このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください |
DMH17H
DMH17Hという機関が、上野・青森を結ぶ特急「はつかり」用の車両に使うために設計製作 されたことは業界なら誰でも知っている。原型はキハ17型などに使われたタテ型のDMH17C。 タテに8個並んだピストン・シリンダを、DMH17Hは横倒しに配列し直した。
なぜ、こんなことをしたのか。業界の解説誌では振動の特性を改善した、とか書かれている のを見かける。おそらく、そんな効果もあるのだろうが、水平型にしたもっとも大きな理由は、 「客室床面の点検フタをなくす」ことにあったことは間違いない。
一部の私鉄に17Cを搭載した車両が残っているそうだが、17C機関を搭載した車両に乗ったことの ある人ももはや少ないであろう。板(材木)貼の床の客室の中央に大きなフタがあった。
その下からエンジンの音が聞こえてくる。タテ型の機関だからバルブのスキマ調整などで シリンダヘッド(シリンダフタ)カバーを開けるためには、客室の床にフタがなければ作業が できない。
客室の床に点検フタがあれば、機関騒音は客室内に筒抜けである。特急列車に相応しくないのは 当然である。
機関レイアウトを水平型にしたおかげで、車両の下部、側面から作業ができるようになって、 客室の点検フタは必要がなくなった。作業性が良かったのだろうか、以後、ディーゼル動車には 水平型機関を搭載するのが常識になった。
二輪車にも水平型機関を搭載した車両がある。フレームからエンジンを降ろさず、完全整備 できる整備性の良さがひとつの特徴である。
DMH17HS
キハ28/58やキハ80系でおなじみのDMH17Hに過給機を追加した機関があった、 というと驚くであろうか。「試作」ではない、それなりのまとまった数が生産された。もちろん、 鉄道車両に搭載された。
国内にはJNRの工場以外にたくさんの民間の鉄道車両工場が存在する。これらの工場では、 JNRや国内各私鉄の車両を製作しているが、海外輸出車両を受注、製作する場合もある。かつて、 某国向のDC用として、DMH17HSという機関が製作された。
この機関は一部が改良されてDMH17HSAも製作された。
詳細は略すが、過給機を装備し、燃料噴射ポンプを変更(噴射量の多いポンプに)して、 290PS/1800rpmまで増強した機関だった。
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