このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

── 南アルプス 北岳 ─


2005年8月6-7日、2日の日程で南アルプス(山梨県:赤石山脈)の北岳へ行ったので、 写真の一部を添えてご紹介します。

コースタイム:
6日・大垣6:00-(名神・中央道)→韮崎IC→芦安P10:10/バス10:40→広河原11:40/45→二俣14:20/40→白根御池小屋15:10
7日・白根御池5:00→肩の小屋7:10/30→頂上8:00/9:00→八本歯のコル10:10/20→二俣11:55→白根御池小屋12:20/50 →広河原15:10→バス停15:20/バス16:00→芦安P17:04→金山沢温泉17:30/18:20→韮崎→大垣23:15
ご注意&お願い:荷物の量や体調、現地の状況に左右されますので、 上記時刻は参考としてください。

─ 現地情報 ─
北岳は標高3192m、富士山に次ぐ国内第二峰。東側登山口の広河原から標高差は約1700m、1泊2日の行程が 組めないことはない。
ところで、登山口の広河原は従来、大量の自家用車で埋まり、駐車場所に苦労した。現在、広河原へのマイカーの 乗り入れは禁止となり、夜叉神峠の手前の芦安からバスで入るようになった。また、身延から 奈良田経由で入る バス路線も開設されている。大垣からなら、戸台から北沢峠でバスを乗り継いで入る方法もある。が、今回は韮崎、 芦安回りで広河原まで入った。
芦安の駐車場とバス乗り場は南アルプス市のHPに案内地図が公開されているので、用意するとよい。シーズン中は、 バス乗り場近くの駐車場は満車となるので、余裕をもって行くこと。我々は、駐車場からバス乗り場まで約10分 かかった。
バスの終点は広河原の三叉路から南へ200m程行ったところに設置されているが、北沢峠への林道のゲートのところ (アルペンプラザ前)で、降ろしてくれるので、北岳へ行くにはここで下車する。従来、バスは野呂川を渡って、 広河原ロッジ前まで行っていたが、現在、広河原ロッジは廃止、取り壊されたとのこと。

─ 白根御池テン場まで ─
林道のゲートを越え、野呂川の吊橋を渡って、登山道に入る。
枝沢を二つ越え、白根御池へ直登する道を右に分ける。大樺沢の水は大量で、ザァザァではなく、ドーッという表現が 適当だろう。
2.5万図を見ながら、歩いているが、地図に記されているのと道が変わっている。出発から1時間半、沢を木橋で対岸へ 渡ると急に水量が減って、伏流となる。はるか上部に雪渓が見える。以前来たときは、もっと下まで雪渓があった。 右手上部に草の斜面が見え、二俣の分岐点に着く。ここから樹林帯の中をトラバースして白根御池のテント場に出る。
─ 白根御池テン場にて ─
白根御池小屋は大雪で倒壊してしまったそうで、只今、新築工事中。今年(2005年)はプレハブの仮設施設で営業中。
明朝4時起床で、なるべく早く出発することにして早々に寝た。
夜、12時ちょっと前、目が覚めたので、外を見ると、満天の星空だった。天の川が見える。天頂やや西寄り、天の川の 中で白鳥が羽を広げて飛んでいる。北東の空のカシオペアがわかる。カシオペアの周辺にアンドロメダ姫やペルセウスが いるのだろうが、さっぱりわからない。星空は秋へと移りかわっている。北の空、東から西へ流れ星が飛んだ。
─ 北岳頂上へ ─
東の空、鳳凰三山の上のオリオンが徐々に消えていく頃、朝食。防寒着を一枚着ないと寒い。
いつもは、のんびり朝寝を決め込むところだが、行程がつまっているので、早く出る。草スベリと称する直登コースを 登る。既に周囲は薄明るくなっているのでヘッドランプを必要としない。周りは一面のお花畑。はるか眼下に白根御池の テント場が見える。

草の野原が減って、道の両側に樹林がせまる頃、上方から順に太陽の光が当たり始めた。振り返って待っていると、 観音岳の右肩から太陽が顔を出した。観音岳の上に浮かんだ雲が光っている。

さらに樹高が低く、疎らになり、樹林帯を抜け出ると、二俣から直登してくる道と合流する。振り返ると池山尾根の 後方に富士山の頂上が顔を出している。周囲がハイマツ帯となり、目立たない小さな花ばかりになる。程なく肩の小屋に 到着。標高3000m。東に地蔵岳のオベリスクが朝日にシルエットとなって浮かび上がっている。既に、標高は鳳凰三山を 越えている。めざす北岳頂上付近は青空をバックに手の届きそうなところにある。はやる気持ちにせかされるように、 頂上へ向かう。
岩塊をひとつ回り込むとたくさんの人が立つ頂上が見える。わずかな登りで、頂上の三角点標石に到着。頂上は南北に 長いが、東西には狭く、とくに東側はスッパリ切れ落ちている。
北に仙丈岳が全容を現しているが、南の間ノ岳は雲の中。富士山は時々、流れ来る雲に隠れるが、頂上部分が雲の上に 出ている。

─ 下山 ─
1時間程頂上にいたが、次第に周囲が雲に覆われてしまった。下山は南、八本歯のコルへ。
北岳山荘への道を分け、八本歯のコルが近くなると、次々ハシゴを下る。八本歯のコル付近の岩の間にたくさんの タカネビランジが咲いている。

前回(19年前)、来たときは花の知識もなかったし、それ以上に花を見る余裕さえなかったのだろう。気づかなかった。
八本歯のコル付近からはバットレスが望まれる。が、まもなく、湧き上がる雲に閉ざされてしまった。道はしばらく ハシゴ場が続く。 慎重に下ったおかげで膝への負担も軽く、膝の関節痛もなく白根御池のテントに戻った。
例年ならもう一泊してのんびり帰るところだが、今回はテントを撤収し下山する。登りの大樺沢とは異なり、尾根を 下るコースをとった。
芦安行のバスは16時。この前が13時25分。下山者が次々下りてくる時間にもかかわらず、間があきすぎている。 乗合タクシーも運行されているが、出発時刻が決まっていて、16時。バスと同じ時刻にしか出ない。結局、甲府駅行を 含め、大型バス7台が連なることとなった。
約1時間で芦安着。駐車場近くの金山沢温泉に寄った。露天風呂もあって悪い温泉ではないが、バスを降りた客が殺到し、 混雑した。韮崎までに他にも入浴施設があるので、混雑をさけるなら、少し離れた温泉に行った方がよいだろう。
帰路、諏訪湖SA内を歩いていると、秋の虫の音がした。

このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください