このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

 天竜院林道/ Tenryuin林道探索の書 〜今日もどこかで林道ざんまい〜 
探索日 2017.12.31 / No.IBA-056 
 [ 所在地 ]常陸太田市 ・ 高萩市 [ 状態 ]ピストン半ダート [ 接続林道 ] 生田入林道  [ 分岐林道 ]-
 由緒正しき水戸徳川家の山荘へと至るも「放置」で廃道チックに廃れた失意の林道

里美村(現常陸太田市)の横川鉱泉からR461号線を常磐自動車道高萩インター方向に3キロほど進むと、やがて左折で現れるのが天竜院林道の入口です。天竜院林道はこの界隈では知名度のある生田入林道へのアプローチルートになっているため、「ああ、あそこか」と、見覚えのある林道ライダーの方も多いと思います。
一の目印はとうの昔に廃止された「天竜院入口」のサビが回って朽ち果てたバス停。忘れ去られたバス停の立つ左折路が目指す天竜院林道の入口ですが、横川鉱泉方向からやって来ると一つ手前の左折路となる村道苗の平入口線の入口と間違えないようにして下さい。なお、林道入口に廃バス停があることからも分かりますが、天竜院林道には「天竜院」なる廃村が存在しており、これも付近の林道を隅々まで走り込んだ林道ライダーならば知る所です。
→ バス停を眺める!
っそく天竜院林道へと入線して沢沿いに登坂して進みますが、路面は入口からすぐにダート状態です。林道の奥にある天竜院の集落が健在の頃は、このガタガタな砂利道が唯一の生活道路だったのかと思うと心細い限りですなぁ。
道は生活道路も兼ねていたこともあってか、ダート沿いには集落への唯一のライフラインであった電線が延びています。しかし、現在は民家そのものが消滅しているので、この電線がどこへつながっているのか不明ナリ・・・。そして国道からの入口に天竜院林道を示す林道の証も存在していません。立ち並ぶ電柱には「天竜院」の文字が記載がされているだけです。
竜院へと溯る小さな沢の左岸伝いに登っていきますが、小さなコンクリ橋で右岸へと渡ります。いつものお約束で橋上から沢の流れを眺めてみますが、山林内によく見かけるようなささやかなながれですが、沢の水は澄んでいてとてもきれいでした。
→ 沢の上流(左)を眺める!
→ 沢の下流(右)を眺める!
道から即ダートで開始する天竜院林道ですが、残念ながら全線未舗装ではありません。虫食い状態で鋪装区間がちょこちょこと現れます。しかし、林道は以前は天龍院の集落への生活道路だったことを考慮すれば仕方がありませんね。そんな感じで進んでいきますが、道すがらにはかつての集落の存在を偲ばせる神社の朽ちかけた鳥居があったりします。
→ 廃神社を眺める!
さな段差の連続する沢のせせれらぎを眺めつつ進みます。生田入系林道の探索アプローチや退出でここは何度も通っているのですが、天竜院林道を目的として訪れたのは初めてでした。そのため林道沿いの沢もよく眺めてみると、けっこう美しいことに改めて気がつきます。なにせ、いつもは次の林道を目指して一気に駆け登ったり駆け下るので。
→ 沢を眺める!
してたどり着くのが林道ライダーにはよく知られたこの分岐地点。左折するのは村道苗の平入口線であり、生田入林道の入口でもあります。付近の林道を探索するにあたっては何度も通りがかっている地点ですが、今回は右折して天竜院林道をそのまま前進しますよ。なお、以前は路肩に倒れた状態で 村道の看板 があったのですが、いつの間にか消滅して無くなっていました。現在は水源かん養保安林の看板があるのみです。
→ 水源かん養保安林看板を眺める!
田入林道入口の分岐を過ぎると再びダート化する天竜院へと至るこのルート、実は今回が初めてではなくて、何度も訪れているのですが、林道標が見当たらないんですね。したがって当初は未舗装な一般生活道路だと思い込んでいたため、これまで詳細な撮影をしてきませんでした。しかし、茨城県の「公園化の決定(昭和48年4月23日 / 茨城県告示第437号)」なる資料に「天竜院併用林道」の記載がされています。というわけで今回、あらためて探索してみたわけですが、実際のところは正確な林道区間は不明。当サイトでは便宜上、R461号線の入口からを天竜院林道として紹介していますが、ひょっとしたら手前の生田入林道分岐地点から先が天竜院林道区間なのかもしれないですが、その確信は持てません。でも林道区間にこだわらない方にはどうでもいい話だな。
竜院林道といえば廃村天竜院があることで知られていますが、それ以外にも水戸徳川家11代当主の徳川昭武さんの建てた山荘「天竜院」があったりします。水戸徳川家といえば2代藩主徳川光圀さんの「西山荘」がかなり有名ですが、天竜院山荘といっても聞いたことのない方がほとんどでしょう。というわけで、誰も訪れる者もいない天竜院山荘の入口の前を通りがかるのですが、今回の探索時には立派な鉄製の案内板が立っているのを発見。でも以前はここに案内板なんて設置されていなかった記憶があります。
→ 案内板を眺める!
→ 天竜院山荘に向かう!
荘入口を過ぎて先へと進むとすぐに山荘敷地内の裏口が現れました。もちろん、ここも閉じられていますが、山荘の建物を眺めるのならばこちらからの方がよく見えます。
→ やや!?
→ 天竜院山荘を眺める!
の後、スギやヒノキの植林の中を枯葉まみれのダートが続きます。道筋はしっかりとしていますが、ほとんど通行の途絶えたような廃れの雰囲気がほのかに漂います。そして気がつくと集落への電力ライフラインはすでに途切れていました。電線の敷設は山荘までであり、廃村化したその先の天竜院集落へはとうの昔に打ち切られていたようです。
の淋しい植林の山林内をくねくねとたどっていくと、やがて樹木のない開けた場所が右手に現れますが、ここがかつて天竜院集落のあった場所。 地理院地図 には現在も集落があるかのように記されていますが、ご覧の通り淋しい廃村空間と化しています。そしてダート沿い右手の薮には朽ち果てて崩れた民家の残骸が・・・。
→ 民家跡を眺める!
枯れしたススキと灌木に覆われたストレートなダートをさらに進むと民家跡への入口がありました。かつて存在した民家の庭先への入口のようで、こちら側からでは分岐のようにも見えますが、振り返ってみると状況がよく分かります。
→ 振り返る!
→ 民家跡を眺める!
つての天竜院集落跡地を過ぎるとダートは一気に廃れの様相を呈してきます。地面はフカフカの軟弱状態ですが、生活道路としての役割をとうの昔に終えている以上、これは仕方のないこと。しかし林道探索的には楽しくなってきました。以前はR461号線へと通り抜けられたのですが、現在もまだ通り抜けられるかどうかの現地調査を早くしたいだぜぇ!
→ 探索中止!
→さらに天竜院林道を進む!
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