このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

 早秋紅葉ざんまい林道探索浜通り地方林道 編林道探索の書 〜今日もどこかで林道ざんまい〜 
探索日 2018.10.27 
浜通り地方林道編  [1] [2] [3] 

ガマズミの果実

フウリンウメモドキ
すがらの雑木や路肩のささやかな紅葉を眺めながら進んでいくと、やがて土場が現れました。盤木沢という林道名は、元をただせば木材搬出のため丸太を敷き並べ木馬を滑走させた木馬道(きうまみち)の意味。木馬道の丸太のことを「盤木」といい、そのことからもこの地が林業が盛んであったことがうかがい知れますが、このような林業バリバリな現場にも秋の気配は確実に訪れています。なにげなく眺めた土場の片隅には真っ赤に塾した木の実がたわわに実っていました。

入遠野国有林

入遠野国有林

ガマズミの果実
の後も植林と雑木の混在する森の中を進んでいきますが、途中で遠野町に広がる山並みの斜面が見渡せる地点がありました。林道から眺める山々の景観はダイナミックですが、この地域は昔から林業が盛んな場所。やはり目に映るのは斜面をびっしりと埋め尽くすスギ林がほとんどです。それでもよく目を凝らしてみると、スギの深緑の中に紅葉の赤褐色がまだらに混ざっているのが見てとれました。
してたどり着くのが県20号線へと突き当たる盤木沢林道の終点(起点)です。いつ訪れてみても閉じられているのを見たことがないゲートの設置された林道出口には、林道標と水源かん養保安林看板が立っており、ここも林道ライダーにはよく知られた地点ですね。というわけでここからいったん一般道へと退出、次は官沢林道へと向かうべく県道を右折しますが、ちなみにこの場所の標高は381m。盤木沢林道の三叉路入口から標高差129mを下ってきたことになります。
→ 林道標を眺める!
→ 水源かん養保安林看板を眺める!
木沢林道出口を左折して900mほど進んだ先の分岐は右方向に進み、速やかに官沢林道入口を目指します。なお、盤木沢林道出口に掲げられた水源かん養保安林看板記載の地図には、右方向は「沢山林道」とされていますが、ここに林道を示す林道標は設置されていません。青い道標があるだけです。
道から沢山林道を進んでいくと、地図上では県20号線の「遠野トンネル」真上の地点で途中で左折する大滝沢林道(林道標なし)分岐が現れるのでそこは右折。さらに進むとY字分岐となった官沢林道入口にたどり着きます。ここにはゲートがあって、ダートとなっている右折方向が官沢林道ですが、林道標は設置されていないので道間違いには要注意。ちなみに左折方向に進むとR49号線へと抜けられますが、途中にはいわき市の超高密度林道密集地帯が広がっているのもよく知られたところ。というわけでここから官沢林道を進みますが、現在地の標高はおよそ610m。入口からすでに盤木沢林道よりも標高が高いので、紅葉も期待できるかも!

コシアブラ

サンカクヅル
お、林道に黄色がいっぱい! 官沢林道のダートを黄色に染まった黄葉が美しく彩ります。紅葉の時季としては序盤の頃なので黄緑色も多かったですが、雑木の森では黄葉する木の方が多いんですよね。モミジやカエデの燃えるよう鮮やかさとは異なった上品な黄色の美しさといったところかな。
中では木材搬出のため林道に設けられた土場を通過しますが、土場では木材集積のため路肩の雑木が切り払われているので、さすがにこのような場所では紅葉はほとんど見られなかったなぁ・・・。それでもよく眺めてみると、スギの木立に小さくコナラの赤褐色の紅葉が混ざっていたり、赤いツタウルシが絡み付いていたりもします。

ヌルデ

オオマムシグサ
場を過ぎると、淡く黄色く染まった雑木やツル系の小さな黄葉が再び路肩を彩ります。官沢林道は入遠野国有林の植林地帯の真っただ中を進むので、紅葉も林道が燃えるように色づくこともなくささやかな風情ですが、それだけにつぶさに眺めると味わい深かったりもするんだよなぁ。
道伝いに広がるスギの植林をバックにして様々な色が混ざり合った道すがらの紅葉。紅葉と一口に言っても緑、黄緑、褐色、黄、橙、朱、赤、赤紫などなど、様々な色があることに気付かされます。紅葉名所の豪華絢爛な紅葉にはない素朴さと、深まりゆく秋の林道の静けさを感じてやみません。

ツタウルシ
道左手にはコナラが、そして右手にはツタウルシの紅葉がそれぞれ植林の深緑に映えて一際美しかった地点です。このような場所での紅葉は物足りないと思う方もいるでしょうが、暗い植林の中だからこそ美しかったりもします。

クロモジ
林の中で小さなクロモジの若木を見かけましたが、差し込む光で輝く黄葉のなんともきれいなことよ! 黄色が太陽の光を受けて透かされて、この上ない気品のある澄んだ美しさで雑木林を彩ります。まだこれだけ小さい若木なのに、その黄葉は驚くほどの存在感を放っていたのには驚きです。

ヌルデ

ヌルデ

草紅葉

ヌルデ
の後、標高650m前後の尾根筋付近を進んできた官沢林道のダートは下りに転じます。すぐ両脇を植林のスギ林で固められた斜面を下りていきますが、雑木の生えていない日当りの良い区間では薮の中に塊となって自生するウルシ科のヌルデの深い赤が特に目を引きました。くすんだ色で紅葉する薮草の中ではとても目立ちます。

草紅葉
当りと水はけの良い場所を好むというヤマウルシ。植林斜面を蛇行しながら下りていく区間では、小さな背の低い若木が路肩の薮にまとまって大繁殖! なにもない路肩の斜面も、秋のこの時だけはヤマウルシの鮮やかな赤で埋め尽くされるみたい。
りの坂道は続いて標高が徐々に下がってくると、どうしても道すがらの雑木の紅葉にも黄緑系が多くなってきます。最終的には盤木沢林道との三叉路の出合い地点まで標高差140mを下りていきますが、紅葉の色づき状態の変化を感じるには十分な高低差でした。

深紅の紅葉
林地帯の重厚なスギ林に接した斜面伝いに進みますが、橙から赤に色づく小さなヤマウルシがポツポツと生える斜面の足元には、密生する緑の雑草に混ざって驚くほど深紅に深紅している名もなき小さな草も見かけました。雑草でありながら、樹木の紅葉にも引けを取らない見事な赤さに立ち止まって見入ってしまいます。
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