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ローカル私鉄紹介
琴平電鉄(高松琴平電気鉄道) 1998.8.1UP 11.13修正 PAGE 1
長尾線、志度線600形デビュー その1
7月13日に長尾線、志度線に待望の新性能車が登場しました。この600形は同線初の新性能冷房車で、名古屋市交通局の東山線で使用されていた250形を京王重機で改造したものです。両線は旧性能車ばかりで、新型車の登場は1980年前後の元京浜230形の30形以来で、これにより旧型車の数両が600形とバトンタッチしました。
このページでは両線の600形デビューの様子と600形と交代し一線から退いた旧型車の最後の力走などを紹介します。
長尾線元山付近を走る600形601+602 1998.7.13PM1:29
1998年7月13日(月)より琴電、長尾線に600形601、602が、志度線に600形621、622の計4両が営業運転が開始されました。McMcで編成を組み奇数車の601、621にパンタグラフが取り付けられています。塗装は琴平線1100形と同じ配色で、従来のクリームと朱色の琴電塗装色とは異なり斬新なものです。
7月13日、朝のラッシュ時は600形はまだ運転されておらず、従来の旧型車両のみで運行されていました。
長尾線 71+860+760 1998.7.13AM7:42
普段と変わらない平日の朝のラッシュの風景で、電車は満員の通勤、通学客を乗せて走っていました。駅などにも新型車、登場の掲示等はありませんでした。しかし長尾線の瓦町の留置線にはピカピカの600形がスタンバイしていました。
長尾線では、制御車の860形860、870が600形と代わり営業運転から外れる予定ですが、この日は朝から運転されていました。この860形は共に東北の廃止になった山形交通からの転入車で、山形交通に来る前は西武鉄道で働いていました。特に870は車体の高松築港側が琴電唯一の湘南スタイルで人気のある車両です。
長尾線 870+750 1998.7.13AM8:18
この日、870は750と編成を組み、朝、夕ラッシュ時のみの運用で走っており、夕方及び次の日からは、880+750の編成に代わりました。写真の長尾7:56発、高松築港行が長尾線での最後の走行となった様です。
長尾線西前田付近 860+760 1998.7.13AM10:13
一方、860は760と編成を組み、終日の運用に入り、朝のラッシュ時は71+860+760の3両編成で走り、写真の高松築港発9:53長尾行から2両編成で運転していましたが、高松築港発11:33長尾行より新型車600形と交代しました。次の日から760は300と編成を組み860は運用から外れました。
長尾線西前田付近を走る860 1998.7.13AM10:13
860形860,870はローカル私鉄、山形交通三山線のモハ111,112で山形交通が1960年(昭和35年)に西武から購入した車両で、1941年(昭和16年)の梅鉢車両製です。山形交通は他のローカル私鉄と同様に乗客が減少、赤字となり1974年(昭和49年)11月15日に廃止されました。同11月16日には、このモハ111、112は花電車となってサヨナラ運転が行われ、沿線の人たちと別れを惜しみました。その後1976年(昭和51年)に琴電に入線、電動車780形 780 、 790 として活躍、山形交通時代は前面2枚窓でしたが、連結面が貫通化され、780はもう一方の前面も貫通化されました。
その後、1983年に電装を解かれ、形式も変わり、現在の制御車860形860,870になりました。山形交通でサヨナラ運転を勤めた2両が、琴電長尾線にて同じ日に、退くのも何かの運命でしょうか、860、870の57年余り、琴電での約22年の活躍に拍手を送りたいと思います。又同じく山形交通から来た890形890は志度線にて現役でがんばっています。
長尾線水田駅 315+100+500 1998.7.13AM9:00
長尾線の琴電オリジナル車の100形、300形、500形をはじめ、他の旧型車は元気で活躍しています。写真は水田駅で撮影した315+100+500の3両編成です。この水田駅は高架になる予定だそうで、一部工事が始まっていました。この様なのどかな風景が見られるのも今の内かもしれません。
長尾線高田駅付近 325+120 1998.7.13AM9:36
琴電では引き続き新型車を投入予定であり、今年度中に長尾線と志度線に合計4両が登場する予定です。
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