このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

フリー電機は如何?LM328i編



*きっかけ
そもそものきっかけは、TOMIXのED79動力を、ネットオークションで手に入れたことでした。
何かに使えるだろうと思ったのですが、特にイメージもなかったため、時間だけが過ぎました。

そんなあるとき、中古模型ショップでマイクロエースのED74のボディを安く手に入れました。
帰宅してなんとなく・・・ED79の下回りに合わせてみると、これがぴったりなんです!
側面の窓は動力ダイカストに干渉してしまいましたが、
それを外せば、見事なほどに収まったのです。

かつて表紙で紹介した姿。長さピッタリなんです。

「これは国鉄風の自由型として使える!」

そう思ったものの、この組み合わせは、どこからどう見ても普通のED74にしか見えません。
台車やスカートはED79なのですが、遠目に見たら全くわからないのです。

そこで私は、例によって悩むことになりました。。。
このロコを、実在しそうでかつ正体不明な雰囲気にするにはどうしたらいいでしょう?
たとえばこのままボディだけローズ色に塗り変えて交直流機とするとか、
もっと大胆に加工して、いっそのこと直流機にしてしまうか。。。
しかし、いずれにしてもこのマイクロエース機の塗装は見事なので、塗り換えるのはもったいない。

ここで・・・やはりいつものように突然ひらめきました。
EF65レインボー機のような、「正体不明の赤い直流機」にしてしまえば!?
形式名は・・・・ED63とでもしておきましょう。
ただ、レインボー機のように、側面に形式名を大きく印刷するのはやめにしておきました。
その方が、正体不明っぽさが強調され、いいだろうと思ったからです。

*屋根の加工
方向が決まったら、あとはいつもどおり、「勢い」です。
交流機の特徴である、高圧配線が張り巡らされた屋根を、
あっという間にザクザクと切り抜いてしまいました。

屋根の切り抜き方は、ピンバイスでたくさんの穴を開け、カッターで穴同士をつなぐ方法です。
切断面は精密ヤスリで仕上げ、1.0mmプラ板で新調した屋根をはめ込みました。


左写真:屋根をくり抜いたところ
右写真:プラ板で新調した屋根(パンタ穴、避雷器穴開け済み)

この屋根は・・・厳密に言えば、平面になっていておかしいのですが、
モニターやパンタを付けて色を塗り分ければ、ほとんどわからないだろうということで、妥協しました。

パンタは、交流機は車端に近い位置に付いていますが、
直流機らしくするため、新調した屋根に取付穴を開け、位置を変えました。
使用するパンタは、ED74やEF65500の雰囲気を消すためには、PS22がよいと思います。
しかし手元にPS22のストックがなかったので・・・PS16(17)のAタイプを使ってみました。
これはPS22と取付穴が共通なので、後で交換できます。

さらに、車端部分には避雷器を付けるための穴を開けました。
信号炎管とホィッスルは、ED74の取付穴をそのまま利用することにしましたが、
ED74に付いたパーツはオーバースケールなので、KATOのASSYパーツに交換します。

続いて屋根上モニターです。
KATOのEF65 500番台のジャンクボディがあったので、そこから拝借しました。
ただ、このままではD型電機には長すぎるので、長い方のモニターを切り詰めました。
切り詰めた部分にはプラ板で蓋をしてあります。
そして、ほぼ平らになった屋根板に合わせ、モニターの下面も平らにやすっておきました。


モニターの加工。左が切り詰めた方。下面は平らにしてあります。

さぁここで、パンタ、信号炎管、避雷器、ホィッスル、モニターを仮付けしてみると・・・
「なかなかいい雰囲気じゃないですか!」
以前のパンタ台が、車端部に残っていて、よく見るとマヌケなんですが・・・・
ここには水切り(?)のモールドがあり、削り落とすのが困難なので、
とりあえずはこのまま残すことにしましょう。

しかし・・・赤い車体に白い屋根、青いモニターでは、まるでフランス国旗みたいですね(^-^;


左写真:仮組みしたロコを正面から見ると、ジャンパー栓の妙に賑やかなED74って感じ。。。
右写真;屋根上機器を仮付けしたところは、トリコロールな直流機。

*床下の加工
さぁ次は、床下の加工です。
そのままでもボディに収まっているのですが・・・
 ・床下機器が、いかにもED79(ED75)っぽいこと、
 ・カプラーが台車マウントなので、スカートの上下寸法が短いこと、
 ・スカートのジャンパー栓がたくさんあって、直流機にしては賑やか過ぎること、
という点が気に入らなかったので、加工することにしました。

まずはスカートです。
KATOのASSYパーツを物色し、EF65500用を使うことにしました。
もともとEF65に似た前面を持つED74ですから、他のスカートにしてイメージを変える手もあります。
しかし直流機っぽい形状と言えば、やはりこれで決まりしょう。
例によって 挟み込み固定 のため、スカート上部の突起だけ残し、他は切り取りました。
ただしそのままでは、ダイカストとボディとの隙間が広過ぎて固定できなかったので、
スカートの挟みこむ部分の表面に、プラ板を貼っています。

TOMIXのED79動力の分解は至って簡単。
ネジを1本も使っていないので、はめ込まれた部品を外していくだけです。
スプリングウォーム機のメンテナンス 参照)
元々ついていたスカートのパーツは、ダイカストブロックの押えとヘッドライトの遮光も兼ねていたので、
その部分は活かすこととし、スカートの部分だけを切り取っています。

続いて台車。
カプラー部分をカッターで切り落としました。
実はこの部分には、台車の内側と外側を固定する爪があるのですが・・・・
それを残すとKATOのスカートと干渉してしまうため、やむなく切り落としています。
それでも台車中央付近にも爪があるため、実用上は差し支えないようです。


左写真:左が加工前のスカート。右が加工したTOMIXのパーツとKATOのASSYパーツ。
右写真:左が加工前の台車。右が加工後。

次に手を入れたのは床下機器。
いかにもED75系列の機関車という雰囲気を消すため、
ヤスリがけやプラ板貼りつけで、一部の形状を変えています。

*塗装
塗装したのは、屋根板、屋根上モニター、そして床下機器だけです。
全てプラモデル用の艶消し黒スプレーを吹きました。

もちろん屋根板は周囲をマスキングしましたが、
マスキングを剥がすと・・・境界線部分にちょこっとプラ板の白が見えてしまいました。。。。
そこで、エナメル塗料を薄く溶いて筆で色差しました。
はみ出てしまってもエナメル用シンナーを含ませた綿棒で拭き取れます。
これで無事、「白い部分」はなくなりました。


左写真:形状を少し変えた床下と、EF65風の屋根上モニターに注目
右写真:トリコロールな屋根上は、すっかり落ち着きました

*組立
まず・・・屋根上のパーツから。
モニターは適当な位置に、ゴム系接着剤で貼り付けました。
信号炎管とホィッスルは、裏から瞬間接着剤で固定しています。
側面窓パーツは、運転席部分だけを切り出して装着しました。
ここはちょうど遮光用のパーツが来る部分で、ダイカストに干渉せずに済んでいます。
ヘッドライトレンズは、ED74のものをそのまま使いました。

続いて床下機器。
TOMIXのED79とマイクロエースのED74、車体長はほぼ同じですが、
幅は若干TOMIXの方が大きいようなのです。
このままでは床下機器とボディが干渉してしまいます。
そこで床下機器には0.3mmプラ板で下駄を履かせ、ボディより少し出るようにしました。
このため、ダイカストの溝へのはめ込みができなくなったので、
ダイカストにゴム系接着剤で貼り付けています。
もし分解メンテナンスをするときには、この接着面を剥がすことにしています。

ダイカストをボディに入れ、改造したEF65500用スカートを挟み込めば、とりあえず完成。
正面から見たら、まんまED74ですが、屋根上は直流機という、怪しい機関車になりました。
もちろん動力はTOMIX製ですから、とても安定しています。


いかにも国鉄にありそうな、でもありえない姿。。。

*これから
ナンバーがED74のままだし、古いパンタ台が残ったままだし、側面明かり窓にガラスが入っていないし、
ヘッドライトはちゃんとレンズに導光されていないし、高圧引込線がない・・・など、
完成とは言えない部分も多々あるので、引き続きその作業を進めなくてはなりません。

それから、EF65レインボー機と並べて気づいたのですが、赤の色合いが随分違います。
だからぱっと見、交流機に見えてしまうのかな・・・・
なので、同じように車体裾に白線を付けようかなどとも考えています。
レインボー用のASSYパーツを手に入れ、正面手摺りを別パーツ化するのもいいかもしれませんね。

などなど・・・まだまだ構想は尽きない、フリー電機その2、なのであります。


実在する赤い直流機、EF65レインボーと。でも、赤の色調が全然違うじゃん!


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