このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

─ ルドルフ・ディーゼル ─


ディーゼルエンジンを発明したのが、ルドルフ・ディーゼルさんというドイツ人であるというと、 「ディーゼル」というのが人名であることに驚く方がおみえになる。
エンジンの歴史を調べてみると、意外なことに気がつく。彼が本来、燃やしたかったのは、当時 (約100年前)ドイツで産出した良質の石炭だった。最初、石炭を粉末にして圧縮空気と一緒に燃焼室に 送り込んで、燃やそうとした。しかし、この試みは成功しなかった。
そこで、仕方なく、ガソリンを留出した後の重質油を使って、エンジンを運転することを試み、 見事に成功した。このときのエンジンには石炭を燃焼するために装備していた空気圧縮機が付属していた。 実用化された初期のディーゼルエンジンには空気圧縮機が不可欠であった。

この不便を解消するために各社、工夫を凝らすことになった。並んだピストンシリンダ機構の一つを 空気圧縮機にする機械も出現したが、やがて、シリンダヘッド(シリンダフタ)に別室を設け、 この別室に燃料を加圧噴霧して燃やし、このエネルギを使って、ピストンシリンダ機構の主燃焼室へ燃料と 燃焼ガスを噴き出させて空気圧縮機で空気と混ぜて燃料を噴射するのと同じ効果を得る方法へと移行していった。
これが、現在も小型エンジンに使われている予燃焼室式の元祖である。小型の乗用車のディーゼルエンジンには 渦流室式(かりゅうしつしき)が使われている。予燃焼室式と類似の方式である。
同様に、別室をシリンダヘッド側ではなく、ピストンの頂部に設ける手法も現れた。 これが直接噴射式(予燃焼室などをもたず、主燃焼室に燃料を直接、噴射する方式)の元祖である。
JNR向のDMH17系からDML61Z系、試作のDMP81Zに至るまで、すべて、予燃焼室式であった。
なお、キハ85系やDF200など最近、新製される機関は直接噴射式の燃焼室が採用されている。 燃料消費量の少ないことが特徴である。
(添付写真は17C/17H類似機関の予燃焼室噴口)

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