このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください |
JNRで使われた機関はキハ17からキハ80系のDMH17系を除き、過給機を装備している。機関車用のDMF31S系、 DML61Z系、試作のDMP81Z、気動車用の新系列DMF15HS系、DML30HS系、そして、20系客車などの電源用の DMF31S-G系についても過給機付である。この過給機(ターボチャージャ)、どんな仕掛けなのかといえば、 排気ガスでタービン(羽根車)を回し、タービン軸に直結されたブロア(コンプレッサ・これも羽根車) を回して、エンジンのシリンダに送り込む空気を押し込む(圧縮する)。
何のためにこんなことをするかというと・・・
エンジンの出力(動力)を大きくするためには、燃料を増やさなければならない。たくさんの燃料を燃焼室 に送り込んで、大量の燃料を燃やせば、ピストン・シリンダの中の圧力が上がり、強い力でピストンを押し 下げる。
ところが、燃料を増加するにも限度がある。燃料が燃える、ということは空気中の酸素と化合させることに 他ならないが、燃料と同時に空気も増やしてやらないと、どこかで空気が不足し、不完全燃焼となり、黒い 煙ばかり吐いて、一向に力が出ない、ということになる。
そこで、燃料噴射量を増しても、完全に燃やしきるために、過給機で燃焼室に空気を押し込んでやる。
以前、「空気を増してやると出力が大きくなる」と記述した雑誌を見かけたことがあるが、大変な 思い違いである。空気を増量するだけで出力が大きくできたら、エンジン屋にとって夢のような話である。 「出力を増すためには、燃料を増やしてやらなければならない」どんな理屈よりも単純明快である。
ついでながら、DMH17系のように、過給機を持たず、大気圧におまかせして空気を吸い込むのを「自然吸気」 といい、「ナチュラリ・アスピレイテッド(NA)」という。これを何故か、「ノーマル・アスピレイテッド」 と誤記している例も多く見かける。
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