このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

 奥見内林道/ Okuminai林道探索の書 〜今日もどこかで林道ざんまい〜 
探索日 2016.08.12 / No.AK-028 
 [ 所在地 ]北秋田市(旧鷹巣町)・ 大館市 [ 状態 ]完抜半ダート [ 接続林道 ]- [ 分岐林道 ] 平田沢林道百割沢林道 ・ 門ヶ沢林道 ・ 牛沢林道
 ストレート主体の快適ダートで駆け抜けるストレス知らずな元林鉄軌道の完抜け林道!

の日の林道探索を終えて、上小阿仁村から宿泊地の大館市「大滝温泉」へと向かう途中で探索した奥見内林道の入口です。上小阿仁村から大滝温泉へと向かう場合、最もてっとり早いのはR285(阿仁街道)を進むルートですが、国道に平行する形で「奥見内沢」に沿って完抜けの奥見内林道が延びています。国道を途中で右に折れて林道を経由、そのまま県111号線へと抜けても大滝温泉までは距離的に国道経由と大差ありません。ならば、宿でいただく夕食への腹空かし対策も兼ねて林道経由としておくのが当然な展開。というわけで林道入口のある北秋田市七日市「葛黒(くぞぐろ)」地区へとやって来ました。
なみにこの奥見内林道ですが、北秋田市側は葛黒の集落内に入口(正確には終点)があります。林道標は設置されていますが、一見した限りでは一般道となんら変わりはなくてR285号線からも引っ込んだ場所なので、初めてだと少し気がつきにくいかもしれません。唯一の目標物はすぐそばの「葛黒林業センター」。探索時には暇そうにしていた事務のおばちゃんに世間話のおまけ付きで林道入口を尋ねてしまったんだっけ。
→林道標を眺める!
→林道標を眺める!
落内の林道入口から300mほど進むと、まばらにあった民家も途絶えて路面はここでダート化します。しかし、その後はいきなり山林内へと入るのではなくて、谷間に開かれた畑と水田の中を突っ切るように進んでいきました。農道チックな雰囲気が濃かったです。
の奥見内林道ですが、現在の主たる存在意義は農道としてみたい。その大半は林道名由来の「奥見内沢」沿いに拓かれた水田伝いにひたすら進むコースで、後半でようやく小規模な峰越えをしています。したがって、「沢沿いの山中を行く険しいダート林道」を想像しているとちょっと違うんですね。ちなみに前方に見えているバイクは、水田の見回りをしている農家のおじさんのカブ。当方は立ち止まって撮影しながら進んでいるため、おじさんとの抜きつ抜かれつがその後しばらく続きましたよ。
の中へと入ったり出たりしながら水田伝いに延々とストレートが続きます。ダートは夏の日照り続きで乾いた水溜まり跡の窪みでガタガタ気味ですが、路面は基本的には固く締まったフラット状態。見通しも良くてオフバイク的には高速ダートという状態でした。
の気になれば高速巡航も十分に楽しめるダート状況ですが、それもそのはず。実はこの奥見内林道は「鷹巣森林鉄道」の軌道跡らしいですよ。すなわち大正10(1924)年に開設された路線名「鷹巣林道奥見内支線(6952m)」であり、昭和38(1963)年の廃止まで国有林の木材を運搬すべくここに軌道が敷かれていたとのこと。その後、軌道をトラック道へと転用したので、現在の奥見内林道はコース的にも穏やかなんですね。かつて「林鉄王国」とまでいわれた秋田県では、林道も元は軌道であったというケースが実に多いです。しかし、林鉄廃止後すでに40年以上もの歳月が経過しているため、レールなどの林鉄遺物を道すがらに見つけられなかったのは残念でした。厳密には鉄橋跡だけが残されているみたいですけど。
「平田沢林道発見!」そのなだらかさで元林鉄の軌道であったというのも頷けるストレート主体なダートを快走していくと、右折する平田沢林道の起点がありました。奥見内沢の支流である「平田沢」伝いに右手の山中へと分け入るピストンで、右手の路肩の薮に木杭の林道標が設置されています。ぱっと見した感じ荒れた放置系でもないみたい。ここはひとまず奥見内林道の探索を中断、平田沢林道へと飛び込んだのは言うまでもありません。
→林道(平田沢林道)標を眺める!
→平田沢林道の様子を眺める!
→平田沢林道に突入!
田沢林道を立ち寄りピストンしたら今度は分岐を左折、奥見内林道の探索を続行すべくそちらに進路を取ります。なお、これは地図で眺めてみればすぐに分かりますが、林道伝いに流れる奥見内沢にはこの先で無数の支流が合流しており、それら支流沿いには支線ダートが分岐しています。国道経由で本日の宿泊地の大滝温泉へと直行しなかったのは、それら未知なる支線林道群を探索してやろうとの企てもあったからなんですね。
の後も路面状況に変化はありません。坂道知らずの水平フラットな高速ダート区間が続きました。それでいながら対向車は皆無であって、ついつい「エンジンにものをいわせた」走りとなりがちでしたが、ふと立ち止まって眺めた後方が酷いことになっていたんだっけ。
→後方を振り返る!
→路肩(右)を眺める!
んな感じでダートランを楽しみながら進んでいくと、やがて「割沢」を渡るコンクリ橋が現れます。そして橋を割った直後に左折する分岐ダートを発見! 橋の手前からは樹木の陰となって見えていませんが、そこには木杭の林道標が立っていたんですね。すなわち、そこは割沢伝いに山中へと分け入るピストンの百割沢林道の入口でした。
→林道(百割沢林道)標を眺める!
→百割沢林道の様子を眺める!
→百割沢林道に突入!
折する百割沢林道分岐を後にしてさらに奥見内林道を進みますが、状況は依然として全く変わりなし! 急カーブも坂道も現れず、平坦コースがひたすら連続しました。しかし、これこそが林鉄の元軌道であったことに由来するフラットさなんですね。
というよりも、平野の林の中を進んでいるといった雰囲気の奥見内林道。いわゆる林道の悪路的な険しさは皆無ですが、ここでは山岳林道のドキドキするような険しさとは一味異なった面白さで楽しめました。そう、高速巡航可能なフラットダートならではの風を切る疾走感というやつですよ! 夕刻が迫っても夏の午後の陽射しはまだまだ暑かったですが、全身に受ける風がなんとも心地良かったなぁ。
の後また現れる水田区間と、そこをストレートで貫く奥見内林道のダートです。行く手に山は見えていますが、それでいながら一向に山中へと入っていかないんですね。どこかもどかしいような状況が続きますが、某資料によれば、ちょうどこの付近に右手の山中へと分け入る奥見内沢の支流「下初森沢」沿いのピストンがあるはず。すなわち「下初森林道」の分岐ですが、林道標が朽ち果てたのか、うかつにも途中で全く気がつかなかったです。というか、そんな林道標は見かけなかったような気がするのですが・・・。
の代わりに見つけたのが左折する門ヶ沢林道の分岐でした。しかし、その道筋は地理院地図にも記載はなくて、先述の某資料にもなぜか載っていません。でもこのように林道標はそこに存在しているんですね。そして入口からぱっと見しても放置で廃れた雰囲気があからさまな門ヶ沢林道でしたが、その正体はもちろんピストンですよ。
→林道(門ヶ沢林道)標を眺める!
→門ヶ沢林道の様子を眺める!
ヶ沢林道の分岐を過ぎると、そのすぐ先で石碑の立っている地点を通過します。実はここ廃村「門ヶ沢」集落なんですね。石碑はそれを示しているのですが、周囲には一面薮にまみれた荒れ地が広がっているだけ・・・。現状として集落の面影は全く残っていません。とうの昔に林道入口の「葛黒」地区に集団移転したらしいです。したがって、門ヶ沢という地名は県別地図や地理院地図から抹消されていますが、その代わり地理院地図には 石碑を示す記号 がぽつんと記載されていたりもします。しかし、秋田県の林道は廃村ばかりだぜぇ・・・。
→石碑を眺める!
→集落跡地を眺める!
→さらに奥見内林道を進む!
→探索中止!
トップへもどる林道探索の書 〜今日もどこかで林道ざんまい〜 

このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください