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〜 雪月花 新撰組異聞 編 〜


〜 端月を迎えて少し後の事 恋か隠れる雪を待つとか 〜


〜 改訂版 〜


登場人物

近藤勇、土方歳三、沖田総司、斉藤一、藤堂平助、お孝、子供達



「梅の花 咲けるが中に ふふめるは 恋か隠れる 雪を待つとか」

「万葉集 第十九巻 四二八三番」より

作者:茨田王(まんだのおほきみ)



新しい年を迎えた。



昨年の末、近藤勇の想い人のお雪が亡くなった。



昨年の途中から、お雪の妹のお孝が、お雪の住む家に同居をしていた。



お雪が亡くなった時は落ち着かなかった。

今は、年を越した関係かも知れないが、周りも落ち着いてきた。



近藤勇とお孝は、新年を迎えてから直ぐになるが、付き合うようになった。



お孝はお雪の家に住み続けている。



近藤勇は、多忙のために、お孝の住む家に来ない。

お孝の機嫌が悪い。

近藤勇はお孝の様子に気付かなかない。

土方歳三が近藤勇にお孝について助言した。

お孝は近藤勇に近い内に逢える状況になった。



ここは、京の町。



屯所。



土方歳三の部屋。



土方歳三は普通に居る。

机の上に、文が置いてある。



藤堂平助は部屋を普通に訪れた。



土方歳三は藤堂平助を微笑んで見た。

藤堂平助は土方歳三を不思議な様子で見た。

土方歳三は藤堂平助に微笑んで話し出す。

「平助。近藤さんがお孝さんに宛てた文を書いた。近藤さんから文を預かった。お孝さんに、今日中に文を届けてくれ。」

藤堂平助は土方歳三に不思議な様子で話し出す。

「はい。」

土方歳三は文を取ると、藤堂平助に文を微笑んで渡した。

藤堂平助は土方歳三から文を不思議な様子で受け取った。

土方歳三は藤堂平助を微笑んで見た。

藤堂平助は文を懐に普通に仕舞った。

土方歳三は藤堂平助に微笑んで話し出す。

「昨日、お孝さんが平助に礼を伝えたい内容を話しただろ。お孝さんに文を届けた後に、お孝さんから礼の内容を聞いてくれ。」

藤堂平助は土方歳三に納得した様子で話し出す。

「はい。」

土方歳三は藤堂平助に微笑んで話し出す。

「平助。好きな女性はいないのか?」

藤堂平助は土方歳三を困惑した様子で見た。

土方歳三は藤堂平助を苦笑して見た。

藤堂平助は土方歳三に困惑した様子で話し出す。

「土方さん。何故、今の内容を話したのですか?」

土方歳三は藤堂平助に苦笑して話し出す。

「深い意味は無い。」

藤堂平助は土方歳三に困惑して話し出す。

「失礼しました。お孝さんの家に直ぐに行きます。」

土方歳三は藤堂平助に微笑んで頷いた。

藤堂平助は土方歳三に普通の表情で軽く礼をした。

土方歳三は藤堂平助に微笑んで頷いた。



藤堂平助は部屋から普通に出て行った。



少し後の事。



ここは、お孝の住む家。



玄関。



藤堂平助は普通に訪れた。



お孝は微笑んで訪れた。



藤堂平助はお孝に普通の表情で軽く礼をした。

お孝は藤堂平助に嬉しく話し出す。

「平助さん! こんにちは!」

藤堂平助はお孝に微笑んで軽く礼をした。

お孝は藤堂平助を不思議な様子で見た。

藤堂平助はお孝に微笑んで話し出す。

「近藤さんからの文を預かりました。」

お孝は藤堂平助を不思議な様子で見た。

藤堂平助は懐から文を取り出すと、お孝に文を微笑んで渡した。

お孝は藤堂平助から文を微笑んで受け取った。

藤堂平助はお孝を微笑んで見た。

お孝は文を持ち、藤堂平助に微笑んで話し出す。

「平助さん。家に上がって。」

藤堂平助はお孝に微笑んで軽く礼をした。



藤堂平助は家の中に微笑んで入って行った。

お孝は文を持ち、家の中に微笑んで入って行った。



僅かに後の事。



ここは、お孝の住む家。



客間。



お孝は文を笑顔で読んでいる。

藤堂平助は微笑んで居る。



お孝は文を読み終わると、藤堂平助を見て、藤堂平助に微笑んで話し出す。

「近藤さんの書いた文に、歌が書いてあるの。」

藤堂平助はお孝に微笑んで話し出す。

「近藤さんが文に書いた歌。差し支えなければ教えてください。」

お孝は文を持ち、藤堂平助に微笑んで話し出す。

「“梅の花 咲けるが中に ふふめるは 恋か隠れる 雪を待つとか”。」

藤堂平助は微笑んでお孝に話し出す。

「どちらなのでしょうか?」

お孝は文を持ち、藤堂平助を不思議な様子で見た。

藤堂平助はお孝に不思議な様子で話し出す。

「ご希望があれば、歌の意訳をします。」

お孝は文を持ち、藤堂平助に苦笑して話し出す。

「大丈夫。歌の意味は分かるわ。もちろん。恋に決まっているわ。」

藤堂平助はお孝を微笑んで見た。

お孝は文を持ち、藤堂平助に微笑んで話し出す。

「平助さん。近藤さんが文に書いた歌を掲載している歌集。分かる?」

藤堂平助はお孝に微笑んで話し出す。

「万葉集だと思います。間違っていると迷惑が掛かります。確認します。」

お孝は文を持ち,藤堂平助に微笑んで話し出す。

「近藤さんに近い内に逢えるの。近藤さんに確認するわ。」

藤堂平助はお孝に微笑んで軽く礼をした。

お孝は文を持ち、藤堂平助に不思議な様子で話し出す。

「平助さん。話し方が以前と違うわ。何か遇ったの?」

藤堂平助はお孝に微笑んで話し出す。

「お孝さんは、好きな男性に逢いました。お孝さんは近藤さんと付き合っています。良い男性に逢うために、いろいろな方達と共に出掛けた頃と違う立場になりました。」

お孝は文を持ち、藤堂平助に寂しく拗ねた様子で話し出す。

「つまらない〜 寂しいな〜」

藤堂平助はお孝を苦笑して見た。

お孝は文を持ち、藤堂平助に拗ねて話し出す。

「近藤さんは〜 何時も仕事だから家に来ないもん〜」

藤堂平助はお孝に微笑んで話し出す。

「近藤さんは忙しい人物です。理解をお願いします。」

お孝は文を持ち、藤堂平助に拗ねて話し出す。

「平助さんに言われなくても分かっているわ〜 でもね〜 近藤さんと付き合って〜 立派な家に住むと〜 気を遣う時が多いんだ〜 着物とか〜 買う物とか〜 出掛ける時とか〜 他にもいろいろあるんだ〜 気付かない内容が無いか気になる時が増えたの〜」

藤堂平助はお孝を微笑んで見た。

お孝は文を持ち、藤堂平助に寂しく話し出す。

「一番に寂しい時は、一人で居る時間が多くなってしまった、なの。つまらないの。」

藤堂平助はお孝に微笑んで話し出す。

「私で良ければ、一緒に出掛けます。」

お孝は文を持ち、藤堂平助に笑顔で話し出す。

「本当?!」

藤堂平助はお孝に微笑んで話し出す。

「はい。」

お孝は文を持ち、藤堂平助を笑顔で見た。



少し後の事。



ここは、町中。



藤堂平助は微笑んで歩いている。

お孝も微笑んで歩いている。



お孝は京の町を笑顔で見た。

藤堂平助はお孝を気にしながら、お孝と辺りを微笑んで見ている。

お孝は藤堂平助を見ると、藤堂平助に微笑んで話し出す。

「平助さん。戻ろう。」

藤堂平助はお孝に不思議な様子で話し出す。

「出掛けてから、多くの時間が経っていません。」

お孝は藤堂平助に微笑んで話し出す。

「大丈夫。楽しい時間が過ごせたわ。平助さん。ありがとう。」

藤堂平助はお孝に微笑んで軽く礼をした。

お孝は藤堂平助を微笑んで見た。



少し後の事。



ここは、お孝の住む家。



玄関。



藤堂平助は微笑んで居る。

お孝は微笑んで居る。



お孝は籐堂平助に微笑んで話し出す。

「今までのお礼を伝えるのを忘れていた。」

藤堂平助はお孝を思い出し様子で見た。

お孝は藤堂平助に微笑んで話し出す。

「平助さん。忙しいのに、一緒にいろいろな所に出掛けてくれました。本当に楽しかったです。本当にありがとうございました。」

藤堂平助はお孝に微笑んで話し出す。

「私も楽しかったです。ありがとうございました。」

お孝は藤堂平助に微笑んで話し出す。

「平助さん。新しい好きな女性は現れた?」

藤堂平助はお孝を寂しく見た。

お孝は藤堂平助に微笑んで話し出す。

「早く新しい恋を見付ける方が良いよ。相談に乗るよ。」

藤堂平助はお孝に苦笑して軽く礼をした。

お孝は藤堂平助を微笑んで見た。



藤堂平助は微笑んで居なくなった。



数日後の事。



近藤勇とお孝が出掛ける日になる。



ここは、屯所。



近藤勇の部屋。



近藤勇は普通に居る。

土方歳三は微笑んで居る。



近藤勇は土方歳三に普通に話し出す。

「歳。何か起きた時は、俺を遠慮せずに呼べ。」

土方歳三は近藤勇に微笑んで話し出す。

「余程の出来事が起きなければ呼ばない。」

近藤勇は土方歳三に普通に話し出す。

「歳。気を遣うな。」

土方歳三は近藤勇に微笑んで話し出す。

「今日は、二人が付き合ってから、長い時間を掛けて過ごす初めての日だ。重大な出来事に該当しないのに、近藤さんを呼んだら、お孝さんの機嫌が更に悪くなる。直ぐに別れるならば、気遣いは要らないが、近藤さんには直ぐに分かれる考えは無いのだろ。以上の理由から、今回は余程の出来事が起きなければ呼ばない。」

近藤勇は土方歳三を苦笑して見た。

土方歳三は近藤勇に微笑んで話し出す。

「近藤さん。お孝さんの機嫌を良くして戻ってきてくれ。俺の希望する内容は、立派な任務だ。心配せずに出掛けてくれ。早く出掛けてくれ。」

近藤勇は土方歳三に苦笑して話し出す。

「歳。行ってくる。」

土方歳三は近藤勇に微笑んで頷いた。



近藤勇は部屋を普通に出て行った。

土方歳三は部屋を微笑んで出て行った。



僅かに後の事。



ここは、お孝の住む家。



お孝の部屋。



たくさんの着物が広がっている。



お孝は着物を嬉しい様子で選んでいる。

お孝は一枚の着物を笑顔で見た。

お孝は一枚の着物を見て、笑顔で声を出す。

「決めた!」

お孝は着物を笑顔で片付けた。



少し後の事。



ここは、お孝の住む家。



玄関。



近藤勇は微笑んで訪れた。



お孝は笑顔で訪れた。



近藤勇はお孝を微笑んで見た。

お孝は近藤勇に抱き付くと、近藤勇に嬉しく話し出す。

「近藤さん! 遅かったよ!」

近藤勇はお孝を抱いて、お孝に微笑んで話し出す。

「約束の時間には遅れていないと思う。」

お孝は近藤勇に抱き付いて、近藤勇に拗ねて話し出す。

「近藤さんをずっと待っていたんだよ〜 遅かったよ〜」

近藤勇はお孝を抱いて、お孝に微笑んで話し出す。

「待たせて悪かった。」

お孝は近藤勇に抱き付いて、近藤勇に微笑んで頷いた。

近藤勇はお孝をゆっくりと離すと、お孝に微笑んで話し出す。

「出掛けよう。」

お孝は近藤勇に笑顔で頷いた。

近藤勇はお孝を微笑んで見た。



少し後の事。



ここは、梅の花の咲く場所。



時期が早いのか、綺麗に咲く梅の花の他に、つぼみの梅もたくさんある。



近藤勇は微笑んで来た。

お孝は微笑んで来た。



お孝は梅を残念な表情で見た。

近藤勇はお孝に申し訳なく話し出す。

「仕事の都合で梅の見頃に合わせられなかった。申し訳ない。」

お孝は近藤勇を見ると、近藤勇に微笑んで話し出す。

「近藤さん。仕方が無いよ。気にしないで。」

近藤勇はお孝に微笑んで話し出す。

「ありがとう。」

お孝は近藤勇に微笑んで話し出す。

「近藤さん。私に宛てた文に書いたあった歌の掲載している歌集。知りたいの。」

近藤勇はお孝に微笑んで話し出す。

「万葉集だ。」

お孝は近藤勇に微笑んで話し出す。

「“梅の花 咲けるが中に ふふめるは 恋か隠れる 雪を待つとか”。」

近藤勇はお孝に微笑んで話し出す。

「歌を覚えたのか。」

お孝は近藤勇に笑顔で話し出す。

「もちろん!」

近藤勇はお孝を微笑んで見た。

お孝は近藤勇の手を握ると、近藤勇に微笑んで話し出す。

「近藤さん! 少し離れた場所に植わる梅を見たいな!」

近藤勇はお孝に微笑んで頷いた。



お孝は近藤勇の手を握り、楽しく歩き出した。

近藤勇は微笑んで歩き出した。



直後の事。



ここは、梅の花の咲く場所。



時期が早いのか、綺麗に咲く梅の花の他に、つぼみの梅もたくさんある。



沖田総司は微笑んで居る。

斉藤一は普通に居る。

子供達は笑顔で居る。



近藤勇とお孝は、沖田総司、斉藤一、子供達に、気付いていない。



子供達が近藤勇を指して、沖田総司に微笑んで話し出す。

「総司お兄ちゃん。総司お兄ちゃんより偉い人物だよね。」

沖田総司は近藤勇を見ると、子供達を見て、子供達に微笑んで頷いた。

子供達は近藤勇とお孝を見ながら、沖田総司に不思議な様子で話し出す。

「一緒に居るお姉ちゃん。お雪お姉ちゃんの妹だよね。」

沖田総司は子供達に微笑んで話し出す。

「お雪さんの妹だよ。お孝さんだよ。」

子供達は沖田総司に不思議な様子で話し出す。

「お孝お姉ちゃん。総司お兄ちゃんより偉い人物に、対等な様子で話しているよ。」

沖田総司は近藤勇とお孝を苦笑して見た。

子供達は沖田総司に不思議な様子で話し出す。

「平助お兄ちゃんと一緒だった時も、今の様子と同じだったよ。」

沖田総司は子供達を苦笑して見た。

子供達は沖田総司に不思議な様子で話し出す。

「お孝お姉ちゃんは、凄いね。」

沖田総司は子供達に苦笑した表情で頷いた。

子供がお孝を見ながら、不思議な様子で呟いた。

「同じお姉ちゃんだけど、違うね。」

沖田総司は子供達を赤面して見た。

子供達は沖田総司を不思議な様子で見た。

沖田総司は斉藤一を赤面して見た。

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「俺に話があるのか?」

沖田総司は斉藤一を赤面して見ている。

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「赤面する暇があるならば、早く行け。」

子供達は沖田総司に笑顔で話し出す。

「待たせたら駄目だよ〜!」

「寂しがっているよ〜!」

「早く行った方が良いよ〜!」

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「同意の意見が続く。総司。早く行け。」

沖田総司は斉藤一と子供達に赤面して話し出す。

「斉藤さん。みんな。私は、一言も話していないよ。」

子供達は沖田総司に不思議な様子で話し出す。

「違うの?」

「仕事なの?」

「帰るの?」

「がっかりだな〜」

沖田総司は子供達を赤面して見た。

子供達は沖田総司に呆れた表情で話し出す。

「僕達が話す内容は合っているんだ〜」

沖田総司は子供達に赤面して話し出す。

「みんな。ご免ね。」

子供達は沖田総司に笑顔で話し出す。

「気にしていないよ!」

「早く出掛けて!」

「はじめお兄ちゃんがいるから大丈夫だよ! 安心して出掛けて!」

沖田総司は斉藤一に赤面して話し出す。

「斉藤さん。お願いします。」

斉藤一は沖田総司に普通の表情で頷いた。



沖田総司は赤面して急いで居なくなった。



子供達は沖田総司を不思議な様子で見た。

斉藤一は沖田総司を普通の表情で見ている。

子供達は斉藤一を見ると、斉藤一に不思議な様子で話し出す。

「はじめお兄ちゃん。総司お兄ちゃんは、今日も直ぐに居なくなったね。」

斉藤一は子供達に普通の表情で頷いた。

子供達は斉藤一に微笑んで話し出す。

「僕達は遊びを続けたいです。一緒に居てください。」

斉藤一は子供達に普通の表情で頷いた。

子供達は笑顔で遊び始めた。



斉藤一は子供達から少し離れた。



子供達は笑顔で遊んでいる。



斉藤一は子供達を普通の表情で見た。



僅かに後の事。



ここは、梅の花の咲く場所。



時期が早いのか、綺麗に咲く梅の花の他に、つぼみの梅もたくさんある。



近藤勇は微笑んで居る。

お孝は梅の花を微笑んで見ている。



お孝は近藤勇を見ると、近藤勇に微笑んで話し出す。

「近藤さん。梅の花はしっかりと見たわ。」

近藤勇はお孝を微笑んで見た。

お孝は近藤勇に微笑んで話し出す。

「近藤さん。お汁粉が食べたいな。」

近藤勇はお孝に微笑んで頷いた。

お孝は近藤勇の手を握ると、近藤勇に笑顔で話し出す。

「近藤さん! 美味しいと評判のお汁粉のお店があるの! 一緒に行こう!」

近藤勇はお孝に微笑んで頷いた。

お孝は近藤勇の手を握り、近藤勇に笑顔で話し出す。

「近藤さん! 美味しいと評判のお店のお汁粉を食べられなかった時は、近藤さんの責任だよ! 早く行こう!」

近藤勇はお孝に微笑んで話し出す。

「お孝に責められるのはとても困る。早く行こう。」

お孝は近藤勇の手を離すと、近藤勇を微笑んで見た。

近藤勇はお孝を微笑んで見た。



お孝は微笑んで歩き出した。

近藤勇も微笑んで歩き出した。



梅の花の咲く中に、梅のつぼみがある。

何故なのか?

恋をしているからなのか?

雪を待っているからなのか?

該当する場所には、雪の降る様子は感じられない。

該当する場所は、梅のつぼみの開く気配の温かさになっている。




*      *      *      *      *      *




ここからは後書きになります。

この物語は、既に掲載している物語の改訂版です。

改訂前の物語の展開や雰囲気を出来るだけ残して改訂しました。

改訂前の物語を掲載するのは止めました。

以上、ご了承願います。

ここからは改訂前の後書きを加筆訂正して書きます。

この物語の中に登場する歌は「万葉集 第十九巻 四二八三番」

「梅の花 咲けるが中に ふふめるは 恋か隠れる 雪を待つとか」

ひらがなでの読み方は「うめのはな さけるがなかに ふふめるは こひかこもれる ゆきをまつとか」

作者は「茨田王(まんだのおほきみ)」

歌の意味は「梅の花が咲いている中に、つぼみのままのものがあるのは、恋をしているからなのか、雪を待っているのか・・・・・・」となるそうです。

原文は「梅花 開有之中尓 布敷賣流波 戀哉許母礼留 雪乎持等可」

天平勝宝五年(753年)一月四日に石上朝臣(いそのかみのあそみ)宅嗣(やかつぐ)のお宅での宴会に詠まれた歌です。

この物語の補足です。

近藤勇さんとお雪さんの妹のお孝さんの付き合う物語は、「新撰組異聞 端月を迎えて少し後の事」、「新撰組異聞 端月を迎えて少し後の事 その後」、で既に少しずつですが書いています。

この物語は、それから更に日付が少し過ぎた頃です。

お孝さんは、お雪さんの体調の悪い時に、沖田総司さんと鈴ちゃんが遊びに来ると気を遣って出掛けていました。

藤堂平助さんは、その時の相手を何度か務めました。

お礼のために家に呼んだのに、たいした挨拶をしなかったのは、悪気はなく、お孝さんの性格だと思ってください。

藤堂平助さんは理解をしているので、何も言わない状況だと思ってください。

実際の近藤勇さんとお孝さんが付き合ったのは、お雪さんが生きている最中の事でした。

お雪さんが病気のために医者に出掛けている最中にいろいろとあって、付き合う事になったそうです。

それだとあまりに酷いと感じたので、お雪さんが亡くなって直ぐとはなりましたが、付き合うという設定で物語を進める事にしました。

「端月(たんげつ)」についてです。

「端」の字には「はじめ」の意味があるそうです。

そこから、「陰暦正月の異称」となります。

楽しんで頂けると嬉しいです。





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