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タカハシ FS−60Q
コンパクトな鏡筒なので、とりあえず手持ちの経緯台で試してみる。
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○とりあえず、手持ちの経緯台に載せてみる。 経緯台 | 判定 | 説 明 | 本日までの試行錯誤経過 |
ポルタ
| ◎ | 鏡筒との干渉もなく、天頂まで安定して高度を上げられ、低・中倍率域なら充分快適に使える。
100倍を超える高倍率では日周運動で視界から星がすぐ逃げてしまうが、経緯台の宿命なので仕方ない。 | 今のところ何も手加えなくとも問題なし。
(ポルタの設計者を改めて尊敬する。)
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旧型KDS
| 目視なら△
撮影は、× | 鏡筒との干渉は無いが、高度を上げるとバランスが崩れてしまう。
鏡筒はケンコーのセット製品より充分軽く、重量1.6kg だが、フリクションを殺すほどに締めつけてもズルズルとバランスを崩してしまう。
とりあえず惑星の高度程度なら根性で何とか使えそうだが、安定度は今一つ。 | 重心が上下動の中心より高くなってしまうため、一旦バランスが崩れるとカクンとお辞儀してしまい、機材の破損が怖いため、追試行は放棄。
やはり組立てキット望遠鏡などの軽量なものや、双眼鏡用として使うのがベスト。
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KDSⅡ
| × → ○ | 鏡筒と経緯台が干渉して高度を上げられない。 | カメラ三脚付属の雲台に乗せ、傾けて実装すれば干渉は避けられる!
うまくすれば簡易赤道儀として使えるかも。
ただし安定性はポルタに及ばない。 (三脚は耐過重は5kgのものでテスト) |
当初、そのコンパクトな外観から、KDSⅡ経緯台とカメラ三脚の組合わせでも使えないか、と思っていたのが少し甘かった。
○KDSⅡを三脚直付けした場合、高度を上げると鏡筒がKDSⅡと干渉して、黄道も辿れない。
その対策として傾けたカメラ雲台の上に二階建てで取付ければ天頂まで十分な余裕はある。
しかし全体の重心が高くなり、バランスが後方に偏ってしまうのでストーンバッグなどで安定化する必要があるが、目視には十分だった。
一眼カメラでの撮影はテスト程度しか試していないが、直付けでの地上用は十分実用、私の三脚+二階建てでかなり不安定で、もっと安定した三脚と雲台が必要。
○それなら旧型のNewKDS ならどうた! と試してみたが、今度は重量バランスが崩れて45度前後以上に高度を上げると位置を維持できなくなってしまう。
フリーストップを殺すまでフリクション調整を締めあげても60度前後までが実用域。
フリクションが緩むとカクンと鏡筒がお辞儀したり、上を見上げてしまったりして機材を損傷させないかと心配。 一眼カメラを載せるは初めから諦めるのが吉。
結論として、NewKDS(旧型? 従来型?)とFS−60Qの相性は良くない。 この組合せはお薦めしない。
またKDSⅡ、Nwe KDS とも、カメラ三脚(耐過重5kgのスリック813)を使用してテストしたが、60倍なら安定して使えても、120倍では触れるたびに視界がかなり揺らいでしまう。
脚を充分に開いて、ストーンバッグで荷重を掛ければ改善されると思うが、早々に諦めてテストは未完。
○結局またポルタの出番。ポルタならバランスも天頂まで安定して使え、倍率も120倍なら触れて揺らぐ視界もすぐ収まり、安定して眺められる。
(目視では充分な安定度だが、写真を撮る場合にはポルタでも充分脚を開き、操作した時の揺れが充分収まってからシャッターを切らないと、微妙にぶれる。)
しかし、120倍ではせっかく導入した星も、1分経たないうちに視界から外れていってしまうので頻繁に追いかけなければならず、経緯台で落ち着いて使える倍率は60倍程度。
100倍を超える倍率を主に使うなら、やはり赤道儀が欲しくなる。 |
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まず、KDSⅡ経緯台で試す |
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○ 購入時からこの
KDSⅡ経緯台
+カメラ三脚での運用をイメージしていたので、早速セットアップして薄曇の空にただひとつ、明るく見えている木星に向ける!
”んっ?” 望遠鏡と経緯台が干渉して、高度を上げられない!
干渉さえしなければバランスも安定して使い易いが、高度を上げられないKDSⅡはやはり地上用か。
まあ鏡筒を斜めに半回転捩じって実装すれば、南東に昇った木星は、何とか干渉ギリギリで視界に収まった。
とりあえず10mmアイピースのピントを合わせていくと、クッキリ、ハッキリと今まで見た事の無いまでに小さく収束した衛星が並んだ中に、縞模様の木星!
(しかし、何か変だ・・・ 真ん中に2本あった縞模様が1本しかない・・・)
○一応、三脚は耐過重5kg仕様でテスト。
60倍では問題なく使えるが、120倍では少し触れただけで像が揺れてしまうので微妙な慣れが必要。
足を充分に開いてストーンバッグなどで三脚を安定させれば改善はされるとは思うが、テスト未完。
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KDSⅡ経緯台では鏡筒が干渉して高度が上げられない! |
干渉部分拡大・・・ |
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KDSⅡ Part 2 |
前日、ポルタでなら確実に使える事は確認できたものの、またKDSⅡ+カメラ三脚の手軽さに未練が残り、何とかできないかとテストしてみる。
①鏡筒の支持位置を、干渉の一番少ない位置までずらしてみる。
→ 失敗。 バランスが大きく崩れるし、ピント調整がかなりしづらい。
②鏡筒を捩じって取付け、干渉しているピントのつまみを横にしてみる。
→ これも失敗。 ファインダーがかなり見づらく、ピント操作も辛い。
③経緯台を三脚雲台に載せ、その雲台を傾けてみる。
→ 成功! 天頂まで高度を上げられる。
しかし問題はバランス。 重心が手元側に大きく移動してしまう。
三脚を1段開脚するか、ストーンバッグで荷重をかける必要がありそう。
③の方法で、眼視なら充分使えるが、撮影用として使うには若干の不安。
まだ多少の課題はあるものの、上手く調整すれば簡易赤道儀のような使い方ができるかもしれない。
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ポルタ経緯台で試す |
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KDSⅡは一旦あきらめ、翌日、
ポルタ経緯台
に実装
とりあえず室内でテスト。
当然ながら、天頂部まで問題なく高度を上げられる。
○ポルタでなら、視界は格段に安定した。
60倍で使用するなら全く問題なし。
120倍では触れれば視界は揺れてしまうが、すぐに収まるので目視用途なら充分使える範囲。
○しかし、120倍にもなると勝手に動いていく星を、頻繁に視界の中へ戻さなければならず、落ち着いて眺められない。
経緯台で快適に使えるのは60〜80倍程度、それ以上の倍率では、やはり赤道儀が欲しくなる・・・。
焦点距離600mmのFS−60Qで、見掛視界45度、焦点距離5mmのアイピースを使用すると、
倍率=600/5=120倍、実視界=45/120=0.3754度 (月の視直径が約0.5度)
一方、星の動きは、1日=24時間=1,440分 (=86,400秒)で、約360度移動するので、
1分あたり、0.25度の移動となり、
見掛け視界45度(実視界0.375度)の中を、約 1.5分(90秒)で通過してしまう!
○安定度自体は60倍では問題ないが、120倍では鏡筒に触れると視界はそれなりに揺らぐ。
しかしカメラ三脚と比べて揺れの程度は軽く、リラックスして扱えるのでピント調整も し易く感じる。
○持ち運ぶ手間の必要ない自宅使用ではベストマッチ。 オリジナルのまま何も考えずに使える。
○贅沢を言えば、工具を使わなくても上下動のフリクション調整ができれば鏡筒のバランス調整がし易い、微動ハンドルが抜け易いなど、若干の改善要望はあるが実使用に支障となる欠点ではなく、頼りになる脚だと思う。
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旧型KDS経緯台で試す |
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旧型KDS経緯台(旧型とはいっても、New KDS経緯台)
で試してみる
○旧型KDSなら頂上部で実装するので、天頂に向けても鏡筒との干渉はない。(下・左写真)
○しかし、バランスが大きく崩れてしまい、KDSのフリクションを殺すほど一杯に締め込んでも60度程度が限度で、それ以上に高度を上げるとズルズルと下がってしまい、実用範囲は45度程度まで。
(下・右写真はフリクション調整を根性で締め付けた状態での限界。)
○うまく工夫してバランスウェイトを取り付ければ改善はするだろうけど、機動性が損なわれるので面白くない。
FS−60QとNew KDS の相性は良くなさそうで、実用として使うには、まだいじり廻して遊ぶ余地が多そう。
○FS−60Q用として新たに購入するのは、お薦めしない。 |
天頂まで向くには向くが、途中で止めようとしても、ズルズルと上を向いてしまう。
一眼カメラを載せるのは、多分無理。
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