを流用したボディを載せようと考え、ネタに選んだのは、EF57でした。
チビ凸の動力とEF57のボディを、当時高田馬場にあったKATOのショウルームで購入、
EF57のボディを2箇所で切り、中間部を抜いて長さを詰め、
艶消し黒に塗装して、チビ凸の動力に被せてみました。
しかしその結果は・・・・「カッコ悪ぅ〜」
あまりにもアンバランス過ぎて、とても見られたもんではななかったのです。
そのときの再現。下回りは、チビ客車のものですが、当時はチビ凸のものでした。
このときの私は、まだまだ気持ちが続きます。
ならば、残ったEF57のボディ中間部を使って、もうちょっと現実味のあるサイズで、
如何にも現実に存在するような・・・私鉄電機にしらどうだろう?と思い始めたのです。
考えた末に達した結論は、
・下回りにはEH10の動力を使い、D型電機にする。
・上回りは残ったEF57のボディに、EF65P型の前面を接着する。
というものでした。
とは言え、当時発売されて間もない高価なEH10など持っていません。
OKIに「EH10でD型電機を作りたいので、ボディと非動力側を買い取ってくれない?」と持ちかけると、
何と偶然にも・・・OKIも当時同じようなことを考えていたらしく、すぐに交渉は成立したのです。
記憶によれば・・・2人で模型屋に行き、EH10を1両買って、
そのままでは全く走らせることもせずすぐに分解したのです。
私は動力の入ったダイカスト部分とスカートの付いた台車2個、
OKIは動力の無い側のダイカストとスカートの付いていない台車2個、そしてボディ。
(パンタをどうしたかは記憶にありません)
それぞれが自作電機の製作に燃える事になります。
しかし私は、ここでまた少々悩みます。
EH10の台車はかなり大ぶりなので・・・小型のD型機っぽくありません。
もうちょっと小ぶりな台車はないものでしょうか・・・・
ふと思いついたのが、EH10のちょっと前に発売されたED75でした。
片方だけ残っていたED75用動力台車。左右ダイカストが非対称なのがこの頃の特徴。
その動力台車のギアの構造がEH10と似ていることは知っていました。
そこでKATOのショウルームに行って、
大胆にも「EH10の動力にED75の台車ははまりますか?」と聞くと、
「はまりますよ」というおじさんの返事!
やったー!ってんで、ED75の台車を1両分購入し、早速取り付けてみると・・・・
「はまる」には「はまる」ものの、かなりきつい感じで・・・・
走行させてみると、無理があるらしく、かなりの騒音を発しながら、
ギクシャク、ユラユラとなんとか走ったのです。
「こりゃダメだ・・・・」直感的に察した私は、あっさりとED75の台車を断念し、
大きな台車を履きながらも、なんとか見た目のバランスが取れるように考える事にしました。
さて、ボディの方ですが・・・・工作に燃えているときの私は、かなりもったいないことをします。
当時唯一持っていたKATO製電機・・・関水時代のEF65500のボディを使ってしまったのです。
EF57ボディ中間部と合うように前面近く(乗務員ドア後方)で切り取り、
両車のボディを合わせてみると・・・車幅がぴたりと一致するではありませんか!
もう有頂天です。
EF57とEF65を切り継ぎしたボディ。
継ぎ目に貼ったレトララインは剥がれ、ベンチレータは紛失、デッキも紛失。。。
しかし、ここでもまた問題が・・・・
EH10のスカート流用を考えると、車体が長くなってオーバーハングが大きくなり、
あまりバランスがよいとは思えなかったのです。
そこで・・・横から見て適切と思える長さにボディを決め、
ボディよりも外側に飛び出てしまったスカートは、「デッキ部分」ということにしました。
デッキに使ったのは、DD13のデッキ周りです。
一旦は色入れしたものの、すぐに剥がれてみっともなくなったため、
新たにKATOショウルームで購入したデッキパーツに交換したため、余っていたパーツを使いました。
DD13デッキのうち、車端部のステップ付きの部分だけを切り出し、
幅を狭くカットしたEH10スカートに載るようにしてみました。
すると、大ぶりな台車に載りながら、デザインバランスの良い、デッキ付きD型電機ができたのです。
やったー!
というわけで、ここでボディを仕上げます。
つなぎ目は、キレイに仕上げる自信も無かったので、レトララインを貼って雨樋のように見せました。
EF65505とモールドされたナンバーは削りとりました。
パンタはPS14を選択。
このパンタは板バネが無くとも上昇するので、板バネは使用していません。
ボディ色は阪急マルーンを、ガスボンベ式のピースコンで塗装し、
EF65の名残である飾り帯には、黄色を筆塗りしています。
そして屋根上から、埃っぽい色を吹きつけ、ウェザリングしました。
次に動力装置の仕上げにかかりました。
「バランスのよいボディサイズにする」ことを優先したため、
そのままではEH10のダイカストに干渉してしまいます。
そこで動力を分解し、自由型電機のボディに収まるよう、ダイカストを切断しています。
これで何とか形になるなと思いきや・・・・
走行性が安定しません。
ダイカストは左右分割式で、樹脂製のスペーサーを挟んでネジで固定する方式ですが、
このネジの微妙な締め具合で、走行性に影響が出てしまうのです。
前進はスムーズでも後進はギクシャク、
後進を調整すると、前進時に音が大きくなる・・・・といった具合で、
どうしても両方向スムーズになってはくれません。
ダイカスト間にプラ板を挟んでネジを微調整し、双方向の走行性を見て、
プラ板の厚みを変えたりネジの締め微調整しては、また走行させ・・・
というのを延々と繰り返しました。
ここだ!というポイントに落ち着くまで、数時間かかったと記憶しています。
この動力は以降、一切分解どころか、ネジにも触れないことにしました。
おかげで、20年以上経過した今でも、走行は極めて好調です。
ボディに収めるためかなり切削したダイカスト。鉛を接着して重量を増やしています。
さて・・・これで一旦は完成した自由型電機ですが、
すぐに気が付きました。
「正面非貫通で乗務員ドア付きなのにデッキ付き?」
・・・・うーーーん・・・そういう電機ってあるでしょうか?
私の知る限りでは・・・ありません。
「パンタの位置が高すぎる」と、OKIに指摘されてもしまいました。
走りはいいんですが・・・
ということで、せっかくEF65のボディを潰して製作したにもかかわらず、
ボディが気に食わなくなってしまったのです。
結局またKATOのショウルームへ行き、再度EF57のボディを購入することになりました。
今度は単純にこのボディの長さを詰めています。
塗色は再び阪急マルーン。
ようやく完成となりましたが、色合いと相まって、EF57そっくりな電機となりました。
それでも、パンタ位置を車体中央寄りに移したり、標識灯を削り取ったりして、
少しでもEF57っぽさを消そうと努力した跡があります。
そんなことをしたことすら、本人は忘れていましたが・・・
(窓ガラスをはめたら、動力のダイカストに干渉してしまい・・・はまらなくなってしまいました)
完成した電機をKATOのショウルームに持って行き、
当時は自由に走行させることができたレイアウトで、走行させたことがあります。
見たこともない電機が、快調に走り回る姿を食い入るように見る子供達・・・
その様子を見て鼻高々な気分になったことが思い出されます。
ところでこの電機、最近になってまた改造意欲が沸いて来ています。
やはりEF57っぽさが強すぎるのが、どうも気に入らなくなってきました。
中古模型ショップでEF57ボディを数百円という格安で手に入れたので、
ヒサシを削ったり屋根上を大改造するなどして、もっと私鉄電機っぽくしようと・・・・
日夜構想を練っているところです。
って・・・そもそも最初に作ろうとした貨物電車は、どうしようかな(笑)
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