このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

ローカル私鉄紹介

 京阪 京津線     更新 1997.11.24        PAGE 1

 このページでは京都、三条から琵琶湖湖畔の浜大津にいたる京阪、京津線を紹介します。京津線は京都〜琵琶湖の都市間電車であると共に、途中に急勾配、急カーブが連続する準山岳路線でもあり、さらに併用軌道もありこの悪条件の中を、高性能な電車が走る特徴的な路線です。

 1997年10月12日、京阪、京津線は京都地下鉄東西線の開通に伴い御陵(みささぎ)より地下鉄東西線に乗り入を開始し、新しいスタートを切りました。これにより地上の御陵〜京阪、三条間は廃止となりました。このページでは地下鉄東西線の開通直前の京津線、次に 1978年頃の京津線 、その次に 地下鉄東西線の開通後の京津線 、最後に 廃線後の御陵〜三条間 を紹介します

京津線 東山三条付近

 廃止直前の京津線、三条〜御陵間

 地下鉄東西線開通、乗り入れによる三条〜御陵間の廃止が迫る10月10日に京津線を訪れました。三条〜御陵間には京津三条、東山三条、蹴上、九条山、日ノ岡、御陵の五つの駅があり、又京津三条〜蹴上間、日ノ岡周辺には併用軌道(路面線)もありますが、これらも10月11日限りで廃止となります。

京津三条駅 京津三条駅

 京津線の起点、京津三条駅は京阪本線が地下線化された後、地上ホームとして残り、昔の三条駅の雰囲気を残していて、何かなつかしい感じがする駅です。狭いホームには祝日でもあり多くの観光客やカメラを持った人々がいました。

三条駅に到着する80形

 三条駅を出ると電車は東に大きくカーブし、すぐに三条通りの併用軌道に入ります。この辺りは車が多く路面電車が走ることにより、渋滞が発生し、京津線の地下線化の大きな理由のひとつになっています。

三条付近三条付近

 電車は東山に向かって三条通りを進み、東大路通りと交差する東山三条交差点にある東山三条駅に到着します。東山三条交差点では昔、京都市電と平面交差していました。

東山三条 東山三条駅を通過する準急

 東山三条駅はホームが道路上にある安全地帯式の駅で準急は通過します。停車するのは普通専門の80形で、自動でタラップを降ろしホームとの段差をなくします。

東山三条に停車 東山三条にて

 この80形は1961年に、不足していた京津線のローカル用として誕生しました。前面に曲面ガラスを使用し、独特の丸味のある車体、濃淡グリーンのユーロピアンスタイルは他の京阪電車とは、異色の存在であり、又モダンチンチン電車の元祖です。 空気バネ台車、回生ブレーキなどを備えた高性能車ですが、当初はポール集電であり、又釣掛駆動であることから、旧性能車に分類されています。

 1970年にポール集電よりパンタグラフ化され、また単行運転であったものを2両固定編成にされています。そして旧性能車であることから、三条〜御陵間の廃止にともない80形は惜しくも廃車となりました。

京阪600形 京津線準急 600形

訪れたとき粟田神社の秋祭りが行われており、冒頭の写真の様に三条通りの民家の軒先に飾り付けがされていて、京都らしい風情がみられました。     

準急にはこの時600形が使用されていました。準急は御陵まで停車せず、御陵からは浜大津まで各駅に停車していました。京津線の準急は地下鉄乗り入れ後は全て普通となるため無くなりました。

神宮道付近 東山三条〜蹴上間にて

 写真は平安神宮に通じる神宮道との交差点を過ぎた付近です。付近には京都市美術館や円山公園等があり、たくさんの観光客が散策していました。路線はここを過ぎた付近から徐々に登り勾配になり蹴上(けあげ)に向かいます。

蹴上 蹴上に停車する80形

蹴上駅は京都市街から東山越えの坂道にかかるところにあり、又東山三条と同じ安全地帯式の駅です。付近には琵琶湖疎水を利用した日本最初の発電所や、疎水を利用する船を運んだインクラインが残されており、日本の近代文明発祥の地としても有名です。

路線は蹴上を出るとすぐに専用軌道に入り、急勾配を登りながら東山越えの狭い谷間を旧国道1号線と併走します。峠付近に九条山駅があります。九条駅を過ぎると今度は下り勾配になり、山科盆地へ下って行きます。

日ノ岡 日ノ岡駅にて

 路線は山科盆地に入る日ノ岡駅の手前で旧国道1号線との併用軌道に戻ります。日ノ岡駅も安全地帯式の駅で周囲は静かな住宅街です。ここの路面区間は短く次の御陵駅の直前で再び専用軌道に入ります。

 御陵駅は改札口もある通常の相対式ホームの駅で乗降客は多い様です。

御陵駅 御陵駅にて

京津線は御陵から浜大津付近までは専用軌道を走ります。御陵を出ると目の前ににJR東海道本線の大築堤が見えてきます。路線は、この大築堤と沿う様に左にカーブし東海道本線と併走し山科へ向かいます。

御陵付近 御陵付近の専用軌道を走る80形

 京津線は、この御陵〜山科間の東海道本線の大築堤と併走する付近で地下鉄開業後、地上から地下へ向かい(新)御陵駅付近で地下鉄東西線と合流し乗り入れます。この分岐地点では新線は完成しており、路線の切換を待つばかりになっていました。又この分岐地点より京都側がこれと同時に廃止になりました。

 次のページでは1978年頃の京津線の様子を紹介します。

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