このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください


 

 三宅島(周囲38キロ)が噴火する前に、徒歩で一周したことがあります。

 12月初旬の東京発夜航で三宅島に向かいました。三池港に着いたのは夜明け前で、乗客は皆、待っていたバスに乗り、私だけがフレームザックを背負って、反時計回りで歩き出しました。

 黒潮の影響なのか、生暖かい風が身を包みます。しばらく歩くと以前、噴火した足跡を見ることができました。木も生えず小高い山が海岸線に見えます。

 ただ歩くのみの目的で三宅島にやってきました。強いてあげれば野鳥の楽園という言葉につられたのかもしれない。

 人と行き違うことも殆どありません。だから人と話すこともない。よく一人で旅して寂しくないの・・と聞かれます。しかし、一人じゃない。もう一人の自分と対峙している。結構こういった時間が必要なのだと思うけど、多くの人はなかなか理解してくれません。

 小さな灯台を見学する。うっすらと見える島は何ていう島だろうか。

 午後の3時頃に温泉に入り、近くのキャンプ場で一夜を過ごそうと思った。交番も近くにあり安全に過ごせるだろうと思ったのだが、運悪く工事中でキャンプ出来ず、しかたなく歩くことにした。

 海岸線にでもテントを張ろうと思ったが、風が強く張れる状態ではなかった。諦めムードでまた歩く。

  暗くなり、民宿の灯りが、みょーに懐かしく思わず入ってしまう。時刻は午後7時頃か・・なんのために思いフレームザックを背負ってきたのか、自分が馬鹿ら しく思えた。『むちゃしーてんだよ』と自分に言い聞かせるしかない。民宿の親父と少し話をした。はて?何を話しただろうか・・すっかり忘れてしまった。奥 さんも優しそうな人なので、気持ちよく過ごせた。現在、この御夫婦は三宅島を離れているだろうが元気で過ごしていらっしゃるだろうか。

 なんとも長い1日だったなあと振り返りながら、寝床についた。いつもなら寝つきは悪いのだが、この夜はすやすやとよく眠れた。ほっとした安堵感がそうさせたのだろうか・・

 翌日は、少し戻りアカコッコ館に寄り、見学(昨夜は暗くこの施設を知らずに通りすぎた)。アカコッコとは鳥の名前で天然記念物になっていたかなあ?(?ですいません)

 隣接してある大路池に寄り見学。この池も以前の噴火で出来たという。

大路池

雄山

 本当に道を歩いていても人に会わない。雄山を見ながら、そして御蔵島を横目で見ながら昼には三池港に着く。昨日一緒に降りた人もいたので、旅行者であろうか。帰りの船は大揺れで、思わず吐きそうになる。地元の人と思われる人は、平然としている。

 

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