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〜 雪月花 新撰組異聞 編 〜


〜 桜月 花よりほかに知る人もなし 〜


〜 前編 〜


「もろともに あはれと思へ 山桜 花よりほかに 知る人もなし」

「小倉百人一首 第六十六番」、及び、「金葉集」より

作者:前大僧正行尊(さきのだいそうじょうぎょうそん)



今は桜の季節。

京の町には満開の桜の花が咲いている。

沖田総司が京で迎える初めての桜の季節。

少女と出逢ってから迎える初めての桜の咲く季節。



沖田総司と少女は、満開の桜のなかを楽しそうに話しをしながら歩いている。

少女が沖田総司に微笑んで話し掛ける。

「沖田様はお守りを持っていらっしゃらないのですね。」

沖田総司は少女に微笑んで話し掛ける。

「お守りは持たないようにしているんだ。」

少女は沖田総司に不思議そうに話し掛ける。

「なぜですか?」

沖田総司は少女に微笑んで話し掛ける。

「お守りを身に付けていて、もし無くしたら困るだろ。」

少女は沖田総司に不思議そうに話し掛ける。

「沖田様はしっかりとされています。物を無くされるようには見えません。」

沖田総司は少女に苦笑しながら話し掛ける。

「私はしっかりとしていないよ。そそっかしい方なんだ。だから、稽古の時とか気になるとお守りなどを外してしまって、どこかにいってしまう事があるんだ。みんなで大騒ぎをして何度も探していたら、近藤さんに呆れられてしまったんだ。」

少女は沖田総司に不思議そうに話し掛ける。

「沖田様はしっかりとしている方にしか見えません。そそっかしいという話しが、信じられません。」

沖田総司は少女を苦笑しながら見ている。

心地良い風が吹いてきた。

桜の花びらが風に乗って青空へと舞い上がった。

少女は笑顔で沖田総司の腕に掴まると、桜の舞っている様子を見始めた。

沖田総司は少女の様子を微笑んで見ている。

少女は沖田総司の掴まりながら、笑顔で話し掛ける。

「沖田様。綺麗ですね。」

沖田総司は少女を見ながら笑顔で頷いた。

少女は沖田総司の腕に掴まりながら、笑顔で話し出す。

「私は桜が大好きです。」

沖田総司は少女に微笑んで話し掛ける。

「私も桜は大好きだよ。」

少女は沖田総司の腕に掴まりながら、笑顔で話し掛ける。

「沖田様と同じで嬉しいです。」

沖田総司は少女に微笑んで話し掛ける。

「私も鈴ちゃんと同じで嬉しいよ。」

少女は沖田総司の腕に嬉しそうに掴まっている。

沖田総司は微笑んで少女の様子を見ている。

桜の木も、沖田総司と少女に喜んでもらえるように、綺麗な花を咲かせている。



京の町の桜は、次々に満開を迎えている。

少女はいくつかの神社や寺を訪れると、真剣な表情でお守りを見ている。

しかし、お守りを買う事もなく去って行く。



それから何日か過ぎた。

京の町の桜は、少しずつ散り始めている。

少女はある寺を訪れた。

真剣な表情でお守りを選んでいる。

少女はお守りを一つ買った。

お守りを大事そうに懐に仕舞うと、家へと帰っていった。



そんな出来事があったのとは、別な日の事。

少女は桜の散るなかを、沖田総司との待ち合わせの場所へと歩いている。

懐に仕舞ったお守りを、大事そうに確認しながら歩いている。



少女は待ち合わせの場所に到着した。

桜の木の下で沖田総司が来るのを待っている。



それから少し後の事。

沖田総司は少女との待ち合わせの場所に走ってやってきた。

少女は沖田総司を微笑んで見ている。

沖田総司は少女に申し訳なさそうに話し掛ける。

「鈴ちゃん! 遅れた! ごめんね!」

少女は沖田総司に微笑んで話し掛ける。

「私も今着たばかりです。大丈夫です。」

沖田総司は少女に微笑んで話し出す。

「そうなんだ。良かった。」

少女は沖田総司を微笑んで見ている。

沖田総司は少女に微笑んで話し掛ける。

「鈴ちゃん。早く出掛けよう。」

少女は沖田総司に微笑んで話し掛ける。

「沖田様。先日、お守りを持っていないというお話しをしていましたよね。」

沖田総司は少女を見ながら不思議そうに頷いた。

少女は沖田総司に微笑んで話し掛ける。

「私、先日、お・・・」

沖田総司は少女の話しの続きを聞かずに、微笑んで話し出す。

「普段はお守りを持っていないけれど、親からもらったお守りはあるんだ。」

少女は沖田総司の話しを少し驚いた表情で聞いている。

沖田総司は少女の様子を気に留める事もなく、微笑んで話し続ける。

「姉さんはお守りを普段から身につけていないと、意味がないって言うんだ。姉さんの言う事はわかるけど、稽古の時に気になって外して、無くしたと思って大騒ぎをしただろ。それに、仕事の時にお守りを落としてしまうかもしれないだろ。誰が拾うかわからないし、危険だと思わないか?」

少女は沖田総司の話しを考え込んで聞いている。

沖田総司は少女に不思議そうに話し掛ける。

「鈴ちゃん? どうかしたの?」

少女は沖田総司を見ると、微笑んで話し掛ける。

「難しいお話しなので、何と答えて良いのかがわかりませんでした。」

沖田総司は少女に微笑んで話し掛ける。

「仕事の話しは難しいよね。気が付かずに話しをたくさんしてしまったね。ごめんね。」

少女は微笑んで沖田総司を見ながら、ゆっくりと首を横に振った。

沖田総司は少女に笑顔で話し掛ける。

「鈴ちゃん! まだ桜が綺麗に咲いている場所があったんだ! 早く行こう!」

少女は沖田総司を見ながら微笑んで頷いた。



沖田総司と少女は桜の咲く中を、楽しそうに話しをしながら歩いている。

桜の咲くなかでの笑顔の会話が続いている。



少女は家に帰ってきた。

少女の部屋に入ると、お守りを寂しそうに見た。

少女はお守りを見ながら寂しそうに呟いた。

「お守りを渡したら、沖田様に迷惑が掛かるみたい。」

お守りは寂しそうな表情の少女の手の中で、静かに守られている。

少女はお守りを見ながら微笑んで呟いた。

「私が沖田様の代わりに持っている分には、かまわないよね。」

手に持っていたお守りを静かに机に置いた。

いつも自分が見に付けているお守りを手に取ると、申し訳なさそうに見た。

自分の身に付けているお守りを静かに机に置いた。

沖田総司のために買ったお守りを手に取ると、大事そうにお守りを身に付けた。

自分が今まで身に付けていたお守りを手に取ると、箪笥の前に来た。

箪笥の引き出しを開けると、お守りに申し訳なさそうに呟いた。

「忘れないから。覚えているから。ごめんなさい。」

自分が持っていたお守りを、箪笥の中に大事そうに仕舞いこんだ。

少女が見に付けていたお守りは、箪笥の中で静かに少女を見守る事になった。



沖田総司と少女が一緒に迎える初めての桜の季節は、こうして過ぎていった。



そんな出来事があってから、いくつかの月日が過ぎていった。

沖田総司と少女は、一緒に過ごすようになってから、二度目の桜が咲く季節を迎えている。

斉藤一も加わり、三人で過ごす桜の季節を迎えている。



沖田総司、斉藤一、少女の三人は、桜の舞う中に居る。

少女は沖田総司に笑顔で話し出す。

「総司さん。あちらに咲いている桜の花が見たいです。」

沖田総司は少女に笑顔で話し掛ける。

「良いよ! 一緒に行こう!」

少女は沖田総司を笑顔で見ている。

沖田総司は少女に笑顔で手を差し出した。

少女は笑顔で沖田総司の手を取った。

沖田総司は斉藤一に笑顔で話し掛ける。

「斉藤さん! 行きますよ!」

斉藤一は沖田総司を見ると黙って頷いた。

沖田総司、斉藤一、少女は、桜の咲くなかを歩き出した。



少女は沖田総司を笑顔で見ている。

沖田総司は少女を優しく掴んだまま、笑顔で話し掛ける。

「鈴ちゃん! 楽しいね!」

少女は沖田総司を見ながら笑顔で頷いた。

斉藤一は沖田総司と少女の様子を見ながら、普段と同じ表情で歩いている。

桜の咲くなかでの楽しい時間が過ぎていく。



帰る時間になった。

沖田総司は少女に微笑んで話し掛ける。

「鈴ちゃん。家に送っていくよ。」

少女は沖田総司に微笑んで話し掛ける。

「一人で帰れます。大丈夫です。」

沖田総司は少女に微笑んで話し掛ける。

「何かあったら困るから家に送っていくよ。」

少女は沖田総司に不思議そうに話し掛ける。

「何もないと思います。」

沖田総司は顔を赤くしながら、少女に恥ずかしそうに話し掛ける。

「一緒に帰ると、もっとたくさんの話しが出来るよ。」

少女は沖田総司に微笑んで話し出す。

「私も総司さんとたくさんお話しが出来ると嬉しいです。一緒に帰りたいです。」

沖田総司は斉藤一に顔を赤くしながら話し出す。

「斉藤さんも一緒に行きませんか?」

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「俺は先に帰る。」

沖田総司は斉藤一に微笑んで話し掛ける。

「私は鈴ちゃんを送ってから屯所に戻ります。」

斉藤一は沖田総司を見ながら黙って頷いた。

沖田総司と少女は、先に戻る斉藤一を見送った。



斉藤一の姿は見えなくなった。

沖田総司は少女に微笑んで話し掛ける。

「鈴ちゃん。帰ろう。」

少女は沖田総司を見ながら微笑んで頷いた。

沖田総司と少女は、桜の咲くなかを去って行った。



斉藤一が屯所に戻ってきた。

土方歳三が斉藤一を微笑んで見ている。

斉藤一は土方歳三を黙って見ている。

土方歳三は斉藤一に微笑んで話し掛ける。

「楽しかったか?」

斉藤一は土方歳三を黙って見ている。

土方歳三は斉藤一に微笑んで話し掛ける。

「天才的に鈍い奴は、相変わらず鈍いままなんだ。」

斉藤一は土方歳三を黙って見ている。

土方歳三は斉藤一に微笑んで話し掛ける。

「天才的な鈍い奴と付き合うのも大変だな。尊敬するよ。」

斉藤一は土方歳三に普通に話し出す。

「誰の事ですか?」

土方歳三は斉藤一に微笑んで話し掛ける。

「誰の事だろうな?」

斉藤一は土方歳三を黙って見ている。

土方歳三は楽しそうにその場を後にした。



本日の京の町も、満開の桜がたくさん咲いている。

少女は一人で桜を見ている。



斉藤一が少女から少し離れた場所を訪れた。

満開の桜の花のなか、辺りを見回した。

少女が微笑んだ表情で一人で桜の花を見ている姿があった。



少女は懐らお守りを大切そうに取り出すと、微笑んで見ている。

桜の花びらが風で舞いながら、お守りの上に静かに舞い落ちた。

少女はお守りの上に舞い落ちた桜の花びらを手に取ると、微笑んで見ている。

桜の木は風が吹く度に、青空に向けて桜の花びらを舞い上げていく。

少女は桜の花びらの舞う中で微笑んで呟いた。

「もろともに あはれと思へ 山桜 花よりほかに 知る人もなし」

斉藤一は少女の後ろから、静かな声で話し掛けた。

「そうなのか?」

少女は後ろを振り向くと、斉藤一に微笑んで話し掛ける。

「斉藤さん。こんにちは。」

斉藤一は少女とお守りを見ながら、普通に話し掛ける。

「桜以外に知っている奴はいないのか?」

少女は斉藤一に困った表情で話し出す。

「このお守りは・・・」

斉藤一は途中で話しを止めてしまった少女を、黙って見ている。

桜の花びらが風に乗って少女のもとに舞い落ちてきた。

少女は桜の舞い落ちる様子を一瞥すると、斉藤一に微笑んで話し出す。

「このお守りなのですが、昨年知り合った方がお守りを持っていないとお話しをしていたので、差し上げようと思って買いました。その方を守ってくれるのに一番良い神社やお寺がわからなくていろいろとお出掛けしました。このお守りを差し上げる直前に、念のために確認をしました。その方はお守りを持っていると、私にお話しをしました。」

斉藤一は少女の話しを黙って聞いている。

少女は斉藤一に微笑んで話し掛ける。

「良く考えたら、お守りを持っていない訳がないんですよね。」

斉藤一は少女に普通に話し掛ける。

「なぜお守りをあげなかったんだ?」

少女は斉藤一に微笑んで話し掛ける。

「その方はご両親から頂いたお守りを持っているそうです。その方のご両親は幼い頃に亡くなられたそうです。私がお守りを渡したら、その方も困ると思います。」

斉藤一は少女に普通に話し掛ける。

「美鈴さんもお守りを持っているだろ? そのお守りはどうしたんだ?」

少女は斉藤一に微笑んで話し掛ける。

「部屋の中に仕舞ってあります。」

斉藤一は少女に普通に話し掛ける。

「それでいいのか? そいつにとって大切なお守りなら、美鈴さんにとっても大切なお守りだろ。」

少女は斉藤一に微笑んで話し掛ける。

「その方のために買ったお守りを、仕舞う事は出来ませんでした。だから、自分のお守りを仕舞う事にしました。」

斉藤一は少女に普通に話し掛ける。

「自分を守ってくれるお守りだろ。仕舞っても良かったのか?」

少女は斉藤一に微笑んで話し掛ける。

「お守りには謝りました。その方のためなら許してくれると思います。」

斉藤一は少女を黙って見ている。

少女は斉藤一に微笑んで話し掛ける。

「桜以外にも知っている方が増えました。」

斉藤一は少女を見ながら黙って頷いた。

少女は斉藤一を微笑んで見ている。

斉藤一は少女に普通に話し掛ける。

「送っていく。」

少女は斉藤一に微笑んで話し掛ける。

「もう少し桜を見ていきます。」

斉藤一は少女に普通に話し掛ける。

「だったら付き合う。」

少女は斉藤一に微笑んで話し掛ける。

「ありがとうございます。」

斉藤一は少女を見ながら黙って頷いた。



少女は楽しそうに桜の花を見ながら、斉藤一にいろいろと話し掛けている。

斉藤一は少女の話しを聞きながら、相槌をうっている。

桜の花の舞う中で秘密の話しをしている斉藤一と少女。

桜の季節はゆっくりと過ぎていく。



月日は過ぎて、再び桜の咲く季節を迎えた。

沖田総司、斉藤一、少女の周りから、大切な人達が何人かいなくなった。

沖田総司の体調も良くない日があるらしい。

少女は詳しい事がわからずに、沖田総司や斉藤一の事を気に掛けながらの日々を過ごしている。

沖田総司は少女に詳しい話をしていない。

少女は沖田総司を気遣いながらも、微笑んで話しをしている。

沖田総司も少女を気遣いながらも、微笑んで話しをしている。

桜の花が少しずつ満開になろうとしている。



そんなある日の事。

沖田総司と子供達は、満開の桜のなかで楽しそうに遊んでいる。

斉藤一と少女は、満開の桜の木の下で、沖田総司と子供達の遊んでいる様子を見ている。

少女はお守りを懐から取り出すと、心配そうに見た。

斉藤一は少女を黙って見ている。

少女はお守りを見ながら、心配そうに斉藤一に話し出す。

「お守りは本人が持っていないと、守ってくれないのでしょうか? 私が持っているから、守ってくれないのでしょうか?」

斉藤一は少女に普通に話し掛ける。

「そんな事はない。」

少女は斉藤一に悲しそうに話し出す。

「でも、その方は寂しそうにしている事が多くなりました。私が迷惑ばかり掛けているから、お守りも守りきれないのでしょうか?」

斉藤一は少女に普通に話し掛ける。

「そんな事はない。美鈴さんはしっかりとしている。あまり思いつめるな。」

少女は悲しそうにお守りを見ている。

斉藤一は少女に普通に話し掛ける。

「美鈴さん。そんな顔をしていると、総司が心配するぞ。」

少女は斉藤一を見ると、微笑んで頷いた。

斉藤一は少女を黙って見ている。

少女は懐にお守りを大事そうに仕舞いこんだ。



満開の桜の咲く日は、まだ続いている。

しかし、早く咲き始めた桜の木からは、緑色の葉が目立つようになってきた。



子供達は満開の桜のなかで、楽しそうに遊んでいる。

途中で遊びを止めると、話しを始めた。

休憩をする事に決めると、桜の木の下に走りながらやってきた。



子供達の一人が楽しそうに話しを始めた。

「お姉ちゃんって、いつもお守りを肌身離さずに持っているよね。」

別な子供が微笑んで話し出す。

「大切そうに身に着けているよね。」

子供の一人が微笑んで話し出す。

「あのお守りだけど、自分のためのお守りじゃないみたいだよ。」

子供達の一人が不思議そう話し出す。

「どうしてそう思ったの?」

子供達の一人が微笑んで話し出す。

「だって、あのお守りを大切そうに何度も見ているけど、総司お兄ちゃんの前では見せないもん。」

子供達の一人が不思議そうに話し出す。

「お姉ちゃんの持っているお守りだけど、総司お兄ちゃんは知らないみたいだよ。でも、はじめお兄ちゃんは知っているよ。」

子供達の一人が不思議そうに尋ねてくる。

「それって、誰のためのお守りなの?」

子供達の一人は微笑んで話し出す。

「誰って決まっているじゃない。」

子供達の何人かが、微笑んで返事を待っている。

すると、子供達の後ろから、沖田総司が明るい声で話し掛けてきた。

「鈴ちゃんって、誰かのためのお守りを持っているんだ。」

子供達は困った表情で、後ろを振り向いた。

後ろに居たのは当たり前の事だが沖田総司。

沖田総司は微笑んで子供達に話し掛ける。

「斉藤さんは知っているんだ。」

子供達は困った表情で、沖田総司を見ながら頷いた。

沖田総司は複雑な微笑みを子供達に浮かべている。

子供達は心配そうな表情のまま、沖田総司に不思議そうに話し掛ける。

「総司お兄ちゃん。今日は仕事じゃないの?」

沖田総司は子供達に微笑んで話し掛ける。

「もちろん仕事だよ。」

子供達は沖田総司に不思議そうに話し掛ける。

「お仕事の羽織を着ていないね。」

沖田総司は子供達に微笑んで話し掛ける。

「予定より早く終わったから、鈴ちゃんに逢いに行くんだ。」

子供達は沖田総司に心配そうに話し掛ける。

「総司お兄ちゃん。大丈夫?」

沖田総司は子供達に微笑んで話し掛ける。

「大丈夫だよ。」

子供達は心配そうに沖田総司を見ている。

沖田総司は子供達に微笑んで話し掛ける。

「みんな、またね。」

子供達は複雑そうな表情で沖田総司を見ながら頷いた。

沖田総司は満開の桜のなかを、少女の家へと出掛けて行った。



子供達は沖田総司の去っていく様子を見ながら、心配そうに話し出す。

「はじめお兄ちゃんに話しをした方がいいよね。」

子供達は黙って頷いた。

子供達の一人が心配そうに話し出す。

「でも、はじめお兄ちゃんは、今日は仕事をしていると思うよ。」

子供達の一人が心配そうに話し出す。

「今日は無理でも、はじめお兄ちゃんを見つけたら、誰でも良いから話しをする事にしようよ。」

子供達は顔を見合わせながら、心配そうに頷いた。





はじめに        後編        後書き

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