このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

 熊の沢管理車道/ Kumanosawa林道探索の書 〜今日もどこかで林道ざんまい〜 
探索日 2018.08.11 / No.AK-037 
 [ 所在地 ]にかほ市・由利本荘市 [ 状態 ]完抜ダート [ 接続林道 ] 冬師林道木境林道  [ 分岐林道 ]-
 「管理車道」となっているが、実際は林業バリバリな木材搬出ルートになった完抜フルダート

かほ市「冬師」地区の冬師林道を探索中に発見した熊の沢管理車道の起点です。県312号線から冬師林道へと入って「冬師湿原」を抜けた先の森に入ると、木製ゲートのすぐ先に林道から左折分岐する入口が現れます。なお、熊の沢管理車道の道筋は地理院地図ではピストンとして記されており、コース的には冬師湿原にある「扇谷地溜池」の源流付近から森を抜けて、隣接する「野際溜池」の源流方向へと向かう感じでしょうか。ただし、探索時にはそれを知る由もなくて、ここはピストン系だと信じて疑わなかったんだよなぁ。
いうわけで直進する冬師林道から左折して熊の沢管理車道へと入線させて頂きますが、実はここには白い木杭タイプの管理車道標が立っています。しかし、路肩に設置された木杭を遠目に眺めた瞬間、間違いなく支線林道の林道標だと思ってしまったのはウカツ。まさかここが「管理車道」になっていたなんて! 恐ろしい先入観というやつですなぁ。
→ 管理車道標を眺める!
理車道標を後にして草深いストレートなワダチダートをたどっていくと、やがて小さな沢を跨ぎます。跨ぐと言っても橋があるのではなくて、導水管が路面の下に通してあるだけのささやかな状態。そんな状況なので大雨時には氾濫して路面上に沢水が溢れてしまうらしく、大小無数の岩がばらばらと散乱していました。ちなみにここで管理車道が跨いでいるのは、名称は不明ですが、下流で冬師湿原の「扇谷津溜池」へと流れ込む源流の沢。
→ 沢(右 / 上流)を眺める!
→ 沢(左 / 下流)を眺める!
さやかな氾濫跡が残る沢を跨いでその先へと進みますが、ワダチダートは思っていた以上にまともでした。基本的には荒れの見られぬ状況に、「完抜けしている?」との疑念が脳裏をよぎり始めます。行き止まりのピストンにしては、いささか路面が快適過ぎたんですね。
「鉄板敷だ!」地図に記されたピストン状態を疑いつつWRを進めていくと、カーブの路肩に鉄板の敷かれた地点が現れました。未舗装な林道でしばし見かけるダンプやトラックへの走行対策ですが、鉄板の出現は大型車両の通行がそこそこあるという証。ますます熊の沢管理車道が先細りで廃れるようなピストンダートとは思えなくなってきます。
して決定的であったのが、ここで対向してくるオフバイクの2人連れとすれ違ったことでした。もしもこの熊の沢管理車道が先細りで行き止まりのピストンであったならば、決してすれ違うこともなかったと思います。これまで各地のピストン林道を探索してきた経験上、まともな林道ライダーがピストンな管理車道を探索しているとも思えなかったんですね。というわけで、熊の沢管理車道は密かにどこかへと完抜けしている可能性は高いとみた!
たしても鉄板敷き区間が! 固く締まったフラット状態で荒れ知らずな路面でしたが、車幅の広い大型車が通行するには路肩が怖いのか、崖落ち対策が施されていましたよ。探索当日は世間でいうところのお盆休みであったため、そういう事態はなかったですが、もしもここで大型車両と鉢合わせしたならば、すれ違いに苦労することは間違いなく、最悪、タイヤに巻き込まれてバイクごと跳ね飛ばされてしまうかもしれません。
かし、探索当日の熊の沢管理車道は静寂そのものでした。路面状態からみて対向車が現れても不思議はなかったですが、そういう展開はなかったです。あくまでシンと静まり返った管理車道を独り占め、そのうえで自分ペースで進むことができました。
「土場だ!」そんな感じで進んでいくと、やがて路肩に木材が積まれ、枝打ちの木屑が大量に散乱した土場に差しかかりました。前方には林業重機も見えていますが、探索当日はお盆休みで林業作業はお休み。現場に人の姿はありませんでした。
人状態で留め置かれた林道重機の間を縫うようにして土場を通過していきます。そしてここにも鉄板が敷かれており、当初は管理車道を走行する大型車が工事系のダンプか、それとも林業系トラックなのか判断しかねたのですが、これでようやく判明。木材満載の搬出トラックが地面を捏ねてえぐってしまうことへの対策だったんですね。しかし、いかにも林道臭い土場の現場風景、これぞあるべき姿であり、まったく惚れ惚れとしてしまうな〜。
→ 現場を眺める!
→ 現場を眺める!
→ 現場を眺める!
々しく無骨な土場の風景に見とれてしまいますが、このように熊の沢管理車道はまさに林業の道だったんですね。ならば「管理車道」でなくとも「林道」でもよかろうと思ってしまいますが、そこいらへんの事情はよく分かりません。そして土場の先端には「ハーベスタ」も留置されていましたが、これは従来はチェーンソーで行っていた立木の伐倒や枝払い、玉切りの各作業と、玉切り下原木の集積作業を一貫して行える自走式の林業機械だな。
図上ではピストンで示されていた熊の沢管理車道ですが、土場を過ぎた先にもダートは続きます。路面に蒔かれた白い砂利には真新しさが感じられ、以前は土場地点が終点だったと思われますが、木材搬出の効率化を図って延長された区間に間違いありません。この先どこかに完抜けしているのは確実ですが、しかし一体どこにつながっているのでしょうか?
→ 路肩を眺める!
設間もない真新しさがどことなく漂うこの区間ですが、路肩がズルズルと崩落しかけた箇所を通りがかりました。近年、梅雨時に列島各地で頻発する「50年に一度の大雨」とやらの影響でしょうか? ここも近い将来、鉄板が敷かれそうな予感・・・。
ゃりじゃりと踏みしめる真新しい砂利の感触も心地良く、その後は崩落や崖崩れに遭遇することなく進んでいきますが、やがて小さな沢を沈下橋を渡ります。下流で「野際溜池」へと注ぐ沢ですが、持参の県別地図はもちろん、地理院地図にも未記載でした。通常の橋ならば欄干に沢の名や橋の名が記されていることもありますが、なにせ沈下橋なのでそのような情報は皆無。沢の名称は知りようがなかったです。
→ 沢(右 / 上流)を眺める!
→ 沢(左 / 下流)を眺める!
の直後、続けざまにもう1箇所で沈下橋を渡ります。やはり沢の名を知るすべはなかったですが、これも「野際溜池」の源流の一つだと思われました。まともな橋を架けるよりも、沢が氾濫しても大丈夫なように沈下橋とされているのでしょう。景観も直前の沢とほとんど同じでしたが、ここではたまに見かけるちょっと気になる植物が自生していましたよ。
→ 沢を眺める!
かし、冬師湿原背後の森に林業バリバリなダートが隠されているなんて思わなかったな。秋田県といえば林業が盛んな土地。一般的な観光スポット巡りをしていると目にすることも少なくて気がつきにくいですが、一歩山林へと入り込めばそこには林業ワールドが広がっているんですよね。ちなみにこの熊の沢管理車道が延びる冬師集落近辺は江戸時代には本荘藩と矢島藩との藩境になっていた場所。藩境の森林の伐採を巡って死者の発生するようなトラブルが絶えなかったらしいです。
してたどり着いたのがこの地点。前方から右手に曲がって延びるダートに接続して熊の沢管理車道は終点を迎えます。ただし、林道標は設置されておらず、初めてやって来ると接続ダートの正体を知るすべはありませんが、探索時には林道災害復旧工事の 立看板 が置かれており、それによって接続するのは未舗装な木境林道であることが判明した次第。それと同時に、直進して木境林道へと乗り継ぐことでどこかへと完抜けできることがこれで確信できたんですね。というわけで熊の沢管理車道の探索はここで終了!
→ 探索終了!
→ 振り返る!
→ 木境林道(右折)の様子を眺める!
→ 木境林道(直進)の様子を眺める!
→ 木境林道に突入!
→ 引き返して冬師林道に向かう!
トップへもどる林道探索の書 〜今日もどこかで林道ざんまい〜 

このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください