このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください


FS−60Q 拡大撮影の倍率                                   



FS−60Q での拡大撮影倍率を考えて見る・・
       拡大撮影の倍率計算・・・
倍率の実測
倍率の実測 (その2)
アイピースを替えてみる


 FS−60Q での拡大撮影倍率を考えて見る・・・
拡大撮影の倍率計算・・・
 
 

拡大撮影での倍率は、アイピースによるリレー比できまり、
リレー比= A(アイピースからセンサーまでの距離) / B(対物レンズの焦点面からアイピースまでの距離) として、

合成の焦点距離= fo(対物レンズ焦点距離) × リレー比 = fo × A/B  ・・・ ①
  となる。(らしい。)
  ただし、1/fe(アイピースの焦点距離) = 1/A + 1/B  ・・・ ②

ここで、
リレー比= A/B 
1/fe = 1/A + 1/B より、  1/B = 1/fe − 1/A  →  B= (fe x A)/(A−fe) 
よって、
リレー比= A/((fe x A)/(A−fe)) = A x (A−fe)/(fe x A) = (A−fe)/fe
    =
 (A/fe)−1  となる。 ・・・ ③

Topへ
倍率を実測してみる
 実測
このテストを追テストするのは無駄と思います。
なぜなら、直焦点撮影したものと比較した方が簡単で正確だからです。 今回は、雨と月齢の関係で暫くお月さまが見えない間の暇潰しです。

写真① 望遠鏡にアイピースを装着した状態で、

拡大撮影するには、望遠鏡のアイピースの後ろにカメラを装着し、(写真①、②、③)
アイピースとカメラのセンサー間の間隔を変えてやる事により、倍率(上記説明のリレー比)を可変できる。

拡大撮影を、実際に試してみる。

使用した機材は、
使用した望遠鏡:  タカハシFS-60Q 焦点距離 600mm
使用したカメラ:   Nikon D5100
拡大撮影アダプター: BORG SD-1X
アイピース:  Vixen NPL20mm (焦点距離 20mm)

撮影条件は次の二つ。
 ①拡大撮影アダプターを最小倍率側で撮影
 ②拡大撮影アダプターを最大倍率側で撮影

うん、確かに拡大撮影できた、できた、嬉しいな! と喜んだものの、何倍くらいになっているんだろうと疑問が沸いてくる。
しまった、直焦点で撮ってなかった!
直焦点で撮っていれば単純に比較すりゃあいいんだけど、撮り直すにもここ暫く天気悪そうだし、お月さまの月齢も・・・
って事で、最大側と最小側の2枚の画像を元に、何倍くらいになっているのか推測してみる。

拡大撮影の倍率は、
  合成焦点距離=対物レンズの焦点距離(fo)×リレー比
リレー比は、アイピースからセンサーまでの距離(A)、アイピースの焦点距離(fe)として、
  リレー比=(A/fe)−1 ・・・①

計算で求めるには、アイピースからカメラのセンサーまでの距離がわかればいいが・・・

  最小倍率側のアイピース~センサー間の距離をA1、
  最大倍率側のアイピース~センサー間の距離をA2、
  拡大撮影アダプターの最小倍率~最大倍率間のストロークをS (実測で18mm)、
  アイピースの焦点距離を fe (カタログ値20mm)として、A1の値を求めてみる。

まず、最大の画像と、最小での画像の拡大比を実測。(画像ソフト上で、最小の画像の上に、最大の画像をレイヤーで重ねて、量が像が完全に重なる縮小率を実測)

結果、
 最小画像の縮小率(N1)=100% とし、
 最大画像の縮小率(N2)=約 74% であった。
 よって倍率の比を(No)とすれば、
  No=(1/N2)/(1/N1) = N1/N2 (= 100%/74% ≒ 1.35倍)

最大倍率画像は、最小倍率画像のN倍(≒1.35倍)であるから、
  (A2/fe)−1 = ((A1/fe)−1)×No ・・・②
また、拡大撮影アダプターのストロークはSであり、
  A2=A1+S ・・・③

①より、
  (A2/fe)−1 = ((A1/fe)−1)×No
更に、②より、
  ((A1+S)/fe)−1 = ((A1/fe)−1)×No
  (A1+S)−fe = (A1−fe)×No
  A1+S−fe = No・A1 −No・fe
よって、
  (No−1)・A1 = S−fe+No・fe = S+(No−1)・fe
  A1 = (S/(No−1))+fe ・・・④
となる。これに既知の値、S、No、fe を代入すれば、
  A1 =(18mm/(1.35−1))+20mm
     =71.4mm  となる。

A1の値がわかれば①により、
  リレー比 = (A1/fe)−1 =(71.4mm/20mm)−1
        = 2.57  となる。
合成の焦点距離(fx)は、
  fx = 600mm×2.57=1,542mm ≒1,500mm
  APS−Cの D5100では、その1.5倍で、約2,300mm相当となる。

また最大倍率側は、アダプターのストロークが18mmだから、
  A2 =A1+18mm =71.4 +18 =89.4mm
これを①式に代入して、
  リレー比 = (A1/fe)−1 =(89.4/20)−1
       =3.47
よって合成焦点距離(fx)は、
  fx = 600mm × 3.47 =2,082 ≒2,000mm
  APS−Cの D5100では、その1.5倍で、約3,000mm相当となる。

−−−−−−−−−−−−−
しかし、こんな面倒な事しなくても、直焦点の画像と比較実測した方が、よっぽど簡単・正確だよな・・・ 

でも、まあ、このアイピースアダプターを使っての倍率(リレー比)は、使うアイピースによって多少誤差はあるにしても、
 ((約70~80mm)/アイピースの焦点距離)−1
 辺りと目途をつけられるだけでも収穫か ・・・ と、ひとり自分で慰める・・・

焦点距離600mmのFS−60Qを使った場合
 10mmアイピースだと 6.5倍、4,000mm、APS−Cのカメラで6,000mm前後、
 30mmアイピースなら 1.5倍、
 40mmアイピースでは、0.85倍? これは使うだけ無駄かな・・・

写真② カメラ側もレンズを外してアダプターを装着し、

写真③ 望遠鏡側アダプターに被せるようにカメラを装着。 

写真④ アダプターをスライドさせる事により、
 接眼レンズとカメラのセンサー間の距離を変え、リレー比を変える。 

写真⑤ 最小倍率側(アダプターを縮めた状態)での拡大撮影 
  2011/05/21 2:14  D5100 4928x3264 

写真⑥ 最大倍率側(アダプターを伸ばした状態)での拡大撮影
  2011/05/21 2:16  D5100 4928x3264 

写真⑦ ⑥の画像を、⑤に重なるように縮小する。(今回、74%)


  2010/11/15 21:20  D200 3872x2592 

【参考】
撮った日もカメラも違うが、FS60Qの直焦点 (600mm, APS-C なので 900mm 相当) で撮った画像。
 

Topへ
倍率を実測してみる (その2)
実測 その2 
どんよりと曇った空の、僅かに雲が薄くなったチャンスに撮ったもの。 
でじ亀の液晶モニターの中でユラユラ揺れているのを、画像の出来栄えより、大きさ比較できればいいや、と、雲に隠れないうちに急いで撮影。 
各画像とも、コントラストをかなり強く補正。 
使用した機材は、前回と同じで、
  望遠鏡:  タカハシFS-60Q 焦点距離 600mm
  カメラ:   Nikon D5100
  拡大撮影アダプター: BORG SD-1X
  アイピース:  Vixen NPL20mm (焦点距離 20mm)

①直焦点
 焦点距離 600mm (APS-C で、900mm 相当)
 ノートリミングで大きさ比較の基準とする。
 ( 画像は、4,928 x 3,264 から 800 x 530 に縮小 ) 
②NPL20mmにて最小倍率側 
 ノートリミングで上下左右反転し、①と比較すると、39%縮小で①の画像と重なった。  
 大きさ比較で、①の1/39% ≒ 2.56倍
 よって、
 600mm X 2.56=1,536mm (APS-Cで、2,304mm)
 前回の計算では、1,500mm (APS-C 2,300mm)
 怪しげな計算だったけど立派なもんだ、大体あってる。
③NPL20mmにて最大倍率側
 全体は写らないので2枚の合成画像を75%に縮小して②と同じ大きさとなった。
 よって倍率は、1/75% ≒ 1.333倍
 600mm X 2.56 /0.75 ≒ 2,048mm (APS-C 3,072mm) 
 前回の計算では、 2,000mm (APS-C 3,000mm) 
 ②が合えば当然だけど、こっちも大体合ってる。 
  

TOP  
アイピースを替えて比較してみる
アイピースを替えて比較してみる。 
 アイピースを替えるとはいっても、いずれも最安価クラス。  
 天候条件は雲の切れ間、しかしまだモヤの掛かったような月。 しかし明日からはもっと条件が悪くなりそうなので撮るだけ撮ってみた。
 靄と雲の状態も刻々と変化しているので同一条件とは言えないので参考画像。
 使用した機材は、前回と同じで、
  望遠鏡:  タカハシFS-60Q 焦点距離 600mm
  カメラ:   Nikon D5100
  拡大撮影アダプター: BORG SD-1X
  画像は 4,928 x 3,264 から 800 x 530 にノートリミングで縮小。 モヤでぼんやりとしたオリジナルでは見るに耐えられないのでコントラストとトーンカーブで調整。
  シャープ加工は無し。
 
 各画像は、「 おほしさま 」 → 「 お月さまの拡大撮影(その2) 」 の 「月齢7.6のお月さま」と同じです。
 Vixen NPL20mm で最低倍率側

中心部は十分シャープに写っているが、どうも周辺が良くない。 
まあ、Vixen の一番安いやつを撮影用に使うんだから仕方ないだろう。
贅沢言ってはいけない、写りゃいいんだ。 

このアイピースでは前回の実測で
2.5倍
 
1,500mm (APS-C で、約2,300mm) と分っているので比較基準とする。
 (計算値では 2.56倍、1,536mm、APS-C で 2,304mm)
Meade 20mm(Series 4000 Super Plössl) で最低倍率側

最周辺部は多少崩れるが、NPL20mm よりはいい。 
かなり濃いモヤでもコントラスト調整で見栄えは随分と良くなった。
980 円のアウトレットでこれだけ撮れれば文句は無い。 

比較のため①のNPL20mm の画像に重ねてみると、ほぼ同倍率。
よって、このアイピースでも、
倍率2.5倍、
 
1,500mm (APS-C で、約2,300mm) と推測。 

※倍率は Vixen NPL20mm とほぼ同じ。
 周辺の収差はかなりあるが、NPL20mm よりはいい。 
③Kenko Se-120 付属25mm での最低倍率側

25mm の焦点距離が効くのか、アイピースの中心位置の差が影響するのか、予想より小さめの拡大率となった。 
丸い部分のエッジがかなり甘く、モヤの影響を強く受けているように思える。 

①の画像を縮小し、この③に重ねてみる。
 約 58% 縮小で重なったので、倍率=2.56 X 58% = 1.485
 焦点距離では 600mm x 1.485 =891 mm (APS-C で 1,336 mm)  
 まあ、
1.5倍、900mm、APS-C で 1,300 mm 程度かな。 
④Kenko Se-120 付属25mm での最大倍率側 

SE-120 付属のアイピースだし、最低倍率側の画像も今一つだったので、期待しないまま撮った最大倍率側の画像が、以外と良い。
と言うか、この3個の中では中心部から端まで一番まとまっているように思う。
また、お月さまの全体を写すにも丁度いい倍率。 

これも ①の画像を縮小し、この④に重ねてみる。
 約 85% 縮小で重なったので、倍率=2.56 X 85% = 2.176
 焦点距離では 600mm x 2.176 =1,306 mm (APS-C で 1,958 mm)  
 まあ、
2.2倍、1,300mm、APS-C で 2,000 mm 程度かな。  
 
拡大撮影についての雑感
いろいろと悪戦苦闘はしてみたものの、口径6cmでの解像力の限界を越えての拡大となるのか、直焦点と比べて画像のシャープさは今一つ。
更に、アイピース個々の弱点がそのまま出てしまい、更に解像感を求めようとするとアイピース地獄に陥りそうな予感。 よって、拡大撮影は当面、これ以上追及しない。
まあ何事も、やってみなけりゃわからない! 

TOP    

 

このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください