このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

紀勢線全通50周年記念
─ 921/924列車・南紀-はやたま ─



紀勢線は三重県亀山と和歌山県和歌山市を結ぶ384.2km(和歌山 -和歌山市3.3kmを含む)の路線。
尾鷲(おわせ)、熊野、新宮、串本、白浜、紀伊田辺と紀伊半島を海岸線に 沿ってつないでいる。約380kmに及ぶ路線でありながら、三重、 和歌山2県にしかまたがっていないのはこの路線の特徴といえる だろう。
一度に全線が開通したわけではなく、東西から延長されてきた 紀勢東線、西線、新宮周辺の紀勢中線とが次々とつながっていった。
最後に開通したのが1959年7月15日、三木里-(4.1km)-賀田-(4.2km)-二木島 -(4.0km)-新鹿の12.3km区間。
とくに、この区間に点在する漁村は鉄道開通前は「陸の孤島」と呼ばれ、 交通機関は船しかなかった。(国道42号線は矢ノ川(やのこ)峠と いって山の中を越えているので、海岸沿いの集落を結んでいない。)
2000年10月のダイヤ改正まで、全線(+関西線、阪和線)を通し運転する普通列車が運転されていた。
1978年1月の時刻表によると、

921列車
名古屋1521→亀山1651/1712→多気1832/1834→尾鷲2047/2049→熊野市2140/2144 →新宮2221/2240→紀伊勝浦2308/2309→串本2355/2356→白浜109/112 →紀伊田辺127/137→御坊231/240→和歌山350/358→天王寺500

924列車
天王寺2240→和歌山2339/2350→御坊108/110→紀伊田辺205/214 →白浜228/230→串本351/355→紀伊勝浦441/443→新宮510/550 →熊野市628/632→尾鷲726/751→多気1010/1014→亀山1124/1133→名古屋1308

名古屋-天王寺502.1kmを一晩かかって運転されていた。
各駅停車(深夜運転区間は一部快速)でありながら、新宮-天王寺 には寝台車も連結されていた。
寝台券を駅のコンピュータ端末で打出す都合上、列車名「南紀」と 付けられた。和歌山-新宮が電化され、名古屋-新宮の特急列車 に「南紀」と付けられたため、このときに「はやたま」と変更された。
(熊野の「速玉神社」からとった:注)
1979年3月名古屋発天王寺行921列車に全線通して乗車しました。
名古屋から亀山までDD51ディーゼル機関車が牽引します。
写真左:出発待ちの列車(当日の写真がないため、1972年3月撮影の別列車の画像)
写真右:持ち物はこれだけ。カメラと文庫本1冊


亀山で進行方向が変わり、DF50ディーゼル機関車と交替します。
写真下:亀山駅で出発待ち。名古屋出発時は晴れていましたが、途中 から雨。先頭客車は「新宮行」になっています。全車天王寺まで行くわけでは ありません。


写真下左右:牽引機はDF5058号機。客車のデッキから
津付近で日が暮れ、宮川上流の山あいに入って行きます。
紀伊長島から海岸沿いを行きますが、夜のため海の様子はわかりません。
新宮で先頭に寝台車を連結しました。 先頭へ見に行ったときには、連結作業が終わっていて、 機関車が交替したのかどうか定かではありません。 機関車から暖房のスチームが上がっているのを見た記憶があるのですが、 夜間のため写真がありません。
深夜となり、途中駅を通過して和歌山に着きます。
和歌山で(たぶん)再び、機関車交替して、EF58電気機関車に牽引されて天王寺に 向かいます。
夜明けの天王寺に着き、折り返しの阪和線電車で和歌山へ向かい、 和歌山から折り返しの亀山行きに乗り、昼間の紀勢線の風景を眺めて 戻りました。

124列車(こちらが正真正銘、紀勢線全線通し列車)
和歌山市703→和歌山712/727→御坊849/850→紀伊田辺1005/1023 →白浜1045/1047→串本1235/1305→紀伊勝浦1423/1424→新宮1452/1527 →熊野市1604/1606→尾鷲1707/1708→多気1929/19→亀山2031

串本で30分、新宮で35分の停車、「やる気あるのか!」 ってツッコミをいれたくなるようなのんびり列車です。
串本駅で途中下車して駅前散策、新宮でホームのうどん屋で遅い昼食にしました。
周参見(すさみ)、紀伊田原駅でも後から来る特急や急行の 通過待ちで長時間の停車があります。

写真左:紀伊田辺で対向列車と行き違い
写真右:最後尾のデッキからみる駅の風景(江住駅)
写真左:海岸沿いを走ります。
写真右:海岸まで山が迫っているところもあって、山の中へ入っていくところもあります。
入り江でスキューバダイビング(?)をやっているのもみかけました。


注)
寝台車を連結する各駅停車は下表の4列車がありました。
(1978年1月時刻表より)
からまつ南紀(はやたま)山陰ながさき
レ423
小樽21:16
釧路9:30
レ921
名古屋15:21
天王寺5:00
レ827
京都22:02
出雲市9:50
レ421
門司港22:39
長崎6:39
レ424
釧路19:00
小樽6:36
レ924
天王寺22:40
名古屋13:08
レ826
出雲市19:09
京都5:25
レ422
長崎23:00
門司港7:44
428.7km502.1km386.2km266.5km

紀勢線の名古屋-天王寺間の502.1kmは長い!ということになりますが、 これより長距離の列車が山陰線にありました。
831列車
豊岡5:04→門司22:52(535.2km)
824列車
門司5:23→福知山23:50(595.1km)
上下列車とも昼間の運行なので、寝台車を連結しておらず、 列車名がありません。
いずれにしても、急行「桜島・高千穂」と同様、もし、今、走っていたら、 TV番組のネタになったことでしょう。

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