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〜 雪月花 新撰組異聞 編 〜


〜 端月を迎えて少し後の事 つとと名付けて 〜


〜 改訂版 〜


登場人物

近藤勇、土方歳三、沖田総司、斉藤一、お孝



「梅の花 まづ咲く枝を 手折りてば つとと名付けて よそへてむかも」

「万葉集 第十巻 二三二六番」より

作者:詠み人知らず



近藤勇が身請けしたお雪が、昨年の終わりに亡くなった。



今は、お雪が亡くなってから初めて迎えた年の最初の月になる。



近藤勇とお雪の妹のお孝は、お雪が亡くなって間もない状況ではあったが、付き合うようになった。



お孝は、お雪の家に途中から一緒に住んだ。

お孝は、お雪の亡くなった後は、お雪の家に一人で住んでいる。

近藤勇は忙しいため、お雪の生きていた頃から、家を訪れる機会は少なかった。

近藤勇とお孝が付き合うようになった以降も変わらない。

近藤勇は、お孝のために、文をこまめに書いて贈っている。

お孝は近藤勇の文を何時もふてくされた様子で読んでいる。



近藤勇とお孝が、一緒に出掛ける日があった。

お孝は近藤勇と楽しい様子で出掛けた。

お孝は、近藤勇と出掛けた日より後は、近藤勇からの文に返事を直ぐに書いて、文を持って来た隊士に預けた。



お孝は、多くの日付が過ぎる前に、文の返事を直ぐに書くのを止めてしまった。



数日後の事になる。



ここは、京の町。



お孝の住む家。



玄関。



隊士は困惑した様子で居る。

お孝はふてくされた様子で居る。



隊士は懐から文を取り出すと、お孝に困惑して渡した。

お孝は隊士から文をふてくされた様子で受け取った。

隊士はお孝を困惑して見た。

お孝は文を持ち、隊士にふてくされた様子で話し出す。

「文の返事は無いわ。帰って良いわよ。」

隊士はお孝に困惑とした様子で軽く礼をした。

お孝は文を持ち、隊士にふてくされた様子で頷いた。



隊士は困惑した様子で居なくなった。



お孝は文を持ち、文を普通に開いた。

お孝は文を持ち、文をふてくされた様子で読んだ。

お孝は文を持ち、文を見ながら、ふてくされた様子で呟いた。

「逢えない理由は、仕事が忙しい、のみしか書いていない。普通の理由だわ。出掛けた途端に、文の数が減った、逢わなくなった。近藤さん。何故なの?」

お孝は文を持ち、ため息を付いた。



数日後の事。



近藤勇、土方歳三、斉藤一は、任務の関係の宴席に出席する状況になった。



ここは、料亭。



一室。



幾人かの姿が見える。

膳の上には、美味しい肴が載っている。



近藤勇は杯の酒を普通の表情で飲んでいる。

土方歳三も杯の酒を普通の表情で飲んでいる。

斉藤一も杯の酒を普通の表情で飲んでいる。



太夫は微笑んで対応している。



近藤勇は杯の酒を飲みながら、太夫を見ると、土方歳三の耳元で微笑んで囁いた。

「土方君。さすが太夫だ。綺麗だな。」

土方歳三は杯の酒を飲みながら、太夫を見ると、近藤勇の耳元で微笑んで囁いた。

「太夫は確かに綺麗です。私も同意します。局長には、大切な女性が居ます。私が詳しく話さなくても、分かっていますよね。」

近藤勇は杯の酒を飲みながら、土方歳三に苦笑して頷いた。

土方歳三は杯の酒を飲みながら、近藤勇を微笑んで見た。

近藤勇は杯の酒を飲みながら、太夫を微笑んで見た。

土方歳三は杯の酒を飲みながら、近藤勇を怪訝な表情で見た。

近藤勇は杯の酒を飲みながら、土方歳三を見ると、土方歳三に苦笑して話し出す。

「綺麗なので、見惚れてしまった。悪かった。」

土方歳三は杯の酒を飲みながら、近藤勇の耳元で微笑んで囁いた。

「局長。私の先程から話す内容。分かりますよね。」

近藤勇は杯の酒を飲みながら、土方歳三に苦笑して頷いた。

土方歳三は杯の酒を飲みながら、近藤勇の耳元で微笑んで囁いた。

「安心しました。」

斉藤一杯の酒を飲みながら、近藤勇、土方歳三、太夫を普通の表情で見た。



暫く後の事。



ここは、町中。



近藤勇は微笑んで歩いている。

土方歳三も微笑んで歩いている。

斉藤一は普通に歩いている。



土方歳三は近藤勇を呆れた様子で見た。

近藤勇は土方歳三を苦笑して見た。

土方歳三は近藤勇に呆れた様子で話し出す。

「近藤さんはお孝さんと付き合っている。綺麗な女性を見る度に、笑顔で見る、笑顔で話し掛ける。止めて欲しい。」

近藤勇は土方歳三に苦笑して話し出す。

「綺麗な女性に、綺麗だと伝える。綺麗な女性を見る。変かな?」

土方歳三は近藤勇に呆れた様子で話し出す。

「近藤さんの場合は、抑え気味で普通になる。」

近藤勇は土方歳三に不思議な様子で話し出す。

「歳も太夫に綺麗だと笑顔で伝えた。歳も太夫に笑顔で話した。太夫は喜んでいた。俺は歳と同じ言動は出来ないのか?」

土方歳三は近藤勇を呆れた様子で見た。

近藤勇は斉藤一に微笑んで話し出す。

「斉藤。近い内に、文を届けて欲しい。頼む。」

斉藤一は近藤勇に普通に話し出す。

「誰に宛てる文を届けるのですか?」

近藤勇は斉藤一に苦笑して話し出す。

「決まっているだろ。」

斉藤一は近藤勇に普通に話し出す。

「お断りします。」

近藤勇は斉藤一に不思議な様子で話し出す。

「何故、直ぐに断る?」

斉藤一は近藤勇に普通に話し出す。

「文を届ける人物を直ぐに話さないからです。」

土方歳三は近藤勇と斉藤一を苦笑して見た。

近藤勇は斉藤一に不思議な様子で話し出す。

「斉藤。土方から頼まれた文は、幾度も届けているだろ。」

土方歳三は近藤勇に呆れた様子で話し出す。

「俺は独身。誰と親しくしても、誰と付き合っても、問題が無い。」

近藤勇は土方歳三と斉藤一を不思議な様子で見た。

土方歳三は近藤勇に普通に話し出す。

「近藤さん。お孝さんについて考える時間を増やして欲しい。」

近藤勇は斉藤一を考えながら見た。

斉藤一は近藤勇に普通の表情で軽く礼をした。

近藤勇は土方歳三と斉藤一を考えながら見た。



翌日の事。



ここは、お孝の住む家。



玄関。



隊士は文を持ち、普通に居る。

お孝は微笑んで居る。



隊士はお孝に文を普通に渡した。

お孝は隊士から、文を微笑んで受け取った。

隊士はお孝を普通の表情で見た。

お孝は文を持ち、文を微笑んで読んだ。

隊士はお孝を普通の表情で見ている。

お孝は文を持ち、文を不機嫌に読んだ。

隊士はお孝を困惑して見た。

お孝は文を持ち、隊士を見ると、隊士に不機嫌に話し出す。

「帰って良いわよ!」

隊士はお孝に困惑して軽く礼をした。



隊士は困惑して居なくなった。



お孝は文を持ち、文を見て、不機嫌に呟いた。

「一体、何なのよ。」



お孝は文を持ち、家の中に不機嫌に入って行った。



翌日の事。



ここは、梅の花の咲く場所。



近藤勇は微笑んで来た。

沖田総司も微笑んで来た。

斉藤一は普通に来た。



沖田総司は近藤勇に微笑んで話し出す。

「お孝さんが梅の花の贈り物を喜んでくれると良いですね。」

近藤勇は沖田総司に微笑んで頷いた。

沖田総司は近藤勇に微笑んで話し出す。

「近藤さん。お孝さんに贈る歌は何ですか?」

近藤勇は沖田総司に微笑んで話し出す。

「“梅の花 まづ咲く枝を 手折りてば つとと名付けて よそへてむかも”。」

沖田総司は斉藤一に微笑んで話し出す。

「斉藤さん。今の歌に合う梅はありますか?」

斉藤一は前を普通に指した。

沖田総司は前を微笑んで見た。

斉藤一は前を差すのを止めると、沖田総司を普通の表情で見た。

沖田総司は前を見ながら、斉藤一に微笑んで話し出す。

「本当です。歌に合います。」

斉藤一は沖田総司に普通の表情で頷いた。

沖田総司は近藤勇を見ると、近藤勇に微笑んで話し出す。

「近藤さん。今の歌に合う場所に行きましょう。」

近藤勇は沖田総司に微笑んで頷いた。



少し後の事。



ここは、梅の花の咲く場所。



近藤勇は梅の小枝を持ち、微笑んで居る。

沖田総司は微笑んで居る。

斉藤一は普通に居る。



近藤勇は梅の小枝を持ち、沖田総司と斉藤一に微笑んで話し出す。

「私はお孝の家に直ぐに行く。総司。斉藤。焦らずに戻って良い。少しだけならば、寄り道をしても構わない。」

沖田総司は近藤勇に微笑んで話し出す。

「分かりました。」

斉藤一は近藤勇に普通の表情で軽く礼をした。

近藤勇は梅の小枝を持ち、沖田総司と斉藤一を微笑んで見た。



近藤勇は梅の小枝を持ち、微笑んで居なくなった。



沖田総司は斉藤一を笑顔で見た。

斉藤一は沖田総司を普通の表情で見た。

沖田総司は斉藤一に笑顔で話し出す。

「斉藤さん! 近藤さんから許可が出ました! 一緒に出掛けましよう!」

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「総司。真っ先に出掛けなければならない場所が在る。」

沖田総司は斉藤一を赤面して見た。

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「総司。俺が一緒に居ない状況が良い場合は、直ぐに居なくなる。」

沖田総司は斉藤一に赤面して話し出す。

「斉藤さん。一緒に居てください。」

斉藤一は沖田総司に普通の表情で頷いた。

沖田総司は斉藤一を赤面して見た。

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「総司。出掛ける前に、梅の小枝を用意する。今の居る場所の梅の小枝を譲ってもらう話は付けてある。梅の小枝を直ぐに選ぶ。」

沖田総司は斉藤一に赤面して話し出す。

「斉藤さん。気遣いありがとうございます。」

斉藤一は沖田総司に普通の表情で頷いた。



直後の事。



ここは、お孝の住む家。



縁。



お孝は考えながら居る。



お孝は意を決したように呟いた。

「我慢できない。決めたわ。」



お孝は真剣な表情で歩き出した。



少し後の事。



ここは、お孝の住む家。



玄関。



近藤勇は微笑んで居る。



手伝いの女性が、困惑して様子で来た。



近藤勇は手伝いの女性を不思議な様子で見た。

手伝いの女性は近藤勇を困惑した様子で見た。



僅かに後の事。



ここは、お孝の住む家。



お孝の部屋。



近藤勇は部屋の中に普通に入った。



お孝は部屋の中の荷物を普段に片付けている。



近藤勇はお孝に不思議な様子で話し出す。

「お孝。何をしている?」

お孝は荷物の片付けを止めると、近藤勇を見て、近藤勇に微笑んで話し出す。

「荷物を片付けているの。帰るならば、荷物は少ない方が良いものね。」

近藤勇はお孝に僅かに驚いた様子で話し出す。

「帰る? 何処に?」

お孝は近藤勇に微笑んで話し出す。

「勿論。大坂よ。」

近藤勇はお孝に僅かに驚いた様子で話し出す。

「お孝。何が遇った?」

お孝は近藤勇に微笑んで話し出す。

「近藤さんは、何時も任務が忙しいから、逢いに来ないわ。私は、任務で忙しい近藤さんに、無理を言うのは止める考えに変えたの。近藤さんは、時間が有る時も、私に逢いに来ないわ。私は、時間の有る時ならば、私に逢に来ても良いと思っているの。」

近藤勇はお孝に心配して話し出す。

「お孝を一人で過ごさせる時間が多くなっていた。何時も申し訳ないと思っている。」

お孝は近藤勇に微笑んで話し出す。

「任務で忙しいから、逢えない。暇が出来た時には、土方さん達とゆっくりと過ごしたい。二つの気持ちも、二つの状況も、良く分かるわ。私だって、忙しい近藤さんに、何時も逢いに来てとは言えないわ。沖田さんのように、時間を空ける努力をして、僅かな時間でも空けば、仲の良い人物に逢う行動は、羨ましいわ。近藤さんにも、沖田さんと同じ行動をして欲しいとは言わないわ。」

近藤勇はお孝を心配して見た。

お孝は近藤勇に微笑んで話し出す。

「近藤さん。暇な時に、綺麗な女性に逢う、文を贈る、歌を贈る、などの行動をしているわよね。間違えたわ。忙しい時でも、綺麗な女性に逢う、文を贈る、歌を贈る、などの行動をしているわよね。」

近藤勇はお孝を困惑して見た。

お孝は近藤勇に微笑んで話し出す。

「近藤さんは、私が居なくても大丈夫よね。私が京の町に居る意味は無いわ。私は大坂に帰るわ。」

近藤勇はお孝に心配して話し出す。

「お孝。本当に帰るのか?」

お孝は近藤勇に微笑んで話し出す。

「勿論。早く大坂に帰って、近藤さんよりも、優しくて素敵な男性を見付けるの。」

近藤勇はお孝を不安な様子で抱いた。

お孝は近藤勇を驚いて見た。

近藤勇はお孝を抱いて、お孝に不安な様子で話し出す。

「お孝。本当に帰るのか?」

お孝は近藤勇に寂しく話し出す。

「一人で居るのは寂しいの。本当に大坂に帰るの。」

近藤勇はお孝を抱いて、お孝に心配して話し出す。

「お孝。一人のみで過ごす時間を多くしてしまった。悪かった。」

お孝は近藤勇に確認する様子で話し出す。

「一人で過ごす時間が続くと寂しいのよ。本当に悪いと思っているの?」

近藤勇はお孝を抱いて、お孝に心配して頷いた。

お孝は近藤勇に呆れた様子で話し出す。

「仕方が無いな。今回は許してあげる。」

近藤勇はお孝を抱いて、お孝に微笑んで話し出す。

「お孝。ありがとう。」

お孝は近藤勇に呆れた様子で話し出す。

「どういたしまして。」

近藤勇はお孝を抱いて、お孝を微笑んで見た。

お孝は近藤勇に微笑んで話し出す。

「今回は、逢いに来たから許してあげるの。次回からは、しっかりと逢いに来てね。」

近藤勇はお孝を離すと、お孝に微笑んで頷いた。

お孝は近藤勇を微笑んで見た。

近藤勇はお孝に微笑んで話し出す。

「今日は、お孝に花と歌を用意した。」

お孝は近藤勇に微笑んで話し出す。

「花の贈り物。歌の贈り物。楽しみだわ。早く知りたいわ。」

近藤勇は障子を少しだけ微笑んで開けた。

お孝は近藤勇を不思議な様子で見た。

近藤勇は梅の小枝を取ると、障子を微笑んで閉めた。

お孝は近藤勇と梅の小枝を不思議な様子で見た。



梅の小枝には、小さい紙が巻きつけてある。



近藤勇はお孝に梅の小枝を微笑んで渡した。

お孝は梅の小枝を受け取ると、近藤勇に微笑んで話し出す。

「ありがとう。」

近藤勇はお孝を微笑んで見た。

お孝は梅の小枝を持ち、近藤勇に微笑んで話し出す。

「梅の小枝の贈り物。梅の小枝に紙が巻きつけてある。面白い趣向の贈り物ね。」

近藤勇はお孝を微笑んで見ている。

お孝は梅の小枝を持ち、小さい紙を取ると、小さい紙を微笑んで見た。

近藤勇はお孝を微笑んで見ている。

お孝は梅の小枝と小さい紙を持ち、近藤勇を見ると、近藤勇に微笑んで話し出す。

「近藤さん。今回の方法は、土方さんから教えてもらったわよね。」

近藤勇はお孝に苦笑して頷いた。

お孝は梅の小枝と小さい紙を持ち、近藤勇に感心して話し出す。

「さすが土方さん。かっこいいな。気が利いているな。素敵だな。みんなの惚れる気持ちが分かるわ。」

近藤勇はお孝を心配して見た。

お孝は梅の小枝と小さい紙を持ち、近藤勇に微笑んで話し出す。

「贈る歌を決めたのは、近藤さん?」

近藤勇はお孝に微笑んで頷いた。

お孝は梅の小枝と小さい紙を持ち、近藤勇に微笑んで話し出す。

「さすが、近藤さんも土方さんも、凄いわね。」

近藤勇はお孝に微笑んで話し出す。

「お孝。土方をたくさん褒めないで欲しい。」

お孝は梅の小枝と小さい紙を持ち、近藤勇に微笑んで話し出す。

「近藤さん。もしかして、やきもちを焼いているの?」

近藤勇はお孝を苦笑して見た。

お孝は梅の小枝と小さい紙を持ち、近藤勇に微笑んで話し出す。

「土方さんは本当に凄い人物よね。」

近藤勇はお孝に苦笑して頷いた。

お孝は梅の小枝と小さい紙を持ち、近藤勇に微笑んで話し出す。

「近藤さん。土方さんも、沖田さんも、斉藤さんも、大切にしないと駄目だよ。」

近藤勇はお孝に微笑んで頷いた。

お孝は梅の小枝と小さい紙を持ち、近藤勇に微笑んで話し出す。

「今回の贈り物の梅の小枝は、近藤さんが一人で用意したの?」

近藤勇はお孝に微笑んで話し出す。

「私と総司と斉藤で、出掛けた。私が一人のみでお孝に逢いに来た。」

お孝は梅の小枝と小さい紙を持ち、近藤勇に不思議な様子で話し出す。

「沖田さんと斉藤さんは、近藤さんが居なくなった後は任務に戻ったの?」

近藤勇はお孝に微笑んで話し出す。

「総司と斉藤には、焦らずに戻らなくて良い、少しならば寄り道をしても良い、と話した。」

お孝は梅の小枝と小さい紙を持ち、近藤勇に笑顔で話し出す。

「さすが! 近藤さん! 優しいな!」

近藤勇はお孝を苦笑して見た。

お孝は梅の小枝と小さい紙を持ち、近藤勇に微笑んで話し出す。

「沖田さん。斉藤さん。今頃は、三人で楽しく話しているわよね。」

近藤勇はお孝に微笑んで頷いた。

お孝は梅の小枝と小さい紙を持ち、近藤勇に微笑んで話し出す。

「近藤さん。今回の贈り物の歌のように、噂をされた時の対処方法が知りたいな。」

近藤勇はお孝に微笑んで話し出す。

「私とお孝は、付き合っている。私は噂になっても構わない。お孝が危険な状況にならなければ良い。」

お孝は近藤勇に嬉しく抱き付いた。

近藤勇はお孝を微笑んで抱き止めた。

お孝は近藤勇に抱き付いて、近藤勇に笑顔で話し出す。

「近藤さん! 嬉しい! ありがとう!」

近藤勇はお孝を抱いて、お孝に微笑んで頷いた。



「梅の花 まづ咲く枝を 手折りてば つとと名付けて よそへてむかも」

梅の花を手折る姿を見られた時、贈り物にすると噂になった時、どうするのか。

近藤勇はお孝に梅の小枝と歌を贈った。

お孝は近藤勇から梅の小枝と歌を喜んで受け取った。

近藤勇もお孝も、噂になっても構わない、と思った様子。

今回も、取りあえずになるが、めでたし、めでたし、となった。




*      *      *      *      *      *




ここからは後書きになります。

この物語は既に掲載している物語の改訂版です。

改訂前の物語の展開や雰囲気を出来るだけ残して改訂しました。

改訂前の物語を掲載するのは止めました。

以上、ご了承ください。

ここからは改訂前の後書きを加筆訂正して書きます。

この物語に登場する歌は「万葉集 第十巻 二三二六番」

「梅の花 まづ咲く枝を 手折りてば つとと名付けて よそへてむかも」

ひらがなの読み方は「うめのはな まづさくえだを たをりてば つととなづけて よそへてむかも」

作者は「詠み人知らず」

歌の意味は、「梅の花の最初に咲いた枝(えだ)を折ったら、「贈り物にするそうだ」と誰かがうわさするかもしれないですね。」となるそうです。

原文は「梅花 先開枝乎 手折而者 ■常名付而 与副手六香聞」

「■」は、変換や説明が出来ない文字のようです。

「つと」という言葉は、「贈り物」という意味だそうです。

この物語の補足です。

この物語は、「新撰組異聞 端月を迎えて少し後の事」、「新撰組異聞 端月を迎えて少し後の事 その後」、「雪月花 新撰組異聞 端月を迎えて少し後の事 恋か隠れる雪を待つとか」、の物語より後の出来事として書きました。

天真爛漫ではっきりと物を言うお孝さん、素朴なのに惚れっぽい近藤さん、二人が中心の物語です。

「端月(たんげつ)」についてです。

「陰暦正月の異称」です。

「端」の字に「はじめ」の意味があるそうです。

そこから、「陰暦正月の異称」となるそうです。

楽しんで頂けると嬉しいです。





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