このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください |
電気で動く動力車は電車も電気機関車も台車内にモータが付いているから、歯車という 比較的簡単な機構で動力を動輪に伝えることができる。これに対して、ディーゼル車の場合は エンジンが車体に固定されているから動力を動輪に伝達する機構が少し複雑になる。
はるか遠い昔、軽便鉄道(小型の蒸気機関車やガソリンカーで運行されていた簡易な鉄道)の 動力車に片ボギー車というのがあった。ボギー車というのは今の電車のように、2軸4輪の 台車2つの上にお客を乗せる車体が載っている構造をいう。曲線路では台車が首を振って、 無理なく通過できるようになっている。一方、小型の貨車は2軸車といって2軸4輪が車体に ガッチリ固定された構造になっている。2軸4輪だから首を振らなくても曲線を回っていく ことができる。
片ボギー車というのはこのボギー車と2軸車を半分ずつ合体したような構造になっている。 お客を乗せる車体は大きい方がたくさんのお客を乗せることができる。ボギー車にしたいのだ が、エンジンを車体床下に吊り下げて固定し、首を振る台車の車軸を駆動するには一工夫が 要る。そこで、駆動輪を車体に固定して、構造を簡易にしたのが片ボギー車。
輸送量が多ければ、軽便鉄道では用をなさないし、輸送量が少なければ、バスなどの道路輸送 に置き換えられてしまう。こうして、軽便鉄道とともに、片ボギー車のような奇妙な車体も消 えていった。
今のディーゼルカー、ディーゼル機関車は殆ど、ボギー車の構造となっている。
エンジン、トルクコンバータは車体に固定されているが、台車は曲線路で首を振るので、推進 軸の両端には十字継手を付け、軸はスプラインといって、外に歯を切った軸と内側に歯を切っ た円筒とを噛み合わせて、動力を伝達しつつ、駆動軸の角度が変わり、しかも、全長が伸縮す るようになっている。
※写真は十字継手の例。両端が十字継手になっている。中央部にスプラインの軸歯が少し 写っている。(鉄道車両とは関係がない)
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