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〜 雪月花 新撰組異聞 編 〜


〜 雪の降る頃 ふたり見ませばいくばくか 〜


〜 後編 〜


少女はゆっくりと後ろを振り向いた。

沖田総司は少女を見る事もなく、楽しそうに子供達のやっている雪合戦を見ている。

少女は寂しそうな表情で、沖田総司の後ろ姿を見ながら呟いた。

「我が背子と ふたり見ませば いくばくか この降る雪の 嬉しくあらまし」

遅れてきた斉藤一が、少女の後ろから声を掛けた。

「寂しそうだな。」

少女は寂しそうに声のする方を振り向いた。

斉藤一は普通の表情のまま、少女を黙って見ている。

少女は斉藤一に寂しそうに話し出す。

「斉藤さん。このお歌は、・・・」

斉藤一は少女を見ながら普通に話し掛ける。

「わかっている。」

少女は心配そうに斉藤一に話し掛ける。

「このお歌は誰かの事を言っている訳ではないです。」

斉藤一は少女を見ながら黙って頷いた。

少女は斉藤一を見ながら心配そうに話し掛ける。

「総司さんには言わないでください。」

斉藤一は少女を見ながら黙って頷いた。

少女は斉藤一に心配そうに話し掛ける。

「総司さんが知ったら、きっと、困まってしまいます。迷惑を掛けてしまいます。お仕事に支障が出たら困ります。」

斉藤一は少女を見ながら普通に話し掛ける。

「心配するな。」

少女は心配そうに斉藤一を見ている。



沖田総司は楽しそうに子供達のやっている雪合戦を見ていたが、少女が戻ってこないので心配そうに後ろを見た。

斉藤一と少女が話しをしている姿が見える。

沖田総司は二人のもとに笑顔で歩き出した。



沖田総司のもとに、少女と斉藤一の話し声が聞こえてきた。

「・・・困ります。」

「心配するな。」

斉藤一は普通の表情のまま、沖田総司を一瞥すると、少女を見た。

少女は後ろ姿のため様子がわからない。

沖田総司が斉藤一を睨んだ。

少女が後ろを振り向くと、沖田総司を見て心配そうに話し出す。

「総司さん。大丈夫ですか?」

沖田総司は少女をいきなり抱き寄せた。

少女は沖田総司の腕の中で驚いている。

沖田総司は少女を抱いたまま、斉藤一を睨んで話し出す。

「斉藤さん! 鈴ちゃんに何を言ったのですか?!」

斉藤一は沖田総司を見ながら黙っている。

沖田総司は少女を抱いたまま、斉藤一を睨んで話し掛ける。

「斉藤さん! なぜ何も言わないのですか?!」

斉藤一は沖田総司を見ながら普通に話し出す。

「俺は何も言っていない。」

沖田総司は少女を抱いたまま、斉藤一を睨んでいる。

少女は沖田総司の腕の中で心配そうに話し掛ける。


「総司さん。斉藤さんは何も言っていません。お話しをしていただけです。喧嘩は駄目です。止めてください。」

沖田総司は少女を抱きながら、心配そうに話し掛ける。

「鈴ちゃん? 本当? 大丈夫?」

少女は沖田総司の腕の中で小さく頷いた。

沖田総司は少女を抱きながら、納得しきれていない表情で斉藤一を見た。

斉藤一は沖田総司を黙って見ている。

少女は沖田総司の腕の中で、心配そうに話し掛ける。

「総司さん。喧嘩は駄目です。早く仲直りしてください。」

沖田総司は少女を抱きながら、斉藤一を睨んで話し掛ける。

「鈴ちゃんに何もしていませんよね?! 困らせたりしていませんよね!」

斉藤一は沖田総司を見ながら黙って頷いた。

沖田総司は顔を赤くすると少女を強く抱きしめた。

少女は驚いた表情で沖田総司の腕の中に居る。

斉藤一は黙って二人の様子を見ている。

沖田総司は赤い顔で少女を強く抱いたまま、斉藤一に話し出す。

「斉藤さん。すいません。鈴ちゃんが、困ります、って言ったから、何かあったのかと思ってしまいました。それで、心配になってしまって、いろいろと言ってしまいました。すいません。」

斉藤一は沖田総司を見ながら普通に話し掛ける。

「俺の事はどうでもいい。気にするな。それより、美鈴さんが苦しそうだ。」

沖田総司は赤い顔のまま自分が抱いている少女の様子を見た。

少女は沖田総司に強く抱かれているため苦しそうに見える。

沖田総司は慌てて少女を離すと、心配そうに話し掛ける。

「鈴ちゃん! 大丈夫?!」

少女は沖田総司を微笑んで見ながら頷いた。

沖田総司は少女を心配そうに見ながら話し掛ける。

「痛いところは無い?」

少女は微笑んで沖田総司を見ながら頷いた。

沖田総司は少女を見ながら心配そうに話し掛ける。

「本当に大丈夫? 念のために医者に行こう。」

少女は沖田総司を微笑んで見ながら話し掛ける。

「大丈夫です。痛いところはないです。怪我もしていないです。お医者さんには行かなくても大丈夫です。」

沖田総司は心配そうに少女を見ている。

少女は微笑んで沖田総司に話し掛ける。

「私は大丈夫です。」

沖田総司は少女を見ながら心配そうに話し掛ける。

「見た様子からは怪我をしているところはないね。」

少女は沖田総司を見ながら心微笑んで頷いた。

沖田総司は少女の様子を心配そうに見ている。

少女は心配そうに沖田総司に話し掛ける。

「総司さん。私は大丈夫です。斉藤さんと早く仲直りしてください。」

沖田総司は斉藤一を心配そうに見た。

斉藤一は普通の表情のまま沖田総司に話し掛ける。

「怒っていない。安心しろ。」

沖田総司は安心した表情で斉藤一に話し掛ける。

「斉藤さん。勘違いしていたとはいえ、酷い事をたくさん言ってしまいました。申し訳ありませんでした。」

斉藤一は沖田総司を見ながら普通に話し掛ける。

「気にするな。」

沖田総司は安心した表情で斉藤一に話し掛ける。

「良かった〜! 怒ったかと思って心配しました〜!」

斉藤一は沖田総司の事を黙って見ている。

沖田総司は嬉しそうに斉藤一と少女を交互に見ている。



子供達は困った様子で三人の様子を外からずっと見ていた。

子供達の一人が話し出す。

「落ち着いたみたいだよ。」

別な子供が話し出す。

「やっと落ち着いたのに、いきなり話し掛けても大丈夫なのかな?」

子供が不思議そうに話し出す。

「少し待った方が良くない?」

子供達の一人が話し出す。

「今回も総司お兄ちゃんの勘違い?」

子供達は全員で顔を見合すと頷いた。

子供の中の一人が不思議そうに話し出す。

「総司お兄ちゃんとお姉ちゃんって本当に友達なの?」

子供達の一人が呆れた様子で話し出す。

「総司お兄ちゃんは、お姉ちゃんを物凄く大切な友達だと言っているよ。一応信じてあげようよ。」

子供達は全員で顔を見合わせながら頷いた。



子供達は様子を見計らって沖田総司に声を掛けた。

「総司お兄ちゃん。僕達そろそろ帰るね。」

沖田総司は子供達を見ると笑顔で話し掛ける。

「またね。」

子供達は笑顔で三人に話し出す。

「また一緒に遊んでください。お願いします。」

沖田総司は笑顔で子供達を見た。

斉藤一は子供達を黙って見ている。

少女は微笑んで子供達を見ている。

子供達は元気に居なくなった。



子供達が居なくなって直ぐの事。

斉藤一が沖田総司と少女に普通に話し掛ける。

「俺も帰る。」

少女が心配そうに斉藤一を見た。

斉藤一は少女を一瞥すると、沖田総司に普通に話し掛ける。

「仕事に行かないといけない。悪いが先に帰る。」

沖田総司は微笑んで斉藤一に話し掛ける。

「ありがとうございました。気を付けてください。」

斉藤一は沖田総司を見ると黙って頷いた。

少女は安心した様子で斉藤一を見ている。

斉藤一は静かに立ち上がると、普通に去っていった。



沖田総司は少女を家に送ると、直ぐに屯所に戻ってきた。

斉藤一は沖田総司を黙って見ている。

沖田総司は微笑んで斉藤一のもとにやってきた。

斉藤一は沖田総司を見ると普通に話し掛ける。

「総司。酒が飲みたいな。」

沖田総司は笑顔で斉藤一に話し掛ける。

「良いですよ。」

斉藤一は沖田総司を見ながら普通に話し出す。

「総司の奢りで飲めるなんて楽しみだな。」

沖田総司は不思議そうに斉藤一を見ている。

斉藤一は沖田総司を見ながら普通に話し掛ける。

「怒っている訳ではないが、奢ってもらうには良い機会かなと思って言ってみた。嫌なら断って良いぞ。俺は怒っていない。奢ってもらえなくても後々何も起こらない。安心しろ。」

沖田総司は斉藤一を苦笑した表情で見ながら話し出す。

「先程のお詫びもあります。奢ります。日付は後で決めるという事で良いですか?」

斉藤一は沖田総司を見ると黙って頷いた。

沖田総司は苦笑しながら斉藤一を見ている。

斉藤一は沖田総司を見ると黙っていなくなった。



斉藤一は土方歳三の部屋にやってきた。

土方歳三が斉藤一を見ると微笑んで話し掛ける。

「来たな。」

斉藤一は土方歳三を見ながら黙って頷いた。

土方歳三が斉藤一を見ると微笑んで話し掛ける。

「いつも付き合ってもらって悪いな。」

斉藤一は土方歳三を見ながら黙って頷いた。

土方歳三は斉藤一に微笑んで話し掛ける。

「雪見酒だな。」

斉藤一は土方歳三を見ながら黙って頷いた。

土方歳三は斉藤一を見ながら微笑んで話し出す。

「俺が奢るから心配するな。」

斉藤一は土方歳三を見ながら普通に話し出す。

「我が背子と ふたり見ませば いくばくか この降る雪の 嬉しくあらまし」

土方歳三は斉藤一を見ると微笑んで話し出す。

「その歌、良いな。俺もそういう歌を贈ってもらいたいな。」

斉藤一は土方歳三に普通に話し掛ける。

「土方さんが望んでいるのは、歌ですか? それとも、相手ですか?」

土方歳三は斉藤一を見ながら微笑んで話し出す。

「どっちだと思う?」

斉藤一は土方歳三を見ながら普通に話し出す。

「土方さんが、こういう歌を贈ってもらうのは、当分先の事の様な気がします。」

土方歳三は苦笑しながら斉藤一を見ている。

斉藤一は土方歳三を普通の表情のまま黙って見ている。



雪を見ると寂しいですか?

それとも、嬉しいですか?

誰と一緒に見ると、雪が降る様子を嬉しく見る事が出来ますか?



〜 完 〜





はじめに       前編       後書き

目次


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