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お月さまの拡大撮影 Ver.2 (テレプラス使用)                                 MENUへ戻る    

  拡大撮影、二度目の挑戦!
お月さまの拡大撮影は、前回、アイピースを使った方法で試したものの、結果は今一つ。
良い結果を得ようとすると、良いアイピースが不可欠、今の びんぼー財布ではこれ以上は無理、とあえなく敗退してしまった。
しかし月齢を追って写真を撮り続けていると、やはりもう少し拡大して写して見たい気持ちが再びくすぶってくる。
そんな時見つけたのが、古レンズの中に紛れていた、テレプラス! 
考えて見れはエクステンダーと同じ。 原理的には何の問題もなく可能なはず。 要は、拡大はできても画質が良くなる事は無い筈なので、どの程度劣化で収まるか、だ。

と、言う事で試してみた。

 

□ タカハシFS−60Qに、Kenko のテレプラス を実装してみる。
□ 再挑戦!

 タカハシFS−60Qに、Kenko のテレプラス を実装してみる。


 ケンコー テレプラス MC−7 (2x) sその実装状況は、
 「とおめがね」の、天体望遠鏡、「 □FS−60Qに、テレプラスを重ねてみる。 」 参照。
 

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 実際に撮ってみる
 (ここの画像は、「 □FS−60Qに、テレプラスを重ねてみる。 」での画像と同じです。)

 2012.03.03.23.02-23.07  月齢10.6
 高度 42.7 度 方位 264.6 度 視半径 929.4”  
 
 左: FS−60Q 直焦点 
 右: FS−60Q+テレコンバータ MC−7 (x 2 )

 いずれも画角等倍イメージ。 


 直焦点

 オリジナル 4928x3264 から、2000x1325 へ等倍コピー  
 更に 1200x795 に縮小。(縮小率、1200/2000)

 MC−7 使用 (2x)

 オリジナル 4928x3264 から、4000x2649 へ等倍コピー  
 更に 1200x795 に縮小。(縮小率、1200/4000)


 左: FS−60Q 直焦点、現寸
 右: FS−60Q + MC−7(2x)、53%

 両方を並べて比較しても さほどの差はない・・・

 左: FS−60Q 直焦点、現寸
 右: FS−60Q + MC−7(2x)、現寸 

  拡大 して見ると、やはりテレプラスで2倍拡大の方はかなり甘く、直焦点で見えていた以上の
 ものは見えてこないが、手軽に2倍拡大できるメリットはある。 


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 日を改めて再挑戦!
2012.03.12 0時 30分前後のお月さま。
 今夜は前回より多少雲が薄かったのでまたテレプラスを試してみた。
 既にエクスパンダーで焦点距離を伸ばしているFS−60Qに、更にリアコンバーター(テレプラスMC7)を重ねづけして、画質はともかく分解能にどの程度影響するか・・・ まあ、やってみよう!
 しかし、分解能の本来の定義からすれば二重星などで試すのが適切だろうけど、生憎と今のシーズンと天候では手頃な二重星が見えないので、月のクレータが判別できるかで試してみる。 
 なお、今回は撮影した画像からできるだけ小さなクレータを探し、MoonLightさんのホームページからクレータ名の特定と、その大きさを調べて参考にした。
  


 FS−60Q 直焦点

 オリジナル 4928x3264 から、2000x1325 へ等倍コピー 



 FS−60Q + MC−7 使用 (2x)

 オリジナル 4928x3264 から、4000x2649 へ等倍コピー 
 大きさを合わせるため、更に1/2 (2000x1325) に縮小



晴れの海部分 (直焦点の画像から原寸大で切出し)


注目したのは春の海の北東部にあるクレーター、「ルター」 
MoonLight さんのHP内の「写真月面図」と「地形名一覧表」によると、「ルター」の直径は9km
との事。
FS−60Qの分解能 1.93秒は、月面で 3.73km に相当する(はず?)だから、
ルターはその 2.4倍。 左の直焦点写真で充分確認できている。
更に、
下段左は、200%に拡大した画像。 (コントラスト調整有り)
下段右は、MC7で2倍に拡大したものの等倍離り出し画像。 (コントラスト調整有り)

 


 直焦点を 200% に拡大したもの。 □ 内はコントラスト調整したもの)

 デジカメの解像度を越えて拡大しているので当然画像は甘いが、「ルター」の存在は確認
 できる。
 しかし、当然ながら元画像以上の情報量は無い。
 
 MC7で2倍に拡大撮影したもの。(現寸切出し、□ 内はコントラスト調整したもの) 
 
テレプラスの収差+ピントなどの影響で画像は甘いが、「ルター」の存在は充分に確認でき、
情報量もやや多いように思われる。
よく比べて見ると右側の大きなクレーター(ポセイドニオス?)の中央付近にある小クレータが
確認できるような気がする。  
    



 「ルター」部分の画素拡大画像 (直焦点) 
 
 デジカメ画素の4〜6画素程度? デジカメ解像度も限界か・・・。 


 「ルター」の画素拡大画像 (テレプラス2倍拡大)

 デジカメの8画素程度? 

今回の結果では・・・
空の条件も雲の切れ間とは言え、やや薄雲越しだし、シーイングも良いとは言えない条件なので何とも言えないが、まあ、こんなものかなって感触。
今回のテストでは厳密な意味での分解能のテストとは言えないが、FS−60QとD5100の直焦点で、望遠鏡側の理論分解能 1.93" の2.4倍程度のクレータはもちろん確実に判別できたものの、カメラ側の解像度もほぼ限界。 当然、元画像を200%拡大しても新しいものは見えてこない。 

一方、テレプラスでの2倍拡大も、テレプラスの性能は別にしても、元々口径6cmの分解能が上がる(小さくなる)訳ではないので、ボケながら拡大したような印象。
しかし等倍にまで拡大しなければ当初予想しほどの画質劣化もなかった。
 (等倍にまで拡大するとクレータのエッジに、若干色が乗っている。)

まあ、鑑賞目的で撮るなら直焦点の方が印象は良いが、記録目的で拡大する用途には、テレプラスも ”有り”だな、という印象。 
ただテレプラスでの撮影ならカメラ側の画素に余力もできるので、もっと大口径の望遠鏡なら もう少し良い結果が期待できるかもしれない。 
 

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